Bug The Lad   作:闇と帽子と何かの旅人

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第九話『謎の男』

 アンデルとアークの戦いに飽きたワイと愉快な仲間達はヴィルマーの家に向かっていた。

 

 「レディを招待すのですから、それ相応のハウスなのでしょうねぇ」

 

 ワイちゃんはチラチラとヴィルマーとかいうジジイを見てみるが、全然振り向かなくてかなしくなってしまったのですわ。

 ヴィルマーはジェフリーと話をして盛り上がってましたの。

 

 「お孫さんと、ご一緒、なのですね」

 「リアと言ってな、誰に似たのか知らんが活発な子じゃから、お前さんが連れてきた子供たちともすぐ打ち解けるじゃろう」

 

 GPは目を輝かせている。これは事案のにおいがしますわ。

 

 家に到着すると、黒人と先ほどヴィルマーが言っていた孫だろうか、二人が丁重に出迎えてくれましたの。

 

 「はかせ、おかいま!」

 「おじいちゃんおかえり!」

 

 ……黒人の方は言葉が思いっきりカタコトでしたわ。

 

 「リア、ただいま。こちらは昔の知り合いのジェフリーと……お前さんたち、名前はなんじゃったかな」

 

 「わたくしの事はワイちゃんって呼んでくださいまし」

 「ククク、サンキューグッロと褒め称えよ」

 

 いつものテンションで挨拶するワイちゃんとグッロ。

 

 「お姉ちゃんの横の黒くてカッコイイロボ! コレお姉ちゃんの? 乗れるの?」

 

 子供特有の大量質問にワイちゃんはたじろぐ。

 

 「ククク、振り落とされなければ乗ってることになるぞ」

 

 グッロはなんだか照れてますわね。

 GPを見ると案の定リアさんのスカートの中を覗いていますし。

 それをヴィルマー博士は注意するどころか、なんだか懐かしみを感じながらGPに話しかけてますのよ……ワイちゃん困惑ですわ。

 

 「ジェフリー……お前さん相変わらず子供がすきなんじゃな」

 「ええ、今日の、リアさん、白ですね」

 

 つれてきていた子供達がGPに私のもみてー! とか言って自分のスカートたくしあげてますし、たぶんコレが普通のコミニケーションなのですわね。

 わたくしスポーツばかりしていましたので、少々お嬢様気質で浮世離れしていたのを思い出しましたの。

 

 「ククク、アウトだぞ」

 

 あら、やっぱりアウトですのね。サンキューグッロ。

 猿は玄関でたそがれ、七勇者のジジイは腰痛で到着早々ベットで寝ていましたわ。

 

 「はかせ! はかせ! きょうはにんげんとれてない! こまった! くいものない!」

 

 なにやら黒人が回転しながら困っていましたの。

 あら……これではパーティがひらけませんわね。

 

 「ククク、この中で誰かをいけにえにするか」

 

 盛り上がりそうですけどやっぱりアウトですわよグッロ。

 とりあえずみなさまで手分けをして、外で食べ物を見つけてくることにしましたの。

 

 「ワシとリアは家で待っておるから早くしてくるんじゃぞ」

 

 ヴィルマー博士は、なにやらフラグを立てていましたの。

 

 「はかせ! いってくる! うまいにんげん! たくさんとってくる!」

 

 黒人と共に意気揚々と出発するワイちゃん達であった。

 

 GPと子供達は潮干狩りしてますわね。

 GPが子供に向かって潮を見せてくださいとか言っててガチで引きますわ。

 猿は何だかグッロに餌みたいにされて海に放り投げられてますの。

 

 「ククク、生餌だぞ」 

 

 ゴーゲンとかいうジジイも一緒にグッロと釣りをしてますし、お年寄りって皆釣りが好きなのでしょうね。

 黒人を見ているとアルフレッドさんと追いかけっこをしていますし。

 

 「助けてくれ……」

 「にんげん! くいもの! かる!」

 

 さっそく仲良くなって微笑ましい事ですわ。

 わたくしは、食べ物調達を仲間に任せてお散歩することにしましたの。

 

 

 一方ヤゴス海岸では聖櫃とアンデルの壮絶なレスバトルが繰り広げられていましたの。

 

 「お前のとーちゃんヨシュア!」

 「お前こそ周りの爬虫類の方が強いって言われてるから」  

 「無駄な争いですこと」

 

 二人はわたくしに気づき驚きの顔をしていましたわ。

 

 「ワイ様! 見ていてください今に決着をつけます」

 「ワイ! 見ていてくれ! この男を倒して救ってやるからな!」

 

 はなでもほじろうかしらと思いながら、お二人に今晩の食べ物抜きにしますわよと伝えますと。

 

 「アーク……一時休戦といかないか」

 「くっ! 仕方ない、食べ物が無くては……」

 

 そうして食べ物を確保に行く二人をみてお馬鹿さん達ですわねと一人つぶやくワイちゃんだったのだ。

 

 「これぐらい食べ物を集めておけばパーティタイムですわね」

 「ククク、ほとんど俺とゴーゲンが釣った魚だぞ」

 「にんげんつかまえた! これくえる!」

 

 皆の言うとおり食料は魚と貝とアルフレッドだけだったのです。

 

 「助けてくれ……」 

 

 アルフレッドは非常食みたいなものですからと黒人を説得し、魚と貝でパーティーをする段取りになりましたのよ。

 

 皆でヴィルマーの家へ戻るとなにやら様子がおかしいのでした。

 

 「なんだ? 何が起きたんだ!?」

 

 聖櫃くんは一番乗りとか言いながら家に入るとなにやら困惑した表情でしたの。

 つづいて中に入ったわたくしですが何やら先ほどと違い争いの後がみうけられましたの。

 

 「おれじゃない! はかせ! たぶん! はかせぼけた!」 

 

 黒人は唐突に弁解をし始めるのですけど誰も疑ってませんわよ? 多分。

 ゴーゲンは荒れてるベッドを直して横になっていたし、猿はまたたそがれはじめるし。

 

 「とりあえず下に行って様子見ますわよ」

 

 そう言い階段を下りようとすると、GPが私が先にと言っていたので一番先に降りてもらうと。

 

 「いいですね、やはり、この傾斜、見えます」

 

 いつも通りだったので降りるついでに踏んであげて差し上げましたの。

 

 「い、い」

 

 奥の間にたどり着くとそこに黒服の男達がなにやら博士とリアさんに銃をつきつけて何やら話しをしていましたの。

 

 「探しましたよ博士、さあ我々と一緒に来てください」

 「うるさい! 私は戻る気などない!」

 「いいえ戻ってもらいます」

 

 などと会話をしていたが、ワイちゃん達はとってきた魚と貝を持ちながら作業室に突入する

 

 「何者だ? まあいい邪魔者はすべて殺す」

 

 「ククク、魚ならもう処理済だぞ」

 「この人たちは多分卸売業者ではありませんわよ」

 

 適当にグッロといつも通り遊んでいるとアルフレッドさんの顔色が死んだ魚のようになっていましたの。

 

 「あいつらは……助けてくれ……」

 

 まあいつも通りですわね、黒人にいたっては。

 

 「はかせ! りあ! だいじょうぶか! しんだらくってやるから! あんしんしろ!」

 

 敵なのか味方なのかわかりませんわ。

 そうこうしていると相手の黒服が変身し始めまして。

 ニンジャになりましたのよ。

 

 「ニンジャ! サムライはいませんの?」

 

 相手はなんだかぽかんとした顔をしていたので全員生け捕りにしてさしあげたのですわ。

 

 「あなたたちパーティの飛び入り参加はマナー違反ですわよ」

 「ククク、勇者でなければ不法侵入に問われるぞ」

 

 説教をかましていると、GPがヴィルマー博士とおもむろに会話に混ざりだす。

 

 「この方達は、白い家の、関係者では?」

 「私を探してここまで追手をよこしてきたんじゃ」

 「リアさん、大丈夫ですか、怖くありませんでしたか、おしっこ漏らしてたら、私が、パンツかえて差し上げます」

  

 一番怖いのはお前ですわGPと思っていましたら、黒服達がお漏らしをし始めましたの、ああ情報ですわよもらしたのは。 

 

 「博士かえってもらいますよ白い家へ。ガルアーノ様がお待ちしております」

 

 先ほどまで空気だったアンデルが話をし始める。

 

 「ガルアーノが雇い主なのか、つまり……つまらん計画に私やワイ様を巻き込んだというわけか」

 

 そう言いながらイキりはじめましたわこの方。ついでに黒服が動けないのを良い事に調子にのったアルフレッドさんまでオラつき始めましたの。

 

 「お前ら俺のスーパー天の裁きを味わってみるか」

 「アルフレッド貴様、ガルアーノ様を裏切ってただで済むと思うなよ」

 「助けてくれ……」

 

 この人なんで前にしゃしゃり出たのかしら?

 

 「それにしても口の軽い人たちですわねポロポロ喋って、あなたたち契約金とかすぐ話してしまうタイプですわね」

 

 口が軽い捕虜に呆れていると、黒人が突然近付き、黒服を一瞬で亡き者にしていましたの……

 

 「はかせとりもどす、しっぱいした! こいつらつかえない! くちかるい! ワレワレにそのようなものは、イラナイ!」

 

 突如怪しいオーラを放ちながら黒人は走り去ってしまった。

 何者だったのでしょうか、あの黒人。助っ人だったのでしょうか? 

 

 とにかく気にせずパーティを始めて一件落着ですわ!

 

 

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