Side: エレナ・スカーレット
戦の当日だ。私はあの魔法を使うと決めたあの日からずっと詠唱を唱えている。それでは日常生活会話出来ないんじゃないか、と思うだろうけどそんなことはない。特定の相手に自分の考えてることを伝えれる『思考共有魔法』やお馴染み『幻術魔法』とか使って誤魔化してる。
まぁ流石に食事は詠唱しながらは無理だから断食してるんだけどね...お腹すいた。お父様が戦に行くまで大体後5時間。それまでに詠唱を終わらせなきゃ...しかも詠唱終わっても発動するまで割とかかるんだよねぇ。具体的な時間は分かんない。だけど発動する前にアレが発現してもちゃんと封印してくれるからなんとかなりそう。
...よし、詠唱完了。後は発動すれば勝ちだ。私もどうせ戦でお父様達助太刀する予定だし...まずは腹ごしらえかなぁ。
◇ ◇ ◇
Side: レミリア・スカーレット
お父様達は既に行ってしまった。もう間もなく...運命の場所へとたどり着く頃だと思う。お姉様は...私では止められない。話術でも力量でも私はまだお姉様に劣っているから。
...っといけない。とにかく私はいつでも呼び出されても言いように準備しないと...今回の運命のキーとなるのは私、そしてお姉様。お姉様がどうするかは分からないけど...私は私のやれることをやる。そしてあの運命の可能性を潰す。また、皆で笑いあって過ごせるようにするために...!
◇ ◇ ◇
Side: エレナ・スカーレット
さて...お父様とお母様の後をこっっそり幻術魔法使いながら着いて行ってるわけなんだけど...何あれ。もはや軍隊だよね。
ん、今どうなってるか?...お父様が蝙蝠使って分身大量生産してる。あれってチートじゃね?そこら辺の人間の里に住んでる人間の数より多いよあれ。あんな技戦闘訓練の時使って無かったよね...手加減してたんだ。しかも全員の戦闘能力がお父様並というね。もう怖いよ。あれ今度魔法で真似てみようかな?
対してお母様なんだけど...能力が能力だから非戦闘要員だと思ってたんだけど違ったわ。お母様の強さはホントにシンプル。身体能力の異常性だね、うん。さっきから雑魚敵がお父様とお母様に襲いかかって来てるんだけどさ...お父様はまぁあの蝙蝠軍隊があるからいいとして、お母様何あれ。ひたすら殴る、蹴るでバッタバッタ倒してるわ。『戦う女は強いのよ?』って昔から言われてたけどさぁ...ちょっと異常過ぎない?私の『身体強化魔法』使ってやーっとあの動きについて行けるかどうかなレベルなんだけど。
...私来る意味ホントにあった?もうこの二人だけでいいんじゃないかな...っとダメダメ!まだ分かんないから!ここらからのどんでん返しで私が必要になるかもしれないから!
─ドクン...
あれ、なんだろ...私の胸が疼く...もしやまた!?まだ封印が完全じゃないのに!!くっそ収まれ!.........どうだ?
─ドクンドクン!
痛っ!?痛い痛い!!何これ痛い!!苦しい!!心臓がはち切れそう!!
「いたぞ!吸血鬼だ!!」
な、幻術魔法が解けてる!?明らかに私の方を向いてるよね!目が合ったし!くそっ!逃げないと...
─ドクンドクン!!
ヤバッ...痛すぎて意識が...!!こんなところで...!!
「こいつ弱ってるぞ!今のうちだ!!かかれぇ!!」
こんなところで...死ぬわけには...!!
─ここで
「ガハァッッ!!何だよ!こいつ!どこが弱っているんだよ!!」
「ひぃぃ!!ば、化け物!!」
「こんなの勝てるわけない!!い、命だけはぁぁ!!」
...身体に致命傷を負い戦意を失った者達の目に映っているのは...
「アれ...モウおしマいなノ?ジャア...死んじゃオッか♪」
全く光の灯ってない黒く濁った赤い目をしている吸血鬼だった