Bug The Lad   作:闇と帽子と何かの旅人

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お人形遊び楽しいンゴ


第二話『アミーグのガンマン』

 タワーのエレベーター内でバレンシアオレンジをふんだんに使った飲み物【オレンジーナ】を飲みながらアンデルと会話をする。

 

 「なんや……ですの。この東京タワーのパチモンみたいな建造物は」

 「とう……きょうタワー?」

 「あら? ご存知ありませんの?」

 「申し訳ございません」

 

 無知なアンデルを睥睨する。その間もエレベーターは昇り続けていた。

 

 「このスイッチはなんですの? ポチーッ」

 「あ、それは罠……」

 

 スイッチを押すとエレベーター内に腐臭が漂う。

 なだれ込むゾンビの群れが驚きの表情でこちらを見ている。

 

 「侵入者を屠るぞ……あれ? アンデル様?」

 

 驚くゾンビたちにアンデルは持ち場に帰れとだけ呟く。わたくしが押したスイッチを元に戻し、また別のスイッチを押していた。

 

 「なんや……ですわ? あのくさいおっさん達はだれですの?」

 「この塔の衛兵のようなものです。お気になさらず」

 「なるほど。臭いものには蓋ですわね」 

 

 そうこうしている内に最上階に着き、エレベーターから降りる。

 アンデルは不動産関係者みたいな口ぶりで説明していた。

 

 「ここは殉教者計画の為に建てたタワーで、とても重要な拠点でございます」

 「承知しましたわ。あの腐敗臭で敵を退ける。中々面白い防衛設備ですこと」 

 「いえ……彼らが戦闘をして……」

 

 まだ話を続けるアンデルを放置して、わたくしはタワー最上階の部屋に辿りつく。

 

 到着早々部屋に居る人物達がワイちゃんを見て訝しむ。それをアンデルはよさぬかと戒める。

 そんなやり取りをわたくしはスター選手やから僻まれてもしゃーないと一蹴する。

 

 ――ほらわたくしお嬢様ですし。

 

 「ここから飛び降りると楽しそうですわね」

 「ご冗談はそれほどにして。本題に参りましょう」 

 

 アンデルがややスルースキルを身につけてきたので、とりあえず飛び降りて速攻で階段上ってまた最上階に優雅に戻るのですわ。

 そしたらアンデルさんったら、お口をあんぐりしてらっしゃるの。はしたないわ。

 

 「なんですのその開いた口は? わたくしが早く戻ってこなかったらアンデルの口の中はパサパサになっていた所ですわ」

 「……本題に参りましょう」 

 

 今度はこいつを落とそうかと思ったが、四将軍なのに落ちて死ぬとか言うオチは可哀想なのでやめてあげましたの。

 

 「今我々魔族は暗黒の支配者に忠誠を誓っている……かのように行動しています」

 「暗黒の支配も、もう終わりやね……ですわね」

 「ええ、そうです。貴方様の力があれば我々魔族は以前のようにこの地上を支配できます」

 

 わたくしのチーム入りを期待してくれているわ。これは入団やね。

 サインはこうかしら、と考えていましたらアンデルがなんだかイライラし始めて困りましたわ。

 

 「何をなさっておられるのでしょうか?」

 「サインを考えてましたの。ほら、わたくしスーパースターですので」

 「すーぱーすたー……? そ、それは心強いですな!」

 

 またも無知を晒すアンデルだったが、わたくしは気にも留めずそんなアンデルにサインをして差し上げますの。

 

 「こ、これは……?」

 「サインですわ。気に入りますでしょう」

 「ありがとうございます!」

 

 この球団での生活も悪くないやんけ。わたくし、そう思いましたの。

 

 「ただ暗黒の支配者に与する者も多く、まだわれわれは一枚岩とは言えない状況なのです。そこで貴方様のお力を誇示してもらい、我々の力になるよう説得してはもらえませんか」

 

 バットで示せという事だろうか。

 

 「もちろん。いいですわよ。わたくしのバットでこの球界を牛耳って差し上げますわ」

 「ばっと……? きゅうかい……? よくわかりませんが、頼もしいですな!」

 

 打倒売読だろうか。そう考えながら素振りをし、部屋の中のバッターボックスみたいなスペースに行く。

 見えるで! ワイちゃんが胴上げされてるビジョンが!

 でもスポットライトはいいですけど、デスみたいなのは勘弁ですわ。

 

 「それでどのように力を誇示するのかしら」

 「これより南の地のアミーグにグロルガルデという機神がおります。そやつに打ち勝ち力を得るのはいかがでしょうか」

  

 グロルガルデ……なんやったっけ? 聞いたことあるのですけど……

 

 「とりあえずアミーグに行きますわよ! アンデル! タワーにシルバーノアみたいなの横付けしなさい」

 「かしこまりました……あと、我々の飛行船はガイストという名称でございます」

 「そうなのね、じゃあガイストでアミーグまで行きますわよ」

 

 面倒な名称言いやがって。やっぱりアンデルを突き落とそうかと思ったけど四将軍うんぬん可哀想でしたのでやめてさしあげましたわ。

 

 

 アミーグ! アミーゴ!

 

 

 空港でなんだかよくわからない挨拶をされましたわ。

 ここはメキシコやベネズエラとかそんなところかしら。

 大型新人補強が出来そうですわね。

 

 「神の塔はここからすぐですが、塔のカギがなければ入れませんので、まずはモレアという街に参りましょう」

 「アンデル。観光案内もよろしく頼むわよ」

 「……機神相手にその余裕。感服いたしました。不肖このアンデル、我が王の期待にお答えします」

 

 こいつ冗談通じませんわねと思いましたわ。

 モレアにつくとアンデルが酒場の前で人にぶつかってしまいましたわ。優雅じゃありませんわよ。

 

 「貴様邪魔だ、どけ」

 

 わたくし以外にはイキってるなアンデルと思いつつ乱闘が始まるのかとわくわくしていると。

 

 「あんちゃんここは初めてか? 目と目があったらそれは早撃ちバトル! それがここのルールだぜ」

 

 謎のカギをちらつかせるゴロツキ。

 

 「貴様それは……神の塔の鍵か?」

 

 アンデルの問いにチッチッチと指を振りながらゴロツキガンナーは格好をつける。

 正直ボール投げてぶん殴りたいですわ。

 

 「俺に勝てたらこの鍵をやるよ。この勝負のるのかい?」

 「じゃあわたくしがお相手をつとめさせていただきますわ」

 「嬢ちゃんがかい? これからやるのは命がけの決闘だぜ?」

 

 フカした野郎に勝負を挑む

 

 「じゃあ5つ数えたら振り向いてBANだ。簡単なルールだろ?」

 「では審判はこのアンデルめがつとめさせて頂きます」

 

 拳銃を渡され勝負を挑まれるが、ナバー○じゃあるまいし、わたくしはそんなものには頼らないのですのよ。 

 

 1.2.3.4.5

 

 振り向き様にバットでゴロツキの放った弾丸にフルスイングをする。クリーンヒットした弾丸はそのままごろつきに命中した。

 

 「まさかそんな隠し球があったなんてな完敗だぜ……もってけ」

 

 カギを受け取るアンデルはゴロツキに一言物申していた。

 

 「貴様命拾いしたな」

 

 なんか自分が勝ったみたいな雰囲気だしてっけど勝ったのわたくしですのよ? 自分の手柄のように自慢げなアンデルさんに何とも言えない感じですわね。

 

 それから神の塔の扉の前にたどり着き、先程の鍵をガチャガチャしながら開けようとするが、鍵が合わない。

 何故だろうと困惑しているアンデルだったが突如先程のゴロツキが現れる。

 

 「それ俺の家のカギだわ」

 

 とりあえずアンデルはカギを投げ捨てる。わたくしはそれをバットで砕く。

 すれ違っていたアンデルさんとわたくしの、初めての意見の一致であったのです。

 

 「コンセンサスやね」

 

 ワイちゃんはそう呟く。

 ゴロツキは悲しそうにカギを見つめていたので適当に放置していると、神の塔の扉が突如開く。

 

 とりあえず中に進んでみる事にした。 

 適当に塔の中を進んでいくと機械兵のようなモンスターが大量に出現する。

 

 「ここは私が対処します、貴方様はお下がりを」

 

 アンデルは突然格好をつけはじめる。

 だが良く見てみるとこの敵モンスター我々よりもレベルが上ではないか。

 

 「レベル上げに丁度良いですわ。わたくしも経験値稼ぎますわよ」

 

 戸惑うアンデルを放置し、敵対してくるモンスターをバットで粉々にしながら進むといつの間にか最上階の封印の間にたどり着く。

 

 「こやつが機神グロルガルデか……」

 

 アンデルは感慨深そうに呟いていたが無視で。

 そして黒い機械がなんかほったらかしにされていた。

 

 「ほこりまみれやんけ、拭いたろ……ですわ」

 

 ポチーッ

 

 「キサマは誰だ? 人間では無いな」

 

 ポチーッ

 

 「あ、これがスイッチなのですわね」

 

 ポチーッ

 

 「いきなりOFFにす……」

 

 ポチーッ

 

 「なんと……機神をいとも簡単に操れるとは……流石ワイ様」

 

 ポチーッ

 

 「スイッチが壊れるから連打す」

 

 ポチーッ

 

 ポチーッ

 

 「仲間(チームメイト)になるんやったら押さないであげましてよ?」

 「……なるからスイッチを壊そうとするな」

 

 グロルガルデを仲間にする事に成功したワイ達は次の冒険へ進む。

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