一応原作に関係していますが半分以上はオリジナルな感じです。
そろそろよう実の最新刊が出ますね。今回はちゃんと予約して取り寄せ頼みました。
「君、名前は?」
「………」
「君、名前は?」
「"お前ら"は何がしたい」
「君、名前は?」
「私達は確かに"ゴミ"だが、国ですらこんな事はしなかった。いや、こんな事にすら使用する時間がない、と言うより無意味な事だ。"ゴミ"である私でもわかる。
なぜだ?」
「君、名前は?」
「…機械か何かなのか?それともそれしか話せないのか?"ゴミ"である私よりも能無しか?
はっ、所詮は子供か?少し考えたら分かるだろ。"ゴミ"なんだぜ?私は。名前なんてあるわけないだろ。ここに"いた"のは1秒後を生きることすら…自分の事しか頭にない奴らだ。名前があろうが無かろうが差は無い。それに私は親を知らない。どこぞで生まれたかも分からない。どうやって赤子の頃を生きてたかすら知らない。誰に育てられたのか、あるいは育てられてないのかすらも知らない。わかったか能無し」
ガッ!!ドン!!ゴン!!ゴッ!!
「ぐっ…」
「ふむ、4回か。中々少ない方かな。
よし、なら聡明な君に"能無し"な俺から名前を授けよう。
そうだな、この国に因んで『ジャック』と名ずけよう。おめでとうジャック。これで君も"ゴミ"から四月一日千里の駒になるんだ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
学校が始まり、そして、放課後になった。夏休みは終わっても夏という季節は終わらない。
要するに、暑い。
俺の"地元"も、"あいつの地元"もここまでは暑くなかった。ふむ、やはり東京の夏は暑いな、"あいつ"の言う通り夏に東京から西や南方面に行かないかったのは正解だった。
それにこの服装だ。不用意に外を出歩きたくないな。これっきりにしたい。
俺も"あいつ"も暑いのも、熱いもの苦手だからな。やはり"北国"育ちは…
そう思いながら俺はコンビニで買ったアイスの棒を噛んでいた。なんて事ないベンチに座りながら。1人で。
1人で。(2回目)
まあ、真面目な話何故俺が無駄に憂鬱そうにしているかと言うのは…
「体育祭」
そう体育祭である。暑いのでいつもよりも頭が回らない可能性がある。体を動かすこと自体は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
ただ、俺一人の個人技のみなら話は早いし基本的に負ける要素も少ない。何人かを除いた場合に限り確実に勝つ。それほどの自負はある。あるとすれば清隆や生徒会長とか、それと副作用だがこれはあと数ヶ月は先の話だ。これは除外してもいい。
ただ…
ただ、だ。午後からの2時間目、体育館で全生徒の顔合わせがあったが、その場でも翔の傍若無人っぷりは変わらないらしい。
今回は俺たちDクラスはAクラスと組。そして、BクラスとCクラスで組を組むという編成で行われる。
そんな中で聞こえてきた翔と帆波の会話。それを要約するならCクラスはBクラスと組まないこと。だ。
まさに翔らしい。一見勝負を投げたように思えるが、あの男程腹の中が見えずらい男も珍しい。いや、いるんだけどなもっと見えずらい奴が何人か…
だが、俺が1番…ほとんどの意識を持っていかれたのは坂柳有栖の存在だ。ああ、あの時間は俺はあいつにほとんどの視線が持ってかれた。
あの時間を、あいつに奪われた。
あいつを見ているとほかの音が聞こえなくなり、胸が疼く。心臓が、脈が早く、鼓動が早くなる。思い出すだけでも同じ現象が起こる。
「これが恋か!」
「何馬鹿な事言ってんの?」
気がつけば目の前に恵がいて、一言放ったがすぐに通り過ぎようとした。
いやうん、別に約束してたわけじゃないから無視してくれて構わないんだが…
「ちょうどいいところに来たな恵!少し俺の悩みを聞いてくれ!」
「…なに?」
「そんな露骨に嫌そうな顔をするなよ。聞きたいことは簡単だ。
"恋"とはなんだ?」
「帰る」
「まった!いや、待ってください!」
「…頭大丈夫?あんたが…千里があたしに敬語使うなんて」
名前呼び、今までは『四月一日君』という呼び方をするような関係ではない、かと言って『千里君』という呼び方をする様な事でも無かったが、夏休み中に洋介と名前呼びする事にしたらしいためそれに乗じて呼ばせた。
いつも『あんた』呼びだったからな、少し分かりずらいからなそれだと。
「ギャグムーヴというやつだ。気にするな。暑さで頭はいつもよりは弱ってるけどな。
ふと思ったんだ。"恋"とは何なのか、今までそれを体験する事も気にしたことも無かったからな。俺には"あいつ"しかいなかったからこの学校に来て嫌でも人と接しなければならないからな。
前にも言った通り俺はモテる。告白される事は少ないくないし、貢いでくるコアなファンもいる。ちなみに言うとそのコアなファンには男もいる」
「うわぁ……」
「呆れてるのか?まあ、そいつらが尊敬的な…舎弟的な気持ちで俺に貢いでるのか、同性愛的感情なのかは俺では分からないけどな。
…それ故という訳では無いが、恋というのはどう言ったものかというものを恵的観点でいいから教えて欲しいと思ってな。ちょうど通りかかったついでだ。このまま会わなかったら夜にでも電話して聞こうとしていたところだ」
「めんどくさ、あたしも別に本当の恋とかしたことないし…
まあ、あれなんじゃない?その人と一緒にいたいとか、その人の事ばかり考えちゃうとか、そんなもんじゃない?と言うよりほんとなんでいきなりこんな事思ったのよ」
「午後の授業に体育館での集まりで初めて有栖を長時間見た。今までは所謂坂柳派閥の奴らが阻んできたからそんな機会は無かったからな。それでだ、その時に目を奪われたというか目が離せなかった。心臓が高鳴ったような気がしたりもした」
「…なに、あんたはああいう子がタイプなの?」
「確かに有栖は容姿的に見たらトップレベルで可愛い。病弱で儚げ、正に深窓の令嬢と言った所だろうな。
だが、だ。一緒にいたいという気持はならなかった。これは"恋"と言うよりは"好意"。しかも戦闘…違うな策略、戦術、好戦的なこいつは俺を追い詰める事が出来そうだと思わせる奴だという直感が働いた感じだったんだろうな」
「…はぁ、ほんと悪魔みたいな男ね」
「まあ、悪魔だからな俺は。
そうなると、今まで一緒にいたいと思った事があるのは同性も含めても今のところ一人しかいないなら」
「どうせジャックでしょ?」
「いや、お前」
「はあ!?」
「"あいつ"は確かに一緒にいて俺は楽だがそこまでの拘りは無いな。これからの事を考えるとな。いなくても困る事はもうない。強いて言うなら身代わりとしての役割だが、それはそれで俺がヘマをしなければいいだけの話だ。
だが、恵は…」
「待った!やめて!言わないで!」
俺の言葉を恵は赤い顔をしながら全力で止めた。
「何故止める、俺はこれからどうしてそう思ったかを恵に説明しようと」
「それをやめてって言ってんの!仮に言ったことが本意じゃないとしても面と向かって言われるのは恥ずい!」
「…ふっ…」
「笑うな!!」
「ふふ…悪い悪いあまりにも恵が可愛い反応するものだからな」
「帰る!」
「気をつけろよ」
俺はずんずん進んでいく恵の背中に手を振りながら見送る。
さてと…そろそろ俺も帰りますかね。暑いし、アイスもとっくに無くなって棒しか無いし。
うわ…噛みすぎてやばいな…
なんで噛んでたんだろうか?別に俺は噛みグセもないし、口寂しいなんてことも無い。煙草とか吸ってなかったし…"あいつ"は吸ってたな。
俺自体煙草は吸わないしな。ただ…何故かあいつの煙草の煙は好きだったな。試しに吸ってみた事はあったが一瞬でやめた。これじゃない、と思って。
どうやら俺は"あいつ"が"吸っている"煙草が好きなのではなくて、"あいつ"が"吸った"煙草が好きらしかった。
ははは、キモイ。
そういえばなんの話ししてたっけ?
ああ、体育祭だったな。ある程度手を打っておくか、それとも今回は見逃す、いや見送ると言った方がいいか…今は完全に龍園VS堀北みたいな感じだし、翔も堀北しか見てないからな、あいつの成長の為にも見送ってみようか。
もし俺に…いや無いな。あの堀北が俺に助けを乞う…いや協力を仰ぐなんて確率1パーセント以下か?
さて、次考えなくちゃならないのは有栖か?でも、ものがものだからこの体育祭じゃ有栖は仕掛けてこないか?
話を聞く限りじゃ好戦的な性格らしいが今のところ目立った動きは俺では確認できていない…康平が落ちてからか?それならもうあと一歩かな。恐らく夏休みの試験で康平の株はかなり大きく下がった。今回の体育祭で持ち直さなければAクラスは完全に有栖に喰われる。
俺の予想。今回有栖は動かない。
うむ、我ながら確率は高いな、7割は堅い。もっと言えば8割超だ。
…暑い。なんでこんな無駄な事を外で考えているのか、ほんと頭回ってないな。帰るか、そろそろ部屋のエアコンが恋しい。
お?これは…恋か!俺はエアコンに恋をしているぞ!エアコンと一緒にいたい!
馬鹿か…
俺は隣に置いていた鞄を持って寮への道へと体を向けた。
「待って」
俺はその声の方向、つまり後ろを向いた。体を180度回転させるとそこには堀北がいた。
「あなたに話があるの」
「俺は無いが、聞くだけ聞こう。暑いから手短にな」
「…なら単刀直入に言うわ。今回の体育祭、あなたにも協力して欲しい」
俺は…俺の計算が崩れる音を久しぶりに聞いた。計算が外れることはよくあるが、まあまあな時間をかけた計算と予想が崩れるのは久しぶりだ。1年近くは無かった。
「お前が…俺に…協力を仰いだのか?」
「そうよ」
「…誰かの入れ知恵か?
そうだな…清隆あたりか?」
「いいえ、これは私の判断よ。綾小路君もましてや平田君も関係ないわ。私が考えた結果よ」
「面白い冗談だな。俺は嘘は好きだが、冗談はそこまで好きじゃないぜ?」
「使えるものは使っていく。あなたの身体能力は聞いているし無人島でも見ていた。あなたはほとんどの競技で1位を取れるわ」
「…まあ、それなりの自負はある」
「ならそれを使って欲しい。正直あなたなら平田君あたりに言われれば協力するとは思っていた。でも私が思っている以上にあなたは気分屋だった」
「ふーん…そこまでして勝ちたいのか…なるほど…」
「…それと、優待者を当てる試験の時の事は私が早計だったわ。何も知らず勝手な事を言ってしまったと思っているわ。本当にごめんなさい
あの堀北が俺に頭を下げるとは…まあ、仮に俺がどんなに堀北の事を嫌っていてもこういう真摯さに応えない訳にはいかない。
うむ、我ながら割とクズみたいな展開は思い浮かんだが、今後のためにこれは保留にしよう。どうせ堀北に言われずともある程度はやるつもりだったし
「いや、あの時はあんな挑発に乗った俺が悪いんだ。あれ、俺の力を見たかったがゆえのやつだろ?悪かった。
今回の体育祭は俺もある程度の種目には出るよ。それで出たものでは優秀な成績を残すことは約束しよう。それに練習もあるなら出られるようにする皆のサポートだってするさ」
「ありがとう四月一日君、感謝するわ。それじゃあこれで」
「おう、また明日」
これは俺の後時のやつが効いたのか、それとも俺が知らない夏休み中に何かあったのか…ふむ、まあいいか。特に興味はない。
今の興味はこの体育祭での俺の立ち回り方についてだ。はっきりとある程度の種目に出ると公言してしまった以上嘘とは言えないし手を抜きすぎて下位に落ちるのは面倒くさい。
仲間と共に1位を目指すぞ作戦も悪くは無いが面白くない。それならまだ全てを裏切り翔に協力する方がまだ幾分か面白い。堀北からの俺の株は大暴落する事になるが。
部屋に着くまで面白い案は思いつくか?
…………………
お?おぉ!もしかしたら思いついたかもしれないな。
少し今回で俺のキャラクターが面白くない方向へ転がるかと思ったが…少しは巻き返せるかもな。
うん、まあ、今までも面白いかと言われればなんとも言えないが……
よし、それじゃあまた面白い俺へと期待を込めてまた次回。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「これで終わると思った?」
「何なんだお前は…」
そいつは明らかに私よりも身体能力が低い。なのに、なのにだ。なぜ私はこいつの前に這いつくばっている。今も髪を掴まれ無理やり顔を上げさせられている状態だ。
「お前にはまだ知恵が足りないな。確かに相手の動きを先読みする事は多少は出来るが、それすらを把握している相手には全く持って通用していない。
確かに俺はお前よりも筋力もスピードも何もかもが劣る。それなのにお前の頭は俺よりも下にある」
私は歯を食いしばった。何も言い返せない。私は今まで生きるために…死なないために生きてきた。無様に、無意味には死にたくなかった。"ゴミ"と評されたまま…"ゴミ"と評されたまま何も考えずに生きて死んだ奴らと同じようになりたくないと思いながら生きた。
知恵もない獣のような"ゴミ"達にしか通用しなかった。私はただの"ゴミ"の中の少しだけ知恵がある"ゴミ"だった。
それを今痛感している。
「所詮"ゴミ"は"ゴミ"だったと言うわけだ」
その通りだ。この中で生き残ってもこいつ1人満足させられ無かった。
そして、最初に言っていた通りこれで終わらなかった。
掴まれた頭を何度も地面に叩きつけられた。当然のように鼻血は出て、当然のように歯が何本か折れた。
その後は頭を蹴られ、腕を蹴られ、腹を蹴られ、足を蹴られた。私よりも力は弱いがそれでもそこらの同年位のやつよりも強い。一つ一つの蹴りが重く強い。腕は感覚が無くなっていた。腹を蹴られれば数少ない私の胃の中身をぶちまけた。まともに立つことも出来ない位の足になっていた。
「反抗する気は失せたか?なあ、『ジャック』」
ジャック?ああ、そう言えば名前を貰っていたのだったな。反抗しなければどうなるのだろうか?ああ、言っていたな。こいつの故郷に、日本に連れていかれるのか。
なら反抗すればどうなるのだろうか?このまま殺されるだろうか?
嫌だな。このままならこの中で死んでいった奴らよりも無様だ。なら反抗はやめよう。このまま日本に連れていかれよう。その方が無様ではない。死にもしない。ならそうしよう。
今持てる力を振り絞り地面向けていた顔をそいつに向けた。
「し…ねよ……わた……しは…し…だら…おまえ……を…ころす…」
無様だ。なんとも無様だ。下らない。死んだらお前を殺す?馬鹿だ。死んだらそれまでだ。殺すことはおろか動くことすらできない。馬鹿は死んでも治らないとはよく言ったものだ。死ぬ前が私が1番嫌った、今まで見た中で1番無様だ。
「…面白い…ああ、面白いな。ならやってみろ。俺を殺してみろよ『ジャック』!」
そしてこの国から私という存在は死んだ。
書いてて思いましたが、本編よりも最初と最後に書いたやつのほうが面白いとはこれ如何に…
感想や指摘は待ってます。来てくれた瞬間私の気分はめちゃくちゃ上がります。