前回からかなり時間が空いてしまい申し訳ありません。strikersのラストに向けてあーでもないこーでもないと話を練っていたらこんな事に……とにかく今後も投稿頑張って行くのでよろしければ見ていってください。
それはともかくどうぞ
9月11日 機動六課隊舎
「――という訳で、明日はいよいよ公開意見陳述会や。明日14時からの開会に備えて現場の警備はもう始まってる」
現在ロビーではミハル含めた前線メンバーがはやての話を聞いていた
「なのは隊長とヴィータ副隊長、リイン曹長とフォワード4名はこれから出発。ナイトシフトで警備開始」
「皆、ちゃんと仮眠とった?」
『はい!』
フェイトの質問に深夜警備に出発する7人が返事をする
「私とフェイト隊長、シグナム副隊長にミハル陸曹は明日の早朝に中央入りする。それまでの間、よろしくな」
『はい!』
話が終わり敬礼をし、地上本部に向かうなのは達を見送るべくヘリポートまでついて行く
「…? あれヴィヴィオ?」
ヘリに乗り込んてゆくスバル達。最後に乗り込もうとしたなのはがふと振り返るとそこには六課の寮母をしているアイナ・トライトンとヴィヴィオが立っていた
「どうしたの?ここは危ないよ?」
「ごめんなさいねなのは隊長。どうしてもママのお見送りするんだって……」
ヘリから離れ2人の元に歩いていくとアイナがヴィヴィオの肩を抱きながら謝罪する
「もう、ダメだよ?アイナさんに迷惑かけちゃ」
「ゴメンなさい………」
それを聞きなのははヴィヴィオの前でしゃがむと鼻を少し摘んで注意するとヴィヴィオは少し下を向き謝る
「なのは、夜に居ないのは初めてだから不安なんだよ。きっと」
「あぁ…そっか……」
見送りに来ていたフェイトのに納得したのか、なのははヴィヴィオの頬にそっと手を添える
「なのはママ、今夜は外でお泊まりだけど。明日の夜にはちゃんと帰ってくるから」
「……ぜったい?」
優しく言い聞かせるなのはにヴィヴィオが念を押すように質問する
「絶対に絶対。いい子で待ってたら、ヴィヴィオの好きなキャラメルミルク作って上げるから。ママと約束ね?」
「…うん」
優しく笑うなのはにヴィヴィオの顔から不安が無くなり、2人は指切りをして約束を交わす
「よーし!それじゃヴィヴィオ!ちゃんとなのはママの見送りするぞ」
その様子を見ていたミハルがヴィヴィオを両手で抱え上げそのまま肩車をする
「わァ…高ーい!」
一気に視線が高くなり最初は驚いていが、いつもとは違う視界に興奮するヴィヴィオ。
温かな空気に包まれながら、なのは達は地上本部へと出発した
「……さて、私達も9時間後には出動や。仕事片付けて早めに休もか」
「さ、戻ろうヴィヴィオ」
「うん」
夜の空に消えていくヘリを見送ったミハル達ははやての言葉でそれぞれその場を後にした
機動六課隊舎
「はい、これでよし」
ヴィヴィオをパジャマに着替えさせたフェイトが髪を梳くように撫でていると通話のモニターが開く
「あれ、義母さんからだ?」
通話相手に少し驚きながらフェイトはボタンを押して通信を開くとモニターにリンディの顔が映し出された
「はーい!元気だった?」
「うん。こんばんわ、母さん」
「ヴィヴィオも、こんばんわ?」
「あ、こんばんわ」
「何かありました?」
「うん。明日の陳述会なんだけどね?私も顔だそうかどうしようか迷っちゃって…」
挨拶を済ませ、夜遅くに通話してきた理由を尋ねるフェイトにリンディは少し困った顔をしながら話を切り出す
「あぁ、大丈夫だと思いますよ。クロノも別の任務中ですし、本局の方も余りいらっしゃらないとか」
「あーそう?暫くぶりに娘の顔も見たいし。……ヴィヴィオとも会いたいんだけど…」
陳述会に出なくても問題ないと言うフェイトに年齢に似合わぬ愛らしい仕草をしながら微笑むリンディ
「あの、母さん?私は警備任務ですし、ヴィヴィオは寮でお留守番ですから…」
「あーそっか。そうよねぇ〜 随分会ってないから寂しくて。最近どお?ちゃんと食べて寝てる?あと―――」
少し困った顔をするフェイトの返答にリンディはどの道ちゃんと会う時間が取れないことに肩を落とすも、その後は母親らしく娘の生活を気にする会話を続ける
「――あ、そうだ。ねえフェイト?最近ミハル君とはどうなの?」
「え?ミハルとですか?」
「ミハルさん?」
すると何か思い出したかのようにリンディがミハルとの関係を聞いてくる。話を聞くだけしか出来なかったヴィヴィオもミハルの名前が出て反応する
「どう…と聞かれてもいつも通りですよ?特に変わったことは……」
「ハァーーー………うーん、クロノもそれなりに奥手だったけどミハル君も中々…でも、フェイトもフェイトで鈍いところがあるし……」
特に進展が無かったことにため息をつきその後小さくブツブツと何かをつぶやくリンディ
「あっ、でも最近考え事をしてる事が多いような」
「あら?アラアラアラ?」
しかしフェイトが思い出したかの様にミハルの変化を口にすると途端にリンディは嬉しそうに笑顔になる
「か、母さん?どうしたの急に?」
「ううん何も。杞憂だったみたいで安心ただけよ。それじゃあもう夜も遅いし切るわね?お休みなさい」
「あ、うん。あ休み」
「ヴィヴィオもお休みなさい」
「お休みなさい」
急激なテンションの上下に驚くフェイトを他所にリンディは別れの挨拶をし通話を切った
「……どうしたんだろ。急にミハルの事聞くなんて?」
真っ暗になったモニターを消しながらリンディの反応を思い返すフェイト
「フェイトママ、眠い……」
「あ、うん」
すると遂に眠気が襲ってきたのかまぶたを擦りながら話しかけるヴィヴィオに返事をするフェイト。しかし彼女の頭には先の会話とミハルの顔がチラついた
「…ごめんねヴィヴィオ、フェイトママ少し用事が出来たから先に寝ててくれる?直ぐに戻るから」
「……わかった……」
普段なら多少だだをこねる場面だが眠気には勝てなかったのか頭をふらつかせながら答えたヴィヴィオをベットに横にし、フェイトは自室を出てミハルの元に向かった
「スーー、フゥーーー……」
他の局員がいない隊舎のフリースペースに1人、椅子に座りタバコを吸うミハル
「っ、オイ。誰だ…」
横のテーブルに置かれた灰皿に灰を落とし再び咥えようとすると後ろからタバコを奪われ注意しようと振り返るミハル
「フェイト……」
「最近タバコ吸いすぎ。ダメだよミハル」
そこにはミハルから奪ったタバコを灰皿に押し付けるフェイトの姿であった
「お前っ、もう残り少ないってのに…」
「だからだよ。最近急に本数増えてるでしょ?体に悪いよ」
「ムッ……」
文句を言うミハルだったが実際に最もなことをフェイトに言われ反論出来ず黙ってしまう。その姿に小さく微笑むとフェイトは近くの椅子に座る
「……なぁフェイト。もし、プレシアさんが今でも何か悪事を働いていたなら。お前はどうする?」
「? そう…だね……」
突然の質問に意味がよく分からず首を傾げるフェイトだが、ミハルの刺すような目を見て真剣に考える
「…………止めるよ。絶対。プレシア母さんにそんな酷いことして欲しくないから」
「そうか……」
優しくも芯の通った声で答えたフェイトにミハルは小さく頷くと椅子から立ち上がる
「変な質問して悪かった、でもお陰で少し頭がスッキリした」
「ううん。私も話したいことがあったけど、今のミハルの顔見たら大丈夫だって思えたから」
フェイトが微笑みミハルもそれに釣られ笑う
「ふっ…ほら、もう時間も遅い。早く戻らないとヴィヴィオが泣いちまうぞ」
「うん。ミハルもね」
「あぁ」
手を振りながらミハルは自分の部屋へと戻って行った