恐らく今年最後の投稿。時間が進むのは早いですね、皆さん良いお年を
それはともかくどうぞ
ミハルがオークション会場から消えた頃、スバル達はガジェットとの戦闘は苦戦を強いられていた
「ティアナさん!うしろ!」
「チッ!」
エリオの声で背後に回られたガジェットの攻撃をかわしたティアナは反撃とクロスミラージュから魔力弾を放つもAMFに阻まれる
[みんな頑張って!もう少しでヴィータ副隊長が戻ってくるから。それまで持ちこたえて!]
「なっ!守ってばっかりじゃ行き詰まります!ちゃんと全部倒します!」
シャマルの念話にティアナは反論する
「エリオ、下がって!あたしとスバルのツートップで行く!」
「は、はい!」
「スバル!クロスシフトA、行くわよ!」
「おう!」
ティアナの指示でエリオは下がり、スバルはウイングロードで空を走りガジェットのヘイトを集める
(証明するんだ)
ガジェットの攻撃がスバルに集中している隙にティアナはカートリッジを4発も撃ち込む
(特別な才能や、凄い魔力がなくたって。1流の隊長たちのいる部隊だって、どんな危険な戦いだって…)
ティアナの周りに十数の魔力弾が現れる
「私は…、ランスターの弾丸は、ちゃんと敵を撃ち抜けるんだって!」
[ティアナ!4発ロードなんて無茶だよ!それじゃあティアナもクロスミラージュも…!]
「撃てます!」
<Yes>
シャーリーが止めようとするも自分の手で倒すことにこだわるティアナ。それにクロスミラージュも同意する
「クロスファイアァー……シューート!!!」
放たれる魔力弾。それに気づいたガジェット達が振り返るがカートリッジ4発分の威力は凄まじく、ガジェットを次々と破壊していく
「ハアアアアア!!!」
さらにクロスミラージュの射撃で殲滅にかかるティアナ。
が、その時問題が起きた
「ん?ッ!」
ティアナの外した1発が上空にいたスバルに向かっていく。突然のことにスバルは対応が出来ず、弾は眼前に迫る
「だりゃあ!!」
『!!!』
そのピンチを救ったのは前線から戻ってきたヴィータのアイゼンだった
「ヴ、ヴィータ副隊長……」
「ティアナ!このバカ!!無茶やった上に味方撃ってどうすんだ!!?」
現れたヴィータの名前を呼ぶスバル。しかしヴィータはそれを無視し、ティアナを怒鳴りつける
「ぁ…ぁ……」
「あっあの、違うんですヴィータ副隊長。今のも、その、コンビネーションで…」
「巫山戯んな!直撃コースだよ今のは!!」
「ち、違うんです。今のは私がいけないんです!」
自分のしたミスに呆然とするティアナ。スバルも混乱しているのか、無茶苦茶な弁明をする
「うっせぇ馬鹿ども! もういい……後はあたしがやる。2人まとめて、すっこんでろ!!!」
それに耐えられなくなったヴィータの激怒の声が響いた
ホテル・アグスタ 地下駐車場
「ガッ…!!」
「―――」
そこで警備員を後ろから締め上げる『影』がいた
「ッウ――……」ドサリ
力なく倒れる警備員。そして『影』は少しその様子を見た後、何事もなく近くに停めているトラックに近づくと積荷側のドアに手をかける
「―――――!」
バキバキと音を立て、鍵がかけられたドアはその形を歪ませながら開く。そして『影』は積荷の中から小さな木箱を手に取り、中身を確認し立ち上がる
「……おい」
「!?」
突然背後から声をかけられ驚く『影』。ゆっくりと振り返るとそこにはタキシード姿のミハルが立っていた
オークション会場で謎の気配を感じ取ったミハル、彼は己の第6感を信じ、会場をなのは達に任せホテル内を巡回し地下駐車場でその相手と出会った
(ヒト……いや虫、か?)
トラックの荷台から降り、電灯の光によって相手の姿を見たミハルは内心そう考えた。身長はおよそ180cm、体は見るだけでも硬質と分かる鎧のような外殻に尻尾。首には薄ピンクのマフラーを巻いている
「表は陽動、本命はソレか」
「………」
情報を引き出そうと相手の持つ木箱を見ながら話しかけるミハル。しかし相手は無言を貫く
「だんまりか…それとも喋れないのか? まぁいい、お前を捕まえれば済むはな――ビュッ!――っ、危ねぇ!」
デバイスを取り出し変身しようとするミハルに敵―ガリュー―は蹴りを繰り出し、ミハルは慌てて上体を反らし回避するも服の胸元が切り裂かれ、ネクタイの大剣がコンクリートの床に落ちる
「……なるほど、強いな…」
「―――」
地面に落ちたネクタイを見て先程までと違い、完全に戦闘のスイッチを入れるミハル。ガリューもそれを感じたのか構え、ミハルはバリアジャケットを纏うもデバイスは展開せずガリュー同様、拳を構える
「フッ!」
「――!」
同時に動き、互いの右拳がぶつかる
「(想像以上に硬い…!)ッア!」
「!――――」
拮抗した拳はミハルの咆哮と共に押し出し、大きく後方に吹き飛ばされたガリューは地面を転がる
「悪いが次で終わらせる」
立ち上がろうとするガリューにミハルはそう言い放つと神速で一気に懐まで潜り込む
「百の奥義ではなく、一の術理をもって敵を打ち倒す……」
「!――ッ!!」
力を込めた右手を危険と感じたのかガリューは腕部を変形し剣のような武装で斬り掛かる。
だが、ミハルの拳の方が速かった
「
「―――――!!?」
放たれた拳は胴体を打ち抜き、ガリューの体を壁まで吹き飛ばす
「ッフゥゥゥ……」
打ち込んだ体制のまま大きく息を吐くミハル。壁に叩きつけられたガリューはズルズルと地に落ち、壁を背に座り込むように倒れる
「ふぅ…流石に李書文さんみたいにはいかないか」
その様子を見てミハルはそんな言葉をこぼす
「さて、サッサッと拘束して盗もうとした物の確認を……!」
ボヤきながらガリューに近づこうとするとガリューの足元に魔法陣が現れる
「転送魔法!させるか、ランサー!」
<Yes,shot from>
「間に合え!」
<Ice Coffin>
魔法陣を見て転移させぬようガリューを凍りつかせるミハル。急激な温度の低下により周囲は冷気によって白い霧が現れるが直ぐに消えていく
「……遅かったか……」
ミハルが呟く視線の先には既にガリューの姿はなく、氷だけが残っていた
<sorry,master>
「いや、お前が気にする必要はないよランサー」
[ミハル!今の魔力は!?]
謝罪してくるランサーを慰めているとフェイトから念話がくる
[フェイトか、外はどうなった?]
[あっ、うん。シグナム達のおかげでもう殆どのガジェットは破壊できてる……ってそうじゃなくて!]
[そうか、…多分、外のガジェットは囮だ。ホテルの地下で人型の召喚虫と戦闘した。深手は与えたが召喚魔法で、盗んだ荷物と一緒に逃げられた]
[え?…ぇ、ぇえ!?]
ミハルの報告に驚きを隠せないフェイト
[それと、盗まれた積荷のトラック。多分だが密輸取引のだ]
[エッ]
[…悪い。スカリエッティの件もあるのに仕事増やしちまった]
[うっ、ウゥゥゥ……]
念話先でもフェイトの頭を抱える姿がミハルには容易に想像出来た
山の中、ルーテシアとゼストの元に転移させたガリューが魔法陣から現れる
「ガリュー!…大丈夫?」
「―――」
戻ってきたガリューに駆け寄ったルーテシアはガリューの胴体のひび割れた外殻を触りながら問いかけ、ガリューは心配ないとルーテシアの頬を撫でると、頼まれていた木箱を渡す
「うん……。ありがとう、頑張ったね。ドクターの元にはインゼクト達に運ばせるから、ゆっくり休んで」
「―――」コク
小さく頷くとガリューはルーテシアのデバイスの中に戻る
「…戦いも、もう終わりだ。前線の騎士達がなかなか良い働きをした」
戦いの様子を見ていたゼストが話しかけるとルーテシアは立ち上がりゼストのコートを掴む
「さて、お前の捜し物に戻るとしよう」
「うん」
破壊させるガジェットの黒煙に背を向け2人は森の中に消えていった
オークションも終わり。六課の調査班が破壊したガジェットを回収する中、なのは達前線メンバーも協力していた
[えっと、シャーリーさん?]
[ハイナー?]
そんな中、キャロが念話でシャーリーに話しかける
[フェイトさんとミハルさんと一緒にいらっしゃる方、考古学者のユーノ先生と伺ったんですが…]
[そう、ユーノ・スクライア先生。時空管理局のデータベース、無限書庫の司書長にして、古代遺跡の発掘や研究で業績を上げてる考古学者。……局員待遇の民間学者さん。ってのが1番しっくり来るかな?なのはさん達の幼なじみ何だって]
「そうなんですか」
シャーリーの説明を聞き頷くキャロ
「そう…ジュエルシードが」
「うん。局の保管庫から地方の施設に貸し出されてて、そこで盗まれちゃった見たい」
「向こうの施設もなんで今まで黙ってたんだか…、安全な使用方法が分かってるとはいえ1歩間違えれば大惨事になる代物なのによ」
会話をするフェイトにユーノ、ミハルは保管されていたジュエルシードがガジェットに使用されていた事に着いての経緯を話していた
「まぁ、引き続き追跡調査はしてるし。私がこのまま六課で事件を追っていけば、きっとたどり着く筈だから」
「フェイトが追ってるスカリエッティ……」
「……」
ユーノがもらした名前にミハルは少しだけ顔に影を落とす
「うん。でも、ジュエルシードを見て懐かしい気持ちも出来て来たんだ。辛いこともあったけど……私にとっては色んなことの始まりのきっかけでもあったから」
「「……」」
しかしフェイトの言葉でその影も直ぐに消えユーノと共に小さく笑う
「ユーノくーん!フェイトちゃーん!ミハルくーん!」
するとそこになのはが手を振りながら3人の元にやってくる
「なのは、ちょうど良かった。アコース査察官が戻られるまでユーノ先生の護衛を頼まれてるんだ交代、お願いできる?」
「うん!了解!」
フェイトの頼みになのはは嬉しそうに敬礼をしながら答える
「エリオ!キャロ!地下の検分するからちょっと着いてきてくれ」
「あっ!はい!」
「今行きます!」
ミハルが近くにいたエリオとキャロに声をかける
「じゃ、また後でね」
「うん」
「ユーノ。今度時間があったらクロノとかと飯でも食いに行こうぜ」
「うん。司書の仕事が忙しいから、いつになるかは分からないけどね」
2ユーノに別れを告げながら護衛をなのはに任せミハルとフェイトは地下駐車場に向かい、なのはとユーノはその場に残った
「「……っ、…フフッ」」
周りに人がおらず、無意識に見つめ合っていた2人が少し恥ずかしそうに笑い合う
「……あの2人、付き合ってどれくらいだっけ?」
その様子をミハルが首だけ後ろを見ながらフェイトに問いかける
「えっと…、2年くらい前かな?クロノとエイミィが結婚したのがきっかけで付き合い始めたから」
「交際1ヶ月にしか見えねぇ…」
答えを聞き、その初々しさにミハルは思わず砂糖を吐き出したくなった
李書文
ホームステイが終わりアイルランドに帰国し、特訓をしていたある日、道場破りとしてやって来た男。
スカサハとの対決で引き分け、その武術に興味を持ったミハルが頼み込み渋々ながら教えた……が、面白いように技術を修めるミハルに機嫌を良くして无二打まで教えてしまった
无二打(にのうちいらず)
ミハルが李書文から教わった八極拳の技。李書文本人と比べれば劣るも、当たれば相手を戦闘不能に追い込む威力を持っており。神速(偽)との併用により強力な一撃となる