Side: エレナ・スカーレット
突然だが、自分の弱点について考えたことはあるだろうか。暗記、運動とか色々挙げられると思う。私も一応ある...と思う。私は半分人間、半分吸血鬼っていう所謂半人半妖だ。まぁお父様とかレミリア達には内緒にしてるけど。とにかく私はとあることを疑問に思った。
「私って吸血鬼の弱点の太陽とかって効くのかなぁ...」
私は基本的に図書館にこもっていて、外に出るとしても夜の時間帯だ。太陽とかは資料では見たことあるけど生では無い。てかお父様やお母様が過保護なんだよなぁ。ちょーっと日中に外出ようとするだけで止めてくるんだもん。だから私は幻術魔法を使ってこっそり日中に外に出ることにした。勿論念のため日傘は持ってね。その時間は眠くないのかって?くっそ眠いよ!!でも今は好奇心が勝ってるよ!!
日が登り始め紅魔館が静かになる頃、私は幻術魔法を使って姿と気配を消す。前に同じ時間帯に魔法も何も掛けないで外に出ようとしたら、使用人さんに止められて、それがお父様に伝わってめっちゃ怒られた。あの時は泣きそうだったな...あれ、おかしいな。今思い出すだけで涙が...。
一応日傘をさしながら外に出る。よし、まだ魔法は継続してるから誰にもバレてないぞ。
ある程度紅魔館から距離を取って...よし今だ!って訳で私は日傘を閉じてみる。
...あれ?痛くも痒くもない...むしろ心地いいぞ?こんな感じなのか太陽の光って!気持ちいいなぁ...確かにこんなに心地いいんだったら、太陽を崇める宗教とか出来ちゃうよね。納得納得!
私は思いっきり太陽に向かってストレッチをしてみる。すると太陽の光が良い感じに身体を暖めてくる。めっちゃいい感じ...。
あれ?つまり私って吸血鬼の弱点の代表である太陽が効かないってことだよね?...もしかして私、無敵なのでは?
いや吸血鬼の弱点はこれだけじゃないはず。確か流水も弱点だったよね?...それも試してみようかな。最近覚えた探知魔法でこの近くに川が流れてることも知ってるし、そこに行ってみようかなぁ...。あんまり遅くなると心配されるから早めに帰らないとか?いや、まだ日は真上にあるし皆寝てるでしょ!
とにかく私はその川に行くことにした。
Side レミリア・スカーレット
「...お姉様?いる?」
私は今、お姉様の部屋の前に来ている。本来、この時間は私の部屋のベッドで寝てるはずなのだが、ふとお姉様が恋しくなってしまったので添い寝をしようと思ってここに来た。
私は何度もノックをして返事を待つが、一向に返ってこない。寝てるのかな?だったら起こすのは申し訳ないし...。
そこで私は思い付いた。
「ベッドにこっそり侵入しちゃえばいいじゃない!」
そうして私は音を立てずにお姉様の部屋に入る。しかし部屋にはお姉様の気配は無く、ベッドも膨らんでいなかった。
「あれ、いない...あ、また図書館で仮眠してるのかも...」
そう、お姉様はいつも図書館で本を読んでる。だからまた起きてすぐ本を読みたいってことで最近は良く図書館の机に伏して寝ている。
「全く、お姉様ったら...」
私はお姉様の部屋を出て、図書館に向かう。勿論お姉様を自分の部屋で寝かせるためだ。ついでに私もそこへ潜り込めば...よし。早く連れてこよう!
私は図書館に行ったが、お姉様は居なかった。すれ違ったのかなと思い、部屋に行ってみるけどお姉様はいない。私は不安に思って紅魔館内のお姉様のいそうな場所を片っ端から探すが、見つからない。
「どうしようお父様!お姉様がいないわ!!」
「なっなんだって!?」
私は寝ているお父様の部屋に押し掛けて言う。さっきまで寝ていたお父様は飛び起きて、蝙蝠を使って服を一瞬で着替えた。そして大広間に出て館内の全員を集めて言う。
「皆の者!エレナを見てはおらんか!」
「い、いえ旦那様。今日エレナお嬢様を見かけた者はいません」
しかし誰も見てないらしい。お姉様...一体どうしたの...。
「...レミリアお姉様、エレナお姉様がどうしたの?」
「フラン!?」
いつもならぐっすり寝ているはずのフランが不安そうな表情で私を見つめてくる。どうしてフランがここに?館内で出入り出来るところは決まってるはずだからここには来れない...いや、そんなどうでもいい事を考えてる場合じゃないわね。
「実はねフラン、お姉様がいないの...図書館にも部屋にもね...ねぇフラン、貴女何か知らない?」
「え!エレナお姉様がいないの?!ホントに!?お姉様は大丈夫なの!??」
明らかに動揺しているフラン。この様子だと何も知らないようだ。フランがここまで慌てるのも無理もない...私もさっきまでこうだったのだから。だけど私は少し落ち着いてきた。なぜなら...
「フラン落ち着いて!私達が束になっても勝てないあのお姉様よ?無事に決まってるじゃない!」
そう、お姉様がかなり強いからだ。さらに頭もいい。だから大丈夫のはず...と私は自分に言い聞かせてる。心配という気持ちは無くならないけど、きっと大丈夫だから。
「そっか...そうだよね!あのエレナお姉様だもんね!」
フランも納得したように言った。しかし無意識だろうか分からないが、フランの体が微かに震えている。やっぱり不安なんだ...そう思い私はフランに抱きつく。
「レミリアお姉様...?」
「大丈夫よフラン。絶対お姉様は戻ってくるから。ね?」
「...うん...」
そう言った後、フランは泣き出した。ここまで泣いてるのは初めてかもしれない...。
すると大広間に一人の使用人が走って入ってきて言った。
「旦那様!エレナお嬢様の日傘が無くなってます!!」
「何!?ということはエレナは外に...不味い!今は日が上っている!」
「ほら貴方、落ち着いて。エレナが自分から出ていくとしたら、何か理由があるはずですよ」
お母様が出てきてお父様を落ち着かせる。多分今この瞬間、この大広間の中で一番落ち着いているのはお母様だ。
「おそらく魔法の研究か何かで資材が必要になって取りに行ったとかでしょう。全く...私達に黙って出ていくなんて...帰ったら説教です!」
怒っているようにも見えるが、涙が出ているのを私は見逃さなかった。お母様も自分に言い聞かせてるんだ...。
あぁ、お姉様。早く帰ってきて!皆お姉様を心配してるわ...お姉様!!
Side: エレナ・スカーレット
私は今、近くの川に来ている。流水が苦手ってどういうことなんだろ、と考えてはや1分。全くわからない。服を脱いで水浴びをしたり泳いでみたりしたけどなんともない。つまり流水も効かないってことかぁ!?私は無敵の可能性があるな...。また今度研究してみるか。
さて、そろそろ戻ろうかなってことで身体を拭いて、服を着る。紅魔館まで全力で飛んで5分も掛からないから、ささっと戻ることにした。どうせまだ皆寝てるだろうしゆっくりでもいいんだけどね?まぁ念のため...ね。
紅魔館の入り口前に着いたは良いものの、なんか騒がしいな...まさかバレた!?
「エレナはまだ見つからないのか!!」
「申し訳ありません!今総力を挙げているのですが...」
はいバレてますねーこりゃ。どうしましょ...そうだ!こっそり部屋に戻って最初から紅魔館にいたことにしよう!
私は幻術魔法で姿と気配を消し、自分の部屋へと向かう。
よしよし順調だぞ!このまま行けば...とその時、突然幻術魔法が解けてしまった。
「...へ?」
「あぁ!エレナお姉様見つけたー!!」
「ゴフッ」
フランに体当たりされ、その場に倒れ混んでしまう。痛てぇ...まぁフランからの体当たりならカモンだけどね!!こう言うときって「ありがとうございます!」っていうんだっけ?
てかフラン涙浮かべてんじゃん...誰だよ!泣かせたのは!!...って、多分私だね、うん。
ところでなんで幻術魔法が解けたんだ?...あぁなるほど、フランの能力か。偶然発動したのがヒットしたんだろうなぁ...無念。てかフラン、能力コントロール出来るようになったのか...お姉様は嬉しいよ...今は嬉しくないけど。
「フラン?どうしたの...ってお姉様!?...よかったぁ...よかったよぉ...」
フランの声で駆け付けたレミリアが私を見た瞬間、座り込んで泣いてしまった。誰だ全く、レミリアを泣かせたのは!!...はい、多分私ですね...申し訳ない。
「おーい、どうしたんだー...ってエレナ!?お前今までどこに!!」
あ、ヤベ、お父様だ。ここまでかぁ...。
あの後私はマジで泣きそうになるくらい紅魔館の全員から怒られました。実際泣いてたけど幻術で誤魔化したよ。恥ずかしいしね。
罰として私はこれから寝るときにレミリアとフランと一緒に寝るよう言われてしまった。つまりレミリアとフランは私がちゃんと寝るかの監視役ってことね。え?マジ?これから図書館で寝れないってこと?それは嫌だなあ...って思ったけど、二人と寝れるならいいや!寧ろ罰っていうよりご褒美だね!愛する妹二人と寝れるなんてさ!!...あれ、フランって確か出れる区域制限されてたような...まぁ細かいことは気にしないっと!
「エレナお姉様ー!そろそろ寝る時間だよー!」
「ほら、本を置いて!早く行きましょう?」
寝間着を着た二人可愛すぎない?天使やねもう。私は二人みたいに可愛くないからなぁ...。ちょっとここまで似合ってるのも見ると羨ましいってのはあるかも。
「うん、そうだね。じゃあ行こうか!」
向かう先はフランの部屋だ。なんか寝るときだけは普通に入れるようになったよ。やったね!
そして部屋に着き、私を含む三人はベッドに入り込む。順番としては左から...レミリア、私、フランだ。
「今更だけどさ...なんで私真ん中?」
「だってエレナお姉様をぎゅーって出来るもん!」
「まぁそれもあるけど...一番はお姉様が逃げないようにするため、よ?」
私にとってご褒美なんだから逃げるわけないじゃないですかヤダー。なんて言えるわけないので渋々受け入れる態度を取る演技をする。
てかレミリアや、『まぁそれもあるけど』ってことはレミリアも抱きついてくれるってこと!?マジで!?
あぁ、可愛い妹二人に抱きつかれて寝れるなんて...私死んでもいいかも...いやまだ死ねないけど。
そんな事を思いつつ、二人の頭を撫でながら私は言う。
「お休み、レミリア、フラン」
「えぇ...お休み」
「お休みなさーい...」
こうして私達は眠りに着いた。
そして起きる時間に、寝ぼけたレミリアとフランからキスをねだられ焦ってしまうのは、また別のお話。
来ると思うけど来ないであろう疑問に先に答えるコーナー(三回目)
Q,探知魔法って何?
A,グー○ルマップみたいなのって思って頂ければ大丈夫です。