Side: フランドール・スカーレット
エレナお姉様が自分のお腹にグングニルを刺して倒れてから丸一日経った。未だにエレナお姉様は目覚めてない。傷に関しては吸血鬼の再生能力とかパチェの魔法とかのお陰でもう大分治ってはいる。後はエレナお姉様が目覚めるのを待つだけ...なんだけどなぁ...
...私は今何をしてるかって言うと、医務室にいるエレナお姉様の看病をしている。これは私から志願しようとする前にレミリアお姉様からお願いされたことだった。その時レミリアお姉様に
「お姉様をお願いねフラン。目覚めても安静にさせておいてね。絶対に館からお姉様を出しては駄目よ?」
と言われた。勿論私もそのつもりだけど。
そういえば最近お父様とお母様見てないなぁ...エレナお姉様のお見舞いにも来れないなんて、どれだけ忙しいんだろうか。多分レミリアお姉様が今ここにいないのはお父様、もしくはお母様の仕事を手伝っているからかもしれない。そうじゃなきゃエレナお姉様が大好きなレミリアお姉様がここにいないわけ無いもんね。まぁ私もエレナお姉様もレミリアお姉様も大好きだけどね!
「ゥ...ウゥン」
突然エレナお姉様が唸る。顔色を見てみると、なんだか魘されているようだ。私はとっさにエレナお姉様の手を握る。
「大丈夫よエレナお姉様。だから...安心して」
以前「魘されている人とかいたら手を握ると良いらしいよ」ってことをエレナお姉様に聞いたので実践する。ホントかは分かんないけど、少なくとも今エレナお姉様の顔は落ち着いたから全く効果が無いってわけじゃなさそうだ。にしても...エレナお姉様可愛いな。なんかこう...ぎゅっと抱き締めたい感じ?エレナお姉様が近くにいるとかなり安心するの。レミリアお姉様はどっちかっていったら『綺麗』かな。うーん難しい。
「フ...フラン?」
うっすら目を開くエレナお姉様。その瞳の色は倒れる直前と同じ、透き通った綺麗な青だ。
「エレナお姉様!...よかったー!!」
「う、うん...私はなんとか平気だよ?後ちょっと痛いかな...」
困惑しつつ私の頭を優しく撫ででくれるエレナお姉様。気持ちいいなぁ...
私が何をしてるかって?ただぎゅーって抱きついているだけだよ?ホントはもっとエレナお姉様と抱き締め合いたいんだけどね。
「...!フラン、私いつまで寝てた?それとお父様やお母様見てない?」
突然ハッっとした表情になって私に質問してくるエレナお姉様。真剣な表情もまたいいなぁ...じゃなくて!
「えっと...丸一日は寝てたよ。それとお父様とお母様は...最近見てないなぁってさっき思ってたとこ」
するとエレナお姉様は突然、俯いてブツブツ何か言い始める。上手く聞き取れないけど...どうしたのかな?
「ごめんフラン、私ちょーーっと急用があるんだ。だから──」
「駄目だよ。絶対安静にしてて!」
「──そっかぁ」
今のは絶対ちょっとの急用じゃないよね!流石に私でも分かるよ!
「じゃあレミリアに会わせてくれない?少し話がしたいんだ」
「レミリアお姉様と?なんで?」
「...とりあえずまだ謝って無かったしね」
「...分かったわ。待ってて」
私はまだ納得はしてないけど...まぁいいや。
ってことで私はレミリアお姉様を探すために医務室を出る。
Side: エレナ・スカーレット
フランに疑われの目を向けられたけど気にしない...のは難しいなぁ。心が痛むでござる。
...それと今回私途中から暴走しちゃってたみたいだしね。私じゃない私だったよアレ。なんで私がレミリアやフランに殺意を放つの。馬鹿じゃないの私。あの時一瞬だけ意識奪還出来て良かったなぁ...あの時咄嗟に手にあったグングニルを自分に刺して私を正気にする作戦大成功ってね。いやー良かった良かった...って良くないわ。私の中にいる私じゃない私をどうにかしないと...ややこしいな。まぁいいけどね。
いつ暴走するか分かったもんじゃないしなぁ...仕方ない。奥の手の一つを使いますか!
なんて考えてると扉がノックされる...なんか焦ってない?
「どうぞー」
私がそう言うなり、扉がバンッ!って開いた。開けたのは...レミリアだった。
「お姉様!!」
「ワフムゥ!?」
突然レミリアが横になってる私に飛び付いてきた。それと同時にレミリアの頭が私のお腹にぶつかる。痛ぇ。
「ご、ごめんなさいお姉様...つい」
「いや、いいんだけどね?寧ろカモン」
私もつい本音が...あ、レミリアの顔赤くなってる。可愛い。
「そ、それより話があるんでしょ?!」
「あ、うん。単刀直入に言うね。今お父様とお母様はどこ?」
「...それぞれ鍛練をしているわ。そしてエレナお姉様が倒れたことは言ってないから」
流石私の妹だ。私の気にしてたことをすぐ言ってくれる。
「ありがとねレミリア。んで、私のことなんだけど...ごめんねレミリア。迷惑かけちゃった」
「いいえ、気にしないで。あれはお姉様であってお姉様じゃない...そうでしょ?」
ホントに良くできた妹だぜ!すげぇな!
「正解だね。もうそんなとこまで分かってたんだ」
「えぇ...そろそろ私は戻るわ。ごめんなさいね」
「んーんー、気にしなくていいよ。レミリアも
レミリアが医務室から退室しようとした...その時レミリアが思い出したように言う。
「お姉様、ぜっっったいに安静にしてて。
そのままレミリアは出ていった。すまんなレミリアよ。私も私なりになんとかしたいんだよ。
そうして私は魔方陣を書くためのペンを取り出した。これからやることが最善だと信じて。
最近エレナさんを誰か描いてくれないかな、なんて思ってたり←