世界を紡ぐために   作:しまらくだ

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原作本編『禁書目録編』突入です。


禁書目録編(とある魔術の禁書目録)
序章


学園都市はその名の通り、学生の街である。

その学生の大きな特徴の一つと言えば、長期休みだろう。

そして、本日は七月十九日である。

終業式を終え、明日から夏休みということで、夜遅い時間にも関わらず、多くの学生が街をうろついていた。

 

結弦もそんな夜の街を出歩いていた。

しかし、ただ羽目を外しているのではなく、明確な目的地に向かっていたのだが・・・

 

「うう、不幸だーっ!」

「おるぁ!!ちくしょうこのクソガキ止まれやこの逃げ足王!!」

 

「?」

 

階段を登りきった所で声が聞こえた一人の少年と多くの不良らしき大人数が追っている集団が通り過ぎていった。

 

(あれは流石に詳しい事情はわからないな)

 

目の前の光景を見届け、とりあえず止めには入った方が良いかと結論に至り、追いかけようとしたのだが・・・

 

(なんだろ、デジャヴを感じるな・・・あれ?)

 

もう一人、制服を来た少女が通り過ぎていった。

 

「アンニャロ、もうちょっとだったのに!」

「あの人は御坂美琴(みさかみこと)さん?」

 

御坂美琴(みさかみこと)

学園都市で行われている超能力開発において、()()最上位に位置し、七人しか存在しない超能力者(レベル5)の一人、その第三位にして最強の【電撃使い(エレクトロマスター)】であり、『超電磁砲(レールガン)』の通り名まで冠する少女である。

 

学園都市において、超能力者自体は有名人である。

しかし、()()()()()その顔や詳しい素性までは出回っていない。

そのはずが、結弦は美琴を知っていた。

その理由は『観測者』としての仕事の関係である。

結弦が『観測者』になって以降、今までは全てが学園都市内部での諜報活動を依頼されていた。

その中で、能力者や学園都市の闇の一端の情報を得ていた。

あまり知りすぎるのはプライバシー上よろしくないとも感じてはいたが、自身の目的のためでもあるためとして行動していた。

とは言え、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ような印象は受けてはいたのだが・・

 

「ねぇ、あんなの放っておいて話の続きを・・・」

「ああ?まだいたのかアンタ」

「『幻想御手(レベルアッパー)』の入手方法とか・・・」

 

(『幻想御手』?確か今噂になってる強度(レベル)を引き上げる道具だっけ?)

 

幻想御手(レベルアッパー)

現在、学園都市において都市伝説として学生の間で噂されている代物で、使うだけ簡単に能力の強度(レベル)を上げると言われている。

 

(そんなものをどうして御坂さんが?)

 

そんなものが本当に実在しているかは別としても、彼女は超能力者(レベル5)である。

そのため、使う必要性は低いと思わざるを得ない。

 

(そういえば、最近事件が多くて風紀委員(ジャッジメント)が忙しくしてたのような、確か御坂さんは白井さんとも接点があったようなことを見た覚えがあるし、その関係かな?)

 

そんなことを考えながら追いかけていると、美琴と不良集団が止まり何か言い合っていた。

 

「パワーアップして異能力者(レベル2)になったオレタチの力・・・見せてやる!」

 

そのセリフ後、美琴は少しあきれ顔を見せ、電撃を放っていた。

 

(御坂さんは良識人みたいだし、後は大丈夫かな)

 

結弦はそう結論付け本来の目的地に向かうため、踵を返した。

 

(『幻想御手』か・・・・)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「こんな時間に呼び出しとは依頼ですか?」

「とある少年の身辺調査をお願いしたい」

「身辺調査?」

 

結弦はアレイスターに呼ばれ、『窓のないビル』に来ていた。

 

上条当麻(かみじょうとうま)、明日から二八日までの間この少年に付き、その報告をしてもらいたい」

 

そう言って、空中に一人の少年の画像が浮かび上がってきた。

 

(あれ?この人ってさっき不良に追われてた人?)

 

結弦はその画像を確認すると、先ほどここに来る途中に見かけた少年であった。

 

「不満か?」

「・・・いえ、期間まで設けられているのも初めてですが、期限が具体的なので()()()()()()()と」

()()()()()()

「何かはあるんですね」

 

アレイスターから頼まれた依頼は今までの物と比べ、少し特殊だった。

先ほども述べていた通り、期限が設けられていること及び、それが具体的な点もそうだが、何より一個人、それも前情報もなしにその人の今後の報告を依頼されることは初なのである。

 

(いよいよここからが本番かな?)

 

アレイスターが自分に『観測者』の話を持ち掛けたのには、何か目的がある。

まずは結弦自身のためにもそれを知る必要がある。

しかし、今までは寧ろ結弦のための依頼のような感じがしていた。

そんな時にこの依頼である。

 

「何、()()()()()()()()大きな価値がある情報が得られるだろう」

「・・・そうなんですね」

 

先ほどのアレイスターの発言からも今回の依頼は断る理由はない。

そう考え、答えようとしたのだが、もう一つ今までと異なる条件を出された。

 

「それと、今回の別途報酬は先払いにさせてもらう」

「先払い?」

「ああ、()()()()()をそちらの家で送っている」

()()()()()?」

「今回もだが、今後基本的にはそれを持ち歩くようにすることだ」

「それ自体は構いませんが、断った場合は?」

「断った場合でも、次の報酬として渡しておく」

「・・・・・」

「警戒しなくても良い、今後持っていて損はないだろう」

「分かりました、受け取っておきます」

 

いろいろと信用しきれない部分はあるが、警戒し過ぎても先に進まない。

そのため、この場は受け取って置くこととした。

 

「それで、返答は?」

「一つ質問があります」

「なんだ?」

「内容を聞く限り、要は期間の間、対象の動向を確認の上で報告するってことですよね?」

「ああ、そうだ」

「ずっとではないですよね?」

 

一日二日程度なら、結弦一人でも張り付いておくことも可能だろう。

しかし、設けられた期間は九日間のあるのだ。

それほどの間、特定の人物に一人で張り付いておくのは、あまり現実的ではない。

 

「無論だ、最低限依頼したいタイミングはこちらで指示する。後はそちらのタイミングで好きに行ってもらって構わない」

 

アレイスターから提示された条件は妥協点としては順当な物だと分かり、結弦安心していた。

この条件であれば、万が一期間中に何か起こったとしても、指定されたタイミングでなければ、()()()()()が許されるからだ。

 

「返答を聞こうか」

「依頼をお受けします」

「そうか、では、上条当麻に関する基本データも後ほどすぐに渡そう」

「分かりました、宜しくお願いします」

 

そう言い、結弦はその場を後にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

依頼を受けた後真っ直ぐ帰宅すると、家の郵便受けに小さな小包が届いていた。

 

「これか」

 

先ほどアレイスターが言っていた先払い品なのだろうと判断し手に持って家に入った。

 

「ふ~、なんか疲れた」

 

今までも何回か依頼は受けてきていたが、今回の依頼は持つ意味が異なる、そう感じたからかいつも以上に疲れを感じていた。

 

「さて、本当に吉が出るといいけど」

 

一息ついてから報酬に手を付け、小包を開けていた。

 

「なんだこれ?天然樹脂?」

 

小包の中に入っていたものはサイコロ程の大きさをした天然樹脂だった。

 

(何に使うかは分からないけど、少なくとも今回の依頼の間は身に付けておくように言われたし、とりあえず持ち歩くようにしないとな)

 

そう結論付けた結弦であったが、この天然樹脂が自身にとって本当に重要な意味を持ち、そして、()()()()()()()に通ずる物とはこの時はまだ知る由もない。

 

(いよいよそちらの思惑を見せてもらいましょうか、クロウリーさん)

 

 




読んで頂いたら分かると思いますが、超電磁砲要素も含んで展開させて頂きます。

しかし、オリジナルより原作の方が難しい、原作の展開は理解出来る(今回はあまりありませんが)上で、SS用に簡略化する技術が圧倒的に足りないですね、申し訳ありません。

一応4~5話のつもりですが、伏線張ってたら思いのほか進まなかったorz

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