あれはもっと理不尽な何かです。
事の始まりは教会から聖剣Eが盗まれたことだった。
事件の首謀者である堕天使Kや協力者である教会の元司教Bを確保するべくK町にやってきた二人のエクソシストと共に、俺たちは犯人を捜索していた。
途中までは仲間のKが単独行動・暴走するなどと言うトラブルがあったものの、無事に和解し、犯人に接触することも出来た。
だが、その際は結局犯人をとり逃してしまった上、エクソシストの二人が持つ聖剣Eも奪われてしまった。
話によると堕天使Kや元司教Bは7つに分かれた聖剣Eを復活させようとしているらしく、さらには町の破壊まで目論んでいると言う。
流石にここまで来ては不干渉の約定など守っていられないと俺たちは決戦の場である学校まで赴いたのだった。
KとFの戦い。
聖剣に恨みのあるKとしては聖剣Eや『聖剣計画』の中心だったBは因縁の相手であり、示し合せたようにKの戦いに割って入る者はいなかった。
だが、戦いの最中、校庭の一角で儀式を行っていたBの辺りから爆発的な光が生じる。
聖剣を統合する儀式が終わったのだ。
完成した聖剣Eを手に取るF。
『聖剣計画』の成果によって抽出された聖剣使いの因子のせいもあって、Fは聖剣を十全に使えるようだった。
BはFに使わなかった聖剣使いの因子の結晶を「残り物だ」と言ってKへと放る。
奴らにとっては使い道のない物でも、Kにとってはかつての仲間だったものだ。放られた因子の結晶へと手を伸ばすKは何を思うのだろうか。
Kが因子の結晶を手に取ると、因子が光り始める。
因子の結晶から生まれた光はKに力を与えるように、包みこむようにKの周囲を漂っている
正体不明の現象。だが、その場にいた者は因子となったKの仲間たちが魂となって現れたのだという事を、誰に教えられる訳でもなく理解した。
やがて光は人の姿をとっていく。
「そこまでだ」
突如現れたTはKの手から因子の結晶を奪い取り、それを握り潰さんばかりに力を込める!
「やれやれ……死んでからも、こんな形になってまで現世に残ろうとするとはな……破ァ!!」
Tが気合いを発すると、因子の結晶を握る手に青白い閃光が集中する!
因子の結晶から生じた光をかき消すような青白い閃光によって因子の結晶は砕け散り、飛び散った結晶の欠片も空中でさらさらと崩れていく!!
「死んだ人間のことには、あまり構うんじゃないぜ。そういうのは俺の担当だ」
しばらくの間、散っていく因子の欠片に目を奪われていたが、気が付くとKはTを全力で殴り飛ばしていた。
寺生まれでもやって良いことと悪いことはある。
首謀者であった堕天使KやBを回収する白い全身鎧を視界の端に収めながら、俺はそう思った。
さて、原作3巻終了ですね。
4巻以降は特定個人を「破ァ!」すれば片が付く、と言う問題が少ないので難しい所です。
テロリストを千切っては投げるTさん、『蛇』をお祓いで取り除くTさん、「故人を忍ぶのは構わないが、囚われるのは良くないぜ」とか言って英雄の魂を成仏させて英雄派を真人間にするTさん、等がパッと思い浮かびますが、どうしましょう?