Side: エレナ・スカーレット
フランが生まれてから4年。現在私は19歳、レミリアは9歳、フランは4歳だ。私だけ歳の差すげえなぁ...。
あれから色々ありフランの能力が判明、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』だそうだ。ホンマに程度って何。まぁ元々フランが持ってた呪いの羽の影響でフランの部屋は地下になってたんだけどね。
ただ、地下だからと侮るなかれ。中は他の部屋の内装と変わらず、くっそ広い。私の部屋の二倍...いや三倍以上だ。だからなのか、フランには部屋からあまり出ないように指示されている。能力の関係もあるし致し方なし...と私やレミリアが諦める訳がない。能力が目覚めた2歳の時から私とレミリアとフランはその能力を制限出来るように訓練をしている。
具体的な一例は、ガラスのコップを握っても割れないように何回も挑戦するって感じだ。
...ここだけの話なんだけど、その頑張るフランと応援するレミリアがめっちゃ可愛いのよ。マジで。もうさ、ヤバイよね。うん、ヤバイ。しんどいわ。可愛すぎてさ。
「お姉様、どうしたの?今日も早くフランの所に行きましょ!」
「あ、あぁそうだねレミリア。行こうか!」
...こんなこと考えてるってバレたら引かれるな。間違いなく。お姉様自重しよ。
因みにフランの部屋に入る人には、万が一を考えて私の保護魔法を掛けてる。フランが生まれる時に紅魔館の全員に掛けたのと同じのね。だから従者さんとかたまーに私の所に来て魔法掛けてってお願いしにくるんだけど...その時になんかぎこちないんだよね。私としては従者さんとは廊下ですれ違ったら、ハイタッチして挨拶したいくらいなのに。
そんなこんなでフランの部屋に着いた。相変わらず重々しい扉だなぁ。
私は戸を叩く。
「フラーン?起きてるー?」
「あ!二人とも来たんだ!入って入って!!」
フランが扉を開けてくれる。...相変わらずよくそんな簡単に開けれるね...お姉様驚いてるぜ。
「いらっしゃい!エレナお姉様!レミリアお姉様!ねぇ、今日は何をして遊ぶ?」
「うーんそうだね。レミリアやフランは何がしたい?」
「そうね...私は特には無いわ。フランは?」
「私ね、おままごとがしたい!!」
「おままごとか...私は大丈夫だよ。レミリアは?」
「勿論オーケーよ。役はどうするの?」
「うーん...えーっとねぇ...」
フランが真剣に考えている。悩む姿もまた可愛い。
なんか...この場面を画像、もしくは映像にして記録に残せる魔法とか無かったかなぁ...。今度魔法開発でもしてみよう。
「エレナお姉様はお父様役ね!」
「え、あ、うん...って私がお父様役なの!?いいけど...」
「そしてぇ...レミリアお姉様はお母様役!」
「あ、あら?そしたらお姉様と私って夫婦役って事...?」
ん?レミリアの顔が赤くなってく?どうしたんだろ。熱でもあるのか?なんか私と視線合わせてくれないし...。
「私は二人の子供役ね!」
フランが宣言する。元気一杯な子供だねぇ...子供だけど。
そうしておままごとが始まったのでした。結局終始レミリアは目を合わせてくれなかったよ...お姉様悲しい。
「さて、おままごとはこの辺にして...レミリア、フラン、訓練やろうか!」
「えぇ!エレナお姉様、もっと遊びたい!」
「ダメよフラン。遊んだら訓練っていつも言ってるでしょう?それに、終わったらまた遊べるだから...我慢しましょう?」
「ぐぬぬ...」
ふむ、レミリアのしゃべり方変わった?今更かも知れないけど、少しお嬢様っぽくなったような...お父様から指導されてんのかな。
「...分かった。でも終わったらちゃんと遊んでね?約束!」
「うん、約束ね。じゃあ始めよっか」
私は指をならし、ガラスのコップを出す。因みにこれは幻術じゃない。『物質生成魔法』で即興で作った物だ。さらにこの魔法で作るものの強度も弄れる。今作ったのは、めちゃめちゃ固いやつだ。
「相変わらずお姉様の魔法はすごいわね...。図書館にある本の魔法、大体使えるんでしょ?」
「まぁね。私、基本暇さえあれば本読んでるから」
「ねぇエレナお姉様!今度私にも魔法教えてくれない?」
「勿論いいよ。さ、とりあえずこれを使ってやってごらん」
コップをフランに差し出す。フランはコップを握るが...5秒で壊れてしまう。
「最初は五秒か。昨日は最高一分は持ってたから、今日は二分を目指そうか」
「フラン、頑張ってね!」
「う、うん!二分かぁ...よし頑張る!」
この調子じゃいつまでたっても常に制限出来ないだろって?そんなことはない。どれだけかかってもいい。どれだけ失敗したっていい。それだけの時間を私達はもってるんだから。
そして訓練は意外とすんなり終わり、フランのおままごとが再開したのだった。
フランとの遊びも終わり、規定時間終了になったのでフランとは別れ、私は自由に過ごしている。レミリアは多分お父様から次期当主としてのマナー指導みたいなのがあってるはず。因みに以前規定時間外でこっそりフランの部屋に行こうとしたら見つかってしまい、めっちゃ怒られた。少し解せないところはあるがとりあえずは規定時間外はフランの部屋に行けないってことになってる。
って訳で私は今私は図書館にいる。まぁ暇な時はとりあえずここにいれば間違いないしね。
私がいつも通り本を読んでいると、
「エレナお姉様ー!」
...あーれれぇ?おかしいぞぉ?フランの声が聞こえるぅ。
あ、そういえば流石にフランを軟禁ってのは可哀想だから部屋から一番近い図書館までは行動が許されてたんだっけ。くそぉお父様め。私がいつも図書館にいるからってフランの面倒押し付けたな?まぁ別にいいんだけどね!可愛い妹の面倒見なら寧ろカモンだけどね!
「フラン、図書館では静かにね。本を読んでる人が集中出来なくなっちゃうから」
「でもここにはエレナお姉様しかいないわ!」
ふむ確かに。だったらいい...のか?
「それよりエレナお姉様。何か本読んでー!」
「本?そうだねぇ...今ここで簡単な魔法を教えることも出来るけどどっちがいい?」
「やっぱ魔法教えて!私もお姉様みたいに魔法使えるようになりたい!!」
フランは何の魔法がいいかな?これから暇さえあれば教えるつもりだけど...うーん、迷うなぁ。
「ねぇエレナお姉様!私、これ作りたい!!魔法で出来るでしょ?」
そういってフランはある絵を見せてきた。それは私も武器の一つとして扱っている、『レーヴァテイン』だった。...てかどこから北欧神話の本取り出してきたの?
「...じゃあ『物質生成魔法』がいいかな?この魔法は簡単だからすぐできるよ」
「ホント!?じゃすぐやるー!」
「んじゃここにその資料置いて、魔力を沢山与えてみて」
そういって私が指す所は、私が五秒で描いた魔方陣だ。もう慣れちゃって描くのが作業と化してる。
「うん、やってみる...えい!」
フランが本を置いた後、そこに魔力を与える。勿論フランの魔力だけじゃ足りないとは思うので私も気付かれないように魔力を与える。すると魔方陣が光だした。
「エレナお姉様!なんか光だした!」
「よし、もうすぐ何か出るよ!」
光が図書館全体を包む。その後だんだん光が明けてきてきた。私は魔方陣を確認する。そこには...黒くて時計の針を曲げたような何かがあった。
「うん、成功だね!」
「何これ...ぐにゃぐにゃ曲がるよ?」
「それが『レーヴァテイン』だよ」
そう言って私は指をならし、フランが持ってるものと全く同じものを出す。それとさっきの資料のレーヴァテインと比較してみる。
「ホントだ...ところでエレナお姉様、さっき私は模様みたいなのから出したのに、何でエレナお姉様は指を鳴らすだけで出せるの?」
「一回作ったものはすぐに生成出来るからね。でも初めて作るものはさっきみたいに模様を使って出すんだよ。フランももう指をならせばすぐに出せるようになるよ」
「これを無くしたいときはどうするの?」
「それも指をならせば大丈夫。さて、やってごらん」
フランは指をならしてみる。するとレーヴァテインは消えた。またならすと、レーヴァテインが出てくる。
「面白ーい!キャハハ」
「あ、やり過ぎには気をつけて。一回一回魔力を使ってるからやり過ぎたら気分が悪くなるよ」
「ねぇねぇエレナお姉様!これ使ってみたい!ねぇ戦いごっこやろー?」
そんな忠告を無視してフランは遊ぼうと言ってくる。上目遣いは止めてほしい。萌え死にしちゃうから。
「いいけど...図書館ではやりたくないかな」
「じゃあ私の部屋でやろ!ほら行こ行こ!!」
ヤバいな。規定時間外でフランの部屋に行ったらまた怒られる。でもここで断ったらフランが悲しむ。私が怒られるかフランが悲しむのを見るか...よし、怒られたほうがいいな。行くか。
「フフッ、そうだね、行こっか!」
私とフランは手を繋いでフランの部屋へ向かった。
続きます。次は『戦いごっこ』の話になります。
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