ようこそ史上最悪の詐欺師さん   作:時雨日和

11 / 12
今回は原作にないオリジナルの話です。

なんか気分で割と書いたのでおかしい所とかもあるかもなのでお気をつけて、いってらっしゃいです。




『 』

夢中説夢

私の世界には私とあの人しか存在しない。

 

まさに夢中説夢。

 

あの人に教えられた事のある言葉だ。

 

意味はありえない事というらしい。

 

夢の中で夢の話をするという意味から実体がなくうつろではかないものであるとも言うらしい。

 

私という存在そのものを示しているとも言っていた。

 

あの人には私がどう見えていたのだろう。

 

家族だろうか、体のいい道具だろうか、友達だろうか、邪魔な存在だろうか、恋人だろうか、敵だろうか、それとも自分自身だろうか。

 

私にとってのあの人は…

 

私にとっての四月一日千里とは…

 

『ジャック』にとっての四月一日千里とは…

 

四月一日千里にとっての四月一日千里とは…

 

四月一日千里にとっての『ジャック』とは…

 

自分にとっての自分とは…

 

全て…全てが同じであり、全てが違うのだろう…

 

故に…これこそが夢中説夢なのかもしれない。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

船での特別試験が…と言うより、バカンスと言って良いのかよく分からない特別試験が終わった。

 

それが終わってから、いやあの日茶柱先生と話してからあいつの様子がおかしい。

今まで意味もなく話しかけたり、他の人とも話したり遊んだりしていた。それがあの日から1度もない。

 

確かにあたし関連の事ならはっきりと言えるけど、ほかの事はあいつといつもいる訳じゃないからはっきり言えないけど、電話に出なければメール1つの返信すらない。

それに、今日最後に全員が集まる解散式でも、それが終わった後でも自分から話しかけたところを見てない。

 

話しかけられれば話していたと思う。ちょっと遠かったからよく分からないけど、"いつも通り"な感じだった。

でも、たまたま1度だけ見えた。話し終わって誰も見てない、あいつと話していた相手が目を離した後、一瞬…ちょっとの間だけ前に平田君と2人であいつの部屋に行った時に話している時とこの前茶柱先生と話している時と同じような…なんて言えばいいのかよく分からないけど、"いつも"とは違う表情をしていた…気がする。

 

ほんとにちょっとの間だったし、あたしもすぐに目を逸らしたから確信はない。

なぜか、見てはいけないような気がしてしまった。

 

思えば、綾小路君があたしを協力者にしようとした時の表情に似ていたような気がする。

そうだ、その事も言わなきゃない。仮にもあいつはあたしを守ると言った。今のところ守られたことなんて無いけど…

 

そして、今なぜあたしがあいつの事をこんなにも考えているか、それはあいつからメールが送られてきたからだ。

今までのメールへの返信かとちょっとだけ思ったけど内容は『水を6リットル買ってこい』だった。

 

これが来た瞬間リアルに『はぁ?』と声が出た。

何これ、まず命令口調なのがムカつく。何様のつもりよ。

それに意味がわからない。確かに水道水はあんまり飲みたくないけど、6リットルは多過ぎない?と言うより女子にこんな重いもの頼む?普通。

こんな感じの事を返信したけど、全く返ってこないし。

 

今現在買って向かっているけどほんとに重い。暑いし、それに平田君以外の男子の部屋に入るのも立場上ほんとは嫌だ。

ただ、守ってもらうためには必要だし、言いたい事もいっぱいあるからしょうがなく行ってあげる。

さすがに直接なら話すでしょ。

 

そして、部屋に向かう。運良くホールにもエレベーターにも誰もいない。それに、あいつの階についてからも誰もいない。みんな休むために部屋にいるんだろう。あたしも早く休みたい。

 

あいつの部屋の前まで行って、インターフォンを押そうとした時声が聞こえた。あたしは慌てて周りを見た。

やばい、誰かいる?!そう思ったけど誰もいなかった。そして、また声が聞こえた。低く、唸っているような声だった。それは目の前の部屋から聞こえる。

 

あいつだ。あいつの声だ。

あたしはすぐに扉を開けようとした。でもすぐに思った。鍵は開いているのか?

でもそんな考えはすぐに消えた。扉が開いたからだ。

 

そしてすぐに目に飛び込んだのは頭を押さえて倒れているあいつの姿だった。

 

「ちょ、ちょっと!?大丈夫!?しっかりして!」

 

「ぁぁ…ぅ……くぅ…」

 

「大丈夫?!どうしたの?!」

 

「じ……ぅ…」

 

相変わらず頭を押さえて唸っている。突然の事すぎてよく分からない。

とりあえず寝かせた方が良いよね。幸いにもベッドのすぐ近くだし。

 

「動ける?ベッドで寝た方がいいよ。ほら肩貸してあげるから」

 

そうして、あたしは肩を貸してベッドに寝かせることに成功した。ちょっと重かった。

 

「ぅ……ジャ………ック…」

 

「え?」

 

「ジャ…ック…」

 

「ジャック?誰?」

 

「水…」

 

「……わかった水ね」

 

ご所望通り買ってきた水を渡した。2リットルの飲料水。あたしの優しさでキャップをとってあげた。

そしてそれを弱々しく受け取った。今まででは想像もつかないほどの弱々しさだった。

 

そして水は…2リットルあった水は一気になくなった。

飲み過ぎじゃない?

 

それからは唸り声が止まった。頭を押さえてたから頭痛が酷かったのか。それが治まったのか…寝息が聞こえる。寝たみたい。

眼鏡を外してあげた。前触った時は凄い勢いで腕を掴まれたけど、余程疲れたのか、それとも分からないほど弱ってたか、寝てたからかよく分からない。

 

四月一日千里。こいつの事は分からない事だらけだ。そしてまた1つ分からない事が増えた。

『ジャック』とは誰だろう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

気づいた時にはベッドにいた。そして、どうやら眠っていたらしい。

 

「おはよ」

 

どうやらこいつのお陰らしい。なるほどなるほど。

 

「ありがとう。お陰でようやくピークを超えたよ。ポイントは後で送っておく…いや、今送っておくか」

 

そうして俺はすぐさま端末を操作して恵へとポイントを送った。

2万ポイントくらい。それを確認した恵。

 

「はぁ!?ちょ、おかしいでしょ!」

 

「何だ?嬉しくないのか?」

 

「嬉しいけど…2リットルの水3本何だから5、600ポイント程度なんだけど」

 

「………」

 

俺はそれを聞いてまた端末を操作した。

 

「ちょ、ちょっと!何でまたポイントを送ってるのよ!しかも…なんでこんなにポイント持ってんのよ!!」

 

俺が送り付けたのは30万ポイント。

驚くのも無理はない。Dクラスで、ましてや転入してきて間もない俺が持ってる額では無いんだから。

 

「かなりコアなファンが結構いてな…1年どころか2年にも3年にもな。そんな奴らから色んなもんを貢がれるんだよ。食べ物やこの部屋にある雑貨や設備、そしてポイントをな」

 

「……はぁ?」

 

「だから無駄にポイントは持ってんだ。これくらいならまだ安い…いや足りないくらいと言っても過言ではないな」

 

「どういう事?だから、たかが水にいくら…」

 

「そのたかが水で俺は回復してる。もしかしたらこれが無かったら死んでたかもしれないんだぜ?」

 

「っ…そうかもしれないけど…でも…違うかもしれないじゃん。たまたまタイミングがよかっただけかもしれない。それに…死ぬなんて…」

 

「…確かにな、まあ、ぶっちゃけると水が無くても回復する。時間が経てば回復するものだからな。

事故の後遺症での頭痛だ。かなりの痛みは伴うが死ぬ事はないし、俺は三日三晩…いや4日と8時間飲まず食わずでも死なない事は体験済みだしな」

 

「じゃあ…なんで…」

 

「詐欺師に借りは禁物なんだよ。あと売人としてもな」

 

「売人って…」

 

「詐欺師の仕事に飽きた時は売人としても仕事してんだよ。俺は。

まあ、半分詐欺師の仕事も含んでいるけどな。注文された本物を渡した事なんて1度もねぇんだから」

 

「………」

 

「モノの価値は人それぞれだからな。俺は水に払ってない、お前への借りに金を払ってんだ」

 

それから恵は無言になった。と思ったら。

 

「…あんたにとって…四月一日千里にとってあたしは何なの?!」

 

「……」

 

「前はあたしを守るって言ってたから、あたしはあんたの言う通りにしたし、信じてもいた。でも、実際のあんたは自分がしたいようにやっているだけ、あたしの事は1度も助けてなんかいない!船の時だって…あたしはあの後綾小路君にあたしの秘密を知られて、協力者にさせられた。あたしは…」

 

「俺にとってお前は何なのかって質問だったな。

そうだな、クラスメイトであり仲間であり擁護対象であり…お前は俺だ」

 

「…は?」

 

「お前は俺なんだよ。自分を、自分自身を偽ってしか外に出られない。そんな生き方はやがて死ぬ。

もちろん実際に死ぬって事じゃない。自分という存在が死ぬんだ。いずれは自分が何なのかも分からなくなる。

…お前にはそうはなって欲しくないんだよ。仮にお前がこういう奴じゃなければ強くは干渉しなかったと正直に言ってはおこう」

 

「……」

 

「どうだ、失望したか?けど現実なんてそんなもんだ。信じられるものなんていない。信じて騙されても勝手に信じた方が悪いんだよ。自分の力で強くならなきゃ自分は守れない。もちろん、腕力的なものだけじゃない。精神的な強さもな」

 

「ジャックって誰?」

 

「!?……何故それを?」

 

「唸っている時にうわ言で言ってたの」

 

「…お前はそれを聞いてどうする気だ?」

 

「…そうね。あんたの秘密として櫛田さんとかに教えて広めようかな。櫛田さんならすぐに広まるでしょ。まあ、これでどんな効果があるかはあたしには分からないけど…詐欺師は情報を漏らされるのが恥なんでしょ?」

 

「……ふっ、ふっふっふ、ははははは…ああ、可笑しい、まさか俺を脅しにかかるとは…あー、やっぱりお前は面白い、やはりお前は機転が利いている。

お前を手放すなんて出来ない。俺から離れるな」

 

「は、は、はぁ!?!」

 

「俺は今からお前に俺の秘密を全て話す。聞いたらお前は俺から逃れることは出来ない。これが表に出るまで俺の駒として動いてもらう。それでも良いのなら聞け。今ならこの部屋をすぐに出て聞かないという選択もできる。もちろん、聞かなかったからと言って守るという約束は必要最低限守る」

 

確かに伝えた救済措置、しかし、それでも恵は動かなかった。

 

あぁ…こいつは面白い奴だな。まったく…何故俺を信じられるのか…いや信じてないからこそなのかもしれないな、俺には真意は分からないけどな。

 

「まず前提としてジャックとは外国で俺が拾ったスラムの孤児だ。正確には拾ったと言うより選んだと言った方が正しいな。

理由としては俺の影武者として動かすため、俺の代わりに仕事をさせるため、俺と成り代わるためだ」

 

「そして…俺の秘密は…ーーーー」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

秘密というものは共有する事により初めて秘密となる。

そして、それは2人でないと成り立たない。3人以上ではそれは意味をなさない。

 

故に…今は俺と恵との2人の秘密だ。




軽井沢さんってこんな感じでいいのだろうか?

キャラ崩壊というか…別キャラみたいになってる気が…あとなんか頭良いように見える…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。