東方異血姉   作:エンゼ

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 意味不明な部分は前回を読んでもらえれば分かるかと思います...多分


第十五話 ごっこ

 Side: フランドール・スカーレット

 最近、エレナお姉様の様子がおかしい。まぁおかしいのはいつものことなんだけど...いつもよりおかしい。どこがおかしいのか言ったら...とりあえず目かな。まるでクレヨンの赤と黒を一緒にぐちゃぐちゃーってしたときの色になってる。

 そして性格かな。いつものエレナお姉様は吸血鬼らしくないっていうか...人間っぽいっていうか...まぁそんな感じなの。だけど今のエレナお姉様は真逆。つまり吸血鬼らしく残酷?みたいになった。どうしたんだろ...そんな変化が出てきたのって...私が食事から一回外されたときから?

 とにかく色々気になって最近ここにやって来たレミリアお姉様の友人であるパチェに話を聞いてみると...

 

「フラン、悪いことは言わないわ。エレナに今近づかないほうがいいわよ...」

 

と言われてしまった。こんな事を言われたらますます気になってしまう。

 そして偶然、エレナお姉様がレミリアお姉様に勝負を挑んでいる所を見た。珍しい...と私は思った。いつも勝負を挑んでいるのはレミリアお姉様で、エレナお姉様から挑むことは一度もなかったからだ。私はこっそり二人の後を着いていって、戦闘を見ることにした。

見てみると...凄かった。特に殺気。私が受けているわけではないのに鳥肌が出るレベルだった。お父様でもここまでの殺気は出さない。攻撃に関してもまるでエレナお姉様はレミリアお姉様を殺すかのような動きをしていた...そして表情はずっと笑顔...あんなのエレナお姉様じゃない。狂ってる。だけど...私はそれを知っている気がした。昔私にも同じものがあった気がしたんだ。今はもう無いけど...

 するといきなり戦闘は終了して、レミリアお姉様が大広間から出ていく。よく聞こえなかったけど...自主練をするって言ったかな?もう少し見ていようかな...と思っていると、

 

「フラン!さっきから見てたでしょ?気になるならおいでよ!」

 

声を掛けられてしまった。しかも表情は変わらずずっと笑顔だ。でもどうして?私は気配を出来るだけ消していたのに...

 

「まぁレミリアは気づかなかったみたいだけどね。それよりもさ、戦いごっこやらない?お互い本気でさ!」

 

 ニコニコしながら私に尋ねてくる。いつもの大好きなエレナお姉様の誘いなら喜んで受けるけど...今は正直したくなかった。だけどここで私がなんとかしないと、取り返しのつかないことが起こる気がする。だから、

 

「...わかった。やりましょ!エレナお姉様」

 

 私は受けた。そして同時に決意する。私が...エレナお姉様を止める!

 

「じゃあ早速始めよう!よーい...スタート!!」

 

◆ ◆ ◆

 

 最初こそ私もいつも通りの力を出していた。このいつも通りっていうのは本気じゃない。単に能力が関係してるってものあるけど...やっぱり家族を傷つけたくないっていうのが大きい。だけど...

 

「ホラホラァ!どうしたのフラン!?まだまだいけるでしょ!?」

「ちょ、速い!!」

 

 エレナお姉様は無情にも本気だ。下手したら死ぬ。だから本気を出さざるを得ない。

 

「っ!『フォーオブアカインド』!」

 

『フォーオブアカインド』。これはエレナお姉様の助けも少し借りつつ、私の生み出した魔法だ。私が四人に分身するっていうもの。これだけだとエレナお姉様の幻術魔法に近い。だけど...私のは偽物じゃない。全員が本物だ。さらにそれぞれ意思を持ってるから、エレナお姉様からすればいきなり1vs4になる形だ。

 

「「「「うぅーりゃぁぁ!!」」」」

 

 私達は弾幕をエレナお姉様に向かって沢山打つ。普通なら加減はするけど、今回は本気でやる。

着弾!エレナお姉様の周りはは煙に包まれる。なんとかなったかな...と思っていると、

 

「...ふーん...この程度かぁ」

 

 エレナお姉様が無傷でそこにいた。しかもエレナお姉様の周りに鏡のようなものがある。

 

「...それは何?エレナお姉様」

「これ?あぁ、障壁魔法だよ。シールド、バリア、結界とか言い方は沢山あるけどね。とにかくそういう魔法ってこと」

 

 当たり前のように説明してくれるエレナお姉様。口調はいつも通りだけど表情はずっと笑顔。

 

「それとねフラン...その『フォーオブアカインド』には弱点も存在するの」

 

 そういってエレナお姉様はレーヴァテインを召喚した。レーヴァテインはどんどん炎を帯びて行く。

 

「四人に分裂してるってことでしょ?つまり個々の力も四分の一になるんだよ。まぁ─」

 

 エレナお姉様はレーヴァテインを振る。すると私達全員が切りつけられた。

 

「─こんな風に四人同時攻撃しないとまともなダメージにならないんだけどね。そう考えると長所かな?」

 

 なんとか私は無事だったけど...分身全員がやられちゃった...危なかったな。まともに喰らってたら死ぬとこだった...だけど!

 

「まだまだ!」

 

 私はレーヴァテインを召喚した。そしてエレナお姉様のように炎を灯す。

 

「へぇ...その炎の迫力も結構凄まじいね...アハハ、良いよぉ!凄く良い!!」

「ッ!」

 

 さっきエレナお姉様とレミリアお姉様が戦闘してるときに私が受けた以上の殺気を受ける。私は無意識に後退りをしてしまう。

 

「行っくよぉ!!レベルスタァートォ!!!」

 

 エレナお姉様の動きが更に速くなる。私はエレナお姉様の攻撃の直撃を避けるだけで精一杯だ。

 

「ぐっ...!」

「つまらナクなって来タなぁ...ジャあ」

 

エレナお姉様はレーヴァテインを消して、代わりにグングニルを召喚する。

 

「死ンジャエ」

 

 いつの間にか私の後ろから声がして、グングニルを今まさに私の胸に刺そうとする...その瞬間─

 

 

 

 

 

 

─エレナお姉様は自分のお腹にグングニルを刺した。

 

「え、エレナお姉様!?」

 

 私が心配してエレナお姉様に駆け寄ると、

 

「フラン...」

 

掠れた声でエレナお姉様が言う。そして顔を上げて私を見つめて続けた。

 

「ごめんね...!」

 

 それを最後にエレナお姉様は倒れた。

 私を見つめてた顔は涙を流していて...その瞳は、透き通った綺麗な青だった。




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