転入してきた心閉ざした系エスパー女子がオタク文化によって逞しく成長している件について 作:かんろ
タイトルだけ考えて満足しようとしたらいつのまにか小説を書いていた
その場のノリって怖いよね!
僕にはエスパーの女の子が友達にいる
冗談に聞こえる?まぁ、僕もすぐにそんなことを言われたら冗談だろうと言い切る自信がある
だってエスパーだぜ?つまりちょーのーりょくだぜ?
このご時世そんなありえないことを信じる人がどれほどいるっていうんだ
けれども僕はそんな女の子を転校生として知っているんだ。
最初は皆不思議がって色々なエスパーをしてみてよとお願いしていたんだよ
けどあの子、暗い顔をした状態で何も答えなかったんだよ。
それを見た僕は察したね。
この子、エスパーだから気味が悪いと思われてたくさん転校してきたんだってね。
エスパーがいる学園物ならよくある設定だよ。僕はそういうラノベやアニメをよく見ていたし、そういうゲームも漁ってみたことがある。
これが二次元とかならこの後イケメン主人公が放っておけないとか言いながら関わっていくんだろうけど
僕はその時、全く別の考えをしていたよ。
あの子、絶対人生損しているよね。いや、絶対損していると考えていたよ
だってさ、エスパーだぜ?ちょーのーりょくだぜ?そんなのが使えたら、悪巧みしたい放題、テストの点数稼ぎたい放題、職業も安泰じゃね?
だから損しない人生送って欲しいよなーと考えていたらさ。
その女の子が真っ赤な顔をして僕に近づいて来たんだよ、そして何したと思うう?
いきなり顔面にグーパンだよ?グーパン
いきなりグーパンが当たって顔が痛いのなんの、で何か言おうとしたらさ
その女の子、『私のことも知らないでそんなこと考えないで!」
って言った後教室後にしたよ
いや、知らんがな。僕、君のこと全く知らないし、僕が君について何か考えるのは自由なんじゃないのか?この考え、割と間違ってないよね?
僕は呆然としながら女の子が出た教室を見つめていたよ。
で、次に腹が立ってきた。なぜ、僕が考えていたことにグーパンで対応されなきゃならんのか?そもそも考えてはいかんのか?
交戦だ。あの自分は世界で1番不幸ですー系女の子に徹底交戦しなければならない。そして僕にグーパンしてきたことを謝らせるのだ!
覚悟するがいいさ!グーパンエスパー女子よ!僕にグーパンをさせたことを後悔させてやる!
そんなことで僕とグーパンエスパー女子の戦いが始まったんだ
まず僕は最初にグーパンエスパー女子に『君、人生損してるよ?絶対損してるよ?』という念波を送り続ける日々を始めることにした
もちろん、それだけだとまたグーパンされておしまいだ。だから人生を損している理由を損してる念波を送りながら述べていくことにしたんだ
エスパーだからこそ出来る人生(提供元ライトノベル)
エスパーカッコいい理由10選(提供元ゲーム)
エスパーが活躍する職業(提供元アニメ)
これらを損している念波を送りながら叩きつけてやったのさ
けどグーパンエスパー女子は強くてね。でかい念波で
『どれもこれも二次元じゃない、馬鹿らしいわ』
とひと蹴りしてきたんだよ。
エスパーも充分二次元じゃろ!僕はそう憤慨しながらアニメやラノベ、ゲームの素晴らしさをグーパンエスパー女子に説いていきながらまた損している念波を送る日々を続けていた。
そんな日々が春から始まり、夏休みに移ろうかとした時。
『そんなに言うのなら貴方が言うアニメやラノベ、ゲームを見せてもらおうじゃない。貴方のその念波にはもううんざりしたし、貴方の家でそれらを見せておしまい。私に関わらないようにしてあげるわ』
僕の度重なる損してる念波に呆れたのか、僕にゲームやアニメ、ラノベを見せてみろというグーパンエスパー女子からの挑戦状が送られてきた。
ふっふっふ、僕の念波はようやく功を成したのだ!後は僕が用意する渾身のアニメやゲーム、ラノベを見せて二次元の素晴らしさを教えてやるのだ!
その時の僕は目的がグーパンエスパー女子を謝らせるより、二次元の素晴らしさを教えることにシフトしていた気がする。
その時用意していたゲームやラノベ、漫画もエスパー関係というより僕が名作だと思っているものたちばかりだったのだから。
『貴方が用意するゲームやラノベ、漫画なんかで感動なんて絶対しないと思うわ』
言ったな?グーパンエスパー女子、その考えを変えさせてやる!
そうして夏休みの時期に始まったグーパンエスパー女子への上映会だけど
結果として彼女は二次元の素晴らしさを知ることになった
というより僕は彼女が根を上げるまで上映会をするつまりだったんだけど。
まさか一作目で号泣するなんてことは予想外であった
最初は『これが貴方のいう名作?』といった感じで見ていたんだけど、だんだん『これどうなるのかしら?』『え、そうなるの!?』『凄い!凄い!』とだんだん興奮している感じになっていった
そこからのラストで彼女は号泣、大泣きしながら感動している様子が見てられていた
僕はその様子を見て大満足しながら悪魔の囁きを送ることとした
『実はこれ、原作がゲームなんだけど、やる?』
彼女が念波と言葉が両方からやるという言葉が送られるまで約1秒
ゲームに夢中になっているお陰で念波を送っても気付かない彼女に
チョロいと思いながら彼女が二次元の素晴らしさを知る瞬間を見つめていた
その後、この夏休みの間で彼女のオタク化は凄まじい勢いで進んでいくことになった
多分やりたいことやしたいことをする前にそんな環境になることはなかったんだろうなーと思いながら彼女のオタク化進行を見つめることになった
そこから念波の内容も損している人生よりも彼女が気に入ったアニメや漫画、ゲームの話が多くなった。
秋頃には僕よりも手を出しているゲームや、アニメ、ラノベが多くなり。
冬頃になると自分でも作りたいものがあると絵描きやプログラミングを始めたという念波があり、僕にシナリオや絵を見せることが多くなった
そして2年目の春頃・・・つまり、現在は
「先生にオタク部の成立をお願い出来て良かったわ。こういう時に心が読めるのは良いものね。自分と趣向が同じ先生を感じ取り、それとなく部活が成立出来る環境を作れたのですから!」
なんということでしょう。心閉ざした系エスパー女子がいつのまにか自身のエスパーを有効利用して自分の欲望を叶える逞しい女子になったではないでしょうか
今では彼女は自分から動いていきながらエスパーすらも自分の欲望の為にガンガン使っていけるようになっている
「それは貴方が教えてくれたことでしょう?貴方のせいで私は欲望真っしぐらのゲス女子になったのですからね?」
露骨に悪い顔しながら僕を煽りおるよ、このエスパー女子。
「褒め言葉として受け止めるわ。さぁ、これから部員集めよ!私のエスパーを持って私達と似た趣味の人を速攻で探すわよ!」
分かりましたよ、逞しいエスパー女子さん
じゃ、部員集めを頑張りますか!