新入生たちの初陣ライブが終わってから数日が過ぎたある日俺は花房のことで悩んでいた。花房のほうからいろいろアプローチをかけられているのはわかる。俺のことが好きかもしれないという希望的観測かもしれない。そんなことで何度か悩んでいた。
「どうしたん神崎?うじうじ悩んでいるみたいだけど、体動かしていれば頭がすっきりすると思うけどどうだい?」
「織部か。運動で悩みが解決する可能性はあるけど今回は、「恋の悩みねー!」うわっ、先輩誰ですか!?」
「あらごめんなさい。恋をしていた人がいそうだったから飛び込んできちゃったわー。あ、自己紹介が先ね、私は有栖川小枝子。合唱部の部長よ。真人君と靖君の後輩だったかしら?前に礼二君の相談にも乗って見事二人は結ばれたのよ。君の名前は?」
「神崎悠です。」
「それじゃあ神崎君。放課後保健室で話を聞くわ。理由はあなたが神崎先生の知り合いって噂が流れているからよ。」
「は、はあ…。」
一方的に話を進められてしまった。行かなかったらミコト姉ちゃんにぶっ飛ばされるだろうから行くけど。
放課後になって俺は保健室に向かった。入ってから第一声が、
「コラ!悠!女の子を待たせちゃダメじゃない!こういうのは男のほうから告白するものなのよ!」
「いきなりなんだよミコト姉ちゃん。」
「学校では神崎先生と呼びなさい。」
「あ、神崎君来てくれたのね。それじゃあ本題に行きましょうか。」
「神崎君が好きなのは誰なの?」
「同じクラスの花房ですね。」
「あら、あのいつもオドオドしている女の子よね。悠ああいう子が好きなの?」
「知り合ったきっかけは去年の秋と冬の境くらいに迷子になった花房の弟と妹の保護をした時だった。そこから試験勉強を一緒にしたり、花房の弟と妹の面倒を一緒に見たりしているうちに好きになったって感じかな。」
「それでなんで二の足を踏んでいるの?」
「そういうの虫が良くないかって思うんですよ。面倒見てやっているから俺と付き合え見たいな感じになってしまうのが。それに花房にはまだ幼い弟や妹がいる。その子たちを放ってデートなんてできないなって思って。」
「悠、あなた本当に馬鹿ね。そんなの花房さんが決めることでしょ。自分に正直になりなさい。好きなら好きって伝えないと。」
「でも。」
「神崎君。神崎先生の言う通りよ。迷惑かどうかなんて相手の花房さんが決めることなんだからアタックしてみたらどうかしら?」
「悠、三日以内にアタックしなさい。できなかったらゲンコツよ。」
「はあ、わかったよ。」
その日の夜、花房に電話をして放課後屋上に来てほしいと伝えた。
翌日の放課後俺は急いで屋上に向かった。2、3分して花房が来た。
「神崎さん。大事な話があるって言っていましたが何でしょうか。」
「花房、君のことが好きだ。俺と付き合ってほしい。」
すると花房は泣いていた。俺は
「嫌だったのか?もしそうならごめん。」
「…がいます。」
「…え?」
「違います!これは嬉し泣きです!神崎さんやっと私の思いに気づいてくれたって。」
「ってことは。」
「はい!私も神崎さんのことが好きです!幼い弟や妹もいますし視線恐怖症な私ですが私と付き合ってください!」
俺は花房を抱きしめた。
「頼みがあるんだけどいいかな?」
「何ですか?」
「恋人になったんだからゆーちゃんって呼んでもいいかな?」
「是非!では神崎さんはゆーくんでいいですか?」
「いいよ。」
「今日の下校手をつないで遠回りしてもいいですか?」
「ああ。」
「試験勉強は毎回面倒見てあげてもいいですか?」
「もちろん。」
「お昼一緒に食べてもらってもいいですか?」
「もちろん。」
「それから…」
「そろそろ帰ろっか。今日はバイトだし遠回りしていたらシフトの時間になっちゃうからこれからのことはその時にゆっくり話そう。」
「はい!」
「どうしたんだ悠。ずいぶん機嫌よさそうだな。」
「ああ。俺の憑き物となっていた悩みが解決したから。俺花房と交際することにした。」
「そっか。お前も花房の思いに気づいたのか。」
「ってことは礼二は気づいていたのか?」
「ああ。とっくの昔にな。」
「ならなんで教えてくれなかったんだよ。」
「そういうのは自分で気付くべきものだったから放っておいてやった。恨むならお前の朴念仁っぷりを恨め。」
「正論過ぎて反論できない。」
「これで残す俺らの悩みはルイルイコンビだけだな。」
「ああ、るいはルイのこと好きだもんな。」
「あのバカが気づくのはだいぶ先になりそうだけどな。」
「うわっ恭介。いきなり俺の後ろに立つなよ。」
「修学旅行で何か変化が起きれば面白いんだけどな。」
そんなことを思った修学旅行二週間前の日々であった。
前々から感じさせていたことを形にしました。るいとルイはいつ交際することになるのやら。こちらはいつにするか決めているのでだいぶ先ですがお待ちください