レミリア、癒される。
Side: エレナ・スカーレット
『こぁ』が来てさらに色々あって時は流れて...流れて...何年経ったっけ?
「レミリアー、今私何歳だっけ?」
「...逆に聞くけど、私の年齢は?」
「490歳...あ」
...だそうです。
あ、それでね。なんかレミリアが紅魔館メンバーの皆に話があるらしいのよ。なんだろうねぇ...最近はここにやってくる人とかいなくてさ。美鈴さんも暇そうにしてるのよね。
レミリアは書類仕事が最近減ってきたみたいでフランと遊ぶ時間が増えてた。あそこは癒しよホントに。だって愛しの妹達が仲良く微笑ましく遊んでるんだよ?楽園だよあそこは。遊びの内容が戦闘ごっこじゃなきゃね。
まぁ、要するに皆が少しずつ暇になってきたの。それは私も例外じゃなくて...その時間は大体今まであんまり出来てなかった魔法の研究に費やしてるのね。お陰で新たな魔法、『転移魔法』が完成したわけですよ!
この魔法はね!ありとあらゆる物質を特定の場所へワープさせれる魔法なの!あ、これは生物も含むよ!
今はまだ小規模のワープしか行ってないけど...いつかこれが使える日が来るといいなぁ...
って、話が逸れたね。話かぁ...なんだろうな。そういえば最近私の力があんまり出せなくなったけど...それについてだったりするかな?いや、これは私自信の問題だろうしそれは無いか。
「話ってなぁに?レミリアお姉様ー」
「まぁまぁ落ち着きなさいフラン。後で『遊んで』あげるから」
「え!?分かった!落ち着く!!」
...いつから戦闘狂になったんだフランは。レミリアは...元からこうだった気がしなくもないかもしれない。
「オホンッ、話というのは他でもないわ...私達の力についてよ」
...まさかの予想的中だと...って、私達?
「皆も変な風に感じてたの?」
「お姉様もなのね...そうよ。これには原因があるの」
原因...ねぇ。なんだろ一体。
「私達吸血鬼や魔女は...どうやら人間に忘れ去られることで力が弱まるらしいの。このままなら、私達は完全に消え去ってしまうわ。現に私はその運命を『視た』もの」
...マジか。こんなことってあるんだなぁ...
皆はざわついているけど私は変に落ち着いてた。だって...今これを話してるレミリアが全く狼狽えてる様子がないから。
「何かあるんだね?」
「...察しがいいわねお姉様。そうよ、一応対策はある」
レミリアはパチェの方を見る。パチェはそれに頷き、とある本を開いた。
...初めて見る本だなぁ...ってことは私も完全には図書館の本を読み尽くしてないってことか。
「ここには、妖怪と人間が共存出来るとされる楽園...『幻想郷』について書かれてあるのよ」
『幻想郷』...ね。うん、人と妖怪が共存するなんてまるで幻想だ。名前の通りだね。
「そこに行くってことなの?」
「そう...そして、紅魔館はここに攻め入ることになったわ」
...え?うーんイマイチ理解出来ないかも。
「私としては乗り気じゃなかったんだけど...他の一族が、今世界に現存してる吸血鬼全てを集めて準備を整えてるらしいの。それに誘われたって感じなのよ」
...馬鹿なのかな?勝てるわけないじゃん...
だって『幻想郷』を作った...いわば世界を作った相手と戦うんだよ?しかも『幻想郷』には絶対他の妖怪とかいるだろうしさ...
なーんでそんな馬鹿なこと思い付いちゃったかなぁ...
私としては戦いの結果はもう見えてるし...戦いたくないけど、『幻想郷』には行かなきゃならない...それなら、今私に出来ることは...
「各自それに対する準備をしてほしいの。期限は一ヶ月後。それまでにね...じゃ、とりあえず解散」
解散になったし...うん、行こうか。
早速『転移魔法』が役立つとはね...うん、行こうか。『幻想郷』に。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
─同時刻 八雲邸
「紫様、妖怪と思われる謎の者が幻想郷に侵入致しました」
「あら、いつものことじゃない...わざわざ報告してきたってことは、何かあるの?」
紫、と呼ばれた人物は面倒くさそうにあくびをしながら、従者の妖怪、藍の話を聞いていた。
どうせ大したことはないだろう...と、どこかでそう思っていた。
「紫様に会いたがっているのです」
「...私に?」
...少し、ほんの少しだが興味が出てきた。
幻想入りしてすぐ私に会いたいだなんて...可笑しな妖怪もいるものね。
「まぁ、正確には幻想郷の管理者、なんですが...話がしたいそうなので」
「ふぅん...いいわ。ここへ連れてきなさい」
これは単なるきまぐれ。単なる暇潰し。たまたま興味が湧いただけ。
だけど...こんなに楽しみなのは何故でしょうね?
フフッ、今日はいつもより楽しい一日になりそうね。
紫は藍によって出されたお茶を飲む。
──たまには紅茶なんてものも飲んでみたいわね。
そう感じながら。
急展開はお馴染みです。
気にしたら負けなのです。