辻堂さん達のカーニバルロード   作:ららばい

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10話:泥酔悪酔いのアウトオブコントロール

世の中なんてものは追い風なんかよりも向かい風ばかりを吹かせてくる。

 

何かをしようと思えば相応の労力を必要とするし、

思ったよりも楽だったなんて思うことは滅多にない。

 

例えるのなら料理。

 

美味しいものを作ろうと努力する。

しかし時間と手間をかければいいというわけでもなく、同時に手間を省きすぎても駄目だ。

過剰な調味や加熱は風味や歯ごたえを台無しにするし、

かといって調味を怠りすぎても味気ないものができてしまう。

 

さて、ならばどうせ失敗する事がわかっているとしたらどちらの料理を選ぶのが正しいのか?

 

ガチガチになるまで焼いて、塩コショウを過剰にかけた料理か

それとも一切の味付けや調理を放棄したただの素材か。

 

・・・・・・成程、人は楽な方を選びたがるわけである。

誰も体に悪い事がわかっている前者など選びたくはないだろう。

 

そうだ。

努力も調理も過剰になれば体に悪い上に無駄な努力になる。

だがそれは本当に無駄だと言い切れるのだろうか?

 

失敗したとする。ならばなぜ失敗したのか?

それだけは失敗したものしかわからない。

対してスタートすらしなかった者は失敗したという経験がない。

 

俺は今、確実に失敗した。

だが得た知識と経験もある。

 

「二度と酒なんか飲むもんか・・・・・・

 う、オエェ!」

「うわ汚な!?

 おいおっぱい風呂桶もってこい!」

「ラジャーっす!

 そして瞬く間に持ってきました!」

「でかした梓。

 ほら大、吐くならこの中に吐きなさい」

 

盛大に、雪崩のごとく吐瀉物を桶にぶちまける。

幸いにも今日5度目の嘔吐なので具は一切入っていない。

完全に胃液のみだ。

 

「ヒロ君、水持ってきたわよ。

 飲める? 大丈夫?」

「グォエェェェェェェ・・・・・・」

「全然大丈夫じゃなさげだな。

 恋奈、アタシは薬局に行ってくる。何か二日酔いに効きそうなもの買ってくるわ」

 

よい子さんに差し出された水を少し飲んだらそのままリバース。

見かねた愛さんが俺を想って薬を買いに行ってくれる様子。

 

「ちょっと待って辻堂さん。

 確か冴子さんが普段から使ってる頭痛薬とか二日酔いに効く薬のストックがあった筈だけど」

「そんなの姉ちゃんが今さっき飲んで丁度切れたぜ」

「センパイのお姉さんも今のセンパイ以上に大惨事になってましたねぇ」

 

知ったことではない。

よくも俺の分の薬を飲みきりやがったな。

墓に入るまで根に持ってやる。

 

「んじゃアタシは出るぜ。

 えーと、ついでにポカリも買ってきたほうが良いかな」

「あ、私も行くわ。

 水飲まそうにも水道水しかないし、この際まとめ買いしときましょう」

「水って買うものかよ。これだからブルジョワは」

「でも今の時代水の質も結構気にするようになってきたわよ。

 それに余談だけど水道水じゃなく売っている水を使って料理すると結構味かわるの知ってる?

 ウチのホテルみたいに水から厳選するのが最近は普通なのよ」

 

有名な話だ。

 

水には軟水硬水がある。

それで味や舌触りが影響するし、そもそも水自体の味もやはり料理の味に関わる。

ただ例外として中華料理はかなりわかりづらい。

中華料理は起源として水が汚い国がどうすれば美味しい料理を作れるか、

それを対策し発展させた結果、水は重要視せず油が主役の料理となった。

 

「知らねーよ。ダイと暮らすまで水道水ばっかりだったし」

 

それも仕方ないか。

家出少女の宿命である。

 

「じゃあ今日のお昼はその水を使った料理にしましょうか。

 マキ、それでいい?」

「美味けりゃ何でもいいよ。

 あ、そうだ。それじゃあ水の違いを知るために食べ比べしようぜ。

 私が二人前食うからさ」

「断る。単純にお前が沢山食いたいだけだろ」

 

よい子さん、ツッこむ時はおリョウさんになちゃう癖があるな。

誰も気にしていないみたいだけど、事情を知る俺としてはハラハラする。

 

「センパイ、吐いたら気分落ち着いてきました?」

「口の中が胃液ですっぱい」

「うわっ、酒臭!?」

 

速攻逃げる梓ちゃん。

いや、そりゃ酒臭いに決まってるだろう。

何せ酒を浴びるほど飲まされたのだから。

 

何で、どうしてこうなったのか。

答えはシンプルだ。

 

ただ、あっさりというのも芸がない。

ここは思い出していく形で行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イエーイ! 酒、飲んでるかーい!?」

「い、いえーい」

「よい子さん、無理して合わせないくていいから。

 こんな酔いどれは無視して家に帰ったほうがいいよ」

 

姉は朝から酔っていた。

 

いや、実の所これには理由がある。

他の皆同様姉ちゃんとも性行為は一切しないことになった。

 

で、姉ちゃんはフラストレーションを酒にぶつけることになった。

元々は俺といちゃつくことで酒を殆ど絶っていたし、それをストレスとも感じていなかったのだが

ともかく、俺が相手できなくなってからというもの強烈なリバウンドが発生した。

 

「誰が酔いどれじゃい!

 あれぇ、よいちゃーん。いつの間に多重影分身なんて覚えたのー?

 ようし、お姉ちゃんもやってみるぞー」

「うおおお! 姉ちゃんが四人に見える!?」

「冴子さん、酔っ払ってリミッター外れてるみたいね」

 

これが酔っぱらいの動きかよ。

 

うん?

何か四人の姉ちゃんが俺を取り囲み始めたぞ。

 

「ウェーイ。

 てめぇこらお姉ちゃんを蔑ろにしやがって姉不幸ものがー!」

「は? え、なになに何されるの俺」

 

三人の姉ちゃんが俺を取り押さえる。

流れるようにソファーに押し倒され、両手両足をガッチリフォールド。

少し本気で剥がそうとするも、面白くらいにビクともしない。

 

正直姉ちゃん一人でも剥がせる気がしないのだが、その三倍。

そりゃ無理だ。

 

「私は知っている!

 ヒロが酔っ払うとドスケベ大魔神になるという事を!」

 

何をする気かと警戒していれば、姉ちゃんが日本酒『穀潰し・おめが』を持ってきた。

なんだこの酒、聞いたことないぞ。

 

「冴子さんストップ!

 ヒロ君にお酒飲ませたら本当に拙いですから!」

「えぇい離せ!

 離さねばそのプリケツ揉みしだくぞ!」

「え、やめ――――きゃぁん!?」

 

有無を言わさず速攻よい子さんのデカケツをこねくり回しやがった。

あれは俺のケツなのに。

 

一瞬で腰が砕けてビクンビクンと床に崩れ落ち悶絶するよい子さん。

色っぽくて素敵だ。

素敵なのだが、俺の明日はどっちだ

処刑まで待ったなし。

 

姉ちゃんはそのまま俺の目前まで来て頬を鷲掴みにする。

 

「さあヒロ、お姉ちゃん秘蔵のお酒飲ませてあげるから口を開けなさい」

「もがぁ!」

 

流石にタコ口にされては言語など喋れない。

だがこんなワケのわからない酒なんぞ飲まされたくない。

 

「うふふ、何言ってんのかわかんないけどそんなに飲みたいのね」

「モゴォ!?」

 

ズボォっと口の中にビンごと突っ込まれた。

同時に瓶を俺の頭より高くなるように角度をつけ、勢いよく俺の口の中に注ぎ込まれる。

 

「急性アルコール中毒は怖いからここまで。

 さてさて始まりました酔っ払ったヒロ、今回はどんなデンジャラス展開を見せてくれるのか!

 あわよくば性獣のように私に襲いかかっても私は一向に構わんッッ!」

 

瓶の七分の一程度を俺に飲ませてから引っこ抜いた。

 

「ぐぉ・・・・・・なんだこれ」

 

飲んだ液体は胃袋へと運び込まれる。

度数自体はそれほどでもないようで喉や口の中が灼かれる感触はない。

ないのだが、凄まじい勢いで酔いが回ってくる。

 

頭が一瞬で沸騰し、心臓がドラムロールのようにビートを刻む。

思考能力は即座に消え失せ視界はまるで夢心地。

 

夢の中にも似た浮遊感と現実味のなさが襲いかかってきた。

そこで俺の意識は消失した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもーし、誰かいませんかー?」

 

インターフォンを鳴らしまくる。

家の中から人の気配はするのだが、一向に出てこない。

 

まさかあの家族に限って居留守なんてしないだろうし、単純に出てこられないのだろうか。

 

携帯でメールやコールをしてもやはり一切の反応は無し。

 

どうしたものかと少し考える。

 

今日は生憎の雨、されど自分にとっては幸いな雨。

何せ雨のおかげでグラウンドはグッシャグシャ。

とてもランニングなどできる状態ではない。

ならば筋トレになるのかと思いきや、それをするスペースは他の部活に取られていたようだ。

 

仕方なく今日は自主練という事で解散。

その足でセンパイの家に来たため他に予定はない。

 

「センパーイ、あずが来たんすよー。

 開けてくださいよー」

 

流石に自分は腰越センパイのように不法侵入はできない。

だが家にいることはわかっているのでこのまま帰るのも少し気がかりだ。

さてどうしたものか。

 

困り果てていると、不意に後ろから人の気配が。

 

「何やってんだお前」

「あ、ども。

 長谷センパイに用っすか?」

「ああ。今日会うというか・・・・・・デートの約束してんだ」

 

なんという誤算。

まさかのデート。許せん。

 

「中に誰もいませんよ?」

「嘘つけ、思い切り二階から声がするぞ」

 

速攻嘘がバレる。

だがそんなのは問題ない、何せ誰も出てこないのだ。

ざまーみろ。

 

と、思っていたら。

 

「お前ら、ジャマ」

 

更に思わぬ客人が後ろから現れた。

腰越センパイである。

 

丁度いい。

殆ど長谷家の人間であるこの人に付いていけば問題なく入れそうだ。

 

「おい腰越、ちょっと大に会いに来たんだけど上がらせてもらうぜ」

「駄目、帰れ」

「断固として断る。

 アタシに殺されるか大人しく家に上げるか好きな方を選べ」

「ははっ――――ムカついたぜ辻堂、中々いい挑発じゃねぇか」

 

何でこの二人は第三者が間に入らなければこう殺伐としているのか。

三人目の存在がいればある程度仲良さそうにも見えるのだが、

二人だけの空気になるとピリピリとした雰囲気を放ち始める、

 

「はいはいストップ。喧嘩するならヨソでやってくださいよ。

 流石にここでお二人がやり合うと周りの迷惑ハンパないし、

 長谷センパイが本気で怒っちゃいますよ」

「う、前に一回そんなのがあって旅行が台無しになったトラウマが・・・・・・」

 

速攻腰越センパイから距離を置いた辻堂センパイ。

 

何やら今までで1度やらかしたらしい。

話から察するに旅行前にセンパイ怒らせて気まずくなったとかだろうか。

 

「腰越センパイ、自分ら上げてくださいよ。

 いい加減雨の中立ってるのもきついんすよね」

「そういう事だ。

 それとも長谷家は客を門前払いするように言われてんのか?」

「ちっ、痛いところついてきやがって」

 

心底憎たらしそうな顔をしながら舌打ちをされた。

流石の腰越センパイであろうと、居候している長谷家の名前を出されると弱いらしい。

中々良い情報を得た。

 

「わかったよ、じゃあ入れよ」

「まるでお前の家みたいな言い草だな」

「将来の私の家になるし間違ってはいないぜ」

「・・・・・・あぁ!?」

 

軽口を言って中に入っていく腰越センパイ。

ピクリと片眉を上げる辻堂センパイ。

なんでこうこの二人は相性がここまで悪いのか。

 

自分は話半分で流したが、生憎とこの人はそこまで柔軟さがなかったようだ。

 

「辻堂センパイ、ここは抑えて抑えて。

 いい加減中に入りましょうよ」

「あ、おいこら押すな」

 

無理やり開いた扉に辻堂センパイを押し込んだ。

 

さて、センパイはリビングか自室か。

軽く家の中の気配を探知してみると、二階の方から声がした。

 

「うげ、この臭い。

 姉ちゃんとうとうやらかしやがったか」

「臭いだけで状況把握できるとか犬みたいっすね」

「っていうかお前の今の言葉を聞いて嫌な予感がするんだけど」

 

お姉さんがやらかしたって何をだ?

しかも二階から聞こえたのはお姉さんの声ではなくセンパイや近所の惣菜店のお姉さんの声もなのだけど。

 

腰越センパイは嫌そうな顔をしながら渋々といった感じで階段を上り始めた。

自分と辻堂センパイも後ろに続くが、

 

『も、もう良いでしょヒロ君。

 私恥ずかしいよ・・・・・・』

『駄目だ、ここまで来たら俺が満足するまで付き合ってもらう。

 ほら、よい子さん続きだ。ベッドまで来て』

『うぅ、どうしてこんな事に』

 

何やら困ったことになっている様子。

っていうか如何わしい空気がそこはかとなく出ているのだが。

 

「ななななな・・・・・・」

 

階段で立ち止まった辻堂センパイは着信した携帯のようにバイブレーション。

前で棒立ちされると邪魔だから早く上がってくれないかな。

 

『さあ、俺は準備できたからよい子さんも早く横になって』

『ね、ねぇ。もう今日はやめようヒロ君?』

『やめません。さあ、早く』

『・・・・・・わかりました』

 

これやばいやつですわ。

 

あの二人も出来てるのは知っているけれど、ちょっとばかり間が悪すぎる。

自分はこれを弱みにして色々と迫ってやろうと思うが、前にいる人はそこまで要領よくない。

殺されるんじゃないだろうかセンパイ。

 

「ヒィィィィィロォォォォォシィィィィィィィィィ!

 アタシというものがありながら! ありながらあぁァァァァァァァ!」

「おい辻堂ちょっと――――」

 

腰越センパイの静止を振り切ってひとっ飛びで八段飛び超えた。

そしてそのままセンパイの部屋前まで瞬間移動し、ドアノブをクロー。

ノブを回さず力技で引きあけた。

せめてノブ回せよ、扉のカギ壊したらエッチする時困るじゃん。

 

「お前は随分冷静なんだな」

「腰越センパイが随分落ち着いてますからね。

 どうせエロいことじゃないんでしょ?」

 

かなり嫉妬深い腰越センパイがここまで冷静という事はそういうことをしていないという事だ。

 

辻堂センパイもそこらへんは気づいているのかもしれないが、

万が一の想像が爆発し、暴走したのだろう。

 

困ったものだと思いながら二人でゆっくり階段を昇る。

 

上がりきり廊下に足をつけセンパイの部屋の方向に向くと、辻堂センパイが部屋に入らず棒立ちしていた。

はてさて、何があったのだろうか。

興味が湧いた自分はワクワクしながら部屋を覗く。

 

するとそこには。

 

「あー・・・・・・やっぱりよい子さんのケツ枕最高だわー。

 低反発枕とか流行ってたけどあんなもんゴミだね、

 このデカケツさえあれば生涯安眠確定だわー」

「きゃっ、あんまりスリスリしないで。くすぐったいから」

 

なんというか、横になった惣菜屋のお姉さん。

ええと、よい子センパイ?

取り敢えずその人の尻を枕替わりにしてくつろぐセンパイの姿が。

 

余程寝心地がいいのか顔をスリスリするわ手で揉みしだくわで快適そう。

 

しかし、何か酒臭いなこの部屋。

 

「ったく。何やってんだか」

 

困ったようにセンパイの部屋の一角をみている腰越センパイ。

自分から死角だった為そこに何があるのかわからない。

興味本位で首を伸ばしてそこを見てみると。

 

「お姉さん、酔いつぶれてますね」

「あんな大人にはなりたくねぇな」

「そっすね」

 

何やら酒瓶を抱きしめて唸りながら床で寝ているお姉さん。

朝っぱらから酒に潰れてるのかこの人。

 

「な、なななな」

「辻堂がバグったまんまだ」

 

口をパクパクと金魚みたく動かしながらセンパイの変態的行為を見る辻堂センパイ。

そして冷めた目で見る自分と腰越センパイ。

 

何かもう酷い。色々と酷い。

 

「スゥーーーー・・・・・・ハァーーーー」

「ちょ、ちょっと。何をしてるのかな?」

「深呼吸だよ」

「お尻にする事じゃないでしょ!?」

 

ケツに顔を押し付けて深呼吸している変態。

あれが自分のカレシか・・・・・・

 

「リョウの奴もこちらに気づかないあたり何だかんだで楽しんでんな」

「っすね。このまま動画でも撮って二人の弱みにします?」

「考えることがえげつないなお前」

 

腰越センパイも困ったようにしていた。

 

「こ、こら大! ソイツと何やってんだ!」

「つ、辻堂!

 なんでお前がここに!?」

「そんな事はどうでもいい!

 よくも大にケツ枕しやがって・・・・・・」

 

話の焦点はそこではないと思うのだけれど。

恋する乙女は暴走しがちとよく言うが、自分や腰越センパイは辻堂センパイ程ではない。

というかあんな喋り方だっけあのお姉さん。

 

「あれ、愛さんじゃないか~」

 

ケツ枕から顔を上げたセンパイが飄々とした態度で息を荒くして威嚇している辻堂センパイに近寄っていく。

 

「ん? 何か酒臭くない大」

「逃げろ辻堂!」

「は、なにを――――んぐぅ!?」

 

よい子センパイの警告に対する反応に遅れた辻堂センパイは顔を両手でガッシリと掴まれ、

センパイの猛烈で熱烈なキスを食らった。

 

「ん、んんんんーーーーッッ!?」

 

ムチューっという擬音が相応しいであろう。

ともかくとんでもないキス。

何かクチュクチュと唾液の混ざる音も聞こえるしこれ確実に舌入ってる。

 

自分と腰越センパイは突然の事態に目を丸くして固まった。

 

強烈なディープキスをされた辻堂センパイは徐々に腰に力が入らなくなっているらしく、

足を震わせ始めた。

この人ならば振りほどくなど造作もないだろうけど、そうしないあたり内心を察せる。

 

数秒後、センパイが息継ぎのために唇をようやく離す。

二人の唇の間に唾液の糸が見える。

 

「あ・・・・・・あふぅ」

「腰抜かしたな」

「腰抜かしましたね」

 

ペタンとお尻を地に付けてしまった。

見れば今の情熱的なキスで頭まで惚けたらしく、潤んだ瞳でポーっとしている。

殆ど夢見心地だろう。

 

「見てる場合か! お前らも、逃げろ!」

「おっとそうだ、それじゃあ私は失礼する――――うん?」

 

真っ先にその場から消えようとした腰越センパイ。

だが部屋から背を向けた瞬間、センパイに服を掴まれた。

 

「こ、こらダイ。離せ」

「離しません。

 あー、マキさんどっかでまた運動してきたんだね。

 汗の匂いがする」

「うおわ! あぶねッ、急に飛びついてくんなって」

 

健康的な少し甘酸っぱい汗の香りのする腰越センパイに飛びつく。

 

流石にそれを躱したら酔っ払っているセンパイが危ないと思ったらしく、大人しく受け止めた。

だがそれが間違いだった。

 

「ふっかふかだ、堪らないなぁ~」

「な、コラやめ、うひゃん!」

 

腰越センパイから聞いたことのないセリフ。

 

センパイが両手を胸に伸ばし、盛大にこねくり回す。

本人は特にいやらしい気持ちなどないのだろう、その顔に嫌らしさがない。

まるで子供のように無邪気に腰越センパイのデカチチを揉みしだいているのである。

 

「ん~、いい匂いだ。堪らないね」

「た、ただの汗の臭いだろ。恥ずかしいから離れろってば」

「嫌です」

「んあっ」

 

グリグリと谷間に顔を埋めてこする。

頭が普通にめり込む段階でとんでもない巨乳だなおい。

 

手はやはり止まらず胸を揉みしだき、顔で摩擦して更に刺激する。

こんなことを腰越センパイにできる人間はこの人だけだろう。

 

腰越センパイも辻堂センパイ同様感じてきているらしく、

妙に引け腰になって、徐々に顔も蕩けている。

この人のエロイ顔ってこんななんだ、ちょっと可愛いと思った。

 

「こらマキ! 感じてないでヒロ君から離れろ!」

「離れようにもっ・・・・・・んっ、ダイがしがみついてんだから無理だっての!」

 

力づくならば可能だが、流石に長谷センパイにそんな暴力的手段はとれないのだろう。

 

「よい子さんのケツ枕も最高だったけどマキさんのおっぱい枕も極上だ」

「こ、こするなスケベ!」

 

どうしたものか。

このままだとあと数分で腰越センパイもイってしまうだろう。

そうなれば・・・・・・

 

「あふぅ・・・・・・」

 

この辻堂センパイみたいに腰砕けになり、目の焦点もどこかに飛ぶのだろうか。

そんな腰越センパイも見てみたいが。

ここらが潮時か、何やら胸がザワついて仕方がない。

 

「こらセンパイ。

 自分でそういう事禁止しといて自分らその気にさせるとかどういうつもりっすか」

 

まさかここまで酒癖が悪いとは思わなかった。

腰越センパイは知ってたようだが、時すでに遅し。

 

「ん~?」

「げ、何か目が座ってる」

 

おっぱいから顔を話したセンパイは首をかしげてこちらを見た。

 

そこでようやく目が直視できたのだが、何かもう記憶が飛ぶほど飲んでいる人の目だ。

全然現状を把握できていない夢心地のソレである。

自分の経験ではこういう人間に関わるとロクなことにならない。

 

「撤退!」

「待って」

 

振り返って家から脱出しようとした瞬間、センパイに腕を掴まれた。

 

無論簡単に振りほどけるのだけれど、流石にセンパイに実力行使は腰越センパイ同様できない。

だが抵抗しなければならない状況だ。

 

「こらっ、あずに何する気っすか!」

 

少し語気を荒くして言う。

脅す感じでもいいのだが、酔っ払いにそれが効くとも思えない。

 

「梓ちゃん・・・・・・」

「う、何すか」

 

腰に両手を回してソフトに抱きしめてきた。

正直かなりいい空気だ。

これでセンパイがシラフで周りに誰もいないのだったらキスの催促もするものだが。

 

覚悟決めて瞳を閉じてみるか?

いや、流石に他の三人の目が気になる。

 

「今日は部活が中止になったのかい?」

「うん、雨でグラウンド使えなくなったから」

「そっか」

 

何故か自分には日常会話をふっかけてきた。

 

なんだ、酔いが冷めてきたのか?

だが、センパイは右手をあずの頬に添え顔を覗き込んでくる。

 

「いつも部活で汗をかいた君は健康的で綺麗だけど、

 疲れてなくて体力に満ちている君もやはり輝いているよ」

 

・・・・・・酔っているな。

 

「ヒロ君、シラフじゃとても言えない台詞言っちゃってる」

「なんっつーか、聞いてるこっちが恥ずかしくなるな・・・・・・」

「・・・・・・羨ましい」

 

何故か辻堂センパイだけ羨望の目でこちらを見ているが、それどころじゃない。

徐々にだがセンパイの顔がこっちに近づいている。

マジでチューする五秒前だ。

 

別にそれ自体は構わない。

はっきり言えばむしろ嬉しい。

何せセンパイとキスする事なんか最近余りないのだ。

顔を合わせた日に一日三回くらいだ。

少ない。少なすぎる。

 

「唇もとっても綺麗だ。

 瑞々しくて柔らかそうで、俺の目を釘付けにする」

 

マジで英国紳士プレイが始まった。

 

あずの唇に指を添えプニプニと感触を楽しみながら口説いてくる。

実の所悪い気はしない。

むしろ気分がいい。

久々に積極的にセンパイがこちらを口説いてきているのだ、そりゃ嬉しい。

 

「だ、だったら試してみたらどうですか」

「試す?

 それはどうやってだい?」

「う・・・・・・そんなの言わなくてもセンパイならわかるでしょ」

 

ガンガン押すくせに絶妙なところで引くのがコツなのか。

妙に焦れったい。

 

「確かにわかる、でもそれは俺の勘違いかもしれない。 

 梓ちゃん、君は俺にどうやって確かめて欲しいんだい?

 梓ちゃんのその可愛い口で言って欲しいな」

「う、うぅ~~~~ッ」

 

ヤバイ。

こっちは完全にその気になってしまった。

言ってしまいたいとすら思う。

思うのだが、羞恥心まで捨てれないもどかしさ。

 

「言っちゃうのかしら」

「言うんじゃね」

「アタシは言ったけど」

 

辻堂センパイは一体なんなのだ。

 

「外野うっさい!」

「「「サーセン」」」

 

思い切り馬鹿にされている。

こんな所でイチャイチャしてられるか。

 

「センパイ。最後まで付き合いますから、別の所にいこ?」

 

折角センパイがその気になったのだ、ならば行けるところまで行きたい。

できることならば他の人達を出し抜いて自分だけがセンパイの特別にだってなりたい。

 

「駄目だ。今ここで言うんだ、今ここでこの瞬間に君の言葉を聞きたい」

 

強引だった。

肝心なところは引くのに強引だ。

これはむしろ引くと言うよりは引っ張ると言ったほうが正しいか。

 

覚悟を決めよう。

自分もそろそろこの生殺し状態は耐えられない。

 

「キス、して欲しいです・・・・・・」

 

周りの目が変わった。

 

「言っちゃったわね」

「ああ、言っちまったな」

「何だろう、凄いデジャブを感じる」

 

だから何なんだ辻堂センパイは。

 

「周りには愛さん達がいるというのにいけない子だ」

「あ、センパイ・・・・・・」

 

ゆっくりと迫る唇。

 

覚悟を決めた自分は瞼を閉じ、全てをセンパイに委ねる。

優しい顔してさっきは辻堂センパイに貪るようなキスをしたのだ、自分もそうされるかもしれない。

半ば期待を胸に膨らませて唇を上に向けた。

 

徐々にセンパイの息を感じる。

もう数センチもない。

このまま情熱的なキスをしてもらえる。

そう胸を高鳴らせていると

 

「チェストォ!」

「ブウゥゥゥゥゥ!?」

「んが?」

 

何やらここにいるセンパイ方やお姉さんとは違う人の声が聞こえ、

同時に顔面に唾ふっかけられた。

 

「唾ひっかけるプレイなんて求めてねーっすけど」

 

文句を言おうと目を開けるとそこにはセンパイの姿はない。

いや、いた。

自分の目の前ではなく足元に倒れていた。

 

何が起きた。

 

「私の居ぬ間に私的なイチャコラ許すまじ」

 

真後ろに何やら殺気。

そうか、そういう事か。

 

「恋奈ちゃん! 邪魔しないでよ!」

「っさいわね、私を差し置いて何しくさってんのよアンタ。

 抜けがけとかしたらぶっ殺すわよ」

 

あずの背後からセンパイを打ち抜いたらしい。

一撃でセンパイノックダウン。

 

おのれ、せっかく良い所だったのに。

 

「うっさいうっさい!

 折角、折角いい空気だったのに!」

「いや、周りのコイツらはアホを見る目でアンタ見てたわよ」

「あずとセンパイの間はいい空気だったの!」

 

怒りがおさまらない。

自分はどうやら思っていた以上に執念深かったらしい、

もうすぐあったセンパイとのキスを妨害された口惜しさに苛立ちが堪えられない。

 

恋奈ちゃんはそんな自分など知ったことではないとばかりにこちらから目を離し、

センパイを抱えようとする。

 

「うぐ、なんか前より重いわね」

「何やってんのお前」

 

どうにも上手く持ち上げられないらしい。

 

「酔っ払いをここで寝かせる訳にいかないでしょうが。

 野宿上等なアンタと違って大は普通なんだから風邪ひかないようにベッドに運んで寝かせるのよ」

「ああ、そういう事ね。

 じゃあ私がやってやるよ、お前非力だし」

「テメェが人外なだけだろうが!」

 

華麗に自分の怒りをスルーされた。

 

虚しさだけが残る。

 

「じゃあ私は冴子さんを運んでくるわね」

 

未だ床で寝転がるお姉さんを抱えてよい子センパイは部屋をあとにする。

あの平和そうな外見で以外に力あるなあの人。

いくらお姉さんが細身でもあそこまであっさり持ち上げるとは。

 

っていうかどうするんだこの胸のたかなり。

こちらは既にスイッチが入っていた。

なのに据え膳で終わらされたため欲求不満が半端ではない。

 

落ち着かない体を持て余していると、となりからポンと肩を叩かれた。

 

「アタシの時もそんな感じだったぜ」

 

何なんだこの人は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭が痛い。

関節が痛いしもう最悪だ。

 

「うぇえ、誰かこの痛みとめてぇ~」

「痛み止めは今辻堂と恋奈が買いに行ってるよ。

 もう少しの辛抱だから我慢しろって」

 

そう言いながら俺を膝枕しつつ、こめかみを親指でグリグリと揉んでくれるマキさん。

偏頭痛の時はこれが気持ちいい。

もうこめかみの血管が浮き出て脈打っているのがわかるのだ。

そこに針をブッ刺したくなるほど痛い。

それ程までに偏頭痛がキツイ。

 

「センパイ、また水飲みます?」

「い、いやいいよ。むしろ睡眠薬飲んでこのまま痛み引くまで寝ていたい」

「それもお姉さんが飲み切りました」

「あの姉ェ! 自分ばかり楽になりやがって!」

 

あ、やばい興奮したら頭痛が悪化した上に吐き気がこみ上げてきた。

 

半ば必死になって起きあがり梓ちゃんの差し出してくれているコップを受け取って胃袋に流し込む。

何とかこれでこみ上げてきた胃液を押し戻した。

 

ふぅ、とため息を吐く。

同時に体の力を抜いて再び横になろうとする。

 

「うろちょろすんな」

「うわっと」

 

倒れこむ俺の肩を掴んで支え、再びマキさんが俺の頭を膝に乗せてくれた。

 

「ったく、酒癖悪い上に悪酔いしやがって」

「面目ない」

「ふふ、でも自分としてはセンパイの違う一面を知るいい機会だったけど」

「お前、私のいない所でダイを酔わしたらタダじゃおかねぇぞ」

「うぐ、わかってるっつーの。

 抜けがけはしないってば怖いなぁ」

 

ギロリと目つき鋭くして梓ちゃんを睨むマキさん。

 

梓ちゃんはマキさんに苦手意識があるらしく僅かに怯えている。

 

「マキさん、梓ちゃんは大丈夫だって。

 約束はちゃんと守る子だから」

 

彼女を信じている俺としてはここは擁護する所だ。

 

ちょっと腹黒くて計算高くてドSな子だけれど、もう人を騙すような悪い事をする子ではない。

確証はない。けれど信じてあげたいし信じてあげて欲しい。

 

「セ、センパイ・・・・・・」

 

嬉しそうにする梓ちゃん。

だが、マキさんは真逆だった。

舌打ちしそうな顔をして俺の頭を万力のように締め上げる。

 

「あだだだだだ!」

「不良やめたとか言っておいて喧嘩してるような奴を信頼なんてできるワケねーだろ」

 

知られていたのか。

いや、マキさんならばむしろ知らないほうがおかしい。

何せ彼女もまだ完全に不良から足を洗ったわけではない。

 

喧嘩も一切しないのだが湘南の不良情勢はこちらに来てから気になっているようで時々調べに行っている。

その時に俺たちのことも知られたのだろう。

 

「自分は別に悪い事をしてるとは思ってねーっすよ。

 だって喧嘩でボコられている奴を助けてるだけだもん」

 

梓ちゃんは苦し紛れにそう言った。

だがそれは俺にとっても本当に苦し紛れにしか聞こえない。

 

「ダイ、コイツが言ったことをお前も言えるのか?」

 

問い詰めるように、本音を言えとばかりに問い詰めてきた。

 

多分ここで嘘を言ってもマキさんは怒らないだろう。

けれど、この人に嘘は付きたくない。

 

「言えない。俺達がやっていることは理由がどうあれ喧嘩なんだ。

 結局人を殴っている事には変わりないし、それを正当化しようとも思わない」

「ちょ、センパイ! 何いってんすか!?」

 

痛む頭を押さえ、はっきりという。

 

「梓ちゃん。喧嘩で負けたチームを助けている、そんなのはただの隠れ蓑だ。

 俺達は結局人を殴って自分のしたい事をしているだけ。

 それが正しい事な筈がないし、俺たちが不良であろうがなかろうが世間的に見ればやはり不良なんだ」 

 

例えどんな理由があろうが、事実をねじ曲げようとは思わない。

むしろ自分のしたことを誤魔化すわけには行かない。

それは梓ちゃんに伝えるべき事だ。

 

自分のしたことを自己正当化せず、悪い事は悪い事と認める。

理由がどうあれ悪事は悪事なのだから。

 

「ダイ、言い訳はしないのか」

「しない。俺は今、世間的には不良と言われる事をしてるよ」

「・・・・・・そうかよ」

 

何故か、少し悲しげに目を伏た。

 

マキさんがこんな顔をするのは滅多にない。

 

「でも、あずは悪い事をしてるなんて思ってない。

 ちゃんと理由があるケンカだもん」

 

梓ちゃんも僅かに追い詰められた様子で言う。

 

俺もマキさんもその言葉に対して否定をしようとは思わない。

そこらへんは個人の価値観で違う事だ。

梓ちゃんが理由ある喧嘩は悪でないという事を否定など出来るはずもない。

 

「理由、ね。何かメンドクセェ事を抱えて喧嘩してんだなお前ら」

「は?」

 

何を言っているのか一瞬わからなかった。

 

「お前らは自分を不良だと思ってんのか?」

 

膝においた俺の頭をさすりながら、マキさんらしくない酷く優しげな声で問いかけてきた。

俺と梓ちゃんはその言葉に一瞬言葉を飲む。

 

どう答えればいいのか。

いや、答えは最初から出ている。

 

「違う、俺は不良じゃない」

「あずも不良なんかじゃないっすよ」

 

これだけは言い切れる。

やっていることは不良のソレだ。

だが、それでも俺達は不良ではない。

 

「そうだ、お前らはヤンキーとは程遠い。

 わかってんじゃねーか」

 

満足げに微笑む。

 

「いいか、ヤンキーってのは気に入らないからぶっ飛ばす。

 ムカついたからぶん殴る。金が欲しいから奪い取る。

 ケンカする理由なんてそんなもんだ。だがお前らはそうじゃない」

 

恐らく、三大天でもっとも暴れん坊だったマキさんだからこその価値観があるのだろう。

自身の考えを教えてくれる。

 

「ヤンキーの喧嘩に自分本位以外の理由なんていらねぇ。

 だけどダイとお前は違うんだろ?」

「・・・・・・うん」

 

俺と梓ちゃんは頷く。

 

「じゃあお前らはヤンキー失格だな。

 土俵にすら上がれていない」

 

その言葉は意外なものだった。

 

はっきり言えば俺はマキさんに怒られると思っていた。

 

喧嘩に余計な建前を持ち込むな。

いや、そもそも俺に喧嘩をするなと、そう言われるのかと思っていたのだ。

しかしマキさんはむしろ

 

「俺が喧嘩していることを責めないの?」

「何で責めなきゃなんねーんだよ。

 別にダイがしたい事をしてるんだろ、だったら私が口出しするのは筋違いだ」

 

俺のしていることを肯定してくれているのだ。

 

「センパイを過保護にしてる腰越センパイが言う台詞とは思えないんだけど」

「そうか?」

「そっすよ」

 

俺を危険に晒さないために愛さんは俺に別れを切り出した。

対してマキさんは俺と共にいるために不良を辞めた。

 

この違いが明らかに出ている。

 

彼女はそもそも俺が危険に首を突っ込む事を否定しないのだ。

 

「けど、ダイが喧嘩して怪我をするのは心配だ。

 何せ日に日にアザも増やしてるし、正直私も気が気でない」

 

それに関しては本当に申し訳ないと思っている。

皆に心配されて本当に幸せ者だ。

今度、全てを打ち明けた後に何かしら詫びをしなければならない。

 

「そこでだ、私から提案がある」

「腰越センパイの提案って・・・・・・何か嫌な予感がするんですけど」

 

俺もだ。

でも聞かない訳にもいかない。

俺も梓ちゃんも黙る。

 

「その前にもう一度聞くぞ。

 お前らはヤンキーじゃないんだな?」

 

何でそこまでそこに拘るのか。

よくわからないが、取り敢えず俺も梓ちゃんも迷いなく頷く。

 

「そっか。じゃあ私からの提案、っていうか命令だ」

 

何だろうか。

妙にヤバイ事を言いそうな気がする。

 

俺と梓ちゃんは僅かに冷や汗を掻きながらゴクリと唾を飲み込む。

 

 

 

 

 

 

「―――――ショウ、私と本気で喧嘩しろ」

 

尋常ではない殺意の片鱗を見せながら、

俺を見るマキさんの目は怒りに満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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