俺のラノベは間違っている   作:もよぶ

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第七話

「でね中二、これからどうするの?」

「うむ、まずはだ」

雪ノ下から来た計画の詳細メールを見る

 

「うーむ、こっちに来るつもりがあるなら資格をとれとあるな、簿記とか会計とか由比ヶ浜殿は計算は得意なのか?」

「うん、数学とか複雑なのは苦手だけどさ文化祭の時会計事務ちょっと手伝ったりしてたからそういうのは大丈夫かな?」

「あと高校はちゃんと卒業しろとある、八幡も雪ノ下殿も今後のことを考えて仕事の合間に大検取る予定だそうだ」

 

「そうなんだ、ヒッキーもゆきのんも頭いいからね、すごいなぁ」

「他には高校卒業まで絶対居場所を教えるなともあるな」

「えーどうして?メールがダメなら手紙ぐらい書きたいよ…」

 

「由比ヶ浜殿の場合、教えると何も考えなしで来るかもしれないとか、不用意に送った郵便物から居場所がばれる可能性があるとのことだ」

「うー、そっかーんじゃあ卒業まで我慢だね!」

「いや待たれよ、本当にいいのか?きちんと考えさせてから行動させろとも書いてある、せめて一晩でも考えた方が良かろう、おぬしの人生だぞ?大学とかにもいきたいのではないのか?」

 

「うん、本当はさ、ゆきのんやヒッキーと同じ大学に行ってさ、また奉仕部みたいに一緒に居られたらなって考えてたんだ、でも二人ともい無くなっちゃったから目標も無くなっちゃってさ…」

また由比ヶ浜の顔が暗くなってくる

 

「うーむ、北海道の大学とかもあるが、得にやりたいことがあるわけでもないのにいきなり遠くに行くのも不自然だしな、雪ノ下殿の姉上はああいっていたがおそらくおぬしの行動は監視されてる可能性もある、おそらく我もそうであろう、目立つ行動は禁物だな。」

「そっか…少し考えてみるよ」

 

「そうした方がいいな、とにかく考えてみよ、我も毎日ここに来るようにする、形ばかりとはいえ彼氏役だしな」

「わかった、んじゃあ今日はもう帰るね」

「鍵は我が返しておこう、鍵の場所を覚えないといけないしな」

「ありがと、んじゃあね」

 

由比ヶ浜は軽く手を振って帰宅する

一人残った材木座はメールを再度見直す。要求事項はまだまだ多い

「さて、由比ヶ浜殿の決意がかたまったら我のラノベ読ませろともあるのだが、八幡は本気であの落ちを目指すつもりなのか?どうするつもりなんだろうか」

猛烈な不安に駆られながら材木座も部室を後にする。

 

結局由比ヶ浜は比企谷と雪ノ下とともに行く道を選んだようだ、ラノベを読ませたとき由比ヶ浜はかなり驚いていた

「ヒッキーとゆきのんはこれを目指してるの?」

「いやわからん、わからんがこれまでは微妙にシナリオ通りに来てしまってる、おそらくこれに近い何かの形を取ろうとしてるのかもしれない」

「こんなこと…でもこれならゆきのんともヒッキーとも…」

ぶつぶつ言っているようだが、こんなん許す親がいるとは思えない、やはり家を捨てないとどうにもならんだろう現実は厳しいのだ。

「ところで中二はどうするの?」

 

「我は物書き関係の仕事に就きたくてな、一応大学進学の予定だ、それにそのラノベには我のような人は登場していないであろう?」

「うーん確かになんか知り合いによく似た人たくさん出てくるけど中二みたいな人はいないね」

「八幡がパクリパクリとうるさかったのでな、現実をパクってやったのよ!でも自分をパクるのは気が引けたのでやめたのだ、そしてこの有様だ…」

「でもそのおかげでゆきのんは助かったんでしょ?よかったじゃん」

「よかったかどうかはまだわからん」

 

奉仕部では毎日資格の猛勉強、材木座も受験勉強の傍らネットから資格の過去問題を拾って来たり、取り寄せたりと細かい所を色々手伝っていた。その甲斐もあって由比ヶ浜は卒業までにいくつかの資格を取ることができた。

一応デートのようなこともしたが、資格試験の会場まで一緒に行くとか申し込みをするとかで大して色気のある話にはならなかった。

 

 

卒業式当日、学校に来るのも最後になった日の奉仕部部室

「今日で最後だな」

「中二、今までありがとう」

「うむ、由比ヶ浜殿も良く頑張られた、誇っていいぞ」

「えへへーありがとう」

「本当に行くのか?」

「うん、今日はクラスのみんなで打ち上げやるから明日だよ。ゆきのんが移動手段手配してくれてるんだ」

結局細かい打ち合わせなんかもあるので本人同士の連絡が必要になり携帯での連絡は記録が残るため自宅の電話で連絡を取っていたそうだ。

 

「左様か、それなら何も言うまい」

「中二は打ち上げとかいかないの?」

「ボッチの我にそんなお誘いがあるわけなかろう、もうしばらくここにいる」

「なんかヒッキーみたいだね…んじゃあね中二」

「うむ、八幡達によろしく伝えておいてくれ」

「あ!中二!ちょっと目をつぶって?」

突然妙なことを言い出す、言われるがまま目をつぶると、頬に柔らかい感触が

「今までのお礼だから、ヒッキーたちには内緒にしてね?」

そういってぽーっとしている材木座を残し由比ヶ浜は出て行った。

 

材木座とて男だ、正直由比ヶ浜へドキッとしたこともなんどかあったし恋愛感情が無かったというのは嘘になるだろう、しかし由比ヶ浜がこちら見るときは自分ではなく自分を通して比企谷や雪ノ下を見ているというのが透けて見えるため一定の距離を保っていたのだった。

 

「結局一人になってしまったな」

がらんとした奉仕部の部室を見てつぶやく、由比ヶ浜と過ごしてた間には生徒会長の一色やその他数名の女性も来たりしていたが、なにしろ男が材木座ということもあり女性は顔を出すだけでまったく寄り付かなかった。

ただ比企谷の妹小町だけは何か感づいてるらしく由比ヶ浜と真剣に話していることが多かった。

シスコンの比企谷のことだからおそらく連絡は取っていたのかもしれない。

こちらからの連絡も由比ヶ浜の件を最後に全くしていなかったため今となっては藪の中である。

 

「依頼も一件も無かったし人払いとしても役に立ったようだな」

最後にそういうともう誰も訪れることが無い部室に鍵をかけ材木座は卒業証書を手に学校を後にした。

 

 

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