東方異血姉   作:エンゼ

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第二十三話 召喚

 Side: パチュリー・ノーレッジ

 はぁ...どうしようかしら。

 エレナから例の戦の際に図書館のことを任されてからずっと図書館にいるのだけれど...いかんせん一人で管理するのは厳しいわ。

 エレナはここにある本はほぼ読んで記憶してあるって言ってたわよね?...エレナっておかしくない?絶対能力持ってるわよね?暗記系の。

 

 ...そういえば、例の戦の時にエレナの申し出を聞くかわりに私の実験に付き合うって話をしてたわよね?そのタイミングって今じゃない?

 と言うわけでエレナを呼んだんだけど...

 

 

 

「やっほー来たよー!」

 

 

 

 ...まさか朝に来るとは予想してなかったわ...エレナって吸血鬼よね?

 

「どうしてこの時間に?」

「美鈴さんの修行が今さっき終わったから」

「...寝なくていいの?」

「大丈夫だよ、慣れてるし」

「貴方絶対いつか体調崩すわよ」

 

 あははー、と言いながらニコニコしてる。完全に聞き流してるわね。まったく...こっちは心配してるのに。

 

「それで...用事ってなに?」

「あれよ、あれ」

「あれって...あぁ、あれか」

 

『あれ』だけで通じるのね...適当に言ってみただけなのに。

 

「ほうほう、どんな実験なの?」

「実験って言うより...手伝って欲しいのだけれど」

 

 一息ついて続ける。

 

 

 

「『使い魔召喚魔法』を手伝ってほしいの」

 

 

「へぇ、『使い魔召喚魔法』か...って、え?」

 

 

 エレナは呆気にとられたような表情をする。本気で驚いてるみたい...

 

「...なんで?」

「図書館を管理するには一人じゃ厳しいのよ...今更だけど」

「ホントに今更だね...ってか、私大体の本の位置知ってるしさ、使い魔要らなくない?」

「エレナだって忙しい時はあるでしょう?私の都合で迷惑をかけるわけにはいかないわ」

「そんな...迷惑だなんて...」

 

 エレナはまだ納得してないようだけど、無理矢理話を進める。

 

「エレナは召喚魔法の知識はあるの?」

「え?あ、うん。一応はね」

「聞かせて貰える?」

「えっとね...召喚したいものに適した魔法陣描いて...適する呪文唱えて...適する魔力を注ぐってところかな?召喚したいものにそれらは依存するから...あ、後ね!ここは──」

 

 いつの間にかさっきの話題を忘れてエレナは色々と語り始める。なんていうか...こういうのってマニアって言うのかしら?小動物みたいで可愛いかも...

 ハッ、話が逸れてるわね。

 

「それで、それをやってみたいのだけれど」

「あ、そうなんだ。なら一番魔力消費が少なくて尚且つ最もポピュラーな『悪魔召喚』がいいと思うよ?」

「あ、悪魔召喚?」

 

 大丈夫なのかしらそれ...私に被害とかいかないわよね?

 

「まぁ、万が一の時は私がパチェを守るしさ。とりあえずやってみようよ!」

 

 こうして、悪魔召喚の準備が始まった。

 私はエレナに指示されるがままに魔方陣を描いていく。エレナが描けばいいと思ったのだが、契約者が私である以上描くのは私じゃなきゃダメみたいだ。

 

「んー...呪文は確かこうだね。多分」

 

 描き終わった瞬間にエレナがとある紙を渡してきた。エレナの手書きで呪文が書いてある。

 しかし長い...よく覚えてるわね、こんなの。

 

「さ、パチェ。やっちゃって下さいな!」

「え、えぇ...CぁWな?vL6c──」

 

 とにかく読んではみてるけど...意味不明過ぎないかしら?読み方合ってるか分かんないし...

 確認の意味を込めてエレナの方を時々チラチラ見てるんだけどニコニコしてて何も言わない。合ってるの?合ってるのね?

 段々呪文を続けていくうちに描いた魔方陣から赤い光が灯り始める。そろそろかしら?

 エレナはエレナで臨時戦闘体制に入ってるわね...心強いわ。

 

 

 さて、私が最後まで読み終えた後──

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!!やっと喚んでくれたぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ...は?

 

「喚んでいただきありがとうございます!いやー私、今の今まで契約者様に全く喚ばれなかったんですよ...喚ばれたとしてもすぐに追い返されるし...あ、そんなどうでもいい話は置いておいてですね!さて、契約者様!貴方様のお名前を──」

 

 これは...

 

「...ごめんなさいね。間違えたみたいだわ」

「いやいやいやいや!間違ってなんかいませんよ!私、悪魔です!正真正銘の悪魔ですよ!あ・く・ま!!」

「私の知ってる悪魔はこんなのじゃないんだけど...」

「...うん、確かに可愛い過ぎるよねー」

 

 エレナが戦闘体制を崩して私に便乗すると、

 

「なっ!?契約者様の敵ですか!?これが私の最初の仕事ですね?分かりました!さて─」

「待ちなさい、エレナは私の友人よ。攻撃するなんて許さないわ」

「エ゛ッ...申し訳ございません...」

「あははー...気にしないでよ。それで...悪魔さん、貴女の名前は?」

「あー...えへへ、実は...名前は無いんですよね」

 

 ...私は名も無き悪魔を喚んでしまったのかしら。あ、軽くだけど頭痛が...

 でも、この悪魔...スタイルはいいのよね。私よりも背は高いし。

 特徴は赤い長髪、エレナやレミィと似たような羽を持ってるぐらいね...まぁ、見た目だけなら悪魔なんだけど...

 

「うーん...折角だし、パチェが名前を着けてみたら?」

「...え、私が?」

「だって契約者はパチェでしょ?これからお世話になるんだし愛着が沸くようにって」

「そ、そうねぇ...」

 

 名前、名前ねぇ...この悪魔、性格は子供みたいなのよね...

 ん?子供みたいな悪魔...子悪魔...こぁ?

 

「『こぁ』...とかどうかしら」

「おぉ可愛い!!ねぇ、貴女はどう思う?」

 

 到底気に入るのは思えないのだけど...あれ?泣いてる?そんなに嫌だったの?

 

「多分違うよパチェ。あれ喜んでるよ」

 

 そうなのね...ってエレナ、ナチュラルに心読むの止めてくれないかしら。

 

「ありがとうございます...パチェ様!『こぁ』、頑張ります!」

「えぇ、よろしく...って何でパチェって呼んでるの?」

「え?エレナ様が契約者様の事をパチェ様と御呼びしてたので...」

「パチェは渾名よ。私の名前は『パチュリー・ノーレッジ』。呼ぶならパチュリーと呼びなさい」

「!はい!パチュリー様!!」

 

 ...性格上はなんとなく真面目そうだけどドジをしそうね...まぁ、大丈夫よね。

 

「うん!新しい家族が増えたね!皆が起きたら報告しないと!」

 

 エレナはもう既に歓迎パーティーの事を考えているようだ。これはフラン辺りが喜びそう...

 今日は特に騒がしくなりそうね。

 ...なんか色々と流された気がするけど、

 

 

「これからよろしくね、『こぁ』」

「はい!『パチュリー様』!!」




原作では『小悪魔』ですが、ここでは『子供みたいな性格をした悪魔』略して『子悪魔』ってことにしてます。

まぁこれから出すときは『こぁ』で出すので許してください()
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