ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
「はーい。どちら様ですか?」
「従兄さん久しぶりだね。」
「さくら?」
「ルイ、誰が来たの?ってあら?さくらちゃんじゃない。前にあった時よりだいぶおっきくなったわねー。」
「おばさん。お久しぶりです。」
「さくらちゃんどうしたの?こっちに来る用事なんかあったかしら?」
「実は父の仕事の都合でこちらに引っ越してきたので。両親は引っ越してきたばかりで荷物の整理中で代わりに挨拶してきてほしいってことで私が来たんです。」
「学校は聖櫻?」
「はい。」
「なら俺と一緒か。学校の案内は必要か?」
「いいの?」
「ああ。遠慮はいらん。」
「それじゃあお願いしようかな。」
「それじゃ母さん行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
「あらルイ君これからお出かけ?隣の子はだれ?」
「るい、偶然だな。誰ってひどくないか?小さいころ一緒に遊んでいた従妹のさくらだよ。」
「久しぶりだね。るいちゃん。」
「従兄さん少し待ってもらってもいい?」
「いいぞ。」
「るいちゃんは従兄さんのことは今も好き?」
「なっ何のことかなー?」
「なら言いふらしちゃってもいいのかな?」
「わー!わー!正直に言うわよ!小さいころから今もずっと変わらず大好きよ!悪い!?」
「ふーん。ってことは私たちライバルだね。るいちゃん知ってる?従兄妹は結婚できるんだよ。」
「なっ。負ける気はないからね。」
「隙を見せたら奪ってあげますから。」
「ぐむむむむー。」
「それじゃあ行ってくるから。従兄さんとのデート楽しんでくるからね。」
「ムキー!覚えてなさーい!」
「るいのやつずいぶん怒っていたみたいだけど何言ったんだ?」
「乙女の秘密だよ。そういえば従兄さんは部活はしているの?」
「帰宅部だけどバイトしている。」
「へー。どんな?」
「祐天寺先生って学校の先生がリーダーになって他校と一緒に結成した不良や不審者の見回り及び取り締まりのバイト。」
「ずいぶん危ないことをしているんだね。」
「危なくはないな。祐天寺先生の方が危ないからな。その先生が定期的に師範となって取り締まりのメンバーに武術の稽古しているから。」
「ってことは従兄さんは強いの?」
「さあ?ただ取り締まりの検挙率では毎回トップ3には入っている。」
「へー、凄いね。」
「たださくらにはそういう危ないことはして欲しくないから入るとか言ったら俺が反対するけどな。」
「従兄さん…。」
「さて着いたぞ。ここだ。」
「ありがとう。クラスの方までも案内してもらってもいいですか?」
「どうしたんだ?さっきまでと話し方が違うが…」
「学校では従兄妹って関係は隠したいので…」
「そっか。ならそっちの意見を尊重する。奈木野は何組だ?」
「C組です。」
「ならあそこか。ついてきてくれ。」
「ここだな。」
「ありがとうございます先輩。」
「礼には及ばん。」
「それじゃあ帰りますか。ちょっと両親とおばさんに連絡したいので少し待っていてください。」
「もしもし奈木野ですけど。」
「あら、さくらちゃんどうしたの?ルイが何かした?」
「いえ。今日おばさんの家に泊まりたいと思いましたので。夕食は私が作りますから何卒お願いします。」
「いいわよ。」
「え?」
「さくらちゃん、ルイにアピールしたいんでしょ?それを抜いてでも姪っ子の頼みは聞いてあげるのがおばさんの仕事だから。お母さんには私から言っておくからね。」
「ありがとうございます!」
「誰と話していたんだ?」
「先輩のお母さんとです。今日泊まりますからね。」
「えー。いきなりだな。」
「先輩の部屋がいいなー。」
「それはダメだと思うけどな。」
「先輩のいけず。」
この日さくらは俺の家に泊まった。料理も美味しくてびっくりしたというのが俺の率直な感想だった。終業式直前に起きた小さな環境の変化だった。
るいに恋のライバルを出したかったことからさくらを登場させました。この先の話に絡んでくるかは今後の作者の計画の変更によって増えるか減るかはわかりません。