とある少女と上里翔流   作:狼少年

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こんにちはお久しぶりです!
更新遅くなってすいません。
プライベートと学業がかなりてんやわんやで書けていませんでした泣
なんとか更新していくので暖かい目で見守ってください。
皆様からの感想がモチベーションに繋がります!


episode2

1

 

朝。

 

ふと、瞼をあげると安っぽい電球が最初に眼に映った。

 

「起きたか」

 

優しい声が少女の耳に届く。上半身を起こし、周りを見渡す。いかにも『ボロ屋』という感じが漂う部屋の中心で眠っていた事を確認するや否や、

 

「はっ……追っ手は!?」

 

と飛び上がった。

 

「大丈夫。昨日のヤツらなら振り払ったよ」

 

そう言いながら、台所の方から茶髪の少年が顔を出す。

 

「あなたが助けてくれたのですか……?」

 

「まぁ、そうだよ」

 

ふぅ、と一呼吸おいて

 

「ありがとうございまぁぁぁす!!」

 

まるで部活動中の男子中学生のような凄まじい音量がボロ部屋にこだまし、上里は思わず手で耳を塞いだ。

 

「なんか傷の手当てまでしてもらっちゃったみたいでなんとお礼を言ったらいいか……」

 

「お礼なら今貰ったよ」

 

「え!?なんですか!?まさか私が寝ている間に処女でも奪ったんですか!?うわっちゃあー……!そればっかりは勘弁ですよー!!」

 

「何をふざけたことを言ってるんだ……。今さっきの『ありがとう』の一言で充分だから」

 

「いやでもそんなぁ」

 

「なら、きみの事を教えてくれないか?」

 

「ふぁっ!そうでした!まだ自己紹介が済んでいませんでしたね!」

 

元気良く立ち上がり、その場でくるりと回る少女。

 

「私の名前は透眼一奈(すかさめいちな)って言います!親しみを込めて一奈って呼んでくれると喜びますてへぺろ」

 

肩までかからない程度の姫カットの黒髪。真っ黒な瞳と目元真っ赤な病みメイク、さらには下唇の下に丸いピアスが三つほどぶっ刺さっていて痛々しい。ピンク色のファンキーなうさぎが大きくプリントされた黒パーカーの中には返り血を彷彿とさせる赤色が散りばめられた黒Tシャツ。そして白くてぶかぶかなショートパンツを履き、いかにも原宿系といった見た目をしている彼女。

 

「改めて見ると、インパクトが強すぎるな」

 

「でっしょ!?可愛いですよねこれ!?特にこの背中にプリントされてる髑髏になりかけの腐敗したピンクうさぎちゃん、通称『腐れうさぎ』なんてもうキュートでプリティでお気に入りなんです!!」

 

分からない。キラキラと輝いている少女の目がこちらへ向けられるが、その趣味嗜好を理解することが上里にはできない。きっとこれが人種の違い、生まれの違いなんだろう、と勝手に納得しその場を逃れようとする。

 

「そ、そそ、そうか。ごめんな、ぼくにはそのセンスは分からない」

 

「うぐぅ。やっぱり私は特殊なんですかねえ。でも、いや、うん!ネットにはこれをイイと言ってくれる人がいます!人の趣味は自由!分かっても分かってくれなくても結局自分が好きならばそれでよいのです!キリッ」

 

勝手に解決してくれたようでなによりです。

 

「あ、ぼくも自己紹介が遅れたね。ぼくは上里翔流。訳あって最近学園都市に引っ越してきたどこにでもいる平凡な高校生(・・・・・・・・・・・・・)だよ」

 

「上里さんですね!いや、親しみをこめて翔流くんと呼んでもいいですか!?」

 

「お好きにどうぞ。あと、フラットにタメ語で喋ってくれていいよ。多分、年もそんなに変わらないだろうし」

 

「ほんと!?ありがとう!!距離が縮まった気がする!!」

 

余程嬉しかったのか、満面の笑みを浮べる透眼。

 

「もう一つ教えて欲しいことがある」

 

柔和な表情とは一変、上里の顔が真剣になる。

 

「あの髑髏仮面のことを教えて欲しい」

 

上里と同様に、透眼の表情もガラリと変わる。

 

「それは……できないです」

 

「学園都市の『闇』が関わっているからか?」

 

「……!?翔流くん、君は最近学園都市に来たんだよね……?」

 

「そうだよ。でも、ここ(・・)の事はかなり奥深い所まで調べているよ」

 

「元々学園都市の人間じゃないなら、関わらない方が身のためだよ」

 

「なるほど。ならあまりしつこく聞くのはよそう。ただ、」

 

上里は一言、最後にこう聞いた。

 

 

 

「昨日のきみの『たすけて』の言葉は、その場だけのものだったのかい?」

 

 

 

少女の顔が曇っていき、そして、その場で表情が崩れてしまった。

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