魔法少女リリカルなのは ~朱槍の魔道士〜   作:がっしー

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第73話投稿です。

2020年初投稿、こんなに遅くなってすいません。前話の前書きに書いていたシンフォギアの擬獣化作品のおおまかなプロット考えていたのですが擬獣化した際の言語などで悩んでしまいました。

それはともかくどうぞ



それぞれの戦場

時空管理局本局

 

『やはり第二陣以降の艦隊編成は混乱中ですか』

「えぇ、艦隊運用部も通信部も大騒ぎよ」

 

局員が慌ただしく駆け回る中、息子であるクロノと無限書庫司書長であるユーノと通信するリンディはため息をつく

 

「でも、レオーネ相談役が上層部を取りまとめてくれてるし。運用部はレティ達が上手く立ち回ってくれてるから出動遅延は出ないと思う」

『助かります。ユーノ、そっちは?』

『聖王のゆりかごのデータ、流石にかなり少ないけど発掘は無事完了。今そっちに送るよ』

『あぁ、こちらから艦隊と前線全てに送信する』

「あの船の危険度は?」

 

聖王のゆりかごを破壊する為の艦隊編成から、ゆりかごその物についての話に移る

 

『……極めて高いです。戦時時代の古代ベルカですら既にロストロギア扱いだった古代兵器。失われた世界、アルハザードからの流失物とも』

『アルハザード……!』

「我が家にとっては、余り思い出したくない名前名前だけど……」

 

ユーノによるゆりかごの情報に出てきたアルハザードの名を聞き複雑な表情を見せる

 

『その真偽は兎も角として、最大の危険は軌道上に到達される事。軌道上、2つの月の魔力を受けられる位置を取ることで、極めて高い防御性能の発揮と、地上への精密狙撃や魔力爆撃が可能となるっていうのは教会の伝承にある通りだけど…。こっちの調査では次元跳躍攻撃や次元空間での戦闘すら可能とある』

『「!!?」』

 

続けて解説するユーノからの話にクロノとリンディは驚きに顔が固まる

 

『その性能が完全に発揮されれば、次元航行部隊の艦隊とも正面から渡り合えるかもしれない』

「軌道上に上がる前に止めないといけないのね?」

『対抗策は!?』

『鍵となる聖王がそれを命じるか、本体内部の駆動炉を止めることが出来れば……』

『鍵の聖王、ヴィヴィオはスカリエッティの戦闘機人に操作されている可能性が高い』

「スカリエッティの逮捕でも止まる可能性があるのね」

 

ゆりかごを停止させる手段を確認する3人

 

『今は前線で戦っているはやて達を信じるしかないか……』

『なのは…』

「フェイト…ミハル君…」

 

クロノの託す様な言葉にユーノとリンディは今まさに戦場にたつ者達の名を呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ上空

 

「ッ! 防御陣形!隊列、乱したらあかんよ!!」

「は、ハイ!」

 

ゆりかごの対空砲の威力に歯噛みをしながら指揮を執るはやての言葉に近くにいる若い魔導士が返事を返す

 

(それにしても、大きい。外からやと魔導士が何人集まろうともどうにもなれへんな……)

「24番射出口より小型機出現!」

『南側からも!市街地降下ルートです!』

 

外部からこゆりかごに対する対抗策を見いだせず内心焦りが出るはやて。そこにゆりかごからガジェットⅡ型が出現したと言う報告が入る

 

「皆落ち着いて!拡散されると手が回らへん、叩ける小型機は空で叩く。潰せる砲門は今のうちに潰す!ミッド地上の航空魔導士隊、勇気と力の見せ所やで!」

『ハイ!!!』

 

焦りは見せず、的確な指示と激励をかけるはやては夜天の書とシュベルトクロイツを掲げ自らも戦線に加わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカリエッティ研究所前

 

「見えた!シスターシャッハとアコース査察官!」

「教会の騎士団もいるな」

 

飛行魔法によって目的地にてガジェットを破壊するシャッハ達を目視で確認したフェイトとミハル。シャッハ達が優勢に見えるが左右から奇襲を行なおうとするガジェットを上空から2人は視認する

 

「フェイト、右を頼む。俺は左をやる」

「分かった。バルデッシュ!」

<Zanber Form>

「ランサー!」

<IceCreate>

 

短いやり取りをし、フェイトはバルディッシュを大剣に変形させ、ミハルも魔法によってフェイトのバルディッシュと瓜二つの氷の大剣を創る

 

「はァ!」

「フン!」

 

教会騎士たちの側面からガジェット現れ、襲いかかる寸前。フェイトとミハル、2人の一閃がガジェットを一刀両断にした

 

「フェイト執務官!ミハル陸曹!」

「シスターシャッハ。ご無事で良かったです」

 

窮地に陥りかけた騎士団を助けた2人に最後のガジェットを破壊したシャッハとロッサが駆け寄ってきた

 

「遅れてしまい、すみません」

「いえ、おかげで危ない所を助けてもらったからね。…さて」

 

短く謝罪とお礼を交わし、4人は洞窟の入口に視線を向ける

 

「2つにチームを分けよう。フェイト執務官、ミハル陸曹、シャッハの3人が先行して突入、スカリエッティの確保を。その後、僕と騎士団が続いてラボにあるだろう危険物の封印をする。スカリエッティの元までの案内は僕の猟犬が」

『了解!』

 

ロッサの提案にミハル達と周りにいた騎士団が頷きながら肯定する

 

「では、早速突入しますよ。お二人共!」

「はい!」

「えぇ!」

 

デバイスを構え問いかけるシャッハに2人は頷き洞窟の奥にある研究所に足を向けた

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ゆりかご側でも動きがあった

 

『高町一尉!奥に進めそうな突入口が見つかりました。突入隊20名が先行しています!』

 

ゆりかご甲板に取り付いた魔導士達が装甲が薄い箇所に穴を開けたと報告が上がる

 

「はやてちゃん」

『外周警戒は私が引き受ける。なのはちゃん、ヴィータ。行ってくれるか?』

「おう!」

「了解!」

 

部隊長はやての指示を受けなのはとヴィータは報告のあったポイントに急行する

 

「御二方!こちらです!」

 

目的地に到着した2人に気づいた魔導士の1人が指を指す先に、3m程の大きさの穴が開けられており、2人はそのまま穴からゆりかご内部に飛び込んだ

 

「機動六課、スターズ01・02内部通路突入!」

 

無事突入した旨をはやてに伝えたはのは。すると突然、体の浮遊感が減少しヴィータと共に体が落下を始めた

 

「AMF!」

「内部空間全部に!?」

 

原因を思いついた2人が驚きの声を上げるも、慌てず落下緩和の魔法を使い緩やかに通路に着地する。

先が見えないほどの長さの通路は逆に、侵入者である2人を歓迎しているかの様に見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ 廃棄都市区画

 

「ヴァリアブルシューート!」

「ディバイン…バスター!」

「フリード、ブラストフレア!」

「スタールメッサー!」

 

スバル達の放った魔法がガジェット達に炸裂し、爆煙を上げ破壊する

 

「よし!このまま防衛ラインの負担を減らすわよ!」

『おう!』

 

現在、スバル達4人の任務は地上の部隊が建てた防衛ラインに押し寄せる戦闘機人やガジェットを可能な限り抑え、AMF下戦闘での経験が少ない魔導士達の負担を軽減する遊撃隊として戦っていた

 

「っ!フリード!」

「ギュオオオォォォンンンン!!!」

 

その最中、ビル群の屋上に立つルーテシアとガリューの姿を見つけたキャロはフリードに命令し、エリオと共にルーテシアの元に向かう

 

「キャロ!スバル、予定変更。あの子を先に捕まえるわよ」

「うん!」

 

突入のキャロの行動に制止を呼びかけるティアナだったが、自身もルーテシアの姿を確認しガジェットとの戦闘を中断し捕獲に作戦を変更する

 

「ウイング―――」

「IS発動。レイストーム」

「「ッウ!」」

 

キャロ達を追いかけるべく魔法を発動しようとしたスバルとティアナ。そこに緑色の光線が襲いかかり2人はその場を飛び退く

 

「ふぅ……!」

 

攻撃を躱し、ため息を吐くティアナだったが、背後から近づく足音に気づき振り向くと、エネルギー刃を構え振りぬこうとするディードが迫っていた

 

「くぅッ!モードツー!!」

<Dagger Mode>

 

地面を転がり紙一重で攻撃を回避したティアナはクロスミラージュに指示を出し、魔力刃を出現させ接近戦となる

 

「ふッ!」

「キャァ!」

 

しかし一般人と戦闘機人では自力の差は簡単には埋められず、エネルギー刃の一撃に体がビルの外壁に吹き飛ばされる

 

「ティア!ッ」

「ハァァア!」

 

建物の破砕音が聞こえ親友の名を呼ぶスバルだがこちらもノーべの猛攻を受けていた

 

「ウリヤァァァアア!」

「グゥ!」

 

ノーべ渾身の蹴りがガードを構えたスバルにあたり、高速道の外壁に叩きつけられる

 

「エリアルキャノン!」

「ッウ……ハッ!」

 

そこにすかさずウェンディがスバルに向かってエネルギー弾を発射され土煙の柱が立ち上った

 

「オットーの指示は流石っスねー、簡単に分断出来たっすよ」

「さっさとコイツをぶっ倒して次はあの幻術使いだ」

「お!ここですかな?タイプゼロとか言う標的がいますのは」

 

土煙から目を離さずそんな会話をするノーべとウェンディ。その背後からどこか気の抜けた男の声が聞えてきた

 

「あれ?この人って確か」

「おっ!?そこにいるのはスカっちの所のノーべ殿にウェンディ殿!」

 

黒紫色のコートを纏、右手には鉤爪の様な武装。額から鼻先にかけて残る刀傷に、無造作に生え揃った髭は男に独特な雰囲気を感じさせる

 

「黒ひげ…」

「YES!我が名は黒ひげ。大海賊、黒ひげ様よ!!!」

「何しにきやがった」

 

ウィィィィィィィィィィ!!!と天に向かって雄叫びをあげる黒ひげに冷めた目を向けながらノーべが問掛ける

 

「おっと、拙者とした事が。いや何、簡単なことですぞ。―――そこのタイプゼロの捕獲、拙者がやるので邪魔な御二方はどっか行っててぐだされ」

「「……ハァ?」」

 

薄れた土煙の中から現れたスバルを指さしながらながら答える黒ひげに、今度は冷ややかな目を向けるノーべとウェンディ

 

「ふざけんな。こいつにはボロボロにされたチンク姉の仕返しを―――パン」

「ガタガタうるせえんだよ。さっさと失せろ」

 

抗議の声を上げようとしたノーべの頬を1発の銃弾が掠め、先程までの飄々とした態度など幻であったかのような威圧感を黒ひげは発していた

 

「っ……分かったよ。けど、逃げられるなんてヘマすんじゃねぇぞ」

「アッ!ちょ、ノーべ!」

 

口をへの字に曲げながら吐き捨てるようにその場を後にするノーべに慌ててウェンディもその後を追った

 

「…たく、さっさと言うこと聞けばいいのに。無駄弾使っちまったじゃないの」

「黒ひげ。……確か、第4次元世界を中心に活動している次元犯罪組織のリーダー」

 

やっと2人が消えたと文句を言う黒ひげを成り行きを黙って見ていたスバルが黒ひげの経歴を口にする

 

「オッ?拙者のこと知ってる?ミッドにまで知れ渡るとはさすが拙者!」

「………」

 

自画自賛をする黒ひげから注意を向けつつスバルは伏兵の可能性を考え周囲を見渡しながら構えを取る

 

「ムッ!もうやる気ですか?それでは―――――半殺しだ」

「ッ!――ハァ!!!」

 

先のノーべに向けた以上の殺気を放つ黒ひげに思わず身を竦めてしまうスバルだが、声を荒らげ自らを奮い立たせ

 

「ウォォォォオオオ!!!」

 

握り締めた拳を黒ひげの顔面めがけ叩き込んだ

 

ドンッ!

「……中々いいパンチだな」

「!!?」

 

しかし、スバルの一撃は黒ひげの左腕によって防がれてしまう

 

「お返しだ」

「なッ! グゥ…!」

 

反撃と黒ひげのヤクザキックが炸裂する。寸前で両手で防御するも大きく後ろに吹き飛び、再び距離がひらく

 

「手早く終わらせるつもりだが、…少しは楽しませろよ!」

「次元犯罪者エドワード・ティーチ、通称『黒ひげ』!貴方を拘束します!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカリエッティ研究所内部

 

 

「これは…人体実験の素体?」

 

襲ってくるガジェットを撃破したミハル達。ふと通路の壁に並べられた人間の入った生体ポットを見てシャッハが驚きの声を上げる

 

「だと思います。人の命を弄び、ただの実験材料として扱う。それがあの男のしてきたのは……こういう研究なんです」

「…耳が痛いな」

 

執務官としての正義感からかフェイトが怒りの籠った言葉にミハルは首の後ろを掻きながらすまなそうな顔をする

 

「1秒でも早く、止めなくてはなりませんね」

「はい…!」

 

直後、ゆりかごがなくなった事による影響か施設全体が地震により揺れ。ミハル達の真上にある天井に張られたパイプ等が異音と共に亀裂が走る

 

「2人とも!」

「うん」

「は…ぃッ!?」

 

ミハルの掛け声に頷きその場を離れようとしたシャッハが足を取られる様にその場に膝をつく。見るとシャッハの足には戦闘機人のセインが床から伸ばした腕で彼女の足を掴んでいた

 

「「シスター! ッ!」」

 

慌ててシャッハを救おうと駆け寄ろうとするミハルとフェイト。そこに2本のブーメランブレードがに迫り2人は各々のデバイスを盾にし、ブレードを弾き返す

 

バキン! ガラガラガラ!!!!!!

 

直後、崩れ落ちた瓦礫がシャッハを下敷きにした

 

[シスターシャッハ!無事でしたら応答してください!?]

[―――フェイト執務官、ミハル陸曹。こちらは無事です。戦闘機人を一機捕捉しました。この子を確保次第、直ぐにそちらに合流します]

 

慌てて念話を使い安否を問いかけるミハルに数秒遅れてシャッハから無事の連絡がくる

 

[了解しました。ご無事で」

「…来たぞフェイト」

 

シャッハの無事を祈るフェイトにミハルは通路の向こうからやって来る敵に意識を向けつつ声をかける。奥からやって来たのはトーレとセッテ

 

「フェイトお嬢様。ミハル兄上。こちらにいらしたのは帰還ですか?それとも、反逆ですか?」

 

トーレの問いかけに2人はデバイスの切っ先をトーレ達に向ける

 

「悪いが、どちらも違う」

「犯罪者の逮捕…それだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

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