ボクラ色に染め上げて   作:リッティー

2 / 10
バトルって難しい。
でも、楽しいですよね。


2.はじめてのナワバリバトル

イカスツリー。

ハイカラシティのど真ん中に屹立する、電波塔みたいな施設だ。

その中へと、自動ドアを通って入る。

目の前には受付。

そこで「プレイヤーパスカード」を通してナワバトやガチ、プラべそれぞれのロビーに行くようだ。

あたし・フェルと妹のシェリィは、パスカード作成から始まる。

思ったよりも簡単でびっくりした、プレイヤー登録。

名前書いてカードを受け取るだけ。

ガバガバじゃない、この認証、と思ったら、カード下にバーコードがびっしり。

納得。バーコードセキュリティだったということだ。

 

初ナワバトはハコフグ倉庫。

ライちゃん、タクト、シェリィとは、同じチーム。

アヤちゃん、ダイ君とは、違うチーム。

相手チームにはチャージャーが一人、スピナーが一人。

スプチャとバレルスピナー。

「相手はトルネード三人!タクトくん、チャージャー仕留めて」

「「わかるの!?」」

あ。

あたしらランク1なの忘れてた。

てかリアル知識通用するんだ。

と、ギアチェックをしていく。

やばくね!?

問題のチャージャーさん、スペシャル増加量アップギアガン積みなんですけど!!

ボムラッシュが怖いいいいいいい

「何怖がってんのか知らんが、とりあえずお前ら塗っとけ!バリアたまったら前線来い!それまでは、ライちゃん、頼む!俺も行く」

ライちゃん一人に前線を任せるのかと思ったが、タクト自身も前に出るようだ。

相手チャージャーを仕留め、中央で陣取るつもりらしい。

表情もろバレだったのかなあ、ライちゃん笑ってるし。

そして、あることに気付き、隣のシェリィに声を掛ける。

「つーかシェリィ、これ、相性悪くない?わかばにとって」

「あ」

バレルスピナーもダイナモテスラもスプラチャージャーも遠距離型。

アヤちゃんは基本的に塗り専のようだから、早々に前線には来ない、ということは。

ガンガンいかねばならない、ということ。

よし。二人分の塗り力で早々に中央へ、これしかない。

そして、開戦の号砲が鳴った。

 

あたしは右へ、シェリィは左へ。

タクト・ライ組は前へ。

ってかライちゃん、速い!

塗りながらピンと来ていた。

スタートダッシュギア。

ライちゃんの帽子、あれはボーダービーニーだったのだ。

わかばの射撃の手ごたえを感じる。

そういや、サブウェポンってどう出すんだ、あと、もぐり方もあまりわかってない。

 

とりあえず、インクの中に入るイメージで、身体を縮めてみる。

で、出来たーーーーーー!

上や前が、水中から見た水の上のようだった。

びちゃびちゃと音をたてながら、インクの中を進んで行き、ちゃぽんとヒト形態に戻って、またわかばの引き金を引いて走り出した。

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------

side:タクト

ナワバリバトルの経過時間30秒。

ライちゃんの高速機動(スタートダッシュ)が切れた。

そして、相手のチャージャー使い……レヴィンが()()いつもの狩場・自陣高台に上っている。

しかし。

遅かったな、レヴィン!

もうこっちのチャージは終わってる。

「いけ」

引き金を引く。

ドゴン、と重低音が響く。

レヴィンがインクをまき散らして倒れた。

 

 

経過時間45秒時点で、自身が取ったキルは3。

レヴィンは2回も俺にキルされてるからなあ、逆上するのかなあ、きっと。

ライちゃんが相手方の方へとステップを踏むのを見ながら、俺は索敵を開始した。

うん、いない。

高台にジャンプビーコンを設置して、俺は中央から敵陣へ、インクの中を泳いでいった。

 

少し相手の復帰(リスポーン)地点に近づいたところで、構えずにインクチャージを開始する。

裏どりしているならまだしも、1回相手方の全員がキルされていたので、アヤやダイも復帰(リスポーン)地点に戻っているのだろう。

でも、レヴィンやダイの動きがおかしい。

まるで、バレルスピナーの子に、催促しているような……?

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------

side:レヴィン

やべえ、ベリーの動きがおかしい!?

試合開始30秒ごろから、ずっと動いてない。

「おい、ベリー、大丈夫か!?」

ダイも一緒になって、ベリーをゆさゆさしたりしている。

でも、反応ナシ。

やべえんじゃねえか、これ?

 

 

残り2分。

ベリーが再起した。

でも、動きが何だかぎこちない。

ベリーの再起に合わせて、俺やダイも動き出す。

心配だから俺はベリーについていくけど。

そして、狩場にもなる小高い場所に着いた。

タクトが気になるけど、隣同士、チャージ開始。

そして、俺は狙いを付ける。

あの初心者わかば……いけそう。

引き金を引いた。

はじかれる感覚を覚えた。

 

----------------------------------------------------------------------------------------

side:フェル

あっっぶなーーーーい!

チャージャーにぶち抜かれるとこだった!

初めてのバリア、取っといて良かった。

さっきあたしに狙いをつけてきたスプチャ使いの彼に目をやる。

そして、隣のバレルのガールにも目を向けて前進しようとしたところで……

彼女が煙と消えた。

「え?」

「ゑ?」

その場にいなかったアヤちゃんを除く、全員の時が止まった。

 

 

回線落ち、と呼ばれる現象がある。

ネットゲーム特有の現象で、機器同士の接続が不安定な時に起こるのだとか。

例えばスプラトゥーン。

本来は4対4。

だが、この現象が起こると、3対4になったりする。

要するに超不利になるってわけ。

こっちでは、『煙幕』と呼ばれている。

煙幕にかかったイカは、ロビーに送られるのだとか……

っていうのは、試合後にライやダイから聞いた話。

その時は知らなかったから、つい、こう呟いていた。

「落ちた……」

と。

 

 

ボムの出し方もなんとなくだが分かっていた。

だが、何も出来なかった。

わかばの引き金さえも、引く気になれなかった。

相手は、こちらより不利なのだから。

 

死の瞬間は一瞬だった。

死因はもちろん、バリア切れ直後のチャージャー直撃だった。

 

一瞬、バトル会場全部が見渡せたかと思うと、復帰(リスポーン)地点に立っていた。8秒しっかりかかっていた。

 

次の試みはスーパージャンプ。

左腕についているイカ型のスマホみたいなものに、マップと味方の情報、あとタクトやライちゃんが置いたビーコンのマーク。

相手にビーコン使いはいないので、こちらのネイビーブルーのビーコンマークしかない。さらに、敵陣復帰(リスポーン)地点の近くが一部ネイビーブルーに染まっている。扇形に広がる塗り跡はライちゃん、直線的かつ先頭にボムみたいなあとがあるのがタクト。横からチャージャーに抜かれたのか、タクトのいた所にバツマークが付いていた。

相手カラーのビビットオレンジは、なかなか広がりを見せない。

あたしは、高台の上のビーコンマークに、指先で触れた。

イカに変化し、インクを飛ばしつつ大ジャンプ。

ビーコンを破壊しながら、着地した。

 

----------------------------------------------------------------------------------------

side:アヤ

ダイくんを盾にして(ゴメン、ダイくん)、激戦区を何とか抜けた。

あたしは、左から攻める、という作戦を敢行した。

高台にスプリンクラーを投げ置き、金網から降りて、塗って塗って塗りまくる。

これが、あたしの戦い方。

塗りまくる。

だってナワバトだ。塗らないと勝てない。

積極的にキルを取りに行くのも一つの戦法なのだけれど、塗ることだって重要だ。

だからこその赤ザップ。

スプリンクラー・トルネードという、塗り特化のブキ構成。

オマケに、今のギアは、逆境強化とスペシャル増加量アップ……要するにトルネード撃ちまくりギア。

直ぐに溜まるスペシャルゲージ。

即刻、トルネードを発動した。

中央高台のビーコンを、もう一度破壊する。

マップのログには、『タクトを倒した!』の文字が。

どうやらビーコンを置いた直後で、身動きが取れなかったタクトくんにトルネードが直撃したみたい。

ゴメンね、タクトくん。

「反撃開始だーー!!」

レヴィンくんの声が聞こえる。

ライちゃん、タクトくん、シェリィちゃんの3人が復帰待ち。

ベリーちゃんがいないとはいえ、一時的でも有利な状況に持っていけている。

カラン、カラカランという軽快な音は、レヴィンくんのスプラッシュボム、それのラッシュだ。

そして、残るは30秒。

ダイくんの本領発揮。

ラストスパートだ。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------

side:フェル

結局、試合には勝てた。

けど、勝負には負けた気分だ。

一人居なくなったにも関わらず、ナワバリの差はわずか3%だったからだ。

理由も分かってる。

レヴィン、と呼ばれていたチャージャー使いのボムラッシュに加えて、アヤちゃんとダイくんがバトル終了間際にトルネードを放ったから。

ロビーにでかでかと表示されるリザルト画面の、バレルスピナーの所に書かれている塗りポイントは、0。

でも、落ちてなかったらなかったで、乱戦になってたのかな、と、結果を見ながら考えた。

 

その日は、それから2時間程ナワバリバトルをしていた。

初対戦のメンバー全員とフレンドコードを交換し、楽しくバトルを出来たと思う。

 

 




初っ端から煙幕というアクシデントに遭ったフェル&シェリィ、ご愁傷様。
でもいちばん不遇なのはベリーちゃんである。
そして、作者自身がチャージャーポジションを分かってないので、これでいいのかな、とちょっと不安になります。
とりあえずハイカスの時によく使う場所にタクトくんとレヴィンくんを配置しました。
スペ増逆境赤ザップはよくやります。
そしてチャージャーに変えるとクソエイムっぷりが出ます。
チャージャー使い憧れですので、過大評価気味かも。
そして次回はレヴィン&ベリーの事情とチームの拠点の話になる予定。
テストなので再来週になるかも、イカ、よろしくー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。