まず一つ。この外伝は、痛々しいオリジナル設定が根幹にあります。中二病が暴走して書いただけなので、覚悟してください。
そして二つ。『好きな子ほど虐めたくなる』特性が働いているのか、………なんか鬱度がちょっと高い。
そして三つ。……思いつくままに書いているだけなので、忙しくて執筆の時間が開くと何を書きたかったのかを忘れてエタる可能性あり。
では、本編スタート。
………なんで最初から暗いオーラ出してんですかね……?
プロローグ “価値の無い世界”
「……やはり、ここにいたか」
乃木若葉は、墓前に佇む友へと声を掛けた。
「何の用だよ?……今声を掛けられたくない事くらい、分かるだろ」
声を掛けられた少年は、不機嫌そうに返事をする。
———少年は、乃木若葉が嫌いだった。
巫女の上里ひなたは何かと乃木若葉を『可愛い』と褒め、全幅の信頼を置いているようだが………少年にとってみれば、信じられない事だ。なるほど、容姿が良いのは認めよう。精神が強いのも認めるし、かと思えば自身のミスで失敗して反省する姿が可愛くない事もない。しかし容姿も心も、目の前の墓に眠っている少女の方が何倍も可愛いかったし(少年主観)、何より守り甲斐があった。だが、それが乃木若葉を嫌う理由ではない。
———墓の中で眠る少女の劣等感を刺激し、心を乱した。それだけが、少年が乃木若葉を嫌う理由だ。
「お前の処分が決まった。………力づくで、連れて行く」
乃木若葉は、勇者の装束を纏っていた。生大刀を抜き、完全な戦闘態勢に入る。………その表情は、宿敵に立ち向かう戦士のそれで。
「できるものかよ。……俺が弱体化してるからって、舐めてないか?」
対する少年の表情には、ただただ、大切な時を邪魔された煩わしさと怒りだけが浮かんでいる。……そこに、若葉に対する感情は浮かんでいない。
「できるさ。昔のお前ならともかく、今のお前なら。………強さの源泉を失ったお前に、勝てない方がどうかしている」
———少年は、抗神者と呼ばれる超人だった。
西暦2018年に突如人類を襲った天敵、バーテックス。それに対抗するための切り札として、人類は勇者と抗神者を戦いに向かわせ———多くの犠牲を出した後に、辛うじて人類を存続させる事に成功した。
勇者に選ばれるのは、神器を手に取った少女のみ。穢れなき身である少女だけが、神樹からもたらされる力を宿して勇者として戦う事ができる。
それに対し、抗神者は『神によって改造された人間兵器』。神樹の力を身に宿すのではなく、神の力たる『神威』を自分で生み出し、行使する能力者達。彼らの力の強さは精神力に依存し、その時々の感情の変化や精神状態によって強さが変化する。その不安定な性質上、勇者の方が『安定して使える戦力』として認識されるのは至極当然の話だった。
———そして、少年の今の精神状態は最悪だ。心の拠り所であった少女に先立たれ、戦う理由さえも失っているのが現状だった。
……そのはず、だった。
「あるさ、強さの源泉なら。
「なら、私がそれを止める。……お前を人類の鏖殺者には、させない」
———神世紀元年。郡千景の墓前で、少年と少女の戦いが始まった。
いきなりクライマックスから始まる外伝。