まだ風が冷たい3月の上旬ついにこの日が来てしまった。この制服を着るのも最後の日となった。最後の登校は二人で過ごしたかったことから美知留にあらかじめ連絡を入れて俺が迎えに行くと伝えていた。
少し早めに俺は起きて朝食を済ませて美知留の家に向かった。
「おはようございます。美知留さんはいますか?」
「あら、礼二君。美知留なら今ちょうど着替えているところで「おはよーレイ。それじゃあ行きましょうか。」それじゃあ行ってらっしゃい。お母さんとお父さんは卒業式の時に合流するからね。」
「はーい。」
「レイ。ついに今日で一緒の学校に通うのも終わりだね。」
「そうだな。入学式前に美知留に後ろから突っ込まれたのが昨日のことのようだ。」
「それ前にも言っていたよね。そればっかり言うと泣くよ?アタシマジ泣きするよ?」
「涙は卒業式終了後まで取っておけよな。」
「はい。この学校に伝説の樹があったら某爆弾処理が大変なあのゲームみたいなアタシからの告白で永遠に幸せになれたのになー。」
「時期は違えど告白は美知留からだっただろ?」
「まあそうですけどねー。そもそもこの学校に伝説の樹すらないですし。ちなみに鐘だった学校が舞台のゲームもありましてね。」
「美知留めっちゃゲームやっていたんだな。」
「しめじちゃんから借りたものもいくつかはありましたよ。アタシはその一部をやらせてもらっただけって考えるとしめじちゃんの家のゲームの量が想像しただけで恐ろしいですよ。」
「あいつのその財力はどこから出てくるのかは突っ込まずにおこう。」
「噂を聞いて呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。しめじが現れた。しめじは仲間に入りたそうにこちらを見ている。」
「姫島空気を読め。悪いな礼二。ボクがこの空気読めないバカを回収するからゆっくり最後の登校楽しみなー。」
「何するんじゃー東雲。わしはあいつらと話したいんじゃー。」
「姫島。バカのお前にはわからないだろうけど教えてやる。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえって言葉があってなこれ以上やるとお前に災いが降りかかるぞ。」
「具体的には?」
「例えばボクが姫島が攻略できなかったクエストやダンジョンを手伝わないとか?」
「Nooooooo!頼むワシが悪かった。だからこれからも手を貸してくれー。」
「はいはい。」
雑談のネタも付きかけた頃に俺と美知留は学校に着いた。教室に入るとクラスメイトに混じってAクラスの風町もいた。
「よー恭介に風町。そっちも風町と最後の登校を楽しんできたか?」
「えへへー。そうなんだー。恭介君と一緒の登校を最後にしたかったから。ちなみに誘ったのは私からだよー。」
「恭ちゃん。そこは恭ちゃんから誘いなよ。」
「誘おうとしたら陽歌から連絡が来たからなー。そこは俺の敗北だったな。」
キーンコーンカーンコーン
「予鈴か。さて俺はトイレでも済ませておくかね。」
「俺も済ませとくか。」
「それじゃあ恭介君卒業式終わったら一緒に写真撮ろうねー。」
「ああ!」
その後俺と恭介はトイレを済ませてHRが終わって卒業式に臨んだ。
送辞は鴫野で答辞は成績が良かった不知火が読むのかと思ったら俺らの代で生徒会長をやった篠宮が読んだことには驚いた。
卒業式が終わって最後のHRとなり卒業証書授与された後クラス全体で写真撮影をして、俺、恭介、悠、ルイ、美知留、風町、花房、るいで集まった。その頃に各両親とも合流して写真撮影をした。女子の四人は目元に涙を浮かべていた。
「レイー。アタシまだこの学校でレイと一緒に過ごしたいよー。」
「美知留出会いの数だけ別れがあるんだ。でも俺たちは付き合っているんだし卒業しても大学生だから会える時間はあるんだ。」
「グスッレイ。卒業してもアタシを離さないでね。」
「もちろん。」
「九条さん。良かったら私たちと子供たちとで一緒に撮影しませんか?」
「あら良いですねー戸村さん。ほら礼二。美知留ちゃんも。」
「それじゃあ俺が撮りますね。」
「恭介頼んだぞ。」
「おう!その後陽歌との撮影は頼むからな。」
「ああ。」
そして俺たちの撮影が終了して恭介や悠、ルイたちの両親との撮影を済ませて聖櫻学園を見てから聖櫻学園を後にした。こうして俺の高校生活三年間は終わりを告げた。思えば恋愛を除けば勉強と楽器に明け暮れた日々だった。とても充実した日々だったなと振り返った。
家に帰ってからバンドメンバーとオンライン会議で新曲を何曲やるか既存曲を何曲やるか話し合って浅野先輩のレコード会社のライブイベントに備えた。美知留からレイへの卒業祝い兼バンドが有名になる前祝として衣装を送られてより頑張らないとと思った。
卒業式から二週間が過ぎて3月の第3週の土曜日に浅野先輩のマーキュリーレコード所属のオーディションのライブとなった。そこには悠やまだまだこれからの先輩バンドや見ず知らずのバンドもいくつかあった。そこで俺や恭介、悠は今までにない最高のパフォーマンスができた。
ライブから3日後浅野先輩から電話が来た。結果は悠のバンドと俺たちのバンドは正式にマーキュリーレコード所属とするとの連絡だった。近いうちに書面でも送るとも頂いた。
聖櫻学園を卒業してこれから飛躍していく俺たちにふさわしい3月の出来事であった。
今回でガールフレンド(仮)の舞台となっていた聖櫻学園での物語は終了です。ここから次の話以降は大学生編になります。完全なオリジナルな話になるかもなのでそこはご容赦いただきたく思います。