光を纏いし少年は漆黒の闇より舞い降りし転生者~もうひとりの王~―fate and destiny―《リリカルなのは編》   作:もぬ

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1話 物語のプロローグ

 

 そこは、真っ白な空間だった。

 

 

 白以外の色が何も無い。眩しい、目が痛い。この空間がどれくらいの広さなのか、見当もつかない。 

 ここは何処だろう、こうなる直前の記憶が無い。これは夢だろうか? なんだか頭がボーっとするし、身体も動かないし。ああ、これは以前、五度寝して起きたときの感覚に似ているな。所謂金縛り、というやつだと思う。またやってしまったか。

 意識は覚醒しつつあるが、身体はまだ寝ている。そんな感じ。

 

 

 唐突に、目の前に何かが現れた。あまりに急だったので驚いた。ちょっと鼻水が出たかもしれない。

 人だ。二人の人間が、急に眼前に出現したのだ。まばたきしている間に来たのか?

 現れた二人のうち、一人は老人だった。非常に長い髭をお持ちであることが見て取れる。髭が凄すぎてそれ以外は印象に残らない。ありゃギネスブックやらに載りそうな代物だ。まぁ付け髭だろうが。

 そしてもう一人は、少年だった。いや、青年と言うべきか? 俺と同世代っぽい若者だ。日本人男性。学生だろう、多分。

 

 真っ白な空間に、老人と少年。

 この光景…前にも一度、見たことがある。

 よく読んでいた小説で…。

 

 そう、思い出した、ハリーポッターシリーズの最後あたりのシーンだ。真っ白な空間で、死んだダンブルドア先生と主人公ハリーが対談する名シーン。映画も観たが、眼前の状況はあのシーンによく似ている。なんだ、日本版ハリーポッターでも撮っているのだろうか?

 俺と同世代であろう少年は、周りをキョロキョロと見回している。そして、彼の目の前にいるダンブルドア先生に向かって口を開いた。

 

「あ、あの……ここは……」

「すまんかったぁああああああああっ!!!」

「は?」

 

 少年に向かって、老人が勢いよく土下座した。

 俺のダンブルドア先生はあんなみっともないことはしない。なんだこの映画、駄作だろ。もう俺帰るからね。

 しかし、俺の身体は動かなかった。まだ五度寝から起きてないのか。

 

「お主はワシのミスで、死んでしまってのう。本来死ぬ運命ではなかったのじゃが……」

「! ……このシチュエーションは……よくある転生ものか? ……おい爺さん! ミスだと? あんたが俺を殺したってことか?」

「ああ、そうじゃ。そのお詫びとして、お主には無条件で輪廻転生の機会を……」

「……まぁミスなら仕方ないな、許すよ。で、世界は? どこの世界に転生させてくれるんだ? 何か特殊能力とかは貰えるか?」

「……世界は、リリカルなのはの……」

 

 ……この光景、前にも一度、見たこと……いや、読んだことがある。

 ハリーポッターじゃない。これは、

 二次小説の、冒頭部分だ。不特定の。このパターンを踏襲した二次小説を、俺は多く目にした。この少年の言うように、「よくある転生もの」だ。

 「魔法少女リリカルなのは」というアニメが大好きで、インターネットでリリカルなのは、なんて検索したのが二次小説にハマるきっかけだったような。

 

「では、良き人生を」

「あぁ、当然……うわっ!? うわああああああああぁぁぁぁぁ―――――――…………」

 

 少年の姿が掻き消えた。

 どうやら急に地面に出来た穴に落ちたみたいだ。

 ……なんだろう、これは。これが夢なら、俺がそういう二次小説の主人公に憧れているということなのか。確かに、アニメの世界に行きたい、という願望は無きにしも非ずだが、こんな内容の夢を見たってのは……ちょっと恥ずかしくて人には言えないや。うん、起きたら忘れよう。

 

 

『次はあなたの番です』

 

 

 どこからともなく、聞きなれない声が聞こえてきた。男の声のようで、女の声のようにも聴こえる。

 さっきまでいた老人はいつの間にか居なくなっており、目の前には誰もいないのにも関わらず、はっきりと声がした。まるで、頭の中に直接声が響いたような――

 

 なんだろう、意識が遠くなっていく。まさか、六度寝、だろうか。

 

 

「君も行くの? ……お互い、貧乏くじを引いたね――」

 

 

 意識が完全に閉じる直前。すぐ近くで、知らない誰かの声を聴いた。

 

 

 

 




オリキャラの紹介  


一人目

 名前:我織 朱也(がおり あかや)
 容姿:黒髪、黒目 髪は適度な長さ
 魔力ランク:AAA+
 魔力光:金
 趣味・特技:料理などの家事全般

 この世界の主役的人物。神のミスで死んでしまったため、お詫びにと転生の機会を与えられる。
 基本的に面倒くさがりな性格で、なのは達とはクラスメイトだが、原作には関わりたくないと思っている。目立ちたくないので普段はリミッターをかけて魔力を隠蔽している。
 表面上はクールで大人びているが、困っている人を見るとほっておけなかったり、大切な人やモノを馬鹿にされるとキレるという、熱い面も持ち合わせている。
 もって生まれた魔法の才に驕らず、魔法の訓練をかかさない。
 実は、ベルカ諸王時代の王の一人、「陽王」のクローン体であり、違法研究者の実験施設で生まれたという悲しい過去がある。両親はいない。
 

 
 戦闘能力について

・ストレージデバイス「日天の書」
 日天の書には、剣、槍、杖、弓、籠手の5形式のデバイスが格納されており、戦闘時にはそれらを瞬時に切り替えて多様な戦闘を見せる。
 夜天の魔道書と比べると、純戦闘用の魔法が多く詰め込んである。主にベルカ古流の武術とか。

・ユニゾンデバイス「シャイニング・ハート」
 日天の書の管制融合機。女性。朱也とユニゾンすることで、とてもすごい強大な力を発揮できる。
 ユニゾンすると朱也の容姿は「陽王」と同じ、赤い髪、金色の眼になる。



二人目

 名前:主之文 大(しゅのふみ だい)
 容姿:銀髪、オッドアイ かなり整った顔立ち
 魔力:不明
 魔力光:銀

 アニメ「魔法少女リリカルなのは」を視聴していたという前世の記憶を持つ人、いわゆる転生者。
 なのは達のクラスメイトだが、なのは、アリサ、すずかの三人娘に毎日のようにしつこく言い寄っている。
顔立ちからしてモテそうなのだが、小学生という現在の年齢に合わない言動のためだろうか、三人からは嫌われている。
しかし本人は嫌われていることに気づいていないのか、三人へのアプローチをやめない。「俺の嫁」というのが口癖。
朱也との仲はあまり良くないようだ。なのは達に近しい彼に敵意を抱いているように見える。

戦闘能力について

・希少技能?《ゲート・オブ・バビロン》
 異空間から様々な武器を呼び出してそれを目標に撃ち出す能力との事だが、詳細は不明。レアスキルであると公式に認められてはいない。
 彼はこの能力をあまり使いこなせていないのか、いまいち精度が低い。訓練を怠っているのだろう。
 かなりの魔力量を持っているが、朱也と戦えば負ける程度の実力。



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