ようこそ史上最悪の詐欺師さん   作:時雨日和

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今日は何の日でしょう?
危うく過ぎる所でしたが間に合いました。

本日は軽井沢恵さんのお誕生日です!おめでとうございます!!

というわけでちょっとだけ軽井沢さんの出番が今回多いです。少しだけデレた軽井沢さんも書きました。遂に今回からタグにメインヒロイン軽井沢恵を追加します!


捨身飼虎

3日目

特に問題という問題はなかった。皆でトウモロコシを取りに行ったという事だけだ。何人か張り紙について話していたのを聞いた。それは俺がやった事だと言ったら納得していた。

『この場、私有地なり、勝手な持ち出しを禁ずる』

簡単だが、効果は高いだろうな。なぜならスポットというシステムがあるため迂闊には手出しは出来ないからだ。

 

そして、4日目

とうとうCクラスはほとんどの生徒がリタイアした。それを見た俺はとある場所へと赴いた。

 

「やあ、帆波。調子はどうだ?」

 

Bクラスだ。一之瀬帆波を筆頭としたどのクラスよりも統率の取れたクラスだ。もちろん俺はこのクラスにも接触はしている。知り合い程度なら全員。連絡交換済みは半数近くだ。帆波は1番最初に連絡を貰った相手。

 

「あ、四月一日君!どうしたの?偵察?」

 

「ああ、Cクラスがほぼリタイアして、Aクラスは完全封鎖地帯だからな。必然的に足が向いた」

 

「あはは…そうだよね。ほんとCクラスには驚かされたよ」

 

「お前らもCクラス1人抱えてんだろ。大変だろうけど気をつけろよ」

 

「あはは、大丈夫だよ。金田君がいるんだけど龍園君に追い出されたみたいで、こっちでも一生懸命働いてくれてるよ」

 

「…ま、お前がいいんならそれでいいか。皆納得してるようだし…邪魔したな」

 

「うん、またね。四月一日君」

 

帆波は相変わらずだった。Cクラス金田悟はCクラスの中でもトップクラスの学力を持つキレものだ。恐らくだが、この作戦もあいつが1枚噛んでいる可能性が高いだろうな。

 

夜、俺は恵と洋介に接触した。なんてことは無いただの状況の確認をしていただけだったけど。洋介曰く、誰からも不満の声が上がっていないそうだ。それに助長するように恵も女子からの不満はないと言っていた。

どうやら、洋介の目的は果たしているようだ。皆との絆は深まっている。

 

そして、深夜

俺はいつもと違い木の上にはいなかった。全員がテントに入った後、懐中電灯を1つ借りて夜の森を散策する。

理由は簡単だ。暇だったから、薪拾いや木の実集めをするためだ。俺は超夜型のショートスリーパーのため、むしろ夜の方が動きたくなる。

 

そんな衝動に駆られた俺は4日目の夜中、正確には5日目の夜中に出かけたのだ。

ただ、その行動が軽率というものだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

つまり、俺が今この状況に陥っているのは完全なる自業自得のなせる業だ。

いや、そんな誇らしげに言うことじゃないな。今なら3歳児にすら喧嘩で負けそうなレベルまで俺は下がっている。大きなハンディキャップを背負っているためだ。

 

そんな事を(何もしていない)している内に、体感で約4時間は経った。だから現在は午前3時~4時辺りだろう。

やることも無い。というよりやれる事が無いと言った方が正しい。少しだけけもの道から外れた所にいたのを戻ったはいいが、ここからはどちらが来た道か分からない。生憎と足跡すらもぐちゃぐちゃになってしまった。

 

約体感1時間半経過

少しだけ、陽射しの存在が体温を通じて分かってきた。視界も少しだけ白が強くなった。だから恐らく4時~5時半の間だ。すると、ザッザッっと足音が聞こえる。

 

その足音は徐々に徐々に俺の方に近づいてくる。まるで、俺の存在が、そこにいるという事が分かっているかのように。

その足音は俺の目の前で止まる。俺の視界にもぼやけたシルエットが黒く映し出される。

 

「そろそろだと思っていたよ」

 

「…………」

 

その人物は無言だった。息遣いの音すら聞こえないほどだ。

その人物は俺の手を引き、案内するかのように先導して歩いていく。

 

「おいおい、少しは気を遣ってくれ。すげぇコケるんだけど」

 

「………………」

 

「悪かったよ。こんな朝早くに起こさせて俺の事を探させる何て事させたは謝る。だから機嫌直してくれよ」

 

俺は一呼吸置いて、その人物の名前を呼んだ。

 

「なあ、恵」

 

「………はぁ………」

 

恵はため息と共に足を止めた。凄くダルそうだ。

 

「ほんと、意味わかんないんだけど。何?あの命令」

 

俺は昨日恵と洋介と話した時、恵にだけ1枚紙を渡していた。それには『朝5時に起きて俺の事を探せ。印は残しておく』と書いていた。

 

「何、餌を撒いてたんだよ」

 

「餌?」

 

「まあ、皆が起きる頃鞄を漁れば分かることだ」

 

「……あんたの言ってることはほとんど訳がわかんない」

 

「安心しろ、悪いようにはしない」

 

「ふん」

 

少しだけ機嫌を損ねたようだ。また、乱暴に歩き始めた。おっと、またコケた。

 

「はぁ…久しぶりに感じたよ。恵」

 

「何が」

 

すげぇ適当に聞いてくるんだけど…優しいのか優しくないのか微妙過ぎる。

 

「久しぶりに、暗闇で寂しいと感じたよ。それで、そんな中で手を握られて、温かいと感じた」

 

「…あんた、大丈夫なの?その…風邪とか引いてない?手、めちゃくちゃ冷たいし」

 

「何?心配してくれてる感じか?」

 

「ち、違うし!!これは風邪引いてリタイアとかされたらポイントが下がるって事!!」

 

「ふっ…」

 

「笑うな!!」

 

「悪い悪い。素直に嬉しいぜ。来てくれたことも心配してくれてる事も」

 

「だから……はぁ…もういい。で、どっからが嘘?」

 

「何を言う、最初から俺は本当の事しか言ってないぜ?」

 

乾いた、しらけ切った笑いを恵は出す頃には拠点までついた。それからは恵に俺のバッグから予備の眼鏡を出してもらい。装着する。それからは恵がテントに戻ったのを見てから俺も木に登った。

 

少し経った頃

女子のざわめき声と男子の気だるそうな声と共に俺は木から降りた。

 

「どうかした?」

 

「あ、平田君…平田君には関係ない話なんだけど……実は軽井沢さんの下着が盗まれたの」

 

狙い通りだ。

 

それから男子は抗議するもひとまず荷物チェックをする事になった。

もちろんのこと俺のバッグの中には入っていなかったが。

 

「ば、ち、違ぇし!!」

 

どうやら寛治のバッグから出てきたようだ。寛治と春樹が言い合っていると寛治が下着を清隆に押し付けていた。渋々受け取った清隆。

 

「清隆」

 

「ち」

 

「安心しろ見てた。これに入れろ」

 

俺が渡したのは簡易トイレで使われる給水ポリマーシート。

 

「俺が罪を被ろう」

 

「だけどお前」

 

「急ぐぞ、お前まで怪しまれる」

 

そう言って俺は先に皆の元へと向かう。

 

「それでどうだったの?」

 

「だから!俺らは!」

 

「ごめん!みんな!」

 

この一言に皆の視線が全て俺に集約される。

 

「犯人は俺なんだ」

 

俺はそう言って深々と頭を下げた。

 

「嘘っ!!?」「はぁ!?」「何で四月一日君が?!」「信じられない!!」

 

俺は頭を下げたまま話した。

 

「最初は悪ふざけ、ただのイタズラのつもりだったんだ。いつ気づくかとか、どんな反応をするかとか。そして、これをやって皆どう動くかとかそんな感じだった。別に恵を恨んでるとか、恵に特別な想いがあるとかじゃないんだ。でも、やってみて凄い後悔してる。皆がクラス内でバラバラになりそうになったり、喧嘩しそうだったり…何より、恵の事をとても傷つけた事を後悔してる。正直謝って許される事かは分からないでも、後で個別に恵には謝る。もちろん俺だけじゃ恵も不安だろうから洋介となんなら清隆とも一緒に付いてきてもらう。もちろん下着には何もしていない。袋に包まってあるだけだ」

 

このお陰でこの場は終息された。流石の俺も息が詰まる。寛治には死ぬほど感謝された。

 

そして、宣言通り俺と清隆と洋介と恵が拠点から離れた場所にいる。

 

「先に言っておくが、違うからな」

 

「ふん!」

 

「軽井沢さん…四月一日君も最初からそんな事言わなくても」

 

「まあ、千里が犯人じゃ無いってのは本当だ。下着は最初池の鞄に入っていた」

 

「え!?じゃあ」

 

「それも違う。寛治も犯人じゃない」

 

「そんなのわかんないじゃん!!男ってケダモノじゃん!!」

 

「言っておくがな、恵。女の方が子孫を残したがってるから性欲は女の方が強いから女の方がケダモノだぞ」

 

「嘘?!」

 

「知らん、適当言った」

 

「もう!真面目に話してよ!!あたしは被害者なんだけど!」

 

「結論を言うなら犯人は澪だ」

 

「え?!」

 

「俺は毎日拠点を見渡せる木に登って夜を過ごしている」

 

「何してんのあんた…」

 

「理由は監視だ。案の定毎夜澪は夜中テントから出て機会を伺っていた。それに餌を撒いてた」

 

「餌ってこれの事」

 

「そうだ。そして、食い付いた」

 

「じゃあ何で庇うような真似したわけ?突きつければいいじゃない」

 

「あの場で言っても通るはずがないし、証拠もない。それにますますクラスの仲が悪くなる一方だ。あの場ではああするのが一番だったんだよ」

 

「本当に四月一日君には感謝しているよ。あのままだとどうなってたか」

 

「まあ、クラスはバラバラになってただろうな」

 

「清隆の言う通りだ。そんなのは恵的にも嫌だろう?だから汚れ役が必要なんだ。しかも嘘を平気でつけて、それを信じ込ませられるような奴が」

 

「だからって…あんたが傷つくだけじゃん」

 

「そこはお前と洋介の仕事だ。何とかして俺の事を取り持ってくれ。まあ、少しだけ印象が変わるだけだから問題ないけどな」

 

そこで解散になった。

このままだったら、やられっぱなしの奴だからな。まあ、一矢は報いてやるとするか。本当は動きたくないけどな。

 

6日目

俺はこの日初めてテントに入った。理由としては昨夜雨が降ったからだ。雨があがった早朝俺は静かにテントを出ると清隆の悲鳴が聞こえた。南無三、清隆。

 

6日目にもなると少し焦りと余裕が混ざってくる。しかし、動き自体は慣れたようで皆魚釣りも木の実や果物探しもある程度できるようになる。俺も1日でどうにかなるようなものでもないが、雰囲気は悪くは無い程度には俺の印象も上がった。恵と洋介のお陰だろう。感謝感謝

 

事件が起きた。仮設トイレの裏側、マニュアルが燃やされるという事件。皆で消火活動に勤しむ中、珍しく洋介は俯いて動かずにいた。

ぼそぼそ呟き声が聞こえる。

 

「どうして…どうしてこんな事が…」

 

無理もない、この数日間仲良くもなったが、後半で事件が起きている。洋介にしてみれば皆仲良く出来ていなくなってしまう。つまり、友情の崩壊。洋介のトラウマだ。

今も男子と女子の言い争いが行われている。

 

「…雨も降り始めたか」

 

この雨の対策を洋介に聞こうと寛治は話しかける。しかし、洋介はこれに反応しない。近くにいた清隆が話してから気づいたようだ。それからは急いで指示を出していた。何とか脱したようだ。それを確認してから俺は堀北達が向かっていった方向にゆっくりと向かっていった。




いやぁ、軽井沢さんお誕生日おめでとうございます(2回目)。

もう少しで無人島編も終了です。段々と四月一日君の仮面も剥げそうになってきてますね。少し駆け足で進んでいるので、かなり極端にカットしてます。次でラストですので、気長にお待ちくだされ。今回みたいに特別な日でもないと私は急いで書かないので!

感想ご指摘待ってます。今回も怒られるの覚悟です
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