俺は浮かれていた。人生で初めて彼女(しかも美人)ができたのだ。普段は学校で一緒に馬鹿な事をやってる友人2人に自慢しまくり、彼女とは日曜日にデートをする約束をした。
予定通り、日曜日には俺の彼女であるYちゃんと人生初のデートを楽しんだ。正直初めてのことだったので上手く出来たか分からないけど、Yちゃんの様子を見る限り楽しんで貰えているようだった。
そしてデートも終盤、夕方の誰もいない公園で俺とYちゃんは二人きりとなった。
(もしかして、このまま……)なんて考えているとYちゃんは「ひとつ、私のお願い聞いてくれる?」と言ってきた。
色っぽいことを期待して「お、お願いって何かな?」何て上ずった調子で俺が答えると、彼女はにっこりと笑みを深くして「死んでくれないかな」と言ってきた。
言っていることが分からず聞き返すが、いつの間にかYちゃんの手には槍のようなものが握られていて、それが俺に迫ってくる!
何なんだ!? どうなってるんだ!? 俺は突然の事態の変化についていけずに混乱していたものの、このままでは自分は彼女の言葉通りに殺されてしまうという事は分かった。
だからと言って俺は何もできず彼女の持つ槍がゆっくりと俺に――
「そこまでだ」
声が聞こえると同時にYちゃんの持っている槍が誰かに捕まれていた。突然の乱入者にYちゃんも驚いたようで、手品のように持っていた槍を消し、大きく飛び退った。
俺も声が聞こえた方向に顔を向けると、そこには同級生で寺生まれのTが立っていた。
「兵藤に彼女ができたって言うからどんな奴かと思ったら、男の純情を弄ぶ小悪党め!」
Tはそう言い放つと次々と手から青白い閃光を発していく! 始めはそれを防いでいたYちゃんも次第に表情が苦しげになっていく!
「これで終わりだ! 破ァーーーーーーー!」
Tは言葉とともに特大の閃光を放った! Yちゃんも少しの間持ちこたえていたが、次第に耐え切れなくなっていき、Tの放った閃光が直撃する!
眩しさのあまり閉じていた眼を開けると、そこにはもう誰もいなくなっていた。
「あなたには迷惑をかけるわね」いつの間にか居たG先輩がTに話しかける。
「なに、美人の頼みなら断れないさ」とTは事も無さげに言うとこちらを向いて「若いからがっつくのも分かるけど、女を見る目も磨かなきゃな」と言い残し、G先輩と連れ立って公園の出口に向かって歩いていく。
寺生まれってスゲェ、颯爽と去っていくTの後姿を見送りながら、俺はそう思った。
Tさんならこれぐらい余裕のはず(確信)
別バージョンとして召喚されたG先輩に「破ァ!」するパターンもありましたが、こっちに。