世界を紡ぐために   作:しまらくだ

18 / 21
自分が更新滞っている間に三期のPVが更新されましたね。

主題歌とかは別の方が歌うであろう事は予想してたので、そこは全然気にしてなかったのですが、一点だけ思った感想がありました。

テッラどうした?ww
この感想を持ったのは自分だけではないのではないでしょうか。


差異

「良くくっついたもんだね。君の身体って実は以外とファンタジーだったりする?」

 

カエル顔の医者が心の底からの感想を述べていた。

 

「って言うか、くっつけたのは先生でしょ?」

 

上条当麻(かみじょうとうま)はくっつけた本人である担当医がそんな事を言うものだから、思わず呆れ気味に突っ込んでしまう。

アウレオルスの黄金錬成(アルス=マグナ)によって綺麗さっぱり切断されてしまった。

幸いと言うべきかあまりに綺麗に切断されたため、細胞等は傷ついていなかったらしい。

故に現在固定のためにキプスこそ付けているが、問題なくくっついたらしい。

それを成し遂げる辺りは流石【冥土返し(ヘブンキャンセラー)】とまで言われる医者と言うべきだろう。

 

「しかし・・・」

 

その医者が今度は少し呆れ気味の調子で・・・

 

「一〇日の内に二度も入院して来るなんて、看護師さんの間でも流石に噂になっているみたいだね・・・もしかして君ナース属性の人?」

「何ですかそれ?そんなもんのためにわざわざ腕を切る訳ないでしょ」

「なんだ、同好の士じゃないのか」

 

そんな事を言い残し、医者は病室を出て行った。

 

「・・・まさかナース目当てで医者になったとかじゃないよな」

 

上条当麻(かみじょうとうま)がそんな事を言っていると医者と入れ替わりでステイルが入ってきた。

 

「う~ん、見かけよらず名医なんだな。あの医者」

「らしいな・・・って普通に入ってきたな、お前は」

 

そんな上条当麻(かみじょうとうま)の反応を見てステイルは思わずため息をついた。

 

「日和るつもりも馴れ合うつもりもないが、事の顛末くらいは伝えておこうというついでに形だけもお見舞い来てあげた人間に対しての反応ではないな」

 

そう言うステイルの手には見舞いの果物が握られていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(何とも言えない光景だな)

 

結弦は依然と同じように隠れて上条当麻(かみじょうとうま)の病室にいたのだが、それが感想であった。

上条当麻(かみじょうとうま)はギブスを付けた状態で病院のベッドにおり、その隣でステイルがりんごの皮を向いている。

別にそれ自体は至って普通の光景だが、二人の関係上から見れば、何とも言えない所だろう。

 

「・・・」

 

上条当麻(かみじょうとうま)はどこか浮かない顔をしていた。

 

「どうした?・・・あの竜の事か?」

 

竜とはアウレオルスが気を失う際に上条当麻(かみじょうとうま)の右腕から現れたドラゴンの事だ。

 

「あれが、アウレオルスが最後に感じた絶望の形だったんだろうね」

 

アウレオルスの黄金錬成(アルス=マグナ)は考えた事を現実にしてしまう力だ。

あの最後に出現したドラゴンはその黄金錬成(アルス=マグナ)によって作られた物なのだろう。

 

「・・・アウレオルスはどうなったんだ?」

「・・・アウレオルスはドラゴン(あれ)を物理的な物ではなく、精神的な物だと思ったようだ。記憶を失っていたよ。魔術も使えなくなっていたよ。あの状態の人物に止めを刺すのも寝覚めが悪いから顔形を変えて野に放ってやったさ。十三騎士団の目を盗むのには少々骨が折れたが、まぁ、大丈夫だろう」

「・・・そうか・・・」

「三沢塾も閉鎖される事になったそうだ」

「・・・」

 

ステイルから事の顛末を聞いた上条当麻(かみじょうとうま)は何を思ったのか少しの間空白の時が流れた。

そんな中、口を開いたのはステイルだった。

 

「一応今回の件は礼を言うつもりではあったが、よくよく考えるとなんか馬鹿らしいんだよね。君がやった事って結局はアウレオルスを自滅させただけなんだから」

「ふん。この上条当麻(かみじょうとうま)の素敵演技力に感謝する事だ。何たって右腕一本切り落とされた状態でその激痛に耐えながらアウレオルス(やつ)を震い上がらせるに足るだけのハッタリをかましたんだからな」

「激痛で感覚が麻痺していただけだろう。アウレオルスが鍼を使って自身をハイににしていたのと同じようなものさ。そもそもあれが君だけの力だと思っているなら大間違いだよ」

「・・・どういう意味だよ?」

「いくら君が演技したからってそんなすぐに効果が出ると思っているのかい?」

「は?」

 

上条当麻(かみじょうとうま)は最初言っている意味が分からなかった。

 

「理解が追いついてないようだから分かりやすく結論を伝えようか。僕が魔術を用いてアウレオルスの目測をずらしたんだよ」

 

それを聞き結弦は納得がいった。

ステイルの言う通り、上条当麻(かみじょうとうま)の演技で自滅に追い込んだにしろ、黄金錬成(アルス=マグナ)の効力に歪みが生じるのが速すぎると思っていた。

その答えがこれだった訳だ。

 

「えっ!?って事はお前が何もしなければ・・・」

「今頃君は死んでいただろうね」

 

そう言いながら、皮がむけ終わり、一口サイズに切り終わったリンゴをステイルは上条当麻(かみじょうとうま)に向け差し出した。

それを見て、上条当麻(かみじょうとうま)は驚いて顔をしていたが、それから少ししてから落ち付いたのか、リンゴに対し若干嫌そうな顔を一瞬みせたが、せっかく自信のために用意してくれたものだ考え直し手を伸ばしたが、嫌そうな顔を見て考え直したのか、始めからそのつもりだったのか、リンゴの皿を引っ込め自身の口に放ったため、上条当麻(かみじょうとうま)の手は空を切った

 

「・・・それでもあんな奴とは一緒にするな!女の子一人救うためにおかしな魔術を身に付けて、居るかどうかもわからない吸血鬼なんかに・・・」

 

上条当麻(かみじょうとうま)はリンゴの事も含め八つ当たり気味に不満をぶつけるかのようにステイルの発言に反論していたが、徐々に弱々しくなっていた。

 

「・・・三年前のパートナーか・・・」

(やっぱり複雑だろうな)

 

上条当麻(かみじょうとうま)がその意味を噛みしめるに呟いてから、又一時の静寂が訪れていたが・・・

 

「とうま~~~」

 

病院の外から上条当麻(かみじょうとうま)を呼ぶ声が聞こえ、三人共が反応した

 

(この声はインデックスさんか・・・)

 

結弦がそう思った次の瞬間、病室の窓が開き、ステイルがいなくなっていた。

 

(やっぱり顔は合わせづらいのか)

 

結弦がそんな事を考えながら、ふと笑みを浮かべているとインデックスが病室へ入って来て上条当麻(かみじょうとうま)に詰め寄っていた。

 

「とうま!」

「な、何?」

「今回はあいさのために戦ったんだって?」

「あ、あいさ?」

 

上条当麻(かみじょうとうま)は唐突のだった事もあり、話題についていけてないようであったが、少し考えてから、思考が追いついて来たようであった。

 

「あ、ああ。あの電波系エセ魔法使いね。ってお前それ誰に聞いたんだよ!」

「決まってるんだよ」

 

上条当麻(かみじょうとうま)は何気なく言っただけであったが・・・

 

「電波・・・じゃない」

「姫神!?」

 

先程の上条当麻(かみじょうとうま)の電波発言を気にしてしまっていた。

 

「あ~いや~何でお前がインデックスとここに?」

 

上条当麻(かみじょうとうま)が言葉に詰まって、逃げるように今の状態について訪ねたらインデックスから回答が飛んできた。

 

「一緒にお見舞いに来たかった訳じゃないんだよ。ただあいさがどうしてもお礼がしたいって言うから」

「どうして・・・」

 

姫神秋沙(ひめがみあいさ)は本当にわからないと言わんばかりに続ける。

 

「どうして、たった一度ファーストフード店で知り合っただけの私のために・・」

「助けるのに理由なんていらねぇだろ」

 

即答だった。

まるで人として当たり前の事をした。

そこに疑問の余地もないかのように・・・

 

(理由は要らないか・・・それは同感だけど、即答とは・・・)

 

結弦は素直に関心していた。

結弦も基本的なそう言った部分での価値観自体は似ている。

しかし、結弦の場合少なからず計算が入るが、上条当麻(かみじょうとうま)にはそれがないのだ。

行う行動は同じであってもその本質が大きく異なる。

だからこそ、羨ましくもあった。

自分もそんな風に出来たらどんなに良いことかと・・・

 

「そうだ、とうま!」

「うん?」

「二人で話し合った結果あいさは教会で預かる事になったんだよ」

「教会?・・・おい、ちょっと待て。それって『歩く教会』の教会ってオチじゃないだろうな?」

 

上条当麻(かみじょうとうま)がその疑問に不安を感じていると、インデックスの胸元から以前の猫が飛び出て上条当麻(かみじょうとうま)に飛びかかっていた。

 

「あっ!ちょっとスフィンクス」

「痛っ!つうか病院に猫連れ込むな!」

 

そんな光景を見て静かに微笑む結弦と姫神秋沙(ひめがみあいさ)がいた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっぱりいないか」

 

結弦は上条当麻(かみじょうとうま)達が落ち付てたを見届けた後に、病院の外にいた。

先程インデックスから逃げるように病室を出て行ったステイルを追ってきたのだが、もう既にすぐ見つかる場所にはいなかった。

以前と同じように探す事も可能であるが・・・

 

「一先ずはクロウリーさんの所かな」

 

今回結弦は上条当麻(かみじょうとうま)は勿論、ステイルにも存在を明かしてはいない。

故に会ったところで大した話は出来ない。

あくまで様子を見に来ただけだった、あわよくば()()()()()()はあったが、難しいだろうとは考えていた。

 

「・・・」

 

結弦はふと周りを見渡した後、踵を返した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どう感じた?」

 

窓のないビルに到着し、今回の件をアレイスターに報告を終えた後のアレイスターの第一声がそれだった。

 

「それは何に対しての質問ですか?」

「そちらが感じた感想を聞いているだけだ。捉え方は任せよう」

「・・・実力不足は感じましたね。今回はどうにかなりましたが、運が良かったのもありましたしね」

 

結弦は今回アウレオルス=ダミーと戦った。

結果的には無事どうにかなったが、相手が冷静さを欠いていたことや戦闘場所など、結弦にとって有利と言える条件が重なった事が大きい。

例えば相手が冷静であれば、結弦の戦略に対応されていたかもしれない。

例えばコインの表裏もない場所で戦っていれば、壁や地面を純金に変換され逃げ場を失っていたかもしれない。

いや、そもそも戦う相手がアウレオルス本人や以前出会った神裂だったらその時点で終わっていた可能も十分にあったのだ。

 

「・・・クロウリーさん」

「どうした?」

上条当麻(かみじょうとうま)・・・いや、【幻想殺し(イマジンブレイカー)】の成長を促すために試練を与えているのは予想がつきますが、自分も一緒に試練を与えられてます?」

「試練とはどうも誤解がありそうではあるが、『観測者』の話を出した際に成長の促進も伝えたはずだが?」

「・・・そうでしたね」

 

結弦が聞きたい本質は違ったが、これ以上は時間の無駄だと考え話を切り替えた。

 

「しかし、黄金錬成(アルス=マグナ)か。安定はしないかもですが、随分脅威になる魔術があるものですね」

「そうだな。科学サイド(われわれ)も悠長にしていられないな」

「・・・」

 

結弦は何かを考えているようであった。

 

「どうかしたのか?」

「いえ、何でもないですよ」

 

結弦はアレイスターに聞かれ、頭を切り替えた。

 

「そういえば今回の追加報酬でお願いしたい物があるんですが・・・」

 

アレイスターには現時点で敵わない上、こちらの考えがばれているのかも知れない。

しかし、だからどうしたと思う。

それならば、それを考慮した上で動くだけである。

アレイスターは様々な事を駒として利用するつもりのようだ。

確かに手の上で踊らされるだけのつもりはない、しかしだからといってアレイスターを悪いように利用するつもりはないのだから・・・

 

 




吸血殺し編終了です。

以前書いた毎日500字はなかなか難しいですが、地道に書くようにしてから結構楽になったので、この調子で頑張っていきたいと思ってます。

実はこの吸血殺し編の終わり方は変える構想もあったのですが、変えた場合と変えなかった場合のメリットとデメリットを天秤にかけたら変えない場合が良いと結論に至りました。
何を変える構想があったのかはお伝えする機会があればお話しますというか、話の中で触れそうな気もしますが・・・

このSSは原作既読推奨ではないので本編で触れない所は必要に応じて補足していくつもりなのですが、補足を忘れていた所があったので、『偽物』と『黄金錬金』のあとがきに補足を追記していますが、原作既読済みの方は読まなくても全く問題ありません。

また次もよろしければよろしくお願い致します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。