数日後どうやって調べたのか材木座のアパートのポストに結婚式の招待状が届く
北海道は遠いなと思いつつ材木座は一路八幡の元へ行くこととなった。
式は身内だけで行われるということで自分を含む数名しかない
というかその数名は全員高校時代の知り合いだけであった。
葉山や戸部のグループの面々、無論戸塚の姿もある、ただ由比ヶ浜の姿が見えなかった。
あーこれはアレか、あのラノベの結末通りの奴か、どんな内容だっけ?自分で書いたものだがかなり昔のことなので殆ど忘れてる、たしか主人公と二人のヒロインが式を挙げるというやつだったかな?え?マジでこれやんの?そう思っていたらまさにその通りになった。新郎を挟んでウェディングドレスに包まれた二人の新婦が並んで登場した。傍から見ると異常だろうがここにいる全員がそれを認めてる。式は滞りなく進みパーティー会場は比企谷邸で行われることになった。
比企谷邸までは全員でマイクロバスで移動だったが、ちょうど材木座の携帯に仕事の電話が入ってきた為、材木座だけ後から遅れてタクシーで行くことになってしまった。
「あのー運転手さん?本当にここでいいの?なんかの施設じゃないのこれ?」
材木座の目には長い塀と門が映ってる
「ええ、ここ間違いないですよ?」
運転手に料金を払い門を潜る。
「はえー、庭がやたら広い、つか家だけで我の実家の2倍、いや3倍はあるなこれ」
塀の中の比企谷邸は広く築山や池までもあった。よくぞここまで成り上がったもんだと材木座が感心していると
「やっときたか、そりゃ嫁が2人もいるんだし毎日知人が押しかけてくるんだから家はでかくないとな」
後ろからラフな格好に着替えた比企谷が声をかける。
「今バーベキューの準備しているからお前も早くこい、お前が来ないと始まらん」
材木座は振り向き様に言う
「八幡!バーベキューとはとうとうお主もリア充の仲間入りか?それよりもさっきはすごかったな、あんなん初めて見たぞ、ここについてから衝撃を受けっぱなしだ!」
「お前の脳内じゃ既に開催済みだろ、そもそもお前の書いたラノベ通りに事が進んで怖いぐらいだったぞ」
「いや我は何もしていないではないか、すべておぬしと雪乃殿や結衣殿の頑張った結果だ」
「俺はその時やるべきことをやっただけだ大したことではない、それより材木座お前で最後だ、お前もこっちにこないか?それ相応のポストを用意してある」
「八幡よ、あのラノベには主人公視点で書かれており、我のような存在のことは書かれていなかったはずだ、原作にない無いオリジナルキャラを登場させるとユーザーに叩かれる原因になるぞ?み○みけ2期のようにな、それに我は今の仕事が好きでな、まだ頑張るつもりなのだよ」
「そうか、お前らしい回答だな、路頭に迷った時は是非声をかけてくれよ、雪乃も結衣もいつでも歓迎するといっている。」
「その時は是非頼む、社内ニートのポジでいいぞ!」
「ふ、そうだな、考えておくよ、それよりなあ材木座」
「なんだ改まって」
「俺の人生は間違っていないだろうか?たまにふと不安になる」
そう言って比企谷はボロボロになったあの日材木座が書いたラノベを手渡す。
「実はこれを支えに頑張ってきたんだ、きっと全部うまくいくってな」
材木座はそれを懐かしそうにぱらぱらとめくり
「八幡、たしか我は言ったはずだ、我のラノベの結末はみんな幸せ大団円、これ以上何を望むんだ?と、そして我のラノベのストーリは今日終わったのだ、ここからはおぬしのラノベであろう」
「俺のラノベか…」
「そんなおぬしが書く前から間違ってるんじゃないか、不安だなどと言ってどうする、書いてみないと間違ってたかどうかはわからん!我がおぬしらに何度ダメ出しされたと思っておるのだ!間違ってても書き続けるのが大事だとは思わんか?」
「俺のラノベは間違っている、そう思っても書き続けるのが大事ってことか?」
「その通りだ!さすがわが盟友!さあ次は我が学校で奔走している間こちらでいったい何があったのかとくと聞かせてもらうぞ、特に神田川の下りはかなりお気に入りだったからな!実現したのかどうか大変気になる!むしろ歌いたいぐらいだ!今夜は寝かせないからな!!」
「うへぇ、勘弁してくれよ」
しかし本当にこんな結末になるとはな、やはり我の書いたラノベは間違っていなかった。
終わりです、材木座がイケメンすぎましたね。
ちょろっと加筆しました。