うん、早く8巻読みたいのにな…
無人島試験が終わった次の日から俺に対するみんなの目が変わった。そして、後ろ指を指されるようになった。もちろん非難的な意味合いでだ。
「ふむ…また1つ有名になってしまったか」
なんて独り言を呟いていると、前に洋介と恵が2人でテーブルに座って朝食を食べていた。あちらも気づいたようでこちらに手招きする。
「おはよう2人とも」
俺は空いている席へは座らずちょうど2人の間辺りに立つ。
……字面が悪いな。これでは何かテーブルに立ってるようだな…
「おはよう四月一日君。朝から気分を悪くするかも知れないけど」
「大丈夫だ。もう知ってる。あれだろ?無人島試験中の恵の下着窃盗事件。建前上俺が犯人だからな」
「でも、なんでこんなに広まってるの?もしかしてあのC組の?」
「まあ、可能性があるにはあるがそうとも言いきれない」
「なんで?」
「俺が知ってる澪はこの手のやり方は好まないってのと、澪自体そこまでの影響力はない」
「まあまあ、確かに四月一日君の件は気になるし早めに解決しなければならない事だけど」
ここで俺は洋介に待ったをかける。
「洋介、それに恵。お前らに頼みがある」
2人は俺の方を見て続きを促した。だから俺は少しだけ笑を零しながら言った。
「面白いからこのまま続けてみよう。だからこの間のように誤解を解くような行動はしなくてもいい」
その言葉に洋介は不思議そうな、恵は気味悪そうな顔をした。
「それはどういう意図で?」
「犯人を泳がせるってのと、別にこのままでも苦にはならないからな。無駄に動くよりは何千倍も得だ」
「本当にそれでいいのかい?」
「洋介、お前は過去の事があるから心配する気持ちは察する。だけどな、こんなもの今日日小学生ですらやらないぞ?恵に同じような事がやられてみろ?鼻で笑って話のネタにされるだけだぞ?」
「はは、そうか。うん、そうだね」
洋介は笑った。恵は呆れた。ちなみに俺も笑った。
「まあ、俺は罪づくりな男だからな」
「あんたが言うと結構笑えないんだけど?」
確かに
「あ、あの!四月一日君!」
「「「ん?」」」
女子が、確かBクラスの子が話しかけてきた。
…ああ、これはあれか。
「えっと…わ、四月一日君って、し、し、下着を集めるのが趣味って…聞いて…」
違う
「も、もし…私ので良かったら!」
違うしやめろ
「落ち着いて?」
「は、はひ!」
そこで俺はイケメンに限るスマイルとイケメンに限る対応をして見ることにした。
「うん。確かに今その噂が流れているけど、俺にそんなに趣味はないよ。それに、仮にあったとしても君がわざわざする事は無いよ。それはとてもとても悲しい事だよ」
「はふぅ…」
ここで俺はその女子の肩に手を置き話を続ける。
「でも、その優しさという気持ちだけは受け取るよ。これで、今日の俺の気持ちは最高に近くなったよ。ありがとう。今度はまた別の事での気分を上がらせてくれ」
「は、はい〜…」
そう言ってその女子は離れていった。
「「「……………」」」
「……罪づくりな男だからな」
「ほんとによ!!」
シャレにならなくなった。
「はあ、いや別に普通に受け答えしても面白くないし可哀想とか思ってただけだぞ?下心はない」
「ふん、どうだかね!あたしの下着を盗むような奴の言うことが信じられるものですか!」
「掘り返すなよ。せっかく埋めたところなのに。こっちは犯人が分かってるんだから」
「あはは…うん、四月一日君の言った通り気にしない方がいいかもね。でも、僕に直接その話をしてきたらその時は否定してもいいよね?」
「その程度ならいいぞ。実際考えてみたらさっきみたのが何度も続くようなのは疲れるからやめたいとまで思ってきたところだ。だが、建前上でも一応は犯人って事は忘れるなよ」
「その自称犯人と被害者が仲良くお喋りしてるのはどうかと思うけどね」
「あはは…それじゃあ、僕達はもう行くよ。四月一日君はこの後何かある?良ければ一緒に遊ばないかい?」
「残念ながら…」
「そうか、うん。それじゃあまた今度」
「ああ、また」
「後々刺されないように気をつけなさいよ」
「安心しろ罪だけは作り続けた男なんだからな」
「だからシャレにならないんだっての」
さてと、2人と別れたことだしやる事だけやっておこうか。
そう思いながら俺は携帯のメモ機能を確認して食堂施設を出ていった。
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時が経ち夕食を終えた頃。自動販売機が並ぶ空間をたまたま歩いていると、前から伊吹澪が歩いてくるのが見えた。
あっち側も気づいたのか一瞬心底嫌そうな顔をしたあと無言で俺の隣を通り過ぎようとした。
「まあ待てよ澪。少しだけ時間をくれ」
「………」
無言だったが足を止めてくれた。
「悪いな。今日から俺の無人島試験での事件の事が他クラスにも知られてるみたいなんだが…心当たりは?」
「…いい気味ね。個人的にあんたなんて速攻ここから立ち去って欲しいからね」
「お前じゃないのか?」
「さあ?でも、考える必要なんてないんじゃない?だってあの場にいたのはあんたのところのDクラスとCクラスの私だけだったわけだし」
ふむ、なるほどなるほど
「そうだな…そうやって曖昧にした方がいいよな。変にボロも出さないしな」
「は?何言って…」
「言っておくが俺は最初から分かってるよ。お前がこの事件の話を流してないってな」
「どっからその自信が出てくるのやら。あの中でどう見ても怪しいのは私でしょ」
「まあ、そうだな。実際下着窃盗事件の犯人はお前だしな」
「………」
「無言は肯定として受け取っておく。ついでに言うと最初っから俺達Dクラスに紛れ込んで俺たちのリーダーを知る目的にも気づいていたし、あの消えていった後翔と康平と落ち合っていたのも見た」
「あんた…どこまで」
「途中までは自然に溶け込んでいたさ、普通の生徒から見たらな。悪かったな俺みたいな変な生徒がいて。わざわざ毎夜遅くにテントを抜け出して機会を伺っていたのにな。それで、俺のまいた餌にも食いついてくれて」
「私は…あんたの掌の上で踊らされてたって言うの?それじゃあ、最後の作戦って…」
「ああ、堀北って事になっているが実際は俺が指示していた」
「…そう、それで話は終わり?帰らせてもらうけど」
「ああ、そうだよな。早くそのポケットに忍ばせてる携帯に録音したこの話を早く翔に報告しなくちゃならないからな」
「…っ!?」
「あんまり反応を表に出すなよ。足をすくわれるぜ?」
「あんた……何者なの……普段と全然違うし……口調も…これが素ってわけ?」
「……なんてな。んなわけないだろ?これは堀北に言われてこういう風のキャラで話しかけろって言われただけだ。だからこそ、俺も録音している」
そう言って俺は携帯画面を見せる。
「でも、手強いな澪は全然ボロを出さないし。俺これでも中学は演劇部でエース張ってたんだけどなぁ…迫真的な演技ですってよく褒められたんだけどなぁ…」
「……帰る」
「悪かったな。少しだけ長話しちまって」
澪は無言でその場を立ち去った。俺は昨日の翔の時のように見えなくなるまで背中を見送った。その後録音したさっきの話を削除した。
「さてと…澪はこれを報告するかな?」
十中八九報告しない。お互い背を向けての話だった。そのため俺の表情は読み取れないから。声質もどれが嘘かを悟らせないように作為してある。それは澪レベルなら録音したものを確認しなくても分かっている。
ただ、だからこそ報告する場合もある。でも、それは上手く録音できていた場合だ。俺がなぜこの自販機が並ぶ空間を選んだ思う?
通る可能性が高いから?惜しいな。正解は、ここは波音と機械の駆動音が大きい。それに俺の声もそこまで大きくないし少しだけ離れている。仮に聞こえてもそれは断片的だ。完全に聞き取ることは出来ない。ましてやポケットに入っていた携帯だ。
…また、やってしまったな。実際この行動に意味は無い。単なる暇つぶしだ。その割には少しだけ危ない橋を渡っている。
だから、俺は…だからこそ俺は俺として生きてるのかもしれないな。
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「お前……良くもやってくれたな!!」
いきなり男が俺の住んでいる家へと怒鳴り込んできた。
「どうかしましたか?俺は依頼通り仕事しただけですが?」
「何が依頼通りだ!!お前が渡した物は偽物だったじゃないか!!お陰で俺はあいつらから追われることになったんだぞ!!!」
「はあ…それは心中お察しします。でもそれは確認しないあなたが悪いのでは?俺は確かに頼まれたものをあなたに渡していますよ?」
「いい加減にしやがれ!!この詐欺師が!!!!おかしいと思ったんだ、こんなガキが仕事なんてするはずがねぇんだ!!」
「はあ……まあ、常識的にはそうですね」
「てめぇ…ただで済むと思うなよ?」
「おや、怖い。でも、ただで済まないのはおそらくあなたですよ?」
「はあ?てめぇいい加減舐めるのも大概にしろよ?ガキだからってこっちが手加減すると思ってんのか?舐めてんじゃねぇぞ!!!」
「でも…聞こえてきませんか?この音を」
「は?何を言って……まさかてめぇ!!!?」
そう、聞こえてくるのはパトカーのサイレン音。
そこから俺はその男に詰め寄られ、胸ぐらを掴まれる。その直後だ。
「そこの男!すぐにその子から手を離しなさい!!」
警察官が入ってきて男を取り押さえた。
「離せ!離しやがれ!!このガキが!!!殺してやる!ぶっ殺してやる!!!!!」
「大人しくしろ!!」
「大丈夫かい?君、怪我はしてないかい?」
「う…うん…大丈夫……です……でも…」
「大丈夫だ。安心していい。悪い人はもう捕まえた」
「この匂い……お前薬物をやっているな!?」
「はぁ!?何言ってんだ!!!俺は薬なんてやってねぇ!!!変な言いがかりつけんじゃねーよ!!」
「話は署で聞く。大人しく付いてこい」
「その前にそいつを殺させろ!!そいつはただのガキじゃねぇ!!悪魔だ!!!騙されるじゃねぇ!!!」
「君はここに住んでいるの?お父さんとお母さんは?」
「ここ…従兄弟の家なの。今は誰もいなくて…僕は留守番だったの…そしてたら…」
「そっか、それは大変だったね。それじゃあこの家の人が帰ってきたら連絡ちょうだい。名前は?」
「安藤 健人」
それで犯人は捕まった。
そう、確かに男は今まで薬物はやってなかった。じゃあ何故そうなったか?簡単だ。この男はこのアパートに住む。俺のところに来る前に少しだけ留守にしていた。その間に侵入し男の飲んでいた飲み物に薬物を溶かした。それも匂いで判断できるレベルでだ。
じゃあなぜ男は気づかなかったか?それは男の部屋はほとんどゴミ屋敷同然に臭かった。それに俺がいるこの部屋も別の意味で匂いがキツい部屋だからだ。それに頭に血が上りすぎて上手く頭が回ってなかったしな。味の点に関しては無味として有名な物だったからなその点に関しては気にしてない。
でも、飲んだ時点で感覚が変わるのが分からないのはおそらく俺に怒鳴り込んできた理由の電話の最中に飲んでたのかもな。
それにしても悪魔か……うん、悪くない響きだ。それに、あながち間違いじゃないかもだしね。
それからすぐに俺はその場から姿を消した。警察からの事情聴取を受けるのも面倒だしな。
段々と四月一日君の本性と過去が明らかになってきましたね。
それにしても…最後の場面の描写無理矢理すぎるな……分かんないしな、しょうがない……
あ、ちなみに今更ですけどサブタイトルに付けてる四字熟語ですが、本編を読み終わった後に調べてみたら分かるかもですが、一応私なりに本編にあったものを付けてみてます。
お叱りは甘んじて受けますので