今年最後の投稿。2部5章、オリオンとアルテミスのカップリングに尊さが限界を超えました。なんアレ……いっぱいちゅき。
それと実は最近Twitterでナトさんがシンフォギアの主人公たちの獣化イラストを見て響たちの獣化の作品作ってみたいと思いつつも掛け持ちとか余計投稿遅くなると思って踏みとどまってます。
それはともかくどうぞ
アースラのアラートが鳴る数刻前――
先の陳述会の議題にも上がっていた巨大魔法攻撃兵器、アインヘリアル。その周囲を無数のガジェットが襲撃していた
「クソ、魔法が通りづらい!」
「対フィールド弾を打てる奴!固まって迎撃!」
兵器の警備をしていた地上部隊の局員が迎撃にあたるもガジェットの数に押され戦況は芳しくない
「チッ!地上守備隊。……守備隊!おい、応答しろ!!」
救援を頼もうと1人の隊員が通信を繋げるが通話先から答える者は誰もいない
「グゥ……」
そして現在、救援を求めた守備隊はたった1人の敵に無力化されていた
「いやー、データ蓄積のお陰で随分楽に動けるようになったっスね。ねぇ?オットー、ディード」
肩を回しながらこれまで以上に快適に動く体に感心しつつ同意を得ようと空に浮かぶ妹達に同意を求めるウェンディ
「「…………」」フイ
「んなぁ!…くっそ〜、此奴ら苦手っス…」
しかし2人は何も答えず黒煙を上げ始めたアインヘリアルに視線を向け、無視されたウェンディは少しだけ拳をワナワナと震わせる
『ウェンディ。2号機は私とセッテ、ノーべが既に制圧した』
「あー、こりゃ、お疲れっス!」
そこにトーレからの別のアインヘリアル破壊の報告を受けウェンディは機嫌を直し応答する
『そっちも終わったか?』
「完全制圧っス。オットーとディードがざっくり本体にダメージを」
『そうか、ご苦労だった』
「えへへ!んで、1号機はクア姉とセインとディエチ。稼働時間の長い熟練のバックストリオ!」
『問題なく制圧したそうだ』
互いの状況を確認し合うナンバーズ達。
結果、地上本部が多額を投資し作り上げた新兵器は、ものの10分程で全てが鉄くずに変貌したのだった
スカリエッティ研究所
『アインヘリアルの襲撃と制圧、ほぼ完了です。妹達も初回出撃からのデータを蓄積、行動に反映できています』
「あぁ…素晴らしい。素晴らしいよ」
自身の研究所で1人残ったスカリエッティは普段そばに控えているウーノから作戦の報告を通信から聞き満足気に答える
『失敗が目立つ人造魔道士と比較して、私たち戦闘機人はトラブルが少ないですね』
「元は最高評議会が主導で管理局が実用寸前にまでこぎつけていた技術だからね…それを私が随分と時間をかけて改良しているんだ」
『良質なハズです』
「人造魔道士の製造もまた、ゼストやルーテシアが長期稼働してくれたおかげで随分と貴重なデータを取ることが出来た。彼らの失敗と成功のおかげで、『聖王の器』も見事な完成をみた」
長い年月をかけ完成に至った研究成果にスカリエッティの口角は自然と釣り上がる
『この『聖王のゆりかご』を発見し、触れる事ができて以来、その起動は貴方の夢でしたから…その為に『聖王の器』足る素材を探し求め、準備も整えてきた。……夢が、叶う時ですね』
ナンバーズの中で、最も長く彼のそばに居たウーノ。彼女の手の中には布に包まれたヴィヴィオが静かな寝息を立てている
「まだまだ…夢の始まりはここからなんだよ、ウーノ。古代ベルカの英知の結晶、『ゆりかご』の力を手にしてここから始まるんだ……誰にも邪魔させない、楽しい夢の始まりだぁ」
両手を上げ目前に迫った夢に子供のように歓喜するスカリエッティ。だがそれは警告音によりかき消される
『私たちのラボに…侵入者!?』
「こんな洞窟の奥に…?」
「僕の"猟犬"を発見して、その上1発で潰した。並のセキュリティじゃない…ここがアジトで間違いないね」
ミッドの郊外に広がる森の中、そこに自然に出来たと思われる洞窟を覗き込むのは聖堂教会シスターのシャッハ・ヌエラ。そして彼女の問に答えたのは管理局の査察官、ヴェロッサ・アコースの2名
「すごいですねロッサ。こんな場所、よく掴めました」
「シャッハ。いい加減僕を子供扱いするのは辞めて欲しいな」
まるで宿題を終えた事を褒める親のようなシャッハの言い方にヴヴェロッサは抗議するも、諦めているのか呆れた声を出すと、彼の背後から自身の魔力で生み出された薄緑色の半透明な猟犬数匹が現れる
「これでも一応、カリムやはやてと同じ。古代ベルカ式のレアスキル継承者なんだよ?」
「無限の猟犬、ウンエントリヒ・ヤークト。あなたの能力は存じ上げていますよ」
「まっ、今回の発見はフェイト執務官や、ナカジマ三佐の地道な捜査があってこそのものだけどね……っ!」
「っ!」
1分にも満たない会話、その僅かな時間で周囲の草木や林の中から十数機のガジェットが現れ2人を取り囲む
「洞窟の奥からも出てくる…」
「大人しく返してくれる気は無さそうですね」
「あんまり戦闘は得意じゃないけど、…この位なら」
「お任せ下さい」
なおも増えるガジェット達に警戒を怠らずにシャッハが自身のデバイス、ヴィンデルシャフトを振るい、修道服からバリアジャケットに変身すると、カートリッジをロードする
「あなたとカリムを守るのが、私の務めですから!」
シャッハの言葉が終わると共にガジェット達は一斉に襲いかかった
アースラ管制室
「アインヘリアル1号機、2号機から戦闘機人達の撤退が始まっています!」
「前回より動きが速い…」
「早めに叩かんと取り返しがつかん事になるけど、嫌な感じに拡散してる。隊長達の投入はしずらいな……」
その頃シャーリーから伝えられる情報を聴きながらグリフィスとはやては既に敵の襲撃が終わった事にもどかしい思いをする
「この動き…いやまさか……」
一方ミハルは戦闘機人の撤退の動きに何か思い当たる節があるのか考えていると管制室に1つの通信が入る
「アコース査察官から直通通信です!!」
『はやて!スカリエッティのアジトを発見した!シャッハが今、迎撃に来たガジェットを叩き潰してる。教会騎士団からも戦力を呼び寄せてるけど、そっちからからも制圧戦力を送れるかい?』
「うん。勿論やけど」
「戦闘機人。アインヘリアルから撤収、地上本部に向かっています!…ッ、あの騎士も別ルートで本部に!」
「アジト制圧隊員の選出、地上本部に戦闘機人達の進行予想ルートを通達だ!」
次々と舞い込む情報に圧倒されつつも、はやてに変わりミハルが指示を飛ばしていると突然複数のモニターが管制室に展開される
「これは…前に確認された召喚虫?一体何を……」
モニターに映るのは廃棄都市にてルーテシアが召喚した地雷王数体が自身の魔力を使い地震を起こしている
『さぁ……いよいよ復活の時だ』
「スカリエッティ!!」
スピーカーから流れるスカリエッティの声にはやてが眉間にシワを寄せる
『私のスポンサー諸氏、そしてこんな世界を作り出した管理局の諸君。偽善の平和をうたう聖王教会の諸君も…見えるかい?これが、君たちが危惧しながらも求めた絶対のチカラ!』
スカリエッティの言葉と共に映像には広がる森の一部が盛り上がり木々と地面の下から何かが現れる
「あれは……船…か?」
現れたその物体にミハルが、管制室にいた者たちの言葉を代表し言葉を発する
『旧暦の時代、1度は世界を席巻し、そして破壊した古代ベルカの悪魔の英智……”聖王のゆりかご”。見えるかい?待ち望んだ主を得て、古代の技術と英智の結晶は、今その力を発揮する!』
「2人共、あれは!」
声を荒らげ指を指すグリフィスにはやてとミハルはその先にあるモニターに視線を向ける
『……ママ……』
そこには恐らく聖王のゆりかご内部と思われる空間に玉座らしき椅子に座らされたヴィヴィオがいた
『ゥッ…!!痛いよ!怖いよ!……ママ! ママーーーー!!!』
『さぁ!ここから夢の始まりだァ!!!ハハハハ、アハハハハーーーー!』
泣き叫ぶヴィヴィオ声とスカリエッティの笑い声が管制室に響き渡った
「1番なって欲しくない状況になってもうたんかな」
『教会の…ううん、私の不手際だわ。予言の解釈が不十分だった』
スカリエッティのゆりかご起動の宣言から数分後、はやてはカリムと話し合いをしていた
「未来なんて分からんのが当たり前や、カリムや教会の皆さんのせいとちゃう。さぁ…て、どないしよか」
自分を責めるカリムを慰め一旦通信を切るとはやてはモニターに映るゆりかごを見すえる。すると今度はクロノとの通信が繋がる
『はやて、クロノだ。本局は巨大船を極めて危険度の高いロストロギアと認定した。次元航行部隊の艦隊はもう動きだしている。地上部隊と協力して事態にあたる。……機動六課、動けるか?』
「うん!」
本局の意向を伝え、六課出動の出動の有無を聞きはやては力強く答えた
『聖王の器とゆりかごは安定状態に入ったわ。クアットロとディエチェはゆりかごに、私と交代よ』
『はぁーぃ』
『了解』
『トーレとセッテ、セインはラボでドクターの警護を』
『心得た』
『ノーべはディードとウェンディと一緒に』
『もう向かってる』
一方その頃、ナンバーズ達はウーノを中心に今後の動きの再確認をおこなっていた
『ゆりかごが完全浮上して、主砲を撃てる位置…』
『アーンド、2つの月の魔力を受けられて、地上攻撃が出来る軌道位置まで辿りつければ、ゆりかごは……まさに無敵』
『ミッドの地上全てが人質だ、そうなれば本局の主力艦隊とも渡り合える』
『…そういや1個疑問があるんっスけど、あのゆりかごの中にいる聖王の器とかいう女の子って……ぶっちゃけなんなんっスか?』
『フフフ…私が教えようか』
『ドクター』
そんな中ウェンディが上げた疑問にスカリエッティが通信を開き話し合い加わる
『今から、10年ばかり前になるかねぇ……聖王教会にある司祭がいてね、彼は敬虔な教徒にして高潔な人格者だった。それ故に聖遺物管理とゆう重職についていたんだよ』
『聖遺物…?』
『聖王教会の信仰の対象。古代ベルカ時代の聖なる王様、聖王陛下の持ち物だった物とか遺骨とかの事よ』
『へぇー』
昔話を始めるスカリエッティの話の中に出てきた聞きなれない言葉に首を傾げるウェンディにクアットロが補足説明をする
『だが、司祭と言えど人の子だ。彼はある女性への恋からソレに手をつけてしまったんだよ。そして、聖骸布に極わずかに含まれた血液から遺伝子情報が発見された。…古代ベルカを統べた偉大な王、聖王の遺伝子データがね。そして聖王の種は各地に存在する研究機関で極秘に複製され再生された』
『あたし達の王様になる為に…だろ?』
『生きて動いている聖王は、あのゆりかごの起動キーなんだよ。王と言ってもただの器さ』
『はい。ドクター質問』
『どうぞセイン』
聖王の器、つまりヴィヴィオの正体について説明が終わると次にセインが質問を投げかける
『レジアスのおっちゃんは…まぁいいとしてさ、最高評議会だっけ?あっちの方はいいの?ガジェットの量産とか人造魔道士計画の支援をしてくれたのってあの人達だよね?
『あぁそうとも』
『ゼスト様やルーお嬢様も、評議会の発注で復活させたんでしょ?評議会には評議会でなんかプランとか思惑とかあったんじゃ……』
今回の1件で間違いなく評議会の計画をへし折った事にセインはどうなのか聞く
『レジアスも、最高評議会も、希望は一緒さ、地上と次元世界の平和と安全。その為にレジアスは計画を頓挫させられた戦闘機人に拘り。最高評議会はレリックウェポンと人造魔道士に拘った。……平和を守り、正義を貫く為なら、罪もない人々に犠牲を出しても構わない。…………なかなか傲慢な矛盾を抱えておいでだ』
その問いに答えるスカリエッティ。ただ、レジアスと評議会の考えに関して述べる声色は怒気を含んでいた
『うーん。なんかよく分かんないなぁー』
『っスね〜』
しかしそれに気づかないセインたち
『ともかく、スポンサーである評議会の事を無視して、あんなデッカイおもちゃを呼び出したりしたら…怒られるんじゃないのって私は心配』
『ハッハッハッ、ちゃんと怒られないようにしてあるさ。君たちは何も気にせずに楽しく遊んでくればいい。遊び終わったら、我らの新しい家、ゆりかごに帰ろう。そうすれば、世界の全てが我々の『遊び場』だ』
『……はぁー、相変わらずドクターの話はよく分からんね〜』
スカリエッティとの通信が切れるとセインは大きな息をつく
『そっスねー。まっ、あたしら別に夢や希望がある訳でもなし。生みの親の言うとうりに動くしかないっスからねー』
『まあね…ぁ、そう言えばさっきの話で分かんないのがもう1個。司祭様をだまくらかして、聖王の器の遺伝子を盗ませた女って……何者?』
時空管理局
管理局の何処かにある評議会のメンバーが居るとされる一室
「ジェイルは少々やりすぎたな」
「レジアスとて、我らにとっては重要な駒の一つであると言うのに」
「我らが求めた聖王のゆりかごも、奴は自分のおもちゃにしようとしている」
その一室に響く3人の男の話し声、しかし声の主の姿は見えず。電子的な声が部屋に響く
「止めねばならんか…」
「だが、ジェイルは貴重な駒だ。消去するにはまだ惜しい」
「しかし、かの人造魔道士計画もゼストは失敗。ルーテシアも成功には至らなかったが、聖王の器は完全なる成功のようだ。……そろそろ、良いのではないか?」
淡々と話を進める男達の声、音源を探せば部屋に設置された3つのポットがあり、液体で満たされた器の中に何かが浮かんでいる
「我らが求むる、優れた指導者によって統べられる世界。我らがその指導者を選び、その影で我らが世界を導かねばならん」
「その為の生命操作技術。その為のゆりかご」
「旧暦の時代より、世界を見守るために我が身を捨てて永らえたが…もうさほど長く持たん」
ポットの中に入っていたのは人間の脳。男達の声はその脳が入った装置から発せられている
「だが次元の海と管理局は未だ我らが見守っていかねばならん」
「ゼストが五体無事であればな、ジェイルの監視役として最適だったのだか」
「失礼します。皆様、ポットメンテナンスのお時間です」
会話を続けると1人の女性局員が現れる
「あぁ、お前か」
「会議中だ。手早く済ませてくれ」
「…はい」
いつもの事なのかその女性に大した関心も示さず会話を続ける
「あれは武人だ。我らには制御しきれんよ」
「戦闘機人の追跡情報とルーテシアの安全を引き換えに鎖をつけていただけだ。奴がレジアスに辿り着いてしまえばそれで終わり」
「…お悩み事のようですね」
「何、些末な厄介事よ」
「お前が気にかける事でもない」
「はい」
「レジアスや地上からは、なんの連絡もないのか?」
「ええ、未だにどなたからも」
「そうか」
「暫くは慌ただしくなりそうだ。お前にも苦労をかけるな」
「いいえ、私は望んでここにいるのですから」
ポットの操作をしながら評議会の労いに女性局員は柔らかな笑みをみせた
アースラ艦内
「理由はどうあれ、レジアス中将や最高評議会は偉業の天才、犯罪者ジェイルスカリエッティを利用しようとした。そやけど逆に利用されて裏切られた……」
艦長席に座り通信越しに会議室にいるなのは達実働部隊の面々に今回の事件の裏側で起きていた大まかな情報を伝えるはやて
「何処からどこまでが誰の計画で、何が誰の思惑なのかそれは分からへん。そやけど今、巨大船が空を飛んで町中に戦闘機人とガジェットが現れて市民の安全を脅かしてる事実。…あたし達は止めなあかん」
『……』
話を聞き同意する声はないが全員の顔には力強い意志を感じられる
「ゆりかごには本局の艦隊が向かってるし、地上の戦闘機人達やガジェットも各部隊が協力して対応に当たる」
「だけど高レベルなAMFをできる魔導士は多くない。私たちは3グループに別れて、各部所に協力する事になる。まず―――」
短い作戦会議が終わり会議室を出ていく
「フェイトさん!ミハルさん!」
「あの……」
フェイトとミハルも部屋を出ようとドアに向かうと後ろからキャロとエリオが声をかけてきて2人は立ち止まり振り返る
「「………」」
キャロとエリオの顔には隠しきれない不安な感情が見て取れる
「あぁ、別グループになっちゃったね…ごめんね。私、いつも大切な時に2人の傍にいられないね」
その理由を理解したフェイトが2人の頬にそっと手を添える
「そんな…」
「フェイトさんとミハルさん。2人でスカリエッティの所になんて心配で……」
「緊急事態の為にシグナムには残ってもらいたいし、アコース査察官やシスターシャッハもいるから、それに……1人じゃない。ミハルがいてくれる」
心配してくれるエリオとキャロをフェイトはかがみ、優しく抱きしめる
「2人とも頑張って。絶対無茶とかしないでね」
「…はい」
「それは…フェイトさんもです」
小さく頷き会い2人から離れたフェイト。そこにミハルが入れ替わりで2人の前に立つ
「エリオ、キャロ、手を出しな」
「ぇ…」
「は、はい」
突然脈絡もなく手を出せと言われ驚くも、言われるままに手をミハルに伸ばすとミハルは2人の手のひらに人差し指で文字らしきものを書く
「…………よし」
「あの、ミハルさん」
「今のは一体……?」
「俺の故郷の古い言語。ルーン文字の1つ、エオロー。意味は友情・保護」
「ワッ……」
「キャ……」
2人の問いかけにミハルは2人に綴った文字の意味を教えると少し強めに頭を撫でる
「お前達を守るおまじないだ」
「ミハルさんも、……無事でいて下さい」
「また、昔みたいにピクニックに行きましょう。今度はフェイトさんとエリオ君も入れて、4人皆で」
「あぁ…そうだな」
こちらを見上げ、そう言ってくる2人にミハルは穏やかな顔で頷いた
「よし、そんなら隊長陣出動や!」
『うん(おう)!』
先発としてスバル達フォワードメンバーがヘリに乗り、シグナムとリィンと共に飛び立ったのを確認したはやての言葉に、なのはにフェイト、ヴィータ、ミハルが頷くと通信モニターが開きカリムが映る
『機動六課隊長、副隊長一同。能力限定――完全解除。皆さんどうか…』
「しっかりやるよ!」
「迅速に解決します!」
「お任せ下さい!」
祈る様なカリムの言葉に隊長達3人は力強い返事を返す
『……リミット、リリース!』
カリムが承認許可を行うと、ミハルを除く全員の魔力が数段階膨れ上がる
『降下ハッチ開きます!』
能力限定解除を確認した管制室からの操作で床の一部が稼働し穴ができる
「さあ、行こか!」
『了解!!!』
はやてを筆頭に次々とその穴に飛び降りていく
「フェイト」
「? どうしたのミハル…?」
残り2人となり、穴に飛び込もうとするフェイトを呼び止めたミハル。フェイトの手を取り、先程のエリオとキャロのように文字を指で綴る
「さっき2人にしてあげた…でもまた別の文字?」
「読みはギューフ。意味はギフト・才能、後は……いや、何でもない。行こう」
「―――うん!」
不思議そうな顔をしていたフェイトだったが、笑顔で頷きミハルと共に穴に入り――空に飛び出した
スカリエッティ研究所
「おかえりウーノ」
「はい。トーレとセイン、セッテも戻りました。迎撃準備完了です。クアットロとディエチはゆりかご内部に、他の妹達はそれぞれのミッションポイントと地上本部に向かっています」
ゆりかごからラボに戻ったウーノが妹達それぞれの状況を伝える
「ルーテシアにもお願いしたよ。上手く動いてもらうとする」
「騎士ゼストも動かれていますね。予想外の動きをされたら…」
「問題ないさ、現在の任務を完了次第。ドゥーエが地上本部に向かってくれる」
「おい」
戦況を見るスカリエッティとウーノの会話に1人の男の声が割って入る
「敵はまだか?もうシュミレーションの敵を倒すのは飽きた」
「…ッ」
「安心したまえ、敵はもうすぐここに来る。その時まで待っていたまえ」
男の声を聞くだけで体に鉛が纏わり付く様な感覚に陥るウーノ。一方スカリエッティは特に気にした様子もなく声の主に話しかける
「そうか、敵が来たら言え。俺はお前が指刺した敵を殺すだけだ」
「分かっているさ。今は体を休めたまえ」
聞きたいことを聞いたのか、男は踵を返し去って行く
「……ドクター、やはり彼は危険では?」
「心配ないさ。彼に施した施術は問題なく働いているようだしね。さて……」
気配が消えたのを確認したウーノが不安を口にするが飄々とするスカリエッティは一拍おき、通信を開く
「購入者の諸君。管理局との開戦だ、存分に暴れてくれたまえ!」
『あぁもちろんだ!まったく最高だぜ、あんたのガジェット!!!文句一つ言わず言われた仕事全部こなしてくれんだからなぁ!オマケに労働金を払わなくて万々歳だ!ダンスの1つでも踊りたくなっちまう!!』
『ドクタースカリエッティ…いや、親愛をこめてスカっち!あの聖王の器とか言ってたおにゃの子、よろしければ合わせて貰えないでしょうか!?そしたら拙僧、管理局の男共なぞケチョンケチョンにしてやりましょうぞ!!!』
『私達はこの戦いだけの協力関係。君は君の目的を、我々は我々の目的を果たせればそれで問題はない…WinWinの関係で終わる事を願っているよ』
「勿論だとも、さあ……総力戦だ!」