夏休みが終わり秋もどんどん深まっていく中、俺たち2年C組全員は放課後委員長のもとに集められていた。
「みんなは何でここに集められているのかわかっているわよね?」
「文化祭の出し物が決まっていないからだったかしら?そうよね?八束さん?」
「その通り。皆の都合がなかなかつかなかったからこうなったわけだけど。一部の人はアルバイトや部活で忙しいから仕方ないとして姫島さん、東雲さんはゲーム以外はすることないのに何で参加してくれないのかしら?」
「期間限定イベントで忙しいんじゃー。こうしておるうちにも順位が下がってしまう。」
「それならさっさと決めちゃいましょう。」
「はいはーい。それならメイド喫茶がアタシやりたーい。」
「戸村さんから意見を出すなんて以外ね。他にやりたいことのある人はいる?いないのなら面倒だからメイド喫茶で行こうと思うんだけど。」
「もうそれでええ。とっととゲームさせとくれ委員長。」
「男はどうするんだ?」
「それなら執事も追加でいいんじゃないですか?男子の皆もそれでいい?」
男からは特に文句も出なかったので執事メイド喫茶となった。
「わーい。ダーリンの執事服楽しみー。」
と見吉が言っていたのが聞こえたのは気のせいではないだろう。
委員長からもここからの参加は任意ただし自己責任ということもあって姫島、東雲はあっさり帰った。
軽音部の方も文化祭の方で動きがあったが今年も参加は任意であった。そのため今年は大会に専念したいことから参加は見送った。風町達も参加はしないとのことだった。そのため今年はクラスの出し物に集中した。
「とりあえず問題はメニューだな。飲食店でバイトしているのは俺、恭介、美知留くらいか。俺らは焼き肉屋だからほぼ使い物にはならないしな。美知留が軸となって決めるのが妥当だろう。」
「え!?アタシですか!?」
「頼む!美知留だけが頼りなんだ!」
「九条君イチャイチャするのは教室ではやめるようにね。ただ戸村さんを軸にするのは賛成ね。」
「委員長まで!?」
「ファミレスだったりいろんなところでバイトしているってことから戸村さんが適任だと思うの。お願いできる?」
「わかりました。そこまで言われたら断れませんね。」
「ありがとう。それで戸村さんの考えるメニューなら何が思い浮かぶ?」
「そうですねー。パスタ関係、オムライス、パンケーキあとは飲み物関係って所でしょうか?飲み物関係は難しくないように市販の飲み物に絞りましょう。」
「わかったわ。それじゃあ戸村さんほかに必要なことはある。」
「伝票の購入と衣装のための採寸ですね。それを業者に送って作ってもらうってのでどうでしょう。アタシでも作れますけどこれだけの人数作るのは困難なので。」
「わかったわ。戸村さんメジャーは持っている?」
「いつでも持っていますので今から測りますか?」
「帰った人は姫島さんと東雲さんくらいだからこの二人はあとで測るとしましょう。戸村さんお願いできる?」
「はい。お任せください。夏服なのでこのまま測る形にします。」
そして全員の採寸が終わった。
そこからの日々は俺と恭介が接客のマナーを教えた。美知留は料理を教えることになった。俺らも一応料理は覚えた。
そして文化祭当日となった。
俺と美知留は前半組で恭介は後半組となった。ルイと霧生も前半公判で別れて担当外の場合は交代で見回りも担当する時間もあるとのことだ。担当の時はサボりの監視らしい。
天都会長の開始の放送で文化祭が始まった。さらに文化祭終了後のダンス大会でベストカップルに食券50枚プレゼントとも伝えていた。
開始から5分後、
「お帰りなさいませお嬢様。」
「あ、礼二君。執事服似合っているよ。写真撮らせて―。ナギ―写真お願い。」
「礼二―済まないね。陽歌のわがままに付き合ってもらって。」
「気にすんな。一応想定内のことだから。」
「えへへー。恭介君はいつから?」
「午後からだ。それまでは自由に回りながら宣伝していると思う。」
「わかったー。ありがとう。探してみるよー。」
そういって風町達は俺らの出し物を楽しんで帰っていった。
さらに一時間後、
「お帰りなさいませ旦那様。お嬢様。」
「礼二、来たぜ。」
「ゆーくん。ここで不通に声かけたらまずいんじゃないかな。」
「悠と花房か。いらっしゃい。ゆっくりしていきな。」
「そして一気に崩れた。いいのかそれで。」
「いーのいーの。学園祭の出し物なんだからって痛っ。」
「九条君。出し物だからって気を抜かずにきちんとやりなさい。」
「委員長、お盆で叩かなくても。」
「真面目にやらない九条君が悪い。」
「怒られてやんの。まあとりあえずゆっくりしていくわ。」
「承知しました。」
その後客席の悠を見たら俺のことを話していた。後で一発殴ろうと思った。午前番が終わって交代となった。
「レイやっと回れるね。」
「ああ。」
その後は二人で回っていた。開始の放送の後のダンスパーティーのベストカップルのことを思い出した。
「美知留、開始すぐに会長が言っていたダンス大会は出たいか?」
「学食の食券50枚ですよね。アタシは出たい。レイ、ダメ?」
「わかったー。ダンスには自信ないけど出てやるよ。」
「ありがとうレイ。」
そう言って美知留は俺の腕に抱き着いてきた。美知留の柔らかい感触が嬉しいのと恥ずかしいのとで平静を保つのが難しかった。
そして文化祭終了後のダンスパーティーになって貸出衣装もあったけど俺らは文化祭で着た衣装で参加した。恭介は参加していなかったが悠は花房と参加していた。悠は花房の顔を隠すように踊っていた。視線恐怖症だったから隠してあげているのかと思った。そういう配慮をしていたからか優勝は悠と花房のカップルだった。
「そういえば美知留。今日で交際始まって一年だな。俺と付き合ってくれてありがとう。これからもよろしく。」
「レイ…。忘れていなかったんだね。一日それについて何も言ってくれなかったから忘れていたのかと思っていた。嬉しい。アタシこそ付き合ってくれてありがとう。」
美知留は泣いていた。そんな顔を誰にも見せたくないと思い俺はただ泣き止むまで美知留を抱きしめた。そんな文化祭と交際一年目の記念日だった。
答えは本編の通り戸村と礼二の交際一年目の記念日でした。いつもご覧いただきありがとうございます。