魔法少女リリカルなのは ~朱槍の魔道士〜   作:がっしー

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第56話投稿です。

Fgo、プリヤイベ復刻並びに美遊実装!その嬉しさを糧に書ききりました。もっと細かく2人の戦闘シーン描きたいので後で書き直すかも知れません

それはともかくどうぞ




なのはVSミハル

 

「「……………」」

 

睨み合うミハルとなのは。まるで深海にいるような空気の重さに見学をしていたフェイト達もその場から動けない

 

「ぅ……―――」

「…ゆっくり休みな、ティアナ」

「ティア!」

 

すると限界だったのかティアナが意識を失い、それに気づいたミハルがティアナの体を横にすると、バインドに縛られたままのスバルが駆け寄ってくる

 

「スバル。ティアナを頼む」

「は、はい」

 

ミハルはスバルにかけられたバインドを解きながらティアナ任せ、再びなのはに視線を向ける

 

「そこをどいて、ミハル君」

「それは無理な相談だ、なのは」

 

なのはの言葉にミハルはランサーの矛先を向けながら拒否する

 

「何故、ティアナにクロスファイアを撃った?最初はともかく、2発目は間違いなく過剰攻撃だ」

「……無茶なことする子に、お仕置きしただけだよ」

「それが今、この現状だと?巫山戯るのも大概にしろよ?」

「………どいてミハル君」

「断る」

 

再度なのはの言葉を真っ向から切り伏せるミハル。するとなのはの周囲に魔力弾が現れる

 

「そこを退きなさい、ミハル=クリフトス二等陸曹。…これは命令です」

「!」

 

自分のことをフルネーム、それも階級で命令するなのはに驚きで目を見開くミハル。しかし、驚きはすぐになりを潜め、その顔は戦士のそれに変わる

 

「……先も言ったが、断る。高町なのは一等空尉」

 

グッとなのはが唇を噛む、すると待機状態に戻っていたレイジングハートが再びなのはの手に現れる

 

「そう…、クリフトス陸曹、上官の命令無視により貴方を拘束します」

「やってみろ、高町空尉…いや、エースオブエース」

 

そう言い放ち、デバイスを構えようとするミハルに、なのはの魔力弾が殺到した

 

「っ…!いきなりか!」

「当たり前でしょ。これは訓練じゃないんだから」

 

その魔力弾を躱しウイングロードから飛び出すミハル、空を飛びながら毒づくと、なのはが当然のことを口にする

 

「そりゃそうだ…なッ!」

 

納得すると同時になのはに向かって飛び込むミハル。迎撃に放たれた魔力弾を躱す、またはランサーで弾き、なのはに接近し、デバイスを振り下ろす

 

「オリャア!」

<Protection>

 

しかしミハルの一撃はレイジングハートが作ったバリアに防がれ周囲に打撃音が響く。そしてバリアの向こう側ではなのはがレイジングハートを構える

 

「ショートバスター」

「詰めが甘ぇ!」

 

なのはが持つ最速の砲撃魔法。ミハルはそれをほぼゼロ距離から身を翻し回避すると、付かづ離れずの距離で攻め立てる

 

「どうした?受け止めるだけか!」

「っ!」

 

ミハルの挑発に一瞬怒りが顔に出るなのは。そのまま攻めの手を休めずミハルが口を開く

 

「なのは、俺だって長い付き合いだ。…お前が何を思ってティアナ達の教導をしてるか、理解はしてるつもりだ」

「……だったら!」

 

なのはが絞り出すように声を出すと、ミハルの頭上からなのはの魔力弾が迫る。ミハルはそれを見えているかのようにバックステップで躱す。

2人の距離が開き、戦闘時が消える

 

「だが理解する事と、納得する事は違う…」

<Load Cartridge>

 

ランサーのカートリッジを打ち込むミハル

 

「!、レイジングハート!」

<Round Shield>

 

増大するミハルの魔力に対応しようと、なのはが障壁を前面に展開する

 

「確かにお前の教導は正しい。そのお前の教育なら、弟子も上手く育っていくだろう。だが、今のお前には、決定的に心の余裕が欠けている」

 

ランサーがミハルの右腕を巻き込み巨大な氷槍となる

 

「一片氷心」

<Rioto Buryunaku>

「ッ…、アクセルシューター!」

 

氷槍を構える突撃するミハル。その大ぶりの一撃になのはのアクセルシューターが直撃するが、ミハルは顔色ひとつ変えず突き進み、障壁と氷槍が激突した

 

「くうぅぅぅ……!」

 

苦悶の声を上げるなのは。凄まじい衝撃音が響く

 

「なのは。お前も1度、頭を冷やせ」

「っ!!?」

 

障壁が音を立てて割れ、氷槍がなのはを貫く

 

「きゃぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

氷槍に吹き飛ばされ地上へと激突するなのは。ミハルはゆっくりとなのはの元に降りる

 

「リミッターがあるとはいえ、こうして一方的に倒されるほど、今のお前は弱い」

「くぅ、ぅぅぅ…」

 

痛みに顔を歪ませながらデバイスを支えに立ち上がろうとするなのは。それを見下ろすミハルはデバイスの穂先をなのはに向ける

 

「……終わりだ」

 

冷たい言葉と共にランサーが振り下ろされる

 

 

 

 

 

ヒュッ――ガキンッ!

 

 

 

 

刃がなのはに触れる直前、漆黒の鎌が朱の槍を止めた

 

「…もうやめて……ミハル」

「ミハル、これ以上は黙ってる訳にはいかねぇぞ」

「フェイト、ヴィータ…」

 

自身のデバイス、バルディッシュを構え、泣きそうな顔で懇願するフェイトと上空からアイゼンを肩に担ぎ、睨みつけてくるヴィータ。ミハルは2人を見て小さく息を吐く

 

「どうした、来いよ? 2人がかりでも俺は構わないぞ…」

「「………」」

 

ミハルの冷たい瞳を向けられフェイトとヴィータは押し黙ってしまう。するとミハルは目を閉じ――

 

「……なんてな。さすがに俺も2対1で勝てると思うほど慢心してねえよ」

 

――開くと先程までの冷徹さは消え、普段の気さくそうな雰囲気へと戻っていた

 

「「………」」

 

いつも以上のミハルの豹変ぶりに、フェイトとヴィータは鳩が豆鉄砲をくらったような顔をし、先程とは別の意味で黙ってしまう。それを他所にミハルはランサーを待機状態に戻しその場から離れていく

 

「…ッ、待やがれ!どこ行くつもりだ!?」

「どこに行くって、はやての所だよ。成り行きとはいえ、一兵士が上官の命令無視。挙句、怪我まで負わしたんだ。部隊長に報告と処罰受けに行くのは当たり前だろ」

 

持ち直したヴィータが慌てて聞き、それに答えたミハルは手を振りながらながらその場を後にする

 

「ミハル……」

「ミハル君……」

 

遠ざかる男の背中を見つめながら2人の女性はその名を呼ぶもミハルには聞こえることはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――で、ここに来たわけだ」

「…………ハァァァーーー」

 

六課部隊長室、先程のなのはとの1件を報告したミハル。それを聞いたはやてからため息が漏れる

 

「オイオイ、そんな重いため息なんかつくなよ。幸せが逃げるぞ?」

「誰のせいやと思っとるねん!!!」

「はやてちゃん、落ち着くですよ」

 

諸悪の根源の自覚のない言葉に思わず机を叩くはやてにリインが慌ててなだめる

 

「まぁ、お巫山戯はさておき…俺の処罰はどうなる?」

 

お気楽そうな雰囲気を消し、真面目な顔で話を進める

 

「謹慎1週間、それが妥当なとこやな。命令無視はギリギリ理由付ければええけど、…怪我させたんはなぁ」

「まぁ、そうだよなぁ…」

「もぉ、ダメなんですよミハルさん!どんな事情があろうと女の子を怪我させるのはメッ、なのです!」

 

はやての決定に分かっていたとはいえ気落ちするミハルにリインがお説教をする

 

「それにしても普段温厚なミハ兄がここまでとはなぁ……」

 

その光景を尻目にランサーから映し出されたなのはとの戦闘映像を見ながらはやてがそんなことを呟く

 

「戦闘中にも言ってるが。別に、なのはの教導が間違ってるとは俺は思ってないぞ」

「じゃあ怒ったのはティアナに砲撃をしたこと?」

「俺はティアナを砲撃した事じゃなく、ティアナの努力を真っ向から否定したことに怒ったんだよ」

 

ミハルの発言に質問するはやてにミハルは理由を話し出す

 

「昔さ、故郷で修行してた頃、基礎練習ばっかりで飽きてた俺は、師匠の目を盗んで教えられたこと無視して我流の特訓をしてた」

「アレですか?アニメや映画の戦闘シーンみたいな?」

「あぁ、実践的と言うより魅せる為の動きだな」

 

リインの問いに懐かしむように答えるミハル。するとその顔が青ざめる

 

「それである日、師匠の前でその動きをしてしまったんだ。――そしたら大激怒。…あの世の淵に立った気分だったよ」

「あー、確かにスカサハさん。基本優しいけど怒ると怖い印象あるなぁ」

「です〜」

 

話を聞きスカサハが怒った姿を想像し苦い顔をするはやてとリイン

 

「……でもな、その後師匠はこう言ったんだ。『あの様な「ごっこ」の真似には怒ったが、自ら高みを目指し、努力する事は良い。我が弟子として誇らしく思う』ってな」

「つまりミハ兄がなのはちゃんに怒った理由は…」

「……間違えるのは当たり前だ。人間は、機械やロボットなんかじゃない…だから俺は、間違いを否定しただけのなのはが許せなかった。それだけだ」

「「………」」

 

今回の1件でミハルが手を出した理由、それを聞いた2人は無言になる

 

「聞きたいことはもう無いだろ?1週間、隊舎で大人しく謹慎くらっとくよ」

「……うん」

 

はやてにそう言い残し、ミハルは部屋を後にした

 

 

 

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