ワイ達一行はジェフリーと子供達を新たなチームメイトに向かえ調子にのっていた。
「これからどこへいきますの?」
ワイちゃんは、これからのプランをチームメイトと相談していましたの。
「ワイ様、ガルアーノの式典演説を見に行くのはどうでしょうか」
「ほーん。式典って事は大物野球選手が来るかもしれんし、いきますわよ!」
大物選手が居なくてもキャッチャーミットに遠投してみるのも面白いと考えながら、ワイちゃんは子供達とストラックアウトをしているのですわ。
「1から9番までの的を全部抜いた子には、景品にこのお猿さんを差し上げますわよ!」
子供達は歓声を上げながらおのおの独自の投球フォームで挑戦していますわ。
ある子供はガスに変身し爆発を起こしボールを飛ばす特殊フォーム。
別の子供は火の玉みたいになりながらまたも爆発を起こす。
ここの子供達は爆発的な速球派が多いみたいですわね……
そんな中ストラックアウトにグロルガルデが登場し、子供達は更に楽しそうな声で叫んでますわ。
「ククク、優勝はもらったぞ! 持ち球1球で仕留めてやる」
野心溢れるグロルガルデは一球宣言をし投球フォームに入る。
しかしコントロールが乱れ商品の猿にぶつかってしまう。
これにてストラックアウトは終わりやね。そう思っていると意外にも猿は剛速球を受け止めていた。
「ほーん。キャッチャーの才能があったのですわね」
珍しく活躍した猿のマスコットに拍手が巻き起こりまして。
猿の商品に猿という。無限ループに陥りそうなあらましであったのですのよ。
「皆さんの、おかげで、子供達も、笑顔に、なりました」
そういっているGPが一際一番笑顔だったのをわたくしは見逃しませんでしたわよ。
なにせ投球中の子供のスカートの中を覗いてましたし。
「ククク、景品を仕留め損ねた」
なんだか危険なチームメイトもいますけど、わたくし達はとても順風満帆な旅をしていますわ。
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東アルディア空港にたどり着き、ワイ散歩とか番組名みたいなのを言いつつ街を散策するという手はずになった。
GP先生と子供達とワイちゃんと猿とグロルガルデで観光に行き、アンデルは会場の下見と政治的なお話をこれからしてくるみたいですわ。
けれども私たちが空港を出る手続きをしようとした矢先、ワイちゃん達一行はテロに巻き込まれてしまったのですわ。
かくれんぼをしている最中テロが起こったんですの。空港のロビーでかくれんぼをしてましたのに、ちなみに鬼はじゃんけんで負けたアンデルさんですのよ。
「ちなみにワイちゃんは人質になってしもたで! これでお嬢様ポイントアップですわね!」
「おい! 動くんじゃねえ」
なんだかテロリストがわたくしを人質にしながらキレてた。
健気なお嬢様を演じつつ。わたくしは辺りを見渡していると……
アンデルがその様子のわたくしを見つつ、ワイ様みっけとか遠巻きに言っていたのを覚えていますの。
一番最初に見つかってしまい、しょぼくれてしまうワイちゃん。
ロビーのソファーの下に隠れて横になりながら、子供のスカートを覗いていたGPをさっさと見つけろとわたくしは切に願うのですわよ。
グロルガルデのほうを見ると、空中に浮遊しながら隠れるというインチキまがいのことをしていた。
よく見たら子供たちと空中でキャッチボールしていますわね……
子供は子供でガス状になったり、不審火として警備員に消化剤をまかれてたりしていた。
アンデルはキョロキョロとロビーを見渡しながら探していましたわ。
「上なのですけどねぇ……」
つい声を漏らすが、そんな声は何処吹く風か、テロリストは時計に意識をとられていて、なぜだか時計を見ながら焦っていた。
「あら? どなたかと待ち合わせかしら?」
「黙ってろ。あんまり騒ぐと俺のスーパー天の裁きを食らわすぞ」
スーパーノヴァと天の裁きを合体してしまったのかしら。などと思いにふけっていると足元をGPがうろついていた。
「GPじゃまですわよ」
「すいません、スカート、覗き終わってないの、お嬢様だけ、なのです」
あの短時間に空港に居た子供全員のスカートを覗いたのでしょう……驚愕ですわ。
「ジェフリー見つけぞ……ワイ様に対して何をしている?」
アンデルが遠巻きに少々怒りながら言っている。
そんな事言ってる暇があるのでしたらGPをさっさとつまみ出して欲しいですわ。
「もう少し、だったのですが」
そう言いつつ照れながらアンデルのほうに向かっていくGP。
「何だよこの空港……話と違うじゃねえか……」
テロリストが困惑し始めていましたので、とりあえずグロルガルデにサインを出しましたの。
この場を盛り上げろと。
グロルガルデは期待にこたえ、空港を突如滑走し始め飛んで行きガラスを壊しながらわたくしを連れ去るという豪快なパフォーマンスを見せ付ける。
しかしテロリストごと連れ去るのはいかがなものかしら。
「はなせ! 何だこのデカブツは?」
「あら? しりませんの? 最新型の野球機神ですわよ」
ワイちゃんとテロリストとグロルガルデは再びロビーに降り立ち盛大な拍手で迎えられる。
よく見たら警備員以外ワイちゃん達一行で埋まっていたのでした。
かくれんぼも終わり、ちゃんと人数がいるか確認していたところ……とある事に気付いたのですわ。
「猿が消えましたわ!」
アンデルがすかさずフォローする形で助言してきましたわ。
「ヤ……猿なら警備員に捕まりカーゴ室へ運ばれました。おそらく逃げ出したペットか何かと間違われたのでしょう」
よく見ると離陸直前の飛行船がありましたの。もしやあの中に猿が連れ去られてしまわれたのでしょうか。
「いきますわよ! ついて来てくださいまし」
号令をかけるが大半はスルーしていた。なぜか警備員が、おー! と号令にのっていた。
ワイちゃんの人徳やね……
ほどなくして、アンデル、子供たちとGP、そしてグロルガルデにテロリストと一緒に乗ったまま離陸直前の飛行船に乗り込む。
乗り込んだ矢先、獣特有の匂いがしたので、その場所に向かいましたの。
そこでワイちゃんたちはある少女と出会う。
「誰? そこに居るのは?」
大勢で機関室の中を覗き込むわたくし達とテロリスト。
少女を守るようにイッヌがわたくし達の前に立ちふさがる。
まるでワイちゃん達が犯罪者かテロリストみたいやけど気にしたらアカン。
「子供……? ダメよパンディット!」
「はじめまして! わたくしはワイちゃん! よろしくな! 少女君!」
気さくな挨拶をするワイちゃんに少女は戸惑った顔をしている。
「え?」
そんな中、子供達に先生困ってる人が居ると呼ばれGPが颯爽と登場しましたの。
「その髪の長い女はオレによこせ」
「GPが……好みの女の子に出会ってキャラ崩壊しとるんやで、ですわ」
一連の流れを見て少女はクスリと笑い緊張の糸が解ける。
流石小さい女の子の扱いに定評のあるGPですわ。
ちなみに扉が狭いのでグロルガルデは機関室の扉に引っかかって中に入れないですし、テロリストは扉とグロルガルデの間というデットスペースに挟まってますの。
アンデルは廊下で待ちながらワイちゃん達を眺めていましたわ。
「そういえばあなた猿を見ませんでした? このぐらいの……」
国民的スポーツで培われたボディランゲージで説明をするわたくし。
「猿? 見なかったけど……ねえ? パンディット」
その少女はまるで意思疎通するかのごとく犬と喋る。
テレビクルーが居たら大騒ぎやね。現代の魔女! 美少女に迫るロリコンの魔の手から守るイッヌ。
ワイのサヨナラホームランの記事もコレには二面落ちやね……
そうこうしていたら猿を見つけたアンデルが言葉を発していましたの。
「ワイ様! ヤグ……猿が向こうに居ました。追いかけましょう」
「少女君! ほなまた……ですわよ」
わたくしは少女とイッヌに別れを告げ、猿を追いかける為に走り出しましたの。
子供やGP達もソレに続き機関室からでて追いかけてきますわ。
猿の逃走劇やね。
飛行機の上で猿は黒服の男達と居たのでした……
「あなた達、その猿をどうするおつもりかしら?」
黒服の男達は猿の毛をむしりながら遊んでいましたの。
そんな様子を見ていると猿が突然喋りだすのです。
「助けてくれ……」
喋れたんかこの猿ゥ!
まさかこんな芸もできるだなんて……とても感激しましたので、わたくしは一生覚えておきますの。
猿を取り戻そうと近付くと後ろでなにやら騒ぎが起こりましたの。
「助けてくれ……」
テロリストが捕まって、猿と同じ言葉で助けを求めていたのですわよ。
「この猿を返して欲しければおとなしく娘を差し出せ」
なにやら私が標的みたいですけど。誰ですの? この方達。
まあお嬢様が怪しげな集団に狙われるのは、王道ストーリーですけどね。
「どうやら、囲まれた、みたいですね」
後ろにいるGPと子供達は無事みたいですわ。
「試合開始や! ですわ」
「ワイ様、審判は私めが」
「アンデルさん、お前も出るんですわよ」
「ククク、プレイボール」
「子供達は、そのあたりに、浮かせて、おきましたので、ご安心を」
とりあえず敵も四人やし四人がブルペン入りですわね。
MAPはこんな感じですわね。★は敵ですわ。
子供子供子供子供子供
★ ア ★
テロ グ ワイ 猿
★ GP ★
テロリストのステータスを見る。
LV1でしたのね彼。
猿は……10まで成長していますけど……
猿を捕まえてる黒服ってまるで宇宙人捕まえてる……おっとこれ以上はダメですわね……
敵のLVは……12ですのね。
「ククク、キックオフだ」
「それをいうのならプレイボールですわよ」
「ククク、違うな……歩かなくても相手を倒すという意味だ」
グッロはそう言いながら目の前の黒服を瞬殺していた。
ワイちゃんも適当にドリームノックで猿ごと攻撃する。
GPとアンデルはターンが回ってこないままボーっとしてましたの。給料泥棒ですわ。
まあ雑魚がワイちゃんに敵うわけもなく、勝利に終わるのですけどね。
何か黒服がもめてますわね……
「ルガータ! 我々も失敗したから消されそうだ!」
「ガルアーノ様に報告は……」
黒服たちの会話にアンデルが割り込む。
「ガルアーノといったのか貴様達、あいつに伝えておけ。皆で式典に行くぞ……と」
黒服達は困惑していたのです。
「このおっさんガルアーノ様の知り合いか?」
テロリストにいたってはグロルガルデの後ろで震えていますし。
「やべぇよ始末されちまう……」
そんな恐怖に怯えるテロリストの周りで子供達は、何だか面白いものを見つけたかのように輪になって踊っている。
あとローアングラーGPも横に居ましたわ。
とにかく平和になりましたし観光でもしましょうと皆に号令をかける。
地元の方の案内とかがあれば、面白いのですけどね。
「テロリストさんあなたここの人かしら?」
「助けてくれ……観光案内でもなんでもするから」
何故か震えているテロリスト。たぶん子供のガスをまともに吸ってしまったからですわね……
子供の一人が恥ずかしそうにおならしちゃったと言っていましたし。
GPはお尻かいでますし。
ワイちゃん達一行はアルディア空港を脱出し市内観光に向かうのでした。
◇
数分後のアルディア空港
ハンターの少年が窓から颯爽と登場していた。
「ハンター様の到着って……って誰もいねえ!」
警備員に事情を聞くと事件は終わったんやで、と説明される。
警備員のガラス掃除するのを手伝うエルクであった。