受験勉強に明け暮れた夏休みが終わり夏の暑さがまだ引かないまま九月に入った。登校していると後ろから、
「おはよーレイ。」
美知留が後ろから声かけてきた。
「美知留か。そういえばそっちの職業体験はどうだったんだ?」
「アタシの方は神崎君と一緒だったけどいい経験になりましたね。レイの方は?」
「俺の方は高校や大学卒業したらよかったらウチに入社してもらいたい言われた。」
「さすがはレイですね。ちなみにどこの会社?」
「俺のバイト先の焼肉屋の本社に行っていた。近々事業を広げるみたい。」
「仕事しながらプロをやっている人もいますから並行してやっていくのがアタシは賢明だと思いますよ。」
「美知留にあまりそれは言われたくないかな。昔何も考えずにコスプレブランド立ち上げるとか無謀なこと言っていたし。」
「うぐっ。痛いところを突きますね。でも今は保育士として働いてコスプレブランドやコスプレの写真集まで考えているんですから少しはお利口さんになったんですよ。そこは褒めてください。」
「はいはい。偉い偉い。」
「なんか雑ですね。」
「お仕置きをご所望ですか?お嬢様。」
「ドS執事は募集していませんわよ。執事、あなたはクビね。」
「そうですか。それではげんこつグリグリしても文句は言いませんね?」
「あーごめんなさい!げんこつグリグリは前回ので懲りているのでー!」
「わかればいいんだよ。」
「レイ最近アタシの扱いに慣れていません?」
「そりゃあもうすぐ付き合って二年だからそりゃ慣れるだろ。」
「それはそうとして今日は頑張りましょうね!」
「今日って何かあったっけ?」
「あーもう!今日は体育祭のアタシとの個人練ですよ!」
「俺は運動苦手だから忘れてたわ。あー面倒だ。授業聞いている方がまだいい。」
「アタシと二人三脚ですから頑張りましょうね。」
「もとはと言えば残り物で良い言っていたレイが悪いんですからね。まあアタシが二人三脚選んだらレイになるのは運命の流れでしたけど。」
「うぐっ。過去の俺マジで恨むぞ。」
「レイはアタシと二人三脚は嫌でしたか?」
「体育祭という地獄の中ではまだマシな方と思う。」
「素直じゃないですね。とりあえず下校になったらアタシの家に集合ですからね。」
俺、恭介、ルイはC組で悠はD組だったので赤と白では悠とは敵となった。
俺は美知留と二人三脚、ルイは騎馬戦にして、恭介は綱引きにエントリーしていた。悠は花房と二人三脚を選んだと聞いた。悠の方がこういうの強いだろうなーとは思った。去年の文化祭でベストカップルで選ばれていたし。
その日の授業中は美知留との二人三脚のことで暗い感情でいた。迷惑かけるのではないかとかいろいろ余計な考えが出てきてしまった。授業は演習だったことからそこまで苦労しなかったのはせめてもの救いだった。
下校となり美知留と一緒に美知留の家に来た。
「はっはっはよくぞわが城に来られた。ここはアタシ自らが相手をしよう。」
「ふざけるなら帰っていいか?」
「あ、コラ!帰らないでー!わかりましたから練習しますからー。」
「とりあえずどうやるんだ?肩組んで足も結ぶか?」
「足は本番だけでいいかと。とりあえず肩組みますか。」
肩を組んだら美知留の柔らかい胸の感触が俺の体にあたって意識してしまいそうでヤバかった。
「しまったー。こんなところにトラップがー。これ男女で二人三脚やったら絶対お互いの体を意識してしまうってやつじゃないですかー!」
「美知留もか。」
「ってことはレイも?」
「恥ずかしながら。」
「恥ずかしいのはアタシもですよ。うあーアタシのバカバカ!一時の感情で彼氏と思いで作りたいと調子に乗ってこれはシャレになりませんよ。」
「今頃悠の方も同じことになっているだろうなー。アイツバカだから。」
「そうかもしれませんね。」
「へっぷしっ。」
「ゆーくんどうしたの?風邪?」
「いや、誰かが噂しているんだよ。それにしてもこれは少しゆーちゃんの身体を意識しちゃって恥ずかしいね。
「うん。私もゆーくんの身体を意識しちゃっているし。」
「「「「どーすりゃいいんだー(どーすればいいのー)!!」」」」
「結局本番迎えちまったよ…」
「みなまで言わなくていいよ。」
「ゆーちゃん。俺ら大丈夫かな?」
「なるようになるしかないよ、ゆーくん。」
「そっちもか。悠。」
「そっちも同じか。礼二。」
「練習はだめだったが本番は負けないからな。」
「その言葉そっくり返すから覚悟しとけ礼二。」
今のところ赤組が恭介の出ていた綱引きとルイの騎馬戦で5点差でリードしていた。そして俺たちの二人三脚の番になった。
「ここで足引っ張るわけにはいかないな。」
「レイ。覚悟はできているね?」
「ああ。やるしかない。」
「ゆーちゃん。大丈夫?」
「うん。ゆーくんベストを尽くそうね。」
「うん。」
「よーい。」
パアン。乾いたスターターの音と同時に俺たちは走り始めた。
「いち、に、いち、に…」
ただ突き進むことだけを意識して進んでいった。順位はゴールした時には目の前の一直線だけを見ていてわからなかったが悠たちに負けたことをゴールで気づいた。
「やっぱりアイツらには勝てなかったか。」
足の紐をほどきながら俺はそう言った。
「順位はもういいですよ。できることをやったそれだけで十分です。」
「そうだな。」
花房と悠は1位でうれしさで抱き合って日も解くの忘れていてそのまま転がっていて花房が悠を押し倒す感じになっていてアイツらなんやかんやいいカップルだと思った。
結果は最後のリレーで白組に負けて優勝は逃してしまった。体育強いメンバーが今年は白組に多かったんだなと思った。負けはしたが美知留との思い出ができただけでも良しとしようと思った体育祭だった。
体育祭より文化祭が作者は好きでした