魔術チートを貰ったらほとんどの魔術を使えなかった件   作:☆彡.。

9 / 17
デートは平和に終わらない

 

 常盤台中学にはふたつの寮があることは以前話しただろうか?

 学舎の園にある寮と外にある寮である。

 寮が二つある理由はレベルファイブの二人に共謀されると寮管でも鎮圧できないからと噂されているが、俺が入学した時から二つあるので実際にどうかはわからない。

 そもそも、内側の寮は我らがレベルファイブのひとり、心理掌握こと食蜂操祈が牛耳っているので鎮圧もクソもないのだが。

 そんな内側の寮とはちがい、外側の寮はとても規則が厳しいという。

 朝は三十秒単位でスケジュールをたて、しっかり遂行しないと間に合わないほどにガチガチだとか。

 ついでに学舎の園の外側にあるために登校時刻も早くなるのでさらにキツい。

 

 まあ、俺は今までの立ち位置的に内側の寮にいたので御坂から聞いたことなのだが。

 

 今日は御使堕し事件が終わり、夏休み最終日の八月三十一日。

 月曜日である。月曜日といえば週間マンガ雑誌の最新号の発売日であり、よく御坂の読み古しの縁がボロボロになったマンガをもらう日でもある。

 まあ、そんなことは今日で終わり。

 なぜなら俺はもう外に出られるから。

 

 ということで立ち読みに御坂を誘いに来たらこんな事件がおこってました。

 

 状況一、上条当麻、及び土御門元春とその友人と思われる長身の男が常盤台中学の女子寮前の路上で大乱闘。

 

 状況二、棒立ちの御坂美琴と、その心配をするような海原光貴。

 海原は御坂に声をかけているが声は届いていないようだった。

 少しすると、解答された御坂は頭を抱え、それを心配する海原。

 辺りを見回すと周囲に人影がないことを理解したのか半ば絶望したような顔で彼ら三人に向かって駆けていった。

 

 状況三、ごめーん、待ったー?という声とともに上条たちの誰かに声をかけると、乱闘を中止した上条たちだが、返事をしないことに苛立ったのだろう。御坂は上条の腰目掛けタックルをかました。

 

 状況四、御坂の驚異的な脚力でノーバウンドで数メートル吹き飛んだ上条たちが会話をすると寮の窓が一斉に開き、我らがお姉様御坂美琴の逢引を目撃し、それに気がついた御坂は上条の手を引いて街へ消えていった。

 

 どうしようか、まず土御門に接触する。

 御使堕しの事後処理はどうなったか聞きたいところだが友人らしき人がいるので却下、となると御坂のデートを覗き見するくらいか。

 

 

 土地勘がなく迷ったりしながらようやく御坂たちを見つける。

 少年少女二人きり、路地裏で、何も起こらないこともなくなんてこともなく普通に路地裏から出てきた二人はそのままファーストフードを食べることにしたようで御坂は店の中に消えていった。

 

 店の外で御坂を待っている上条は、海原と会話をしている。

 そっちにも意識を向けていると、右腕に包帯を巻いた海原がファーストフード店の列をかき分けて中に入っていった。

 

 んん? 

 海原って確か双子とかじゃないよな。

 となると肉体変化系や幻術系の能力者か?

 なんて考えていると上条と会話をしていた方の海原が上条の背中を殴りつけた。

 上条の肺から空気が抜け、一瞬の空白期間が生まれると同時、刃物を取り出した海原は上条を切りつけた。

 

 流石にこれであれが本物ってことはなくなったかな?

 

 偽海原が刃物を天に掲げるとそれに反射した光が上条の背後の車に直撃し、一瞬の間を開けてパーツ単位、それこそネジの一本単位まで分解された。

 

 Q.学園都市性の能力であのような現象を起こせますか?

 A.レベル4クラスで特化した能力なら可能かもしれないが、そもそも刃物を使う必要がなくなるし肉体変化系とは併用できないでしょう。

 

 Q.つまり偽海原は?

 A.魔術師!

 

 上条は魔術師と相対することに慣れているのかそのまま背を向けて路地裏にかけて行った。

 

 被害を出さないためには必要かもしれないが、それで光に直撃したらどうすんのよ。

 

 偽海原に気が付かれないように追跡し、上条に直撃しそうな光を空気中の水を操り屈折させ、付近の自転車や新聞紙などの分解されて平気そうなものに当てていく。

 こう見えても俺はレベル4クラス。

 軍隊で活躍できるレベルである。これくらい楽勝だ。

 ミーシャとの戦闘以来水への理解も深まって強度もいくらか高まった気がするしな。

 

 そのまま光は直撃しないまま二人は路地裏を進み、ビルの工事で行き止まりになった所で戦闘を開始する。

 

 最終的に、光の屈折を俺がミスり鉄骨で組まれた足場に当ててしまい、崩れだした足場が不自然に落下し、二人は鉄骨の下敷きになることを免れた。

 

 現場から一本曲がった角に寄りかかっている御坂を見て俺はニヤリと笑ってコンビニへ向かった。

 上条たちはこれ以上戦わないだろうし、もうここにいる必要は無いだろう。

 

 それにしても、この光の屈折を弄る極薄の水の膜、誰にも気が付かれなかったな。




イコは大人しく瓶に入ってます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。