禁書の方では絶対能力者編とも言われますが、妹達編にしたのはただの好みです。
特に深い意味はありません。
噂
八月十日
三沢塾の一件が解決し、
そして、報告を終えたその次の日、息抜きに結弦は街中を散歩していた。
結弦は『観測者』という立場であるが、それ以前にここ学園都市に住む学生の一人である。
しかも、つい先日一歩間違えば命を落としていた死線をくぐったのだ。
リフレッシュも必要とするというものだろう。
「ふ~~~。たまに息抜きしないと身体がもたないからね」
結弦は思わず背中を伸ばしながら、辺りを見渡す。
「流石は夏休み。昼間なのに学生が多いな」
現在夏休み中と言う事もあり、普段であればそれぞれの学校に居る時間にも関わらず、街中には学生と思われる人々が多くそこら中を行きかっていた。
「・・・よし。自分も今日は自由に過ごしますか」
そう言い、結弦は止まっていた足で再び歩を進め始めた。
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「ありがとうございました~」
結弦はファミレスから出て来ていた。
結弦はふと改めて腕時計を見ると午後二時を過ぎていた。
「少し長居しすぎたかな。まぁ、リフレッシュにはなったし、後は買い物して帰るかな」
帰るには少し早い時間ではあるが、外をぶらつき気分転換には十分なったので、後は家でのんびり過ごそうと考え、足をスーパーに向けたのだが、ふと人が目に入り足を止めた。
目線を先には路地裏から出てきた人がいた。
別にその人自体は知り合いだった訳ではない。
ただ違和感を感じたのである。
(・・・
多すぎるのだ。
別に路地裏から人が出てくる事自体には何とも思わない。
そういった道を通って近道するなど事は割とよくある話であるし、いちいちそれを怪しいとは思わない。
しかし、今日外を歩いていてもう一〇人以上の人を見かけている。
しかも、同じ場所から二~三人出てくる所まであった。
ただ抜け道に使っているだけにしては少し違和感があるのである。
(考えすぎ?何かあるとか?・・・そう言えば・・・)
結弦は立場上、学園都市の情報は自主的にも集め、目を通すようにしていた。
何があるか分からない以上、それは噂話等も一通り確認するようにしている。
火の無い所に煙は立たないとも言われる以上噂話も馬鹿にならないからだ。
そんな結弦がふと一つ以前見た噂話を思い出した所で声をかけられた。
「お~空目じゃねぇか」
「ん?」
自分の名前が呼ばれ、振り向くとそこには体育会系の男が爽やかな笑顔を浮かべ結弦に手を挙げていた。
「誰かと思えば
『
結弦と同じく星間高等学校通う高校一年生で、学友の中では特に仲良くしている一人である。
性格は体育会系っぽい見かけ通りで考えるより、身体が動くタイプであり、芯はしっかりしており、総じて良い奴と言われる部類の人間である。
その性格も影響してか
何故なら、その理由というのが、恋である。
中学時代にふとしたことからとある風紀委員の女の子に助けて貰い、その女の子に一目惚れをした事から風紀委員になったという経歴を持っていた。
とは言っても、誰でもって感じではなく、件の女の子を一途に想っていることや風紀委員の仕事は真面目にこなしている事からも根の真面目さが伺える。
因みにその件の女の子は古鉄所属の支部の支部長だったりする。
「こんな所で何やってんだよ?」
「息抜きがてらの散歩。と言っても後は買い物して家でのんびりするつもりだったけど。そう言うそっちは・・・風紀委員の仕事?」
結弦がそう聞いたのは、古鉄が左腕に風紀委員の腕章を付けていたからだ。
いくら風紀委員に所属しているからと言って、常に腕章付けてる訳ではない。
そもそも腕章はその権限や立場を使う時しか基本付けないからだ。
それを付けている以上は仕事中なのではないかと考えた訳である。
「まぁな」
「パトロール?それとも何かあった?」
肯定の返事が素直に帰ってきたため、興味本位で詳しく聞いみた結弦であったが、古鉄も特に隠す事でも無いのか現状について説明を始めた。
「両方だな。何かあったからパトロールしてる感じだな。お前噂話とか詳しいか?」
「特別疎くは無いとは思う」
「最近街の様々な所にマネーカードが拾われているのは知ってるか?」
「少し前にネットでチラッと見た覚えはあるかな、なんか路地裏とかそういう所によく落ちてるとか落ちてないとか」
実は先程結弦がふと思い浮かんだのもその噂だった。
結弦がその噂を最初に見たのは一昨日アレイスターに呼び出される少し前の事だが、どうも路地裏などのあまり人目に付かない所に入った金額はどうもまちまちのようだが、マネーカード拾ったという発言がいくつか書かれた掲示板を目にしたのだ。
「それがどうかした?増えてるとか?」
「まさにその通りだな。ここ数日で報告件数が増え続けてるな。ネコババしてるやつもいるだろうから、下手すると報告の数倍はあるかもな」
「そこまで来ると人為的な可能性も高そうだけど・・・その人物を探してるとか?」
「まぁ、目的を知りたいという意味ではそれもあるが、第一目的は違うな。マネーカード目的で暴力にまで発展してるんだ」
「あ~なるほど」
古鉄の説明を聞く限り、マネーカードが落ちている事はすでに結構広まっているのだろう。
そんな事が分かれば小遣い稼ぎでマネーカードを探す輩も出てくるだろう。
それだけなら大した問題ではないだろうが、次は他人が拾った物を力ずくで奪う輩まで出てきているだろう。
しかも、基本的にマネーカードは人目につきにくい場所で発見されている事を考えるとそういう事をするにはうってつけと言えるだろう。
「それはご苦労様」
「仕事だからな。まぁ、お前も巻き込まれないように気をつけろよ」
「そのために教えてくれたのか。了解、ありがとう」
「そういう事だ。んじゃまたな。」
別れの挨拶を済ませ古鉄は仕事へと帰っていった。
「・・・マネーカードね~」
結弦は先程古鉄から聞いた話を思い返しながら、携帯で掲示板を見返していた。
(確かに随分話題になってるな・・・聞いた通り人目につかない所での発見が多いというか確認できる範囲ではその手の場所での報告しか見当たらないな)
その後も一通り目を通したが、特に目新しい情報はなかったため携帯をしまい、考えを纏める。
(ここまで多いとまず人為的な物なのはおそらく間違いないけど、目的は何だ?お金持ちが遊び感覚で落としてるってのもなくはなさそうだけど、可能性は低い気がするな)
結弦は少し思考を巡らせるが・・・
(駄目だ。可能性を考えるにしても情報が少なすぎるな。・・・少し気になるし調べるか)
別に今回はアレイスターからの依頼は受けていない。
しかし、立場上情報はいくら持っていても困るものではない。
何より
あの事件も全容は後で調べて知ったのだから・・・
「さて、まずは実物の入手からだろうから宝探しと行きますか」
そうして、近場の路地裏へと足を進めた。
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「ふ~気づけばもう日が暮れてる・・・」
その後、結弦は近場の路地裏等の人目につきにくい場所を周り、マネーカードを探した。
そうこうしている間に日が暮れていたとなっていたが、その結果、手には二枚のマネーカードが握られていた。
「しかし、案外簡単に見つかったな。すでに発見報告も多いしそう見つからないかとも考えてたんだけどな」
結弦は改めて自分の手にあるマネーカードに目をやる。
(見た目的には至って普通のマネーカードだな。あくまで今は外見しか判断材料がないけど、少なくとも外見では何か仕掛けがあるように見えないか・・・。入ってる金額はまちまちって話だったよな)
ふとマネーカードに能力を使って光を照らしてみたりもしたが、特に変化も無かった。
(まぁ、これ以上は帰ってからかな。と言っても自宅で出来る事も大した事もないけど、次の報酬辺りで情報の権限を貰おうかと思っていたけど、やっぱり
結弦は改めて自身の現在の立ち位置を思い出しながら、マネーカードをポケットにしまい、帰宅前に寄ろうと思っていると・・・
「ホントだって」
そんな声が聞こえた。
聞いた時は
「ションベンしようと路地に入ったら、女が
結弦が自宅に帰るのはまだ後になるようであった。
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結弦は先程話していた武装無能力集団の集団に廃ビルに来ていた。
どうも封筒を落としている人物をこの廃ビルに入っていくのを見たとの事で結弦も隠れてついて来たのだ。
話していた通り封筒を落としていた張本人ならば目的を知る事が出来ると考えているのだが・・・
「・・・」
結弦は前の集団と異なる人物に目がいっていた。
(御坂さん・・・)
結弦が結弦が尾けているその少し先に美琴も武装無能力集団の集団を尾けているのだ。
結弦は能力で姿を消しているため、おそらく美琴にも存在がばれていないため、どうしたものかと考えていた。
(まぁ、噂自体はもうかなり広まっているみたいだし、白井さんっていう情報源になりそうな人までいるんだから知っていても不思議はないけど、どうしたものかな。何かあったら手を出すつもりだったけど、おそらく御坂さんもそうするだろうし、一人で事足りるよな。知らない仲でもないし情報共有に話しかけても良いけど・・・まだもう少し様子このままでいるか)
そう結論付けた自分に対して少し呆れた自分もいたのだった。
結弦がそんな事を考えていると中のとある部屋に着いたようだった。
「ハーイ、お邪魔しますよー。大人しくしてくれりゃ乱暴しねーからよォ」
中を覗いてみると白衣を着た少女がいた。
(見た感じ学生・・・白衣着てるって事は研究者だよな?)
「何か用かしら?」
「オマエがバラまいてる例のカード、オレ達がもらってやろうと思ってさ」
「変な事しないようにこっちで調べるから大人しくしてて貰うぜ」
そう言い、一人が少女の鞄を取り上げ中を探り、一人が白衣を脱がせて制服を探していた。
「鞄の中は二枚しかねぇぞ」
「制服にも入ってねぇな」
「ちっ!せっかく来てこれだけじゃ割に合わねぇぞ!他はどこにある?」
「ここにはないわ。eqaul、手持ちはそれだけよ」
「この状況やけに冷静だな・・・まさか能力者か!?」
「ふん、この人数をどうにか出来る能力者なんてそうはいねぇよ。それよりどこかに隠してるだけかもしれねぇ。探すぞ」
武装無能力集団は一人を少女の見張らせ、部屋内の家捜しを始めた。
すると、少女は見張りをしている男に何か耳打ちした次の瞬間・・・
「ぎゃああああああ!!」
男は悲鳴を上げ気絶してしまっていた。
「な!?何が起こった?」
「やっぱりそっち何かの能力者か?」
男達は戸惑っているようであったが・・・
(能力・・・ね。流石は長点上機の学生さんだな)
学園都市の中でも5本の指に入る名門校であり、 能力開発においてナンバーワンを誇る超エリート校。
しかし、能力以外でも突出した一芸があれば高位の能力者でなくともやっていけると言われており、学園都市のエリート校では珍しい側面を持つが、どんな形であれエリートに分類される学生が通っている学校である。
武装無能力集団に白衣を脱がされ、制服姿見えた段階で結弦は気づいていた。
「もう女だからって容赦しねぇ」
「ぶっ潰す!」
仲間をやられ残った者はやる気になっているとうだが、結弦はおそらく手助けは必要ないだろうと考えていた。
先程も彼女は能力なんて使っていない。
気づけば辺りの照明が消された。
結弦は彼女がしたのだろうと考えながら、能力を用いて自身だけ見えるよう調節し成行きを見守っていると、予想通り少女は演出と話術だけで武装無能力集団を無力化してしまっていた。
(不良の撃退くらいならやり方次第でどうとでもなるって所かな)
結弦が感心していると、美琴は姿は表す事にしたのか拍手を送っていた。
「いや~面白い者を見せて貰ったわ」
しかし、少女は美琴に特に驚い様子はなかったが、見定めるように凝視していた。
「・・・何?」
美琴も何事かと思い尋ねると、少女から確認なのか一人事なのか分からないトーンで言葉が帰ってきた。
「あなたオリジナルね」
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「(オリジナル?)」
美琴も結弦も意味が分からなく問い返す。
「あなたも聞いた事くらいはあるでしょう?『
「!?あんたあの噂について何か知ってんの?」
美琴はそれを聞き、掴みかかろうかという勢いだったが、そんな美琴に少女は持っていた鞄の角で頭を叩いていた。
(うわ!痛そう・・・)
「あなたは中学生、私は高校生。長幼の序は守りなさい」
「・・・あの噂の出所について何かご存知なのでしょうか?」
「あなたよりはね。私がいた頃とは目的も内容も随分変わってようだけど」
「?」
「知っても苦しむだけよ。あなたの力では何も出来ないのだから」
「っつ!私は何を知ってるのを聞いてんのよ!それにその言い方アンタだったら何かdぉゴフぅ」
突っかかっていく美琴に今度は蹴りをヒットさせていた。
(あはは・・・)
「私だって微々たるものよ。マネーカードを撒くのもそう。死角を潰してるの」
「?」
「もしかしたらそれでそこで行われる
(実験?)
「でも、私自身が尾行されるとは迂闊だったわ。まぁ、面倒な事になる前にてが打てたと考えましょう」
そう言いながら、少女は机の引き出しから何かの資料を取り出し、燃やし始めていた。
「ここも勝手に間借りしていただけだし、さっさと退散しましょう」
「え?え!?ちょっと待って・・・下さい。何の話をしているの?」
美琴は話を淡々話す少女についていけなかったのだろう。
少女の肩を掴み制止を試みるがぞれが良くなかった。
肩を掴まれた勢いで少女が持っていた燃えていた資料を落としたのだ。
「「(あ!)」」
この場にいた全員の時が一瞬止まった。
先程の武装無能力集団でのやり取りでの家探し等で部屋に散らばっていた紙等に燃え移ってしまい、火が大きくなっていっていた。
「indeed、証拠を隠滅するなら全て消してしまおうと」
「ちがっ!」
(これはまずそうだな)
そう考えた結弦は部屋の入口から少し離れ、能力を解除した。
その上で再び入口の方へ近づいて行った。
たった今ここを通ったように装ったのである。
「知ーらない。why、あなたここにいるの?」
結弦は部屋から出て行こうする少女と鉢合わせた。
「いや、あなたを武装無能力集団が追いかけてるのを見かけたんですが、同時に御坂さんも見かけたので、自身の用事を優先させたんですが、やっぱり気になってしまって戻ってきたんですが・・・って火事になってませんか!?」
「so、私は行くから」
「えっ!ちょっと・・・」
そう言いながら少女は本当に行ってしまった。
(本当に行った・・・倒れてる人達は放置なのか?)
結弦がそんな風に唖然としていると、美琴から声がかかった。
「そこのアンタ!ちょっとこいつら運び出すの手伝って!」
美琴のその声を聞き意識を戻され、その後は美琴と二人で気絶した武装無能力集団を建物から運び出したのだった。
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「なになに火事?」
「ボヤだって」
結弦と美琴で武装無能力集団を無事運び出す事には成功したため、怪我人や死人といった部分での大事にはならなかったが、上がった火の手はかなり大事になっており、野次馬のかなり集まっていた。
武装無能力集団をビルの裏手に放置した上で、二人してどこか気まずさがあり、無意識にこそこそしながら、現場から離れていた。
「ふ~ここまで来れば一先ずは大丈夫そうね」
「そうですね」
ある程度一目から離れたタイミングで一息つく。
「それにしても助かったわ。
「どういたしまして。って言っても大した事はしていませんし、何よりある意味最初見て見ぬふりした身なので何とも言えないんですけどね」
「目の前出来事から逃げるよりはマシなんじゃない?」
「そう言えば、一緒にいた方は?」
「そうだ!あのギョロ目!!私まだ用事があるから、ホントありがとう」
「・・・」
そう言い、美琴は駆け足で行ってしまう。
結弦は美琴が背中を向けある程度距離が離れたタイミングで追走を開始した。
あの少女を探す事も可能だが、おそらく美琴に追いかけた方が情報が手に入ると考えたからだ。
しばらくすると美琴は電話ボックスに入り携帯端末を取り出し接続し始めた。
そして、美琴が目を瞑り少しすると、携帯端末に長点上機の生徒名簿が表示された。
(ホント便利な能力な事で・・・)
公衆電話もネットに繋がっている。
それを手持ちのPDA端末と繋げて情報を見ているのだ。
とは言え、公共の場にあるものにはいろいろな面を考えてセキュリティが設定されているため、見られる情報には限界がある。
生徒名簿なんてもっての外である。
しかし、美琴の能力を用いてそのセキュリティの壁を突破した上でハッキングしたのである。
結果生徒名簿を閲覧出来ている訳である。
先程の少女が何者か調べるためにハッキングをしたのだろう。
結弦もそういった行動に出るだろうと予想したため、追いかけてきた来たのだ。
因みに結弦は美琴のPDA端末を覗き見ている。
と言っても後ろから覗いている訳ではない。
能力を用いてPDA端末の画面から発せられている光を屈折させて目の前に投影させた上で、周りからは見えないようにしているのだ。
((いた!))
そうして、二人で端末の名簿から件の少女を見つけた。
(
PDA端末上の情報を頭の中で復唱する。
「樋口製薬・第七薬学研究センター。ここで私のDNAマップを使った研究を・・・?」
(そういう事なのかな)
美琴は少しの考えた後・・・
「よし!ここに直接乗り込んで確かめてやるわ!」
(まぁ、御坂さんならそうなるか)
結弦は事が進むに連れ、ある疑問が大きくなってきていた。
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美琴(及び結弦)は夜の樋口製薬・第七薬学研究センターに来ていた。
あの後美琴は通っている常盤台中学の制服だった事からもしもの時に足が付きにくくなるように服を新しく購入し、ホテル(コインロッカー代わりに使用)で着替えを済まして現在に至る。
入口の守衛を点けていた小型テレビに影響を与え、気を引いた上で侵入していた。
(御坂さんといると、問題らしい問題はクリアされるな)
ある程度侵入した段階で施設内の情報収集をしていた。
しかし、どうやって侵入したか。
美琴は能力を用いれば機械的要素は無効化されるため、問題無い。
では、結弦はどうか・・・
実は結弦も見つからずに潜入という面において割と向いている能力と言える。
この研究所の警備は防犯カメラ、赤外線センサー、電子錠とガードマン等における人目の四つであった。
防犯カメラは言わずもがなであり、赤外線センサーに関しては本質が光である以上は比較的どうとでもなる。
そして、ガードマンは防犯カメラと同様である。
唯一の問題が電子錠であるが、美琴に付いて行動しているため、その問題が解決されている。
詰まる所この場面においては美琴以上に侵入に向いていた。
「おかしいわね。それらしい研究部署がない?・・・いや」
美琴(と結弦)は自身の端末に施設の見取り図を表示させていた。
(電源はあるのにLANが配線されていない隔離区画がある)
(あからさまに怪しいな)
美琴も方針が固まったのか、PDA端末から刺していたコンセントを勢い良く抜き行動しようとした時・・・
「誰だ!」
((!?))
見回っていたガードマンだった。
「・・・気のせいか?音が聞こえた気がしたんだが・・」
(さっきのコードの音かな。潜入してる立場を考えると不用心だったな。多分自分は見つからないけど、御坂さんが見つかると必然的に撤退だろうし・・・最悪御坂さんなら気絶させそうだけど、侵入の痕跡が残ると後に厄介事に発展しかねないか・・・どうにかして欲しいけど・・・)
結弦が手を貸す事も可能だが、この状況だとおそらく美琴に存在がばれる可能性が高い。
それはあまり望ましくない。
とそこで美琴が何か気づいた。
結弦は何かと思い視線の先に目を向けると・・・
「何だ。警備ロボか」
機械的音と共に施設内警備ロボがガードマンの前に姿を現していた。
美琴がとっさにガードマンから姿を隠し、どうしようかと考えている際に目線の先で発見した警備ロボを能力を用いて操ったのだ。
ガードマンも納得したようであり、ここから先は見回りを省いてしまおうと言っており、二人して安堵している時だっだ。
ブーと大きな音をたてて警報ベルが鳴り始めた。
(!?御坂さんはもちろん自分も反応しないはず。何かミスした?いや、他に侵入者がいる?それなら逆にチャンスだけど・・・)
二人のどちらかが何かミスをした可能性の零ではないが、その可能性は極めて低いと見ている。
ならば、他の侵入者にしても何にしても他の事に気を取られているなら逆にチャンスである。
美琴も同じ結論に至ったようであり、ガードマンを上手く振り切り奥へと進んでいったため、結弦もそれについて行った。
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「ここね」
ガードマンを一度振り切ってからは特に問題なく隔離区画の部屋にやって来た。
「・・・」
美琴は一瞬躊躇ったようであったが、意を決して扉を開けたその先には・・・
「ここが・・・」
(ここで何かの実験を・・・)
辺りを見渡していると・・・
(あれは・・・)
「培養器?人間が入るサイズの培養器・・・」
二人にとある可能性が頭に浮かぶ。
「・・・」
美琴は部屋にある機会に目を向ける。
あの機械には実験のデータが残っている可能性がある。
美琴は恐る恐る機械に手を伸ばす。
そして、機械には求めていた情報が残っており、以下のように記されていた。
本計画は
その計画の素体は以前DNAマップの登録させる事に成功している御坂美琴である。
実験体に要する時間を短縮するため、投薬及び布束砥信の監修を得て
『妹達』を量産する準備は理論上は整ったため、成果の確認後量産体制を整える予定であった。
しかし、計画の最終段階で
『妹達』の性能は素体と比べ一%にも満たないと判明。
遺伝子操作・後天的教育を問わずクローン体から超能力者を発生させる事は不可能。
以上の事から本計画は損害を最小限に抑えるため、研究の即時停止を命令の上、永久凍結とする。
美琴はこの報告を見て力が抜けてしまったのかへたり込んでしまう。
「ははは・・・何よ。やっぱ私のクローンなんていないんじゃない」
一息つき落ち付いたのかゆっくり立ち上がり機械の電源を落とす。
「まぁ、思うところはあるけど、過ぎた事を言っても仕方ないか」
美琴は一先ずは納得いたようであったが、結弦はとある感想を抱いていた。
いや、疑問が確信に変わっていた。
(おかしい。
結弦は『観測者』として学園都市の裏事情の一端を垣間見ていた。
当然全ての情報を開示された訳ではないだろう。
本当の闇の部分は見せられていないだろうとは考えている。
しかしそれでも一端は見ているのだ。
その中には最初に開示された
そこまでの情報は開示されていたにも関わらず、結弦はこの計画を知らなかったのである。
たまたま見過ごした可能性もなくはないかもしれない。
しかし、ここまで大きな計画を見落とすような事は流石に気を付けている。
それなのに
人間のクローン自体は確かに非道徳的な上にそもそも違法である。
見過ごせる事ではないが、凍結された計画ならわざわざ隠すような事ではないのではないか。
それなのに隠されていたのだ。
だとすれば考えられる可能性があるとすれば・・・
(これだけで終わりじゃない・・・?)
しかし、仮にそうだとすれば何故今情報が開示されたのか。
情報操作をしているのはアレイスターだ。
偶然ここで知ってしまったなんて事は有り得ないだろう。
ならば、このタイミングで情報を知ったのは偶然ではないだろう。
(今回は依頼がない・・・か・・・)
現状の改めて考え直し思わずため息が出てしまっていた。
「寮監に門限破りがバレない内に帰ろう」
美琴がさっさと部屋を出て行き脱出を始めているのを見て、それについていこうとした時・・・
「こっちだ」
美琴が進んだ反対側から声が聞こえた。
おそらくはガードマンだろうが、警備は省略したのではなかったか。
そもそもガードマンは「こっちだ」と言ったのだ。
(新人案内?それとも・・・)
結弦は思わず足を止めガードマンを待っていた。
そして、姿が見えたガードマンと一緒にいた人物が目に入り思わず息を飲んだ。
そこには反対側に走っていったはずの
☆原作改変☆
・学習装置について・・・原作等ではこのタイミングでは洗脳装置と書かれてますがなんとなく揃えたかったため学習装置にしてます。
♦本編補足♦
・風紀委員及び黒子の所属について・・・実は風紀委員って最初期と比べて大幅に設定が変更(おそらく外伝がきっかけだと思います)されている設定ですが、今の設定側を採用していているため、一つの支部に複数の学校の風紀委員がいる体制です。
なので第一話で触れていますが黒子は一七七支部所属になってます。
◎独自設定◎
・支部長について・・・支部がある以上支部長っていて良いと思ったので、独自設定で追加しています。
なので一七七支部にも追加で支部長が存在します。
その内触れますが、一七七支部の支部長は完全なオリキャラではありません。
・古鉄剛について・・・オリキャラその一(結弦を入れればその二ですね)
結弦がオリジナルの学校に通ってる以上は親しい友人くらいいるべきなので、そういった意味もあり登場です。
因みに話によっては今後もちょくちょく出てくる予定です。
・オリキャラについて・・・今回一人出ましたが、今後まだ何人か出ます。
古鉄の支部の支部長もその一人ですね。
さてこの妹達編ですが、読んで貰ったら分かると思いますが、超電磁砲側にも触れますので、今まで以上に長くなると思いますので、ご理解頂けると幸いです。
今回少し殴り書きと言ったら語弊があるかもですが、最後の方はささっと書いたので、誤字脱字が特に多いかもしれませんが、いつも通り読み返して直していきますのでよろしくお願い致します。
今回の支部長設定等があり、タグに独自設定を追加しています。
一応これで予定していた基本タグは全てのはずです。
後はもし無事続けられた場合に旧約編完的なタグの追加はするかもですが・・・
最後になりましたが、自分の文才の無さもあり思いのほか長くなり、その影響で遅くなってしまい申し訳ありません。