ガンダムアーキテクトレイヴンズ   作:人類種の天敵

5 / 10
アクアビットマン

GPベースに俺のガンプラ……試作No. 2 アクアビットマンをセット。

頭部、コア、腕部、脚部共に戦闘準備良し。

武装詳細。

右腕部:コジマライフル(未完成)

左腕部:コジマブレード(未完成)

右背部:プラズマキャノン(未完成)

左背部:コジマキャノン(未完成)

肩部:加湿器

全身に配置したブースターの稼働良好。

 

積載共に重量過多。

 

「さて、行こうか?」

 

 

GUNPL BATTLE COMBAT MODE

 

フィールドは宇宙空間。

遮蔽物があまりなく、真っ向からの撃ち合いになるか、近接戦闘に持ち込まれるか。

ランスタンは重量過多で動きが鈍く武器も中距離戦を得意としている。

近付かれる前に消し炭になって貰おうか。

 

『ハハッ!行くぞォォ!!』

 

野太い声に続いて前方から小型の誘導兵器、GNファングが飛んで来たので避ける。

しかしすぐに旋回してまた突っ込んで来たので避ける。

しかしすぐにまたry、避ける避ける避ける。

 

『避けてばっかじゃファングからは逃げられねえぞ!』

 

「うわあしつこい」

 

コジマライフルをチャージする時間が得られない。

仕方ないので突っ込んでくるファングから順にコジマ手刀でパシパシはたき落とす。

邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔。

ああ、なんかこれハエ叩きみたいで笑う。

 

『へえ?ファングを簡単にいなすかよ……面白え』

 

少しばかり賞賛した声にファングってそんな強いかね?と疑問が。

いや、だってねえ?わざわざあっちから突っ込んでくるんだし俺はそれに合わせてコジマパンチで迎え撃つだけだから楽な作業だ。

わざわざ的になってくれてありがとうございます。

 

「コジマライフル、コジマキャノン共にチャージ開始」

 

ボタン1つで機体からプラフスキー粒子が止めどなく溢れていく。

それらは全てコジマライフルとコジマキャノンのチャージに使われ、アクアビットマンの粒子ゲージはどんどん0へ迫る。

勿論このままではチャージが終わる頃にアクアビットマン自体動かなくなってしまうので肩に装備した丸い形状の加湿器を作動、ポチッとな。

ジュワァァと中に詰められたプラフスキー粒子が加湿器の如く散布されてアクアビットマンもどこか気持ち良さそうにしている。

これでアクアビットマンが失った粒子を補給しつつコジマライフルとコジマキャノンのチャージ速度を上げることに成功した。

既に緑色の輝きは眩いほどに大きくなり、そこでようやっとクルーエルガンダムが姿を現した。

 

「遅かったじゃないか……目標は既に達したよ(コジマはフルチャージ)

 

『は!……なんだよそれ。面白そうじゃねえか』

 

プラフスキー粒子をコジマ粒子に見立てて制作したこの武装を1発で面白いものと見抜くとは、流石アド、よく見ている。

 

コジマ兵器にチャージは出来ているか?

勿論、いつでも撃てるぜ。

後はアド坊主の顔面にフルチャージコジマをバーストするだけだ。

 

『もっと楽しもうぜえ!渡鴉ぁぁぁぁ!!』

 

ドラゴンハングが伸びて来たのでコジマパンチでワンパン。

如何にも凶悪そうな先端部分が緑色の粒子と共に消滅して返す刀で伸びきったアームを切断する。

 

『……………………は?』

 

んっん〜?おやおやどうしたアド坊や。

プライマルアーマーも展開していない伸びる腕如きがコジマパンチの一撃に耐え切れるとでも思ったのかねぇ?残念!答えは消・し・炭♡でしたー!

 

『なんつー威力だ。俺のドラゴンハングを……』

 

ふっふっふ、耐えれると思ったら大間違いだ。

それはコジマを知らぬが故の傲慢というのだよ。

持たざる事で無知なる者よ、コジマの恐ろしさを知るがいいわ。

 

『く、っそが!』

 

伸びーる腕(右)がやられた事で伸びる腕(左)を使って来たアドぴんメゲない。

その意気に感じて一撃くらいサービスしてもいいかと思ったがあーざんねーん。

 

バチバチバチ!

 

『な、んだと!?』

 

弾かれちゃったね(・・・・・・・・)

ま、アクアビットマンは元々素の装甲ではなくコジマ粒子を際限なく高め、プライマルアーマーを主体とした戦闘を得意とするからな。

その程度の攻撃じゃアクアビットマンには傷1つつけられないぞ?

 

 

 

「な、なんだアレ」

 

「デッドエンドをまるで寄せ付けない!?」

 

アドウ対渡鴉のバトルを見ていた受験生と在校生達は驚愕に目を剥いた。

瞬殺必至と思われていたバトルが意外な方向に流れが変わり始めたのだ。

 

「アクアビットマンも烏丸渡鴉も!全然聞いた事が無いぞ!?」

 

「む、無名だっていうのか!?それが、それがあのデッドエンドと渡り合ってる!?」

 

焦り、戸惑う彼らを横目に在校生のキジマ・ウィルフレッドはクールに振る舞う彼に珍しく好戦的な笑みを浮かべる。

まるで探し求めていた何かを見つけたみたいだ。

 

「兄さん?」

 

「見つけたよ。シア……待つばかりだった私が追いかけるべき目標を」

 

『ファングァァァァ』

 

『ほいほいほいほいほいほいほいほいほい』

 

全ファングを放出したアドウと四方八方から襲いかかるファングを緑色に輝く左手で切り裂いていく渡鴉。

彼のガンプラ、アクアビットマンは一目見た時から異質だとウィルフレッドは直感していた。

見た目から来るゲテモノ臭ではない。

立つのもやっとな細い脚部、見るからに薄い装甲、配線むき出しのパーツ、ヘタレそうなお面似の顔。

手に持った武器と背中に背負った砲撃兵装を含めればアクアビットマンはプルプル震えているように幻視すら出来る。

 

キジマ・ウィルフレッドの妹にして今年の受験生の中で在校生を打ち破ったキジマ・シアは兄の嬉しそうな顔に何処か儚い印象を抱いた水色のガンプラに視線をやった。

 

(綺麗。だけど……怖い。まるで、何もかも全て焼き尽くしてしまう、みたいで)

 

それが姿を現した時からシアの身体中に強い悪寒が襲っていた。

それは彼女がガンプラの声を聞く子ができる特別だったから。

渡鴉の手を通じて前世の思いを込めて作られたアクアビットマンやその他の彼のガンプラには傭兵として戦った殺し合いの記憶が綴られている。

 

それをシアは断片的に感じ取ってしまったのだろう。

喜びに震える兄とは対照的に、か細い両手で体を抱きしめ辛そうに震えている。

 

「い、いけ!いけええええ!!」

 

「デッドエンドが負ける!!?」

 

「アドウ!負けるな!」

 

「嫌……怖い」

 

周りの歓声も相俟ってシアの心は押し潰されていく。

それに負けたくなくて呟いた言葉すらガンプラバトルの声援に掻き消された。

それを聞き取れたものなど誰1人としていないだろう。

 

彼を除けば(・・・・・)

 

 

ーー嫌……怖い

 

「この感覚……。リンクスか?」

 

久しぶりの感覚を味わった。

それはノイズ混じりの他人の意識だ。

リンクスとネクストを繋ぐAMSが似たような波状を持つリンクスに対して操縦者の意識を飛ばす現象だ。

しかしAMSやネクストは無く元リンクスの渡鴉を除いてこの世界にリンクスは存在しないと考えていた彼にとって、この言葉は確かな動揺と一瞬の隙を晒した。

 

『ここだ!』

 

「チッ!?」

 

クルーエルガンダムのドラゴンハングが掠る。

避けるついでにコジマライフルとコジマキャノンを撃とうにも動きが鈍く照準が合わない。

無理に態勢を崩したせいだ。

本当ならここでクイックブーストを使って強引に照準を合わせるがアクアビットマンの再現は不完全。

クイックブーストは再現されていない。

 

『オラオラ!どうしたぁ!?渡鴉ァァ!』

 

「調子のいい奴っ!」

 

勢いを取り戻したクルーエルガンダムのドラゴンハングをプライマルアーマーが弾くたびにバチバチ火花が散っていく。

苛立ち、コジマバーンで終わりにしようにもさっきから他人の意識が入り込んで集中出来ない。

 

「クッソ、がっ!!」

 

『う、おお!?』

 

コア目掛けて突っ込んで来るドラゴンハングを左手で掴み、クルーエル本体を引き寄せる。

意表を突かれた形のアドウはなんのアクションも無しにアクアビットマンとの距離は0に。

ここだ、此処しかない。

 

「さっきから怖い、怖いとバカみてえに」

 

尻餅を突かせコジマキャノンの位置をクルーエルガンダムのコックピットへ、そして右手のコジマライフルもコックピットに突き刺す。

 

「そのくせ誰よりもアクアビットマンに目を奪われてやがる!」

 

素性も知らぬ誰かはアクアビットマンを恐れると同時に、もっとアクアビットマンを見てみたい、直に触れてみたいと興味を示していた。

その意識を感じ取った渡鴉だからこそ、嬉しくもあったし照れて気恥ずかしくもあった。

 

『うおおおおおおお!!』

 

ドラゴンハングがアクアビットマンの剣道のお面に似た頭部パーツを叩き割る。

しかしそれでもアクアビットマンは倒れない!

 

「だったらもっと目見開いて見届けろ!この戦いの先に、自分なりの答えでも見つけてみせろ!コジマァァバァァァァストォォォォォォ!!」

 

『ははっ!最高だ!最高だぜ!お前ーーーー!!!』

 

アクアビットマンとクルーエルガンダムの二機は眩い緑色の閃光に包まれた。

あまりの眩しさに場にいた関係者は目を瞑り、やがて光が収まった頃。

 

『BATTLE ENDED!!』

 

ガンプラバトルシステムにはアクアビットマンしか残っていない。

クルーエルガンダムは消滅してしまった。

 

「はは、楽しかったぜ。アド」

 

「あぁ、俺もだ。トガ」

 

バトルシステムには渡鴉のガンプラ、アクアビットマンだけが残っていて、アドウのクルーエルガンダムはコジマのフルバーストで存在ごと消滅していた。

 

「悪いな。コジマ兵器は威力が強すぎるんだ」

 

「いや、良い。俺がダメージ判定をAにしてたんだから仕方ない。にしても何も残らねえとか無茶苦茶なガンプラじゃねえか」

 

今回入学セレクションではバトルシステムのダメージレベルをCに設定していたが、アドウの指示で渡鴉とバトルするときだけダメージがそのまま機体に反映されるAに変えていたのだ。

そのためコジマライフルとコジマキャノンの一斉射を喰らったアドウのガンプラは欠片も残さず塵となったのだ。

正に自業自得と言えるが、アドウは後腐れなく自分のガンプラが消失したことを笑い話に変えてみせた。

そこら辺渡鴉はこいつ大物だわ……とも、頭のネジがぶっ飛んでんのかとも内心思ってたりしていたが。

 

アドウはこれまでに1000体以上のガンプラを破壊してきたが、欠片も残さぬ破壊され方は可哀想な部類と言えよう。

きっとこれまでのツケが一気に回ってきたのだ。

 

「はは!デッドエンドなんて呼ばれてるが、俺もまだまだだな。こんな壊し方があるとはよ」

 

ただ本人は反省とか公開とか今までの所業を思い返した感じがないので本人はこれからもガンプラ粉砕を続けるのだろう。

懲りない奴である。

 

「そういえば」

 

「どうした?トガ」

 

先程渡鴉の意識に接触してきたリンクス?を探したいが、自分から探すのは面倒と考えた。

 

「……ま、直にあっちから来るか。何でもない」

 

「そうか?ところで、お前のその機体。元のベースは何だよ。もしかしなくてもアナザー系統のライバル機か?」

 

「バーカ。アクアビットマンにそんなもんねーよ」

 

 

 

烏丸渡鴉(アクアビットマン)vs.アドウ・サガ(クルーエルガンダム)

 

勝者 烏丸渡鴉(アクアビットマン)

 




このアクアビットマンを初期レギュで組むと重量過多、EN過剰に陥ります。
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