魔術チートを貰ったらほとんどの魔術を使えなかった件   作:☆彡.。

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第5話

 イコを背負って食堂に移動する。

 俺たちが泊まっている宿は基本的に食堂に降りてきて料理を注文するタイプである。

 上条一家も降りてきたので挨拶し、せっかくなのでと言うことで一緒に夕飯をとることにした。

 海が近いからか、メニューは魚が使われたものが多く結構迷う。

 刺身もいいし、フライも焼き魚もよい。

 ただ、フライは朝には少し重い気がしたのでフライと焼き魚を二人で頼んで分け合うことにした。

 料理が運ばれてくるまでの間に雑談をすることに。

 

「上条さんたちはどこから来たんですか?」

 

 たぶん間違っていない話の切り出し方だと思う。

 

「私と母さんはここから車で一時間とかからないところから当麻の付き添いという形で来ましてね」

 

「付き添いですか?」

 

「俺は学園都市ってところから来たんだが、外に旅行に行くには両親の付き添いが必要だって言われてな」

 

 学園都市……学園都市!?

 

「実は俺とイコも学園都市から来たんですよ。奇遇ですね」

 

 学園都市でツンツン頭で能力無効系ってもしかしなくてもそうなのかなぁ……?

 

「へーそうだったのか。つーことはなんか派手な能力とかあるのか?」

 

「学舎の園、常盤台中学って知ってるか? 常盤台はレベル3未満だと入れないからな。当然能力持ちだよ。ほら」

 

 上条当麻の質問に返すようにお冷が入ったコップを持って中の水をイコのミニチュアにする。

 

「おお、すげーな。……ん? 常盤台って確かビリビリが通ってるところだよな?」

 

「ビリビリっつーのが御坂美琴ならそれであってるぞ。つんつん頭の少年」

 

「ビリビリの知り合いなのか? ならお前からアイツに言ってくれないか? 超電磁砲なんて人間に向かって撃つなって」

 

「悪いけど御坂のわがままに付き合ってやれないか? あいつとまともに接してやれるやつなんて数えるくらいしかいなくてな。特に能力使って大丈夫なんて言うと居ないからな」

 

 そう言うと上条は少し悩んだ後に分かったと返事をする。恋のサポート成功だな?

 

「あらあら、当麻さんったら旅行先でもすぐに女の子引っ掛けちゃうなんて一体誰の遺伝子のせいかしら」

 

 オホホってかんじの上条母。

 上条姉のほうがしっくりくるくらい若いんじゃないか?

 

「女の子?」

 

「当麻、父さんでも常盤台ってところが女子校だって知ってるぞ? それから今度そのビリビリって女の子を紹か――」

 

「刀夜さん? ちょっとお話しましょうね?」

 

「あ、ちょっ、母さん冗談だ冗――」

 

 連行される上条父を見送って苦い顔をしている上条にお前も大変だなと言う。

 

「まあな……。女子校ってことはお前も女の子なのか?」

 

「戸籍上だけな。体も心も女じゃないぜ。おかげで可愛い女の子達の飾らない姿が至近距離で見れて楽しいぞ?」

 

「ふーん。……ってまずいだろ! 男が女子校に混じってるなんて」

 

「俺は性欲がないからな。問題は起こしてないからセーフだ」

 

「あっ、これ内緒な? 常盤台のヤツらに知られたらどうなるかわかんねーし。最悪御坂に人間ステーキにされるかもしれねーからな」

 

 そう言って左手を差し出す。

 

「おう、ビリビリに言わなきゃいいんだろ?」

 

 左手で握手するが日除けの魔術は破壊されない。

 右腕だけの無効化能力か?

 

「ああ、よろしくな」

 

 その後は上条夫妻が帰ってくるのと同じくらいに全員分の料理が運ばれてきたので食事に。

 

 イコが焼き魚を上手く解せなかったのでほぐしてやったりしていると微笑ましいものを見るような目で上条母に見られたりしたが特に何もなく食事を終えた。

 

 フライも焼き魚も美味しかったので明日は刺身だな。

 

 

 部屋に布団を二枚しいて寝ていると真夜中だというのにイコに起こされる。

 一体どうしたというのだ。

 

「世界規模の大魔術が使われたわ。私の結界で私たちは平気だけどほかの人たちはどうか分からないわ」

 

「んー。どんな魔術かわかるか?」

 

「正確にはわからないけど世界規模ってことから常識改変とかもありえるかも」

 

「常識改変だったとしたら起きてる人がいない今は確認のしようがないな。とりあえず寝て明日に備えよう。何が起きているかはわからないから上条家や旅館の人達に違和感を与えないようにすること」

 

「あと、その……」

 

「分かってる。世界規模に抵抗したから仕方ないか」

 

 お互いに首筋に噛みつき皮膚を食いちぎって吸血をする。

 注射器より早く補給を出来る方法である。

 欠点は血の味でいっぱいになることと、俺も性的快感を味わうということである。

 ()()()()()せいで寸止めレベルの快感がくすぶるのでできるだけこれはしたくないのだ。

 当然そんなんじゃ寝れないためイコの魔術で眠らせてもらう。

 

 寝不足でミスをするということはこれでないだろう。

 

 

 誰だテメェは!? という上条当麻の叫びで目が覚める。

 異能無効化系の能力があるならあいつも無事かもしれない。

 急いで上条の部屋に乗り込むと、上条のイトコの竜神乙姫が尻餅をついて文句を言っていた。

 

「叫んでるから何事かと思ったらお前のイトコの乙姫ちゃんじゃねーか。頭大丈夫か?」

 

「は? 乙姫ってどう見てもビリビリじゃねーか?」

 

 姿が変わって見える魔術か?

 でも一体なんのために……?

 

「うーん。あ、とりあえずその右手で頭を触ってみろ。常識が異能で改変されてるならなんとかなるだろ」

 

 それもそうだなと頭を触る上条だが特に変わった様子はない。

 

 後ろにいるイコにアイコンタクトで訪ねてみるが結界は完璧とのこと。

 

 とりあえず下に降りるか。

 下に降りると既に降りてきていた上条夫妻と挨拶する。

 上条は母親がインデックスに見えているらしく色々と叫んでいた。

 その後は刺身を堪能して上条から見た人達の外見が軒並み入れ替わっているのを確認してから海へ出た。

 

 海でも外見入れ替わりのせいで発狂しているようにしか見えない上条の行動を見守りながら何が起きているのかを考える。

 イコの結界が完璧であり、上条は完全に無効にできなかった、ほかの人たちは完全に魔術にかかったと考えると、外見が入れ替わりそれに気がつくことが出来ない魔術という可能性が浮かび上がってくる。

 俺たちは完全に防いだため外見の入れ替わりの影響を受けず、上条は完全に向こうにはできなかったため異常に気がついたということだ。

 誰がそんな魔術を何を目的にと考えるが、残念この世界の魔術結社とはほとんど関わりがないのだ。

 イコに教えてもらった魔術の知識しかないからな。

 

 考えていると“うにゃー”という猫の声が男の声で聞こえてきたのでそちらを向けばアロハシャツにサングラスをかけた大男が。

 イコを連れ立ってそちらへ向かうと“ねーちん”とやらが来るとのことで逃げることになる。

 いざ逃げようとしたその時“ねーちん”は空から降ってきた。

 そして“ねーちん”は叫ぶ。

 

「上条当麻! あなたがこの入れ替わりの魔術――『御使堕し』を引き起こしたことは分かっています! 今から三つ数えますからその間に元に戻しなさい!」

 

 なんだ、“ねーちん”って神裂さんの事だったのか。

 

 神裂さんは五年前の聖人判定でお世話になった人である。五年前から全く見た目が変わっていないとか聖人は一体どんな体の作りをしているのやら。

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