3か月ぶりに帰ってきました!!
忙しさにかまけてぜんっぜん投稿できませんでした。
ぶっちゃけ物語の流れをうまく想像できずに、それに伴うモチベ低下も原因ですかね。
いやあやっぱりプロットって大事ですね(笑)
でも、閃の軌跡Ⅳの情報が出るにつれて、少しだけ戻ってきました。情熱が!
まだぎりぎりエタッていませんよ!! 生暖かく見守ってください!
―――訓練スペース。
休憩も終わり、先ほどの指示通りスバルとエリオの近接戦闘を指導することになったリィン。それとアルティナ。アルティナの武器はまだ決まっていないが、まあ当面はARCUSだけで事足りるだろうとリィンは判断した。
「それじゃあこれから近接戦闘を教える。わけだが……スバル、近接戦闘で大事なことは分かるか?」
「大事なこと、ですか?」
むむむ、と首をひねる。
併せて隣のアルティナも首をひねる。リィンの言ったことの答えを考えているようだ。
「んー……全力全開で突破する! です!」
「実に脳筋な答えですね」
「アルティナちゃんひどい!? じゃ、じゃあアルティナちゃんはなんだと思うの?」
「そうですね。……自分が墜ちないこと、ですか?」
コクリとリィンは頷いた。
そう、確かにスバルの言った突破力も近接戦闘の大事なファクターになり得る。攻撃しないと事態を好転させられないからだ。
だが、それよりもまずは自分が相手に堕とされない。自分が墜ちることで、戦況は一気に劣勢になり、やがて壊滅へと至る。前衛が相手を持ちこたえられるからこそ、後衛の人がサポートできる。サポートする相手がいなくなれば戦況のバランスが崩れるのは当然。
「……と、いうことだ」
「なるほど……攻撃だけじゃあダメなんですね」
「ダメというわけじゃない。スバルの言ったように、突破力もまた前衛の大事な役目だ。だが、君たちのような新人には、まずは生き残ることを覚えてほしいんだ」
そうすれば、好転させられる……かもしれない。
「これから基礎、技術を教えていくが、このことを念頭に置いて訓練してほしい。まあなのはさんもいずれ教えるつもりだったかもしれないが」
そしてリィンは、刀を抜く。そしてくるりと刃を返す。
こうすることで刃と峰が逆になり、相手を殺傷する意味合いが薄くなる。よく言う峰打ちとは、この峰の部分で相手を打つからそう呼ばれる。
「さて、自分が墜ちないためにも基礎が大事だ。強くなれば、それだけで生き残る可能性が上がる。無論ガジェットなどを相手にするのも大事だが、相手が不規則に動く対人戦、これを熟すことで機械的で動きの読みやすいガジェット相手にも戦いやすくなるはずだ」
どうしても機械の動きはプログラム、あらかじめ指定されたような動きの組み合わせなので、それに慣れすぎると犯罪者相手にうまく立ち回れないかもしれない。
まずは対人戦に慣れること。将来的には機械よりも犯罪者を相手にする可能性がある以上優先すべき事項。
「君たち二人がかりでいい。まずは俺に一太刀与えること。それで訓練は終了とする。早く浴びせられれば、それだけ残った時間を自主練習に使ったり、休みに使えるぞ」
リィンの言葉に、二人はパァッと表情を明るくさせる。見たところこの二人、考えるよりも先に体が動く単純系。単純に言葉通り受け取る。
今の言葉の裏には、挑発の意が込められているのだが……それに気が付いたのはアルティナのみだった。
こそりと、リィンの傍に寄り小声で話しかける。
「お二人とも、やはり単純ですね。今のは逆にとらえれば、二人を相手にしても訓練終了時間まで持ちこたえるのは余裕、ということなのに」
「はは。まあ俺もまだユウナたちに劣る新人に後れを取るつもりはないからな。伸びしろがある分、格上との戦いで盗み取って成長していくのが近道と言えば近道だ」
無論基礎があっての、だが。
ポケットに手を入れ、小銭入れからコインを取り出す。こちらの世界では使えない、リィンの世界の硬貨、50ミラコイン。
「それでは教練を始める。このコインが地面に落ちたらスタートだ」
「「はい!」」
そうして、リィンは高々と50ミラコインを弾く。甲高い音を立ててくるくると、コインは宙を舞う。
リィンはちらりと見て目を瞑る。息を吐き、深く空気を肺に入れる。教練だからと手を抜くことはしないつもりだ。全力で打ちのめしてこそ、その経験が二人の中に積み重なっていくのだから。かつてリィンも経験したサラ・バレスタイン教官との初めての戦い。構図はそれを思い出させた。
研ぎ澄まされていく。血液が巡る。脳に、目に、手足に。視界は広く持ち、相手の初動を見逃すな。
大きく息を吐き、目を開く。まだコインは落ちていないようだ。重心を落とし、刀を下段に構える。
相対するスバルとエリオは、雰囲気の変わったリィンに一歩たじろいだ。
先ほどまでの朗らかな気配など一片も残さない、完全にこちらを叩きのめそうとしている眼。心なしかオーラのようなものが見える。
だがそれでも、さすが現場を経験した二人。すぐに持ち直し、各々の武器であるリボルバーナックル&マッハキャリバー、ストラーダを構える。
これはまさにスペシャリスト。模擬戦の時よりも洗練されたリィンの氣に当てられた二人は、心の底から到来する熱を感じ、震えた。
怯え? いや、これは武者震いだ。
同じく近接を得意とするフェイトとは違う。純粋なインファイター。ただそれだけに、極めあげられたリィンのそれは、格が違うように思えた。
「八葉一刀流中伝、トールズ第二分校Ⅶ組教官、リィン・シュバルツァー」
「き、機動六課所属、スバル・ナカジマ!」
「同じく、エリオ・モンディアル!」
「参る!」/「「行きます!!」」
コインが、落ちる。
まず仕掛けたのはエリオ。自慢のスピードを生かした速攻でリィンに飛びかかる。その後ろではスバルがウイングロードを発動させる。
それを左半身になることで回避。峰打ちを叩きこもうとして―――黄色の防御膜が防いだ。間一髪左手を滑り込ませ、そこに発生させていた。
「っ」
「プロテクション……防御魔法です! 一度リィン教官にはやられましたから!」
「なるほどな。少し君を甘く見ていた」
あれがこの世界の防御魔法。バリアのような魔力を持って受け止めた。手は抜いていないが、以前の模擬戦と同じ攻撃が来ると直感で察したか……。いや、それでも素晴らしい反応だ。
「おおおおおおおおおおりゃああああああああ!!」
辺りに響く、自分を鼓舞する意味合いを込められた魂の
だがそれでも、リィンには通じない。
半身からさらに左足を引き、右から攻めてきていたスバルに回転の勢いを利用して刀を振りぬく。
ぶつかるナックルと刀。しかしそれは一瞬の拮抗に過ぎなかった。元々の膂力の違いか、回転の勢いを利用したリィンに弾かれる。
「ぐぅっ!」
「今のも悪くない。が、もう少し左右を使うといい。また単調になっていたぞ」
「っ、はい!」
「さあどんどん攻めてこい! こんな調子じゃあ夜になるぞ!」
※ ※ ※
辺りの陽はすっかり落ちきった。星々の明かりのみが辺りを照らす。
その中、訓練スペース。
「「あ、ありがとう……ござい、ました」」
「お疲れさま。今晩はよく疲れを取って、明日に備えるといい」
教練終了。ボロボロの様相の二人に対し、結局一太刀も与えることができなかった二人の表情は暗い。一太刀たりとも与えられなかったのもそうだが、それよりも問題なのは。
(リィンさん、あそこから一歩も動いていない……)
(足元の円に乱れがない……それだけ、リィンさんとの実力差を現している)
リィンを動かせなかった。その事実が二人にのしかかる。
驕っていたわけでも、侮っていたわけでもない。リィンを一太刀どころか倒すつもりで打ち込んだし、全力全開だった。
だがそれでも、リィンには届かなかった。
エリオの振り下ろしは柳のような柔軟で受け流され、かと思えばスバルとの真っ向勝負でも力負けしていない。スバルが女性だから、というわけでもないのはエリオも十分わかっていることだった。
予想だにしなかった完全敗北に沈む二人に、リィンは苦笑を浮かべる。
「君たちは、ちゃんと相手を見て、考えて戦っていたか?」
「……え?」
「これはあくまで教練だ。予想以上の実力差に暗くなることは分かるが、それは実戦では関係ないことを忘れるな。格上相手にも、どう立ち回れば勝機を見いだせるのか。常に相手を見て、勝機を見いだせ。それができるようになるまで、俺はいつでも教練に付き合う」
予定が空いていれば、とも付け加える。
そう、教練とは実戦に役立つ技術や基礎を固めるために行い、その中で積もったものを模擬戦、果ては実戦で生かす。
「相手を見ろ。一挙手一投足に気を配れ。それが戦場での勝機を見出すことに繋がり、生き残ることにもつながる。前衛だから考えなくていいというわけじゃないんだぞ」
「「……」」
「以上だ。改めて言うが、疲れを残さないようにな。今日は風呂にでもゆっくりつかるといい」
「「あ、ありがとうございました!」」
帰路。隣を歩くアルティナはじとっとした視線をリィンに送っていた。
「な、なにかな? アルティナくん……」
「今回、私の出番が少ないように感じましたが?」
「い、いや! それはだな……」
心なしか、アルティナの後ろの背景が黒く染まっているように思える。いや、そんなことはないのだが。
「……」
「つ、次の教練では出番つくるから! その目をやめてくれ!」
「……冗談です。リィン教官がいろいろ考えてくれているのは分かっていますから」
「じょ、冗談か……」
ほっとしながら、アルティナの成長を密かに喜ぶリィンなのだった。
難産だった。早く文才がほしい。
しばらくはオリジナル展開が続きます。じゃないとねえ……? 軌跡キャラが出せませんから。
さぁて、次はいつになることだろう……(震え)