Ⅶ組が駆けるミッドチルダ   作:暁月千景

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 続いたぁー‼
書こうと思っているうちにとにかく書くことにしました。矛盾? 知らんな。


 時間軸的にはアグスタ前。一度目の列車のレリック攻防戦は終えています。
なのである程度、チームワークはできているものと思っています。まあそれでもⅦ組に比べればまだまだですが。




 3

 

 

 

『そこまでっ! リィン君、アルティナちゃんの勝ち!』

 

 

 残心を解き、一つ息を吐いた。それと同時にクロノドライブも解けたようで、体の軽さが抜けた。

 

「こんなものか。ティアナ、だったか。大丈夫か?」

 

「え、えぇ。大丈夫」

 

 尻もちをついているティアナに手を差し出し、ティアナが掴んだのを見て引き上げる。

 

「すごいですね。あの距離をこんな一瞬で……。しかも私の居場所がわかるなんて」

 

「気配を感じたからな。それに、これだけビルが密集していれば、足場も十分だったしスバルのあの青い道も利用させてもらった」

 

 気配だのなんだの言ってはいるが、普通ならば感じることのできないはずの距離だった。加えいくらビルが密集していたとはいえ警戒を怠っていたわけではない。さらに言えばティアナ自身、幻術を使って身を隠していた。見つかる可能性はなかったはずだった。

 

 だがリィンに言わせればこの程度、距離はあったにせよ幻術ならカンパネルラの方が精度は格段に上だし、結社の連中ならば反応しさらに反撃をくわえてきたことは想像に難くない。気配も気とられるようなことはないはずだ。

 そんな連中と戦ってきたリィン、アルティナから言わせればなんてことはない課題だった。

 

「とりあえず、なのはさんの所に行こうか」

 

「あ、はい」

 

 

 

 

 ※ ※ ※

 

 

 

 

 廃墟ステージの開けた場所に集まった面々。死屍累々の様相のフォワード陣に対し、涼しい顔をしているリィンとアルティナ。それを見渡して、教導官であるなのはが前に出る。

 

「みんな、お疲れさま。ヴィータちゃん、どうかな?」

 

「あぁ。文句ねえ実力だった。2人とはいえチームワークも悪くなさそうだ。こちらからお願いしたいくらいだ」

 

「ということでリィン君、これからよろしくね!」

 

「こちらこそ。フォワードのみんなもよろしくな」

 

『よ、よろしくお願いします……』

 

 何とか立ち上がり、返事を返したフォワード陣。

 

「それじゃあとりあえず、リィン君には近接戦闘の指導をお願いするね。スバル、エリオの2人はリィン君について行って。ティアナとキャロは私とね。ただみんな模擬戦の後だし、少し休憩を入れます。30分後にそれぞれの教官の所に集合! それじゃあひとます解散!」

 

『は、はい!』

 

 返礼し、そして立っているのも限界だったかへたり込んだ。

 

 リィンはその光景を見て、まだ自分たちが学生だった頃を思い出していた。さすがに今の彼女らより歳は上だったが、本格的な軍の訓練に着いていくのがやっとだった、そんな記憶がある。まあ慣れとは恐ろしいもので、1,2カ月で慣れたが。

 そう考えれば、彼女らの能力はすごいものだと感心する。根本が違うといっても、まだ高等学校に通う年齢ではない、年端もいかない少年少女だ。それでいて教導を受けていて、何とかだがついてきている。

 今は経験値の差でリィンたちが勝るものの、それらも時間で解決するもの。

 

(これからの成長が楽しみな逸材だ)

 

 

「あの、ちょっと質問があるんですけど」

 

「ん? なんだスバル」

 

「その、何と呼べばいいのかなって……。元の世界ではなんと?」

 

「別にどう呼んでもらっても構わないよ。リィンさんでも、リィン教官でも。ここでは軍みたいな硬さもさほど見られないし、なのはさんのこともさん付けだろ?」

 

 まあだからと言って緩み切っているわけでもないのが好印象だ。帝国の掲げる質実剛健と違うのは戸惑うが、まあそれも慣れの問題だろう。

 

「えと、それじゃあ……リィンさんで。リィンさんは別の世界から来たって言ってましたけど、どう違うんですか?」

 

「そうだな。簡単に言うなら、君らみたいな魔力を生成する器官、リンカーコアがないのが大きな特徴だろうな。だがさっきも使ったが、俺たちにはこの戦術オーブメントと呼ばれる機械を使って魔法を使用することができる」

 

「ほへぇー……」

 

「まあ難しいことを今話してもわからないだろうし、後でなのはさんにでも聞いてくれ。後は……遊撃士と呼ばれる職業があったり、秘密結社と呼ばれる組織が暗躍していたり。色々と経験してきたよ」

 

 秘密結社“身喰らう蛇(ウロボロス)”。この組織はいまだ謎が多い。分かっているのは盟主(グランドマスター)を中心に7人の使徒(アンギス)、その下の執行者(レギオン)にそのほか様々なスペシャリストで構成されていること。そしてそれらは何らかの目的のために各国を暗躍し、事件を起こしていること。

 

 未だ結社の計画には不明な点も多いが、間違いなく災いを引き起こそうとしている。許されるはずがない。時に共闘することもあったが、相容れずこれまで幾度となく戦ってきた。

 

 結社の執行者は、人間をやめたといっても差し支えのない人外ばかりだった。己の焔ですべてを焼き尽くす≪劫炎≫のマクバーンしかり、幻術で惑わせることに長けた≪道化師≫カンパネルラしかり。執行者でないものも強者ぞろいだった。

 第七柱の直属部隊≪鉄機隊≫は、それぞれが執行者並みの力を兼ねており、その中でもリーダーである≪神速≫のデュバリィは桁外れの力を秘めていた。

 

 思い返せば、ここまでの修羅場をよくぞ戦い抜いたものだ。

 

「他はそれほど変わっている、という印象はないな」

 

「なるほど。ありがとうございます!」

 

「構わないよ。さて、休憩ももう少しある。ゆっくり休んでいてくれ」

 

『は、はい!』

 

「アルティナは俺と一緒に来てくれ。お前の武装を考えないといけないからな」

 

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 ※ ※ ※

 

 

 

 ステージの修復をしているのだろう、コンソールを叩いているなのはを発見したリィン。

 

「なのはさん、ちょっといいですか?」

 

「ん? リィン君、どうかしたの?」

 

 コンソールの操作を中断し、リィンに向き直る。

 

「相談がありまして。実はアルティナの武装が、この世界に来てから使えないんですよ。代わりに何かあるかと思いまして」

 

「アルティナちゃんの武装、かぁ。以前はどんなのだったの?」

 

「戦術殻です」

 

「は?」

 

「戦術殻です。高町教官」

 

 助けを求めるようななのはの視線を受ける。だが、そうとしか説明できないのがつらいところではある。この世界では見たことがなかったが。

 

 戦術殻とは特殊な技術を用いて作られた人形を指す。その造りには謎が多く、いまだどういったものなのか不明な点が多い。学生時代にリィンが実践テストで戦ったものもあれば、アルティナやミリアムのように意思を通わせてあるものもある。

 

「アルティナはどちらかと言えば魔法を主に戦うタイプです。ですが……」

 

「それなら杖、なんだけど……リンカーコアがないんだよね。だとするなら杖は向かないかも」

 

「あの、リィン教官」

 

 途中、アルティナが声をあげる。

 

「なんだ? 何か希望があるのか?」

 

「前々から、興味があったのですが―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――室内用訓練スペース。

 

 

「……本当にそれでいいのか?」

 

「も、問題、ありませ、んんっ!?」

 

 眼前には左手にARCUS、右手に太刀を握ったアルティナの姿があった。このトヴァルを思い出させるスタイルはさておき、片手で太刀を持つには筋力が足りないのかフラフラした危なっかしい足取りだ。

 ちなみにアルティナが持っている太刀はリィンの愛刀である。さすがの管理局にも太刀という特殊武器までは網羅していなかった。剣はあったが。

 

「問題があるようにしか見えないぞ」

 

 とりあえず危なっかしいので、太刀は没収しておく。心なしか不満そうな顔をしたが、そんなに太刀にこだわる理由は何なのか。

 

「むぅ、リィン教官は片手で振るっていたのですが……」

 

「俺とお前じゃ筋力に差があるだろう。それより、何でそんなに太刀にこだわるんだ?」

 

「単なる興味です。リィンさんのサポートとして傍にいて、太刀を振るうのはどういった感じなのか」

 

(そういえば、“アルカディス=ギア”のメーザーアームを振るった際に斬っ! っと言っていたが、俺の影響なのか?)

 

 今更に行きついた真実である。

 

「とはいえ、確かにこれでは戦闘に不便ですね」

 

「また考えよう。そろそろ休憩も終わりだ。戻ろうか」

 

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 少し短いですが今回はここまで!

 無論アルティナの斬っ! の理由は僕の想像です。ただあの斬っ! は体をよじらせてしばらく悶えていたのは内緒。かわいいのは正義。仕方ないね。


 さて、次はいつ更新するんだろうなぁ……(白目)
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