Bug The Lad   作:闇と帽子と何かの旅人

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第三話『機神登板』

 神の塔でグロルガルデを仲間にし塔を立ち去るワイちゃん達一行。

 

 「ワイというのかお前は」

 

 階段で急に話し掛けるグロルガルデ。もう少し落ち着いた場所で会話しろよと思いながらも優雅に応対をしますわ。

 

 「そうわよ」

 「ワイ、何故おれを復活させた?」

 

 そう問われるが、アンデルに言われて適当にここに来て、適当に復活させた。とか言ったら怒りそうな感じだったので、わたくしはピッチングマシーンが欲しかったと説明する。

 

 「わたくしあなたの様な剛速球派のピッチングマシーンが欲しかったのですわ」 

 「ピッチングマシーン? 俺を求めるのは構わないが、敵は居るのだろうな? 七英雄とかヂークベックとか」

 

 七英雄ってだれだよ。オールスターみたいなもんでしょうか?

 とりあえずグロルガルデには殿堂入りした選手を越えていけとアドバイスする。

 

 「七英雄以外にも球界とやらの英雄が居るのか。おもしろい。全員屠ってやる」

 「頼もしい限りですわ。ピッチャーは任せましたわよ」

 

 アンデルはこのやり取りに口出しせず、ただ見ているだけだった。

 ベンチウォーマーかよ……ですわ。

 

 塔から出るとゴロツキがごろごろしていた。

 

 「あなたまだそんなところに居たの?」

 「だって嬢ちゃん達が俺の家の鍵壊すから帰れなくなって」

 「でしたら、ここの塔に住めばよろしくってよ」

 

 適当に塔を勧める。アンデルが困惑しているが、特に知った事ではない。空き部屋が出来たのだから入ってもいい理論を通す。

 

 「ワイ様、あそこは殉教者計画に使っている施設でございまして……素性の知らぬ者を入れるのはあまり得策では……」

 

 「勇者とか来た時にゴロツキ寝てるとか面白いやんけ! ですわよ」

 「なるほど侵入者対策でございますか、それならガルアーノが開発したキメラなどを配備させた方がよろしいのでは?」

 「小物置いてもレベリングされるだけやで、置くなら早抜きガンマン強制イベントとかの方が面倒でいいのですわ」

 「なるほど……そこまでお考えとは……」

 「よくわかんないがサンキューお嬢ちゃん……って何だこの黒い機械は! どこ見て歩いてんだ? 早うち勝負やろうぜ」

 

 喧嘩っ早いのがグロルガルデに絡んでいた。 

 

 「黒い機械! 5つ数え終わった後に振り向いてBANとやるんだ、わかったか?」

 「なるほど5発で貴様を殺せば良いのか?」

 

 グロルガルデとゴロツキが勝負をしている。

 

 「では審判は私めが……」

 

 どうせまたアンデルが命拾いしたなとか偉そうに言うんだろと思いながら見ている。

 

 1.2.3.4.5

 

 グロルガルデが発射した銃弾は全てごろつきのバントの構えで防がれていた。

 

 「両者引き分け!」

 

 アンデルがなんか偉そうに引き分けとか言ってましたわ。

 

 「俺も昔大リーグ目指してたんでね……さっきのお嬢ちゃんの見て吹っ切れたんだよ」

 

 よくわからない自慢をしてくるゴロツキだったがその目はスポーツマンの眼つきだった。

 一方よくわからない引き分け方をしたグロルガルデは殺すとか危ない言葉ばかりつぶやいていたので、アンパイアにでも聞かれると退場処分となりそうだった。実際塔から退場したのですけど。

 

 紆余曲折を経て空港へたどり着く。

 

 「これからどこへいきますの?」

 「機神の力を手に入れたのですから、その力を使い他の四将軍に見せつけ、傘下に入るよう説得するのはいかがでしょう?」

 

 オッケーと言いながらシルバーノアもといガイストの会議室みたいなところでオレンジーナを飲む。

 

 物欲しそうに見つめていたグロルガルデに適当にビール掛けの要領でかけてあげる。煙を出すほど喜ぶなんて、本当にいいチームメイトですわ。

 

 一行はミルマーナへ四将軍ヤグンへ会いに向かっていた。

 

 

 ミルマーナ空港

 

 「暑いですわねここ。でもアジアも最近野球が盛んと言いますし、小柄ながらも技巧派な選手も多そうですわね」

 

 アンデルは首を傾げながら兵士になにやら話をしていた。

 

 「ワイ様、面会の準備整ったようです」

 

 アンデルは便利だ、選手よりコーチで才能を発揮するタイプなのでしょうと思いながらグロルガルデを見ると。

 

 「機体に虫が入った、どうにかしてくれ」

 

 何か虫と格闘していたがスルーした。

 

 

 ヤグンとかいうハゲ猿と面会する事になった。

 アンデルはヤグンと話をしている。 

 

 「アンデル。急に何の用だ?」

 「魔族の貴き血脈が見つかった。今のように暗黒の支配者などという紛い物に付き従うと言う耐え難い屈辱をしなくとも……」

 「アンデル……まさかその小娘が魔族をすべる者だと言うのではなかろうな?」

 

 わたくしは話を振られた気がしたが無視してグロルガルデとじゃんけんをしていた。

 

 「これムズカシイ遊びだナ。必勝法がわからぬ」

 「後出しという必勝法がありますのよ」

 

 グロルガルデは目をキラキラさせながら聞いていた。

 

 「おい! アンデル! 無視しやがったぞあの小娘!」

 「……」

 

 アンデルが困っていたので、わたくしは会話する振りをしながらペットの猿をひょいとつまみバットの上に乗せる。

 

 「おいアンデル、小娘をとめんか! わしのペットを勝手に……」 

 「ペットに良いですわねこの猿」

 「ワイ様その猿は……」

 

 戸惑うおっさん二人を放置し猿にサインを施す。

 

 「じゃあこれで、わたくしのモノですわね」

 

 そのまま足早に立ち去る。

 

 「ワイ様……お待ちを!」

 

 アンデルの制止の声は心の応援歌にかき消されたのでセーフ。

 ミルマーナの街アジャールに立ち寄りペット用のリードを買う。

 

 「これで安心やね……ですわ」

 

 グロルガルデにも買ってあげようかと思ったが、思いのほか首が太かったのではいらなった。

 

 猿がなんかわめいていたが気にせずリードをつける。

 

 「猿の球団マスコットの完成や! ですわ」

 

 追いかけてきたオッサン二人に新球団設立を発表する。

 

 「しんきゅうだん? ですか。ワイ様! ついに立ち上がられるんですね」

 「おい! 小娘! なんと無礼な!」

 「ククク、見た目で侮るお前のほうが無礼だぞ」

 

 喜ぶアンデルに大○理論を展開するグロルガルデ。 

 

 「うっ!」

 

 はげたオッサンがダメージ受けてたので猿の毛を抜いて頭にふりかけてあげた。

 

 「ヤグン……なぜ元の姿に戻らないのだ?」

 

 アンデルがつぶやくがハゲは特に変身もしない。

 元の姿とかド○ラの中の人みたいなのは勘弁してくれよと、ワイの心のアンパイアがつぶやく。

 

 「ヤグン将軍なぜ……そんな小娘相手楽勝でしょう?」

 

 ハゲのヤグンがペットになんか喋りかけながら媚うっていますわ。

 

 「猿はチームのマスコットやから返さないですわよ」

 

 首輪のついた猿はハゲヤグンの足に手をつく。

 

 「まさか! あれは反省のポーズですわね!」 

 

 猿回し芸を仕込んでいるとは……これは球団マスコット会の首位打者も狙えますわ!

 そう意気込みながら猿をグロルガルデに乗せ一行はガイストに乗り込んだ。

 なんかハゲの将軍がお達者でと言っていたが協力体制は得られたのだろう。ですわ。

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