魔術チートを貰ったらほとんどの魔術を使えなかった件 作:☆彡.。
禁書読者は高いのをつける傾向にあるのかも知れませんね?
やる気は出るのでありがたいですが
穴に落ちたオルソラ、つまりこの下に敵がいることを理解したステイルはかっこよく呪文を唱えて炎の剣を出す。
しかし、その剣で照らされた地下には誰もいなかった。
先程までいたはずの天草式はどこへ行ったのか……。
そもそもその剣ってどんな攻撃方法なの? 爆発系だったらオルソラも巻き添えだよな?
それにしても呪文かっこいいな。イコは呪文唱えないし、俺も呪文唱えないし。
『我が手には炎、その形は剣、その役は断罪』とかめっちゃかっこいいですやん。
俺的に改変するとなると『我が背には水、その形は翼、その役は――』役はなんだろう?
そもそもステイルの呪文には言葉から読み取れること以上の意味があるんだろうし、改変したところで使えるわけもないか。
◇
陽は沈み、夜が訪れた。
ローマ正教のシスターたちは天草式によって開けられた穴に突入して行ったり、連絡礼装で何かをしていたり、地図を広げて何やらやっていたりする。
残念ながら俺は礼装のことなんてこれっぽっちも知らない。
魔術だってイコから教えられた極小数のものしか知らない。
特に俺が教えられたものは魔法陣に関係があるものが中心だったため今起きてることは全くわからないのだ。
それは上条も同じらしく、専門家から法の書のことを聞いていた。
正直俺はそんなものには興味が無いのだ。
どうせ俺には魔術は使えないしな。
ただ、魔導書、それも原典と呼ばれるものそれ自体が魔術的な礼装――それも非常に強力な――となるということにちょっぴり興味を引かれたが、ローマ正教のメンバーから姿を隠して瓶の中に入っているイコから「原典ってたぶんあなたが見たら頭が爆発するかもよ」と言われたので興味は無くなった。
なんでもその知識は猛毒で宗教的な見方である程度中和している本職たちでも素で見れば良くて視力低下、最悪死に至るらしい。
精神防壁の魔術をかけてもその知識は脳を蝕むとかなんとか。
はっきりいって怖すぎである。
それにしても、御使堕しのときの土御門は魔術師を強力な武器を持った子供と例えていたがローマ正教のシスターたちは訓練されているというかそんな感じがする。
組織が違うと変わってくるのだろうか。
ようやく指示を出し終わったのか、アニェーゼが超厚底の靴をパカパカと鳴らしてこちらへやってきた。
なんだっけな、竹で出来てて紐を両手で持ちながら歩くおもちゃがあったよね。
そんな感じの靴である。
アニェーゼは最大主教、つまり俺があった
緊張のせいか足が震えているし大丈夫かと思っていると厚底三十センチの靴によりバランスを崩したのかそのまま後ろへ倒れる。
人間っていうのは咄嗟の判断ができないもので、つまり倒れそうになった時に何かを掴んでしまうのだ。
アニェーゼが掴んだのは上条の腕、少女一人とはいえ急に掴まれたこともあり上条も倒れ込む。
普通ならばアニェーゼが上条の下敷きになる場面のはずだが、なぜか上条の顔の上にアニェーゼの股が来ていた。
一体どんな倒れ方をすればあの状態になるのか、一時間ほど問い詰めたい。
インデックスちゃんが叫び、ステイルが上条を蹴り飛ばすとこでうらやまけしからん状況は終わりを迎えたが、続く乙女の花園を覗いた罰としてアニェーゼが攻撃をするかと思いきや、なんと大人な対応。
先程倒れた原因である三十センチの厚底サンダルをものともせずに立ち上がり上条に手を差し伸べる。
もしかしなくても上条はラノベ主人公かなにかではないだろうか?
その後上条がアニェーゼに謝ったのだが、緊張するとバランス感覚がおかしくなると言って自分が悪いと言うアニェーゼ。
ちょっと人ができすぎてるな?
御坂たちに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
俺は善意で膝を提供しようと思ったのだが、緊張が抜けてバランス感覚が戻ったアニェーゼをその膝に乗せることは叶わなかった。
イコでも百五十弱、常盤台の小さめの子でも百三十ほどなので超厚底を含めてもインデックスちゃんと同じくらいなアニェーゼは大体百十から百二十ほどか?
けっこう抱き心地が気になるのだが……。
今度はしっかり話が始まり、ローマ正教側の行動方針を伝えられる。
天草式の行動は何一つ読めなかったので数にものを言わせて周辺十キロ圏内の道路、下水道をすべて監視するそうだ。
魔術的な手段で監視範囲は広がるだろうがそれでもそんな範囲を監視できるとは数の暴力は恐ろしいな。
しかし、魔術の専門家のインデックスちゃんいわく、そんな包囲網を突破できる魔術を天草式は持っている可能性があり、その説明で上条が伊能忠敬も知らないアホだということが発覚した。
外国人のステイルも知っているというのに……。
まあそれ以外は俺もすっかりわからないんだけどね。
ただ、偶像の理論についてはそこそこ知っていたのでなんとか理解出来た。
偶像の理論は基本的に本物からレプリカへの一方通行なものだが、レプリカから本物へ影響を与える可能性もあり、伊能忠敬はその可能性を逆手に取り、地図にテレポートゾーンを作ることで日本そのものにテレポートゾーンを作ってしまったのだとか。
その才能は天才的で仮に彫刻家としてその才能を発揮していたら天使や神の子をも操れたかもしれないという。
今明かされる衝撃の真実ってかんじだな。
まさか昔の偉人がそんなすごい人だとは思わなかった。
まあ、それはそれとして、その魔術を使うには特定の時間でなければならず、今は使えないらしい。次使えるようになるまでは四時間ほど、それまでに決着をつけられなければこちらの負けである。
しかし、そのテレポートゾーンは固定されているのでその周辺を固めていればなんとかなるということで、包囲網内のテレポートゾーンに偵察隊を送ることになった。
アニェーゼの身長はどれくらいでしょうか?
以下本文丸写し
身長はインデックスと同じ。だが、パカパカと馬みたいな少女の足元をたどると彼女の足には三十センチもの高さのコルクの厚底サンダルが履かれていた。
顔を見て身長を把握→足元を見たら三十センチ厚底靴だったということでインデックスより三十センチ低く本作では設定したのですが、知恵袋では百四十(インデックスと同じ)と回答されてるんですよね。
自分の読み方がおかしいのかもしれないので質問です
まあ、今後この身長が生かされることはあるか分かりませんが。