オリ展開が広げようとすると長くなりすぎる......
今日の朝は瞑想をさせられている。園子はもちろん寝ているが、銀が落ち着かない様子で震えている。いや瞑想くらい頑張れよ......雑念しか感じないぞ。鷲尾さんを見ると姿勢よく瞑想していた。むしろきちんと瞑想しているのは鷲尾さんくらいだ。それにしてもさっき言いたかったことは伝わっただろうか。お節介が過ぎたかもしれない。
しかしバーテックスに知能があるとしたらこれから先は一筋縄ではいかないと俺の感が警鐘を鳴らしている。今までは偶々相性が良かっただけかもしれない。俺にも奥の手はあるにはあるがそこまで期待出来るほどのものじゃない。だからこそ連携を深めるのは重要だ。だから今日の朝、拙かったが俺の言いたいことは言った。まあ今はそれよりも訓練をどうクリアするかだ。もう少しなんだけどな......
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「サンキュー!うおりゃぁぁぁぁ!!!!」
鷲尾さんが銀に迫る最後の球を撃ち落とし、銀はすかさず大きく跳躍し追加で迫ってきた球を捌いていき遂にバスに着いた......が。
「あの馬鹿!」
バスに思い切り斧を振り下ろしてしまった。俺はこれから起こることを察して銀を回収しに行く。
「ゴォォォォォォォル!!!!!」
「よくやった。と言いたいけどバスを壊す必要はなかったな」
「長門!?......ありがと」
銀がバスを壊した勢いで竜巻のようになっていたのですぐに銀を抱えて園子と鷲尾さんの元へ飛ぶ。2人とも跳ねながら喜んでいる。
......これで訓練はおしまい。最終日だな。となると俺には後1つやることが残っている。
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「「「はぁぁぁぁ......」」」
私たちは今合宿最終日の入浴タイムだ。本当はなっくんも連れてこようとしたけどわっしーに止められてしまった。
「毎日毎日、バランスのとれた食事。激しい鍛錬。そしてしっかりした睡眠。勇者というか......運動部の合宿だよなこれ。なんというかバーンっ!と超必殺技を授かるイベントはないのかねぇ須美?」
「今回は連携の特訓だから仕方ないわねー」
「なんか私、更に筋肉ついてきたかも~」
流石になっくんほどは付いてないけど、ずっと槍で球をはじき返していたからか少しは筋肉がついてきた気がする。
「強くなるのは良いけど、これから成長する女の子がこなすには色んな意味で厳しいメニューだよなぁ......」
「ミノさん、竜巻に巻き込まれかけてたけど傷は大丈夫~?」
「長門が助けてくれたから平気だったよ。園子は?」
なっくんが助けに入っていたのは知っていたけど、念のために聞いたらやっぱり大丈夫だった。彼にも聞いたが大丈夫と言われた、が私は切り傷が出来てるのに気づいたので絆創膏を張っておいた。彼は素直じゃないからこんなの傷に入らない。なんて言っていたけれど。
「私はどっちかって言うとこっちが染みる~」
あの槍を持っていると手に肉刺が出来てしまう。だからこうしてお風呂に入ると染みてしまうのだ。私は肉刺を指さしながらそう言う。
「ああ。あれ握ってるとそうなるよなぁ。ところで、鷲尾さん家の須美さんも体を見せなさい」
「な、なんで?」
「クラス1の大きいお胸を拝んでおこうかなぁと。まるで果物屋だ!親父、その桃をくれぇ!」
わっしーとミノさんが取っ組み合いを始めているけど、それよりなっくんとサンチョも入れてあげたかったな~。なっくんは後で入るんだろうけど。すると安芸先生も入ってきた。
「三ノ輪さん、鷲尾さん。温泉で騒ぎすぎ」
「大人の体ってすごいんだな。服着てると分かんないな」
「そうね。例えるなら戦艦長門......」
「長門?あいつがどうかしたのか?」
なっくんに聞いたことがある。確か彼の名前の由来になった旧世紀の戦艦だ。まあ彼は「着工日に生まれたからって安直すぎるだろ......」と言っていた。でもその時満更でもない顔をしていたので気に入っているんだと思う。するとわっしーが得意げに語ってくる。
「確かに乃木君も同じ名前だけど違うわ!旧世紀の我が国が誇る戦艦よ!詳しく話してあげる!!」
「あ、ああ。う、うん」
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お風呂から出た私たちは布団を敷いて寝る準備をしている。
「お前ら、合宿の最終日に簡単に寝られると思ってる?」
私はサンチョの枕を持ってきているから大丈夫だ。本当なら抱き心地の良いなっくんも欲しかったけど、別々の部屋なので仕方なく諦めた。
「自分の枕を持ってきているから簡単に寝られるよ~」
「それ、名前タコスだっけ?」
「サンチョだよ~」
「で、園子さん。その恰好は?......」
「鳥さん!私焼き鳥好きなんよ~」
この鶏の寝間着は私のお気に入りだ。なっくんには「それじゃ食われる方になってるぞ......」って呆れられてしまった。
「兎に角だめよ!夜更かしなんて」
「マイペースだなぁ須美」
「言うことを聞かない子は......夜中迎えに来るよ?」
「迎えにくる~......」
わっしーは両手を前に突き出して言う。私は血だらけのゾンビが襲ってくる映像が頭に浮かんで顔を青ざめる。
そんな空気を変えるようにミノさんが別の話題を出す。
「そんなホラーより、好きな人の言い合いっこしようよ」
「好きな人って......三ノ輪さんは?」
「敢えて言うなら弟とか!」
言い出しっぺのミノさんはわっしーに聞かれ家族を出した。そういうのはずるい。そう言えば
「なっくんは?」
「長門かぁ......でもあいつ女の子みたいだしどちらかというと親友かな?」
なっくんが聞いたら凹むだろうな~。女顔の事すごく気にしているみたいだから。
「須美は長門の事どう思ってるんだ?」
「へ?私?......というかこれって好きな人の話だったんじゃ......」
確かになっくんはお役目が始まってからわっしーの事をよく気にかけてるみたいだけど......前に本人に聞いたら昔の自分と被るところがあるって言っていた。
それでも、少し妬いてしまう。4人でいる時間も好きだけど、なっくんと2人で過ごす時間はとても落ち着く。お役目が始まってからは彼と2人きりでいる時間は少なくなってしまったのでちょっぴり寂しい。
「乃木君には戦闘中助けてもらったりしたけれど......友達かしら」
「須美の口から友達という言葉がパッと出てくるとは......銀さん嬉しいぞ!」
ミノさんがわっしーに抱き着く。わっしーは嫌そうに手をどけながらも顔は満更でもなさそうだ。
「三ノ輪さん!もう離れなさい!......ところで乃木さんは好きな人とかいるのかしら?」
「ふっふっふ~......私はいるよ~!」
「誰!?クラスの人?」
「うん!わっしーとミノさんとなっくん~!」
「だと思ったよ......というか長門は兄妹じゃんか」
どうやら2人とも勘違いしているようだ。私はさっきの発言を訂正する。
「なっくんは兄妹としても好きだけど~、違う意味だよ~」
「えぇ!?......それって乃木さんは乃木くんの事異性として好きだということ!?」
「でも2人は兄妹なんじゃ......あ、そう言えばこの間長門は養子だって言ってたな」
2人とも驚いているが、そんなに驚くことだろうか?幼馴染として何年も過ごしていれば自然とそういう感情は芽生えてくると小説にも書いてあった。
「なっくんとは元々幼馴染として過ごしてたからね~」
「で、いつから好きになったのさ?」
「ん~、いつからっていうのは難しいかも~。気づいたら好きになってたから」
「そうだったのね......ん?元々幼馴染だったということは......乃木君は私みたいにお役目のために養子入りしたわけではなかったのね」
なっくんには2人になら話してもいいと言われたけれど、深い話は私もさすがに知らないから少し話すことにした。
「そうなんよわっしー。それになっくんはそれなりの家柄の子だったんよ~。『神崎』って言って分かるかな~?」
「アタシはさっぱりだよ。須美は?」
「噂程度に聞いた程度だけれど......確かあの『上里』の親戚にあたる家柄で発言権もかなり高いほうなんじゃないかしら?」
わっしーの言っていることは正しい。私が急に真剣な表情をすると2人とも身構える。
「それで合ってるよ~。兎に角まずは神崎家の今を話さないとね~」
「今って......長門はいるし特に何もないんじゃないか?」
「三ノ輪さん。何もなかったら乃木君は養子にならないでしょう?」
「結論から言うとね......神崎家はもうなっくん1人だけしかいないんだよ~」
神崎家は彼以外みんな死んでしまった。格式高い家系が丸々1つ消えるのは本来なら大事件だ。
「彼のお母さんやお父さんも事故や病気で亡くなられてしまったということ?」
「まあそうなんだよ~。それで特に親交のあった私の家になっくん本人と私のお母さんの希望で養子になったんよ~」
2人とも納得したのかもう何も聞いてこない。
本当は少し違うんだけどね~......これ以上話すと長くなる上に折角の合宿最終日だから暗い話はしたくない。
「上手く話を逸らされた気がするんだけど、結局長門にはまだ告白とかしてないのか?」
「してないよ~」
......彼は私の気持ちには気づいているはずだ。けれど今の関係が壊れてしまうのが怖いのだと思う。疑り深いからきっと自分で導き出した結論だと正しいと断定ができないんだろう。
それに彼は極端に自己評価が低い。そういうのもあって自分に向けられる好意になれていないんだ。だから私から行かないとダメなんだ。
「もう私眠くなっちゃった~」
「そうね、明日も早いし今日はもう寝て明日も励もう!家に帰るまでが合宿よ!」
「へーい」
「消灯!」
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俺は一人でササっと入浴を済ませある部屋へ行き、部屋の扉をノックする。中から「どうぞ」という声が聞こえたので扉を開けて入っていく。
「最終日だからもういいかと思って片づけたのだけれどここに来たということは明日も使うのかしら?」
「いえもう使いません、合宿中わがまま言って使わせてもらい感謝しています。それとは別件で1つお話がありまして」
俺のやるべきことは安芸先生にあることを聞きに行くことだ。確かについでに備品のお礼もしに来たけれど。すると安芸先生は意外だったのか驚きながら問いかけてくる。
「あら、一体何かしら?そろそろ寝る時間よ?」
「直ぐに済むかどうかは保障しかねますが、先生には俺が考えたとある世界についての仮説を聞いて意見をお聞きしたいんです」
先生が目で続きを促したので俺は自分が考えていた世界の秘密について話す。
「俺がまず疑問に思ったことが、西暦の色々な書物を読んだ時です。神話が書かれている本を読んだときにふとこう思いました。なぜこの世界の守り神である神樹は土地神様でしか形成されていないのかと。天に属する神々は一体この世界で何をしているのか。その時はまだ、引っ掛かりを覚える程度でした。それに親が勤めていた【大赦】中々使われない
「それは世間にも出ていることよね。あなたがこのタイミングで聞いてきたということはまだあるのかしら?」
「その通りです。俺は乃木家の養子になりお役目に選ばれたことで入ってくる情報がさらに多くなりました。人類の敵、ウイルスにより生み出された化け物―――バーテックスです。バーテックスには『頂点』という意味があるそうですね。バーテックスがしゃべるわけありませんからおそらく命名は大赦でしょう。何故人類の敵とあろうものに頂点の意味の名前を付けたのか。それにいくらウイルスの突然変異で知能があるとはいえ、”何故か”神樹を執拗に狙ってくる。知能があるとはいえ戦闘を見る限りそこまでの知能はないと思いました。それにただの謎の生き物にたどり着かれて神樹がそう簡単に力を失うとも思えません。そして元来人間はその傲慢さゆえに生物の頂点にいると思い込んできました。そんな人間でも畏怖してしまうものなど1つしかありません。『神』です。先ほど天の神々は何をしているのかと言いましたが、神話では神々も争いを起こしたりするものだそうですね」
「つまりあなたはその天の神々がバーテックスを仕向けて神樹様を攻撃していると言いたいのかしら?」
「ええそうです。ですがそれだと何故神樹が結界を張って人間を守ってるかが分かりません。神々の抗争なら人間を挟む必要はないんです。ですがもし神々の抗争の原因が人間にあるとしたらどうだろうと考えました。流石になぜ人間が目をつけられたかまでは分かりませんが天の神々は人間を滅ぼすことにした。ですがここで人間に味方する神々も出た。それが今の神樹を形成している神々。ウイルスにより人口と領土が減少したのではなく、天の神々が今と同じようにバーテックスを差し向け、神樹の結界の範囲内である四国は生き残りそれ以外がなくなってしまった」
「なるほど。けれどそれだけではあなたの想像でしょう?」
「そもそも勇者システムがこんな都合よく用意されているのがおかしいんですよ。あれほどの技術がぽっと出に出来るはずがない。それは俺たちよりも前にバーテックスと交戦した勇者がいる証明です。そしてもしバーテックスが神に造られたものなら無尽蔵に湧いてきてもおかしくない......つまりこのお役目には終わりがない。拙い仮説ですがこんな感じです」
俺の想像もかなり入っているが、俺の考えは話した。拙い理論だし大体一介の小学生が思いついたことだ。真実ではないと思う。それでも事情を知っているであろう大人の反応が見たかった。
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就寝時間前に乃木君が来たと思ったら仮説を話し始めた。
途中途中に穴はあるものの本質は正しいものだったので私は動揺を隠すので必死だった。彼は拙いと言ったけれどそんな事はない。何せ今まで一般人には隠し通していると思った真実にたどり着きかけているのだから。彼は私以外には話していないだろうか。でも彼のリスク計算はすごいから一応私を信用に足る大人として話してくれたのだと思う。ここで誤魔化そうと思えばできる。確固たる証拠はないから杞憂だと言ってしまえばそれで終わる。
......それだと私の動けない樹海化中に壁の外へ出てしまうだろう。どっちにしても詰みなのだ。彼がこの世界に疑問を持ちお役目に選ばれた時点で。だから私は―――
「......1つ聞きたいことがあるわ。あなたはそれが真実だとしてどうするつもりなの?」
これは問わなければならなかった。他の勇者たちに話してしまったらおそらくお役目に支障をきたすから。むしろその仮説を立てながらも普通にお役目をこなしている彼の精神は異常だ。
「たとえ世界がどうであろうと、俺のやることは変わらず彼女たちを守り抜くこと。それに大赦の事は恨みませんしそれしかやりようがなかったのかもしれないのも事実ですからね。何体バーテックスが来ようともその分だけ追い返せばいい話です」
彼は世界の真実を知っても戦い続けると言ったようなものだ。その精神力と強い思いが男でありながら勇者に選ばれた理由の一つなのだろう。
「そう。これから話すことはすべて真実、信じきれないならいつか壁の外へ出てみなさい。樹海化中なら大赦も全ては監視出来ないでしょうから。先に答え合わせをするとあなたの仮説は大体合ってます」
「やけに素直に言いましたね。大丈夫なんですか?」
大赦の人間である私が隠してたことをあっさりバラしてもいいのかと言う意味の確認だろう。だがどちらにしてもバレてしまうなら隠す必要もない。そう言うと彼は納得したようだ。
「俺としては話してくれるとは思ってなかったので良かったです。聞きたいことは聞けました」
彼はそう言いながらこちらに頭を下げて失礼しましたと言って部屋から出ていく。
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先生は俺が壁の外に行くものだと思って話を進めてくれたが、俺自身は行く気はなかった。園子にはどう隠れてこそこそ行ってもバレてしまうような気がしたからな。
そして俺は先生の部屋を出た後小さく呟く。
「もしかしたらあの夢は......」
俺は最近、というかお役目が始まってから決まってある夢を見ている......が
とりあえず今日はもう寝よう。頭を働かせすぎた......
長門は安芸先生をかなり信頼のおけるものとして話しました。これのせいで長くなってしまいました。
ガバガバ理論の長門の考察ですが、独自解釈と、長門が知る情報が少ないということでお許しくださいw
そして次回こそはアニメ2話の分を終わらせたいと思います!
明日は投稿しないと思います(多分)