ですがあまり気にせず見ていただけると助かります。
Side:エレナ・スカーレット
「妹ですか!?」
私が拾われて五年が経ったある日、お父様から私の妹が生まれることが告げられた。名前も既に決まっているそうで、『レミリア・スカーレット』とするらしい。とても喜ばしいことで、私も興奮気味だったのだが、お父様は終始苦々しい表情を浮かべていた。
「どうしたんですかお父様。新しい家族が出来るのにどうしてそんな表情を浮かべてるのです?」
「あぁ...そうなんだがな...」
ちらちらと目を合わせては反らし、合わせては反らしでいつまで経っても何も言ってこない。とても言いづらいことなのか、と思っているとお父様が口を開いた。
「次期当主となるのはエレナ、お前の予定だったんだがな...レミリアが生まれるから...な?」
...なるほど、つまりお父様はこう言いたいわけだ。
レミリアが生まれるから次期当主はちゃんとしたスカーレット家の血を引き継いでるレミリアになってほしい、だから私は降りてくれ、と。確かに私には言い出しにくいことなんだろう。
「...お父様、そんなことを気にしていたんですか?」
「...え?」
お父様がスカーレット家の現当主にあるまじき拍子抜けた表情を浮かべるが、気にせず私は続ける。
「私はここに来れただけで十分なのです。だから私はそんな当主だとかそんなのは全く気にしてません。こちらとしては拾われた恩を返したいくらいなのです!...でも...少しお願いがあるなら...」
この願いを聞いてもらえるかの緊張をほぐす為に深呼吸をして言う。
「私を今までと変わらず、スカーレット家の娘として...『エレナ・スカーレット』として接して頂けますか?」
「っ!勿論だ!」
まぁレミリアの世話とかでしばらくは構ってもらえそうにないだろうな、と、この時私は考えていた。
お父様と話をしてからすぐに、レミリアが産まれたと聞いた。いつも図書館で本を読んでる私は読んでる本を閉じ、全速力でレミリアの元へ向かった。初めての妹だ、どんな子なんだろうか...と軽い緊張をしてるうちにレミリアがいる部屋の扉の前まできた。私は唾を飲み込み、扉をノックした。
「あら?誰かしら」
「エレナです、お母様。入ってもよろしいでしょうか?」
「あらエレナ?ちょうど良かった!今産まれたところよ」
扉を開け部屋にはいる。するとそこにはとてもとても可愛らしい赤ん坊がいた。羽も生えている。私より立派な羽だ。
「この子がレミリア?」
「えぇそうよ。エレナ、貴女の妹よ」
「私の...妹...」
うわヤバい、めっっっちゃ可愛い。何これ、天使?吸血鬼って悪魔って呼ばれてるはずなのに天使とは...まぁレミリアが可愛いからいっか!
「この子が...スカーレット家を継ぐ子なんですね」
「!」
ふと漏らしたその言葉にお母様が驚き、顔をしかめた。
「...聞いたのね?」
「はい。まぁ私としては当主なんてどうでもいいんですけどね」
「...ごめんなさい。でも私はエレナのことは変わらず愛しているわ」
「その言葉だけで十分です」
ホントに気にしてないんだけどなぁ...なんでこんな申し訳無さそうにしてるんだろ。まぁいい、今はレミリアだ。あぁ可愛い。今の私の世界一可愛いランキングでぶっちぎりの一位だ。『私の妹はこんなに可愛い!』って叫びたい。けどそれは迷惑が掛かるから止めておこう。
そんなことを考えながら私はレミリアと戯れていた。
Side:レミリア・スカーレット
私にはお姉様がいる。その名はエレナ・スカーレット。私の大好きな人だ。お姉様はいつも図書館にいる。たまに私が遊びにいくと、読み聞かせをしてくれたり、魔法を見せてくれたりする。
「レミリア、今日は何をしよっか」
「お姉様、私、お姉様の一番得意な魔法が見たい!」
「得意な魔法か...ちょっと待っててね」
そういうとお姉様は何か考え始めた。何をするんだろう、と思っていると。
「そうだ!」
そう言ってお姉様は手から霧のようなものを出した。その霧はみるみる弓の形をしていき、最終的には弓になった。
「お姉様凄い!ねぇこれはどんな魔法なの!?物を創る魔法!?」
「落ち着いてレミリア。これ、触ってごらん?」
そう言うので私は出来上がった弓に触ってみる。すると触った瞬間、その部分が霧となってしまい、また弓の形になった。
「これはね、『幻術魔法』って言うの。名前の通り、幻術を出す魔法だよ。物があるようにするけど、実際は無いから触ってもさっきみたいに触れないの」
「でもお姉様は凄いわ!こんなに簡単に魔法を使えるなんて!私もお姉様みたいになりたいなぁ」
「レミリアならきっとなれるよ、絶対にね。さて、読み聞かせでもしよっか」
お姉様はどこから出してきたのか、ちょうど私がギリギリ読めるような本を見せてきた。そしてお姉様は自分の膝を軽く叩いて言う。
「おいで、レミリア」
「うん!」
私はお姉様の膝の上に座る。実はこの時間が私の楽しみの一つである。大好きなお姉様の膝に座って、大好きなお姉様に本を読んでもらえる...はぁ、幸せ。この時がずっと続けばいいのに...
Side: エレナ・スカーレット
お父様から聞いたのだが、代々スカーレット家は大体二~三歳辺りで能力に目覚めるらしい。現在レミリアは二歳なのでそろそろ目覚める時期だろうか...。そう思い、読み聞かせが終わってからレミリアに聞いてみる。
「ねぇレミリア、貴女の能力についてなんだけど...」
「どうしたの、お姉様?」
「自分の胸に手を当てて、心の中で『私の能力は?』って聞いてごらん。そしたら能力が分かるらしいよ」
「うん、やってみる」
そう言ってレミリアはさっき言ったような仕草をする。暫くしてレミリアは呟いた。
「私の能力は...運命を操る程度の能力...?」
だから程度ってなんだよ...。運命を操る?すげぇな私の妹。程度ってもんじゃあ表せねぇぞこりゃ。
「運命を操る...どういうことか分かる?」
「うん、あのね、未来予知?ってやつなの。でもね、まだ上手く操れないから狙って予知することは出来ないかも」
「それは鍛えればなんとかなるよ。私も魔法はいっぱい練習したからね。レミリアだって出来るようになるよ!」
未来予知だってぇ!?神じゃねえか!超能力ってやつじゃん!流石私の妹だ!可愛いし能力チートだしもう最強じゃん...。
「あ、もうすぐお父様との訓練が始まっちゃうよ!お姉様、行こ!」
「もうそんな時間かぁ。うん、行こっか」
「あ、お姉様。手を繋いでも...いい?」
「うん、勿論いいよ」
手を繋いで練習場へ向かう私達。あぁもうレミリア可愛い。よし、今日はレミリアも見てることだし、お姉様張り切っちゃうぞぉ!
と、この時は平和に過ごしていた。...まさかあんなことが起こるなんて夢にも思わずに...。
なんとなく展開的に速いかな?と思っている部分もあります。なので疑問点とかありましたら感想等で教えてください。出来るだけ矛盾が無いようには心掛けてはいます。
というわけで次話もよろしくお願いします。
誤字報告ありがとうございました!(6.25.2018)