ガンダムアーキテクトレイヴンズ   作:人類種の天敵

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プレ3が壊れてアーマードコアが出来なくなったのでエタリました。申し訳ない。しかしこの悲しみと胸に開いた穴の深さがどれほどのものなのか首輪付きの諸君も分かってくれることだろう!?というかアーマードコアの新作まだですか身体は闘争を求めすぎててヤッベェぞ。

多分ですが続き書けよと言われなければアーマードコアの新作が出るまで書かなかった気がry
またエタりそうな時はセレンさん並みの毒舌をオネシャス。


イェルなんとかさんと穴

 

 

 

 

 

今更だが、この世界にも“企業”は存在する。

それは何の因果か、あの世界に在った企業と一字一句違わぬ名前で、この世界に存在していた。

 

GA、オーメルサイエンス、ローゼンタール、インテリオル・ユニオン、有澤重工、イクバール、BFF その他et cetera……。

 

これらの企業の下に更に見覚えのある企業がちらほらと傘下企業として世の中の経済を回しているのだが、皮肉な事に俺がガンプラに熱中するのと同じく、企業もまた、更なる利益をガンプラバトルに求めた。

 

5、6年ほど前から原作機の企業改修機と銘を打ち、それぞれの中二病や痛い設定を盛り込んだガンプラを連中は作り始めている。

しかも初心者にも簡単な作り方や特徴を絞ってる分扱いやすいので人気も高い。

 

例えば、陸戦型ガンダムやEz8、サーペントカスタム、ヘビーアームズなどの無骨な機体をフェイズシフト装甲を使った実弾防御特化、装甲マシマシ、ガトリングやらバズーカやら、実弾装甲・実弾火器をゴッテゴテに盛り込んだGA。

 

例えば、機体性能のバランスやビジュアルを重視して、ジムカスタムやユニコーンガンダム、トールギスなどを改造するなど機体デザインに定評のあるローゼンタール。

 

例えば、ジムスナイパーやケルディムガンダム、デュナメスガンダムなどの狙撃機を改造して独自の砂砲やスコープなどを開発するBFF。

 

例えば、ボールやカプル、カプールなどの得意なフォルムを持つ機体ばかりを魔改造して狂信的な信者を持つGAE。

 

彼らは偏に利益を優先し、ガンプラバトル運営の中枢に忍び込み、ひっそりと、しかし確実に、このガンプラバトルを、ガンプラという文化を管理するようになった。

 

 

それこそが今のガンプラ業界である。

 

 

現役のプロファイターやビルダーは、その大半が企業専属になり。

大会などで実績を残したり広告塔になる代わりに企業からの支援や報酬を受け取っている。

ただ、その首輪を受け容れることを良しとしない者もまた存在しているわけだが。

 

この企業に所属しているガンプラファイターやガンプラビルダーは、企業から支援や報酬を約束される代わりにその企業が開発したガンプラの性能をテストしたり企業パーツを使って大会などを通して宣伝しなければならないため、アセンブルの大抵が似通った構成になる。

そのため、企業専属のファイター達はその全員が首輪付きと蔑称されている。

 

その中において企業の支援を受けず、個人として独立するファイターを人はフリーランスや独立傭兵、又はレイヴンと。

 

ビルダーの事をアーキテクトと呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『選考会2戦目ええええええええ!!はりきっていきますええええええううううう!!』

 

「トガ兄。つまんないね」

 

「ん?…ああ、そうだな」

 

俺の試合の後に始まった2試合目。

レイヴンで固められた俺の1試合目とは違い、紅葉が戦う2試合目は、各企業の首輪付き達で占められているようだった。

 

「アレはGAのSSサーペントとSSティエレン。こっちにはインリオルの歯茎ザク。……あっちにはアスピナのイナクト。……企業ガンプラの展示会か?」

 

色を変えただけとか武装や構成の一部が少しだけ違うだけのつまらないガンプラ達が群れをなしてあちこちで戦っている。

それも、生き残り戦だというのに自社のファイターで結託して他のファイターを潰す気満々でだ。

 

「つまんないねー」

 

「あぁ」

 

俺と葵の興味は無くなった。

無論、紅葉がコイツらに負ける要素は無いだろう。

ぶーたれて背中におぶさってきた葵を苦笑気味に背負い直し、喉の渇きを潤す為に会場内の自販機を探す。

 

『うおおおおおーーーーっとおおお!!?ハスラー1選手!一瞬の交差でサンシャインサーペント二機とサンシャインティエレンを四機破壊したァァァァ!!?一体何が起きたんだ!?全くもって見えませんでしたァァァァ!!』

 

無駄に熱いMCの声量とボルテージ上がりまくりの観客の反応に顔を顰め、千円を投入してどのジュースを飲もうか考える。

 

「アクアビット社製ノンコジマのコジ・コーラ。ファンタズマ・グレープ。お〜いガチタン。プリミティブスプライト。つーかノンコジマって何なんだよ……」

 

自販機に並べられた独特過ぎるドリンク名に呆れた溜息をこぼし、これが一番マシかと思えたキサラギのアミダ酸を購入した。

 

「うぇーまずそー」

 

「言うな。買ってそんな気がし始めただろ。多分、アミノ酸の親戚なんだよ」

 

その怪しげなペットボトルのキャップを緩め、口に含もうとした時ーーー廊下をバタバタと此方へ駆けてくる音が複数聞こえた。

 

「なんだーー?」

 

さらに言えば、「待て!」だの「止まれ!」だのと叫ぶ男たちの怒号と、ガンプラの駆動音もだ。

 

「フィオナ・イェルネフェルト!コジマ粒子の在り処を吐いてもらうぞ!」

 

「コジマ粒子?」

 

「どうしたのー?」

 

黒服の男が叫ぶその単語に俺の視界が目が覚めた。

視界はクリアになり脳みそは活発に回転を始め、廊下を駆ける一団を鮮明に把握した上で腰からガンプラACを引き抜いた。

 

「行くぞストレイド」

 

「トガ兄?」

 

ドクン、と心臓が唸る。

目の前の視界はノイズ混じりの雑音と化し、俺の視界に別の視界が混じり合って融ける。

 

俺が、俺で無くなる。

 

そして俺は、鋼鉄の翼を広げるのだ。

 

 

 

 

「ええい、イェルネフェルトめ、ガンプラであの小娘の足を止めろ!」

 

黒服のリーダーの指示に従い、黒服の部下たちが意図的にパーツを不揃いに組み上げたガンプラのライフルを彼らが追いかけている少女へ向けた。

 

他企業のもので構成されたラフカットスタイルなのは自身たちの所属を不鮮明にしたいという後ろめたさ、又は彼らが追う少女の正体の証明でしかない。

 

「トガ兄ー?」

 

背中にからった妹の疑問に答えず、俺は右手のレーザーバズーカをガンプラ達へ撃つ。

 

「なにっ!?」

 

会場に迷い込んでいた最重要機密人物を追っていた黒服のリーダーは、捕獲命令を下した直後に墜とされたガンプラと、ガンプラを部下のガンプラを墜としたビームバスーカに思わず目を剥いた。

 

それは今大会で近づくなと厳命されていたレイヴンと呼ばれるファイターが用いるガンプラの攻撃であり、自分たちはその男に攻撃されたのだ!

 

「なぜ、ここに奴が!?」

 

彼の所属する企業の支配者達でさえ首輪を付けて支配下に置くことも、闇に葬ることもできないと告げられていたレイヴン。

しかしファイターとしてならエンターテイメントの側面で大いに盛り上げてくれるだろうからと敢えて接触を最低限に留めていた黒鴉のガンプラが企業の暗部である黒服達のガンプラを次々に墜としていく。

 

「あ、貴方は!?」

 

廊下を所狭しと飛ぶ黒い鳥は徐に人型に変形すると銃槍型のアサルトライフルを振り回し、突き刺し、弾丸を撃ち込みながら暴れている。

無理だ、敵わない、黒服のリーダーは直ちにその結論に至り応援を要請した。

 

あの実験体ならば多少の時間稼ぎは出来るだろう、と。

 

「トガ兄ぃ〜〜!!ずるいずるいー!」

 

自らのフードを被り、妹にはお面を被らせ、黙したまま突っ立っている渡鴉の傍にいままで黒服に追われていた少女が怯えた様相で近付く。

 

「やっぱり、貴方は」

 

渡鴉について心当たりがあるのだろう。

複雑な表情を浮かべるが、彼女の懸念は彼が戦っているであろうガンプラにあった。

 

「あれでは彼の動きにガンプラがついていけないわ」

 

視線の先には今も黒服のガンプラを蹂躙するストレイドの姿が、しかし数の暴力とストレイドのスピードを活かせない狭い通路での戦い故か、ストレイドには珍しく被弾の跡が見えている。

 

「このままじゃランカーが来れば墜とされてしまう……そうなったら」

 

そう溢し、自身の手の中にある一つの部品に目を落とす。

 

「いっけいっけトガ兄ー!」

 

背中におぶられたままの葵は自分のガンプラを出そうとせず応援だけしている。

 

なんのことはない、この程度の雑魚に兄が負けるなど思ってもいないのだ。

 

だが、そんな無双状態のストレイドを背後から謎の影が強襲する。

 

「!?」

 

ストレイドが視界外からの攻撃に体勢を崩した。

下手人はその状態のストレイドのコックピットへマシンガンを当て、引き金を引く。

 

「ーーーチッ!」

 

ブン、とアサルトライフルが振るわれるが、敵機はひらりとそれを避け、中距離からのマシンガンを掃射、じわじわストレイドの装甲を削り取るようだ。

 

「いけない。アレはランカーよ!」

 

「なに?」

 

企業所属のランキング保持者ーーー彼、彼女らは普通の企業所属のファイターと違い、あまり表舞台に姿を表すことなく、企業と企業の戦いーーすなわち裏の世界で凌ぎを削っているという。

 

(そのランカーが姿を現した、やはりこの女はコジマ粒子を待っている…わけだ!)

 

しかし、目の前の機体のシルエットを捉えた瞬間、ストレイドの動きが止まった。

 

「………ーーーーお前は」

 

ドン!ーーー黒服のリーダーのガンプラが構えていたキャノン砲がストレイドに直撃。

ジェネレーターから火を噴きつつストレイドは呆気なく墜落して行く。

 

「よし、良くやったぞ被験体!」

 

これで命令を遂行することができるとご機嫌な黒服を尻目にそのガンプラは、眼下に見下ろすストレイドへ冷酷に言葉を投げた。

 

『……これで終わりですか、なんとも呆気ない』

 

それはユニオンフラッグかスサノオか、細身のシルエットと得意な形状やフレームを持ったガンプラだった。

 

「よし、イェルネフェルトを捕らえろ!」

 

『ーーあとはお任せということで』

 

上機嫌な黒服のリーダーにそれだけを言い、〝彼の確認〟を終えた特異なガンプラはその場を後にするーーー。

 

「まだよ!お願いっ、動いて!」

 

床に激突してしまうストレイドに少女は手に持った工具を駆使して火の噴いたジェネレーターを取り外し、その手に持ったパーツを構成する。

 

「な、なに!?」

 

その行動に嫌な予感を感じた黒服のリーダーがガンプラを構えたが、次のアクションを起こす前にレーザーキャノンで蜂の巣にされてしまう。

 

「穴ぁぁぁぁ……久しぶりかよ…へっ」

 

『なるほど、プランCですか』

 

穴と呼ばれたガンプラが振り返ればそこに穴と同様に〝緑色の粒子〟を撒き散らす黒い鳥が静かに飛んでいる。

 

黒い鳥と穴。

 

最強と最速が今ぶつかった。

 






これはガンプラバトルです。
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