皆さん今年のFGOの夏イベはどうですか?自分は
PU1 武蔵1 刑部2 カーミラ2
PU2 不夜キャス1 ジークフリート1 術ギル1
PU3 バニ上1 沖田3 メルト1
と、今年の水着サバ全員コンプするとこが出来て大満足です。その分財布も薄くなりましたけどね……
それはともかくどうぞ
カン!キン!――ガガガ…ドン!
「ムウー!邪魔っス兄さん!」
「いい加減に…退け!」
「退くわけないだろが!」
ギンガを入れたケースを持ってこの場を去ろうとするウェンディとノーべの進路の前に立ち、逃走の妨害をするミハル
「ガァ! アァ゙!」
一方のスバルは怒りに我を忘れたままチンクの障壁を殴り続ける
「クッ…舐めるな!」
守りに入っていたチンクがナイフを構える
「っ、世話がやける!」
<Ice Wall>
チンクの動きを片目に捉え、小さく舌打ちをしたミハルが2人の間に氷の壁を作り出し放たれたナイフからスバルを守る。しかしそれによってミハルの注意が僅かに逸れる
「オラァ!」
「グッ!」
その隙を敵が逃すはずがなく、ノーべの蹴りが側頭部に叩き込まれミハルが呻き声を上げ膝をつく
「チャンス!」
ウェンディがミハルの横を通り抜け逃走を図る
―――ヒュイン ヒュイン
「のあっ!?」
しかしミハルを横切り少し進んだところでウェンディは突如、背後から謎の力によって乗っていたライディングボートから引き離され、再びミハルの前に戻される
「イタタ…これは糸?」
「……悪いが俺も余裕が無いからな」
尻もちをつきながら自分の体に巻きついた半透明の糸に気づくウェンディに先のノーべの攻撃でこめかみから僅かに血を流したミハルが立ち上がり
「――切れる手札は全て使わせてもらう」
右手に槍を、左手からは鋼鉄の糸を揺らめかせ、背後には魔力で作った数本の氷柱を作り出す
「「っゥ……!」」
ミハルから発せられる気迫に思わず息を詰まらせる2人。睨み合いの中、ミハルが糸を使いフライングボートからギンガの入ったアタッシュケースを足元に引き寄せる
「ギンガは返してもらう」
「あっ!せっかく捕まえたタイプゼロが!」
「関係ねぇ。兄貴も倒して目標2人確保だ!」
驚くウェンディに言い放ち一直線に突っ込んでくるノーべにミハルは呆れたようなため息を漏らす
ブォン――ガン!
「なっ!?」
フェイントや駆け引きが無かったとはいえ数刻前にミハルの膝をつかせた蹴りが片手持ちの槍に受け止められ目を見開くノーべ
「俺を倒すつもりなら2人で連携するか、この前俺を蹴り飛ばしたトーレを連れてこい」
淡々とした口調で答えたミハルは糸でノーべを拘束し壁に叩きつける
「グア"ッ…!」
「ノーべ!」
「次はお前…?」
苦悶の声を漏らすノーべの名前を呼ぶウェンディに声をかけたミハルが糸から左手に伝わる感覚に違和感を覚え、視線を向けると糸で捕縛していたノーべの姿が消えていた
「コレは…」
自分の拘束がそう簡単に解かれることがないと自負しているミハルは、ある可能性を思い当たりウェンディに視線を戻がウェンディも先程の場所から忽然と姿を消していた
「………」
「いただき!」
慌てることなく周囲に注意を払うミハル。すると背後から声が発せられる
「オラ!」
「って、ノァ!?」
声のする方に回し蹴りを放つと床から上半身を生やしたセインが冷や汗をうかべた顔で蹴りを躱わしていた
「危な!」
「チッ、意識を奪うつもりだったが…運のいいやつめ」
「そして怖!」
ヒイイ、と情けない声を上げながら再び床の中に逃げ込む
「撤退するよチンク姉!」
「すまんセイン…助かった」
セインはアタッシュケースの奪取を諦め。離れた場所で戦っていたチンクの元に現れ、2人はそのまま床の中に消えていった
「まあ"あぁぁてぇぇぇええ!!」
だがスバルはチンクの消えていった床を叫びながら殴りつける
「…手荒になるが許せよスバル」
永遠に床を殴り続け拳から血を滲ませるスバルを見てられないと謝罪しながらミハルは糸を使い拘束する
「こっんのおぉぉぉおおお!」
それでもスバルは拘束を引きちぎろうとするがミハルは背後には浮かせた氷柱を囲む様に設置し、その氷を元にスバルの体を首元まで氷漬けにした
「落ち着けスバル、ギンガは取り戻した」
「うっっっっ……!!!」
何とか落ち着かせようと声をかけるもスバルは聞く耳を持たず無理矢理にでも拘束から抜け出そうとする
「スバル!」
「ミハル君、これは…!」
そこになのは達が追いついた
「説明は後だ。ティアナ!スバルを落ち着かせろ、無理なら意識を奪って連れていく。なのは、多少不得手だろうが回復魔法を頼む。ギンガの容態が酷い、ここで応急処置をする」
「は、はい!」
「分かった」
広間の現状に驚きつつもミハルの指示に従い動き出した
機動六課
「この子で、間違いない?」
炎を上げる六課を背にルーテシアはガリューに抱かせた意識のないヴィヴィオをモニターに映るウーノに見せ確認を取る
『はい、間違いありません。保護して下さってありがとうございます。その子もとても可哀想な子なんです。お疲れでしょうお迎えを出します』
「平気、安全に転送できる所までⅡ型で飛ぶから」
『分かりました。お気おつけて』
短い通信を終えルーテシアはガジェットに乗り離脱する
「クッ……」
「ヒドイ……」
時を同じくしてフリードに乗ったエリオとキャロは崩れ落ちる六課を見て悲痛な顔をする
「あの子、ヴィヴィオが!」
「ッ………!」
視界に映ったルーテシア達を見つけた2人。連れ去られるヴィヴィオを見てエリオは自分の過去がフラッシュバックした
―――楽しい家族の団欒。そこに現れた数人の黒服達によって引き裂かれた
『パパ!ママ!』
『やめて!やめてください!』
『貴様ら!一体なんの権利があって…!』
『それはこちらのセリフでしてね』
無理矢理引き離され、怒りをあらわにする父に黒服たちの後ろから科学者らしき男が現れる
『モンディアル家のご子息。エリオくんは既に病気で亡くなられている』
『……ぇ』
科学者の言葉に両親に必死に伸ばしていた手を止めるエリオ
『そしてこの子は、亡くなった息子さんの特殊クローン………プロジェクトF。忌まわしき生命創造技術で生み出された劣化コピーです!』
最初は淡々とした口調で話していた科学者の口が歪み最後は吐き捨てるように声を荒らげる
『パパ…ママ……』
『『…………』』
科学者の言葉を信じたくない一心でエリオは震えた声で助けを求めるが、両親はエリオに伸ばしていた手を下ろし顔を伏せてしまう
『ッ嫌だ!パパ!ママ!!助けて!!イヤダーーー!!!』
黒服達に連れ去られるエリオは必死に手を伸ばすが両親が再びエリオに向かって手を伸ばすことはなかった――――
「ッ! ストラーダ、フォルムツヴァイ!!」
<Dusenform>
連れ去られるヴィヴィオを幼き日の自分が重なったエリオはストラーダの穂先部分から噴射口が変形し現れる
「エリオくん?」
「キャロ、フォローお願い!」
「エリオくん!」
驚くキャロを尻目にエリオはフリードの背から飛び降りる
<Explosion>
飛行魔法を持たないエリオ。しかし空中を落下しながらストラーダがカートリッジを1発打ち込む
「ブースト!」
<Start>
エリオの掛け声と共に噴射口から魔力を噴射しルーテシア達に向かって一直線に飛ぶ
「うおおおおぉぉぉお!!!」
「――――」
「! うわァ!?」
だがルーテシアに届く前にガリューの飛び蹴りをもらい吹き飛ばされる
「くっ! どけぇぇえ!!!」
「――!」
即座に体勢を立て直し突進するエリオにガリューが構えを取る
――ガキン ザッ ヒュバン!
「―――」ピシッ
「グウ!」
交差する一瞬に3度の斬り合い。ガリューの左手の鉤爪は半ばで折れ、エリオは右肘から肩にかけ斬られ血が流れた
「――失礼」
「なっ?!」
痛みに動きが止まったその瞬間、背後からディードが現れツインブレイズを振り下ろす
「ガッ………」
不意の一撃に回避も防御も出来ずエリオは意識を失い海へと落ちていく
「エリオく――キャ!」
落下していくエリオを慌てて受け止めようとするキャロだったがディード同様、背後から現れたオットーのレイストームによってフリードごと身体を拘束され飛沫を上げ海に落ちた
「さっきのはFの遺産でしたか…まぁ、死んではいないでしょうが。お嬢様、後の始末はガジェット達にしてもらいます」
「ガリュー。行こう」
ディードに促されルーテシア達は燃え盛る六課に背を向けた
ミッド上空
「スカリエッティは何処にいる!どうしてこんな事件を起こす!」
互いに決定打が打てず一旦距離をとったフェイトが問いかける
「お望みでしたら何時でもご案内します」
「勿論、貴方が我々に協力してくれるのならですが」
「彼は犯罪者だ、それも最悪の!!」
トーレとセッテの返答にフェイトは声を上げると2人は沈んだ顔をする
「悲しいことを言わないで下さい。ドクターは貴方やあの少年の生みの親の様なものですよ」
「っ!」
「貴方がだの命はドクターがプロジェクトFの基礎を組み立てたからこそ…「黙れ!!」」
「…仕方ありませんね」
フェイトの拒絶の言葉に諦めたのか2人の周囲から光の粒子が現れる
「またお会いすることになると思いますが、その時はゆっくりとお話を」
「あぁ、それからもうお気づきかも知れませんが―――」
数秒、周囲を光が埋め尽くす
「――次は、貴方は私達には勝てません」
「っぅ〜〜!」
光が収まり姿の消えたトーレの言葉にフェイトは自分の不甲斐なさに歯を食いしばることしか出来なかった
『ミッドチルダ地上管理局の諸君。気に入ってくれたかい?ささやかながら私からのプレゼントだ』
地上本部全体に突如として現れたモニターに映し出された映像。そこに映し出されたスカリエッティは上々と言った顔で演説を始めた
『治安維持だの、ロストロギア規制だのと言った名目に圧迫され正しい進化の技術を促進したにも関わらず。罪に問われた稀代の技術者達……今日のプレゼントはその怨みの一撃とでも思ってくれたまえ』
口を三日月の様に変え笑を浮かべるスカリエッティ
『しかし私もまた人間を、命を愛する者だ、無駄な血は流さぬよう努力はしたよ。可能な限り無血に人道的にね。――忌むべき敵を一方的に制圧する事の出来る技術、それは十分に証明出来たと思う……今日はここまでにしよう。素晴らしい人材と技術が必要ならば、何時でも私宛に依頼をくれたまへ!格別の条件でお譲りする。――フ、フハハハ。アハハハハハハハ!』
上を見上げ高笑いをするスカリエッティ。だが突然笑うのをやめ、再びモニターに視線を合わせる
『あぁ…それと個人的な事だが一つだけ―――望むなら私の元に来ても構わないよミハル。私の息子よ』
その言葉を最後に通信は切れ、モニターは消えていく
この日、機動六課…否、時空管理局はスカリエッティに敗北を喫したのだった