ボクラ色に染め上げて   作:リッティー

8 / 10
7.邂逅 世界を超えて 後編

side:Σ/悠人

 

マッチングリストは、ほぼ一瞬で一杯になった。

フェルとシェリィのランクは、いつもよりも少ない。

っつーか一桁。「ゑっ」ってつい言ってしまった。

後のメンバーは、「Lovie」こと愛奈と、

「アヤ」、「ダイ」、「ルナ」、「フタバ」だ。

どんなブキで来るんだろうかとワクワクしていた。

この3分間が、衝撃の3分間になるとも知らずに。

 

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うわっ、全コンビ別れた!

と、フェル/優香は思った。

フェルと同じチームなのは、ルナ、ダイくん、シグマ。

相手は、シェリィ、フタバ、アヤちゃん、ラヴィー。

コンビというのは、フェル&シェリィの姉妹コンビ、ルナ&フタバのフレンドコンビ(合流回数最多とは本人談だ)、ダイくん&アヤちゃんのカラーパルスコンビ、シグマ&ラヴィーの花野町コンビ。

真反対の回転台を見据える妹も、同じことを考えて居るだろう。

今回のバトルステージは、キンメダイ美術館だ。

 

 

キンメダイ美術館。

「回転台」というギミックを備えた、どちらかというと新しめのステージだ。

この、「回転台」をイカにして上手く使うか、が大事になる。

今回持ってきたのは、わかばではない。

赤ザップことN-ZAP89。

有り体に言えばアヤちゃんと同じブキだ。

 

そこからは、怒涛の如く思考と指示が溢れ出す。

スプリンクラーの置き場所は、考えどころだ。

それとトルネードの着地点も。

ルナとシェリィは同じサブスペ、つまりスプラッシュボムとラッシュ。

ダイくんは言わずもがなダイナモテスラ。

ラヴィーは……まさかのバケツ。クイックボムとメインのコンボに注意。スペシャルはトルネード。

シグマは、スペシャル回転率重視のバレルスピナーリミックス、通称バレリミ。スプリンクラー置き場は、彼とは似ない方が良い。

フタバはデュアルスイーパーカスタム、ビーコンとメガホン。

シグマもメガホン持ち。ビーコンは優先的に破壊すること。シェリィのチャージャーの射程に注意……

ということを、試合開始前30秒で確認。

 

30秒。

長いようで短い、試合開始前の待機時間。

『あっち』では対面が合計10秒ぐらいだから、それよりましだが。

 

Ready……

 

GO!!

 

 

開戦の号砲が鳴り響いた。

「シグマに合わせて!ダイくん高台で牽制!ルナ、あたしと突撃!」

「フタバ、ビーコン置きまくって。ラヴィーは……まあいいや。アヤちゃん塗りまくって、トルネード大事。キルはあたしが取る。」

 

 

指示役はフェル/優香とシェリィ/真紀。

フタバもルナも、初戦で二人の実力を痛いほどわかっていたため、素直に指示に従う。

「突撃!ボムラーーーーーッシュ!!!」

カラカラカラン、とボムの転がる音が鳴る。

ルナだ。

「避ける……ってシグマ!?」

ダイがトルネードの着地マーカーを見て潜伏、回避行動を取る。シグマはおもむろにメガホンレーザーを取り出す。

(合わせろってのはそういうことか、アイツマイペース過ぎだろ)

ジト目でマップを取り出し相手側にトルネードを叩き込むダイ。

その直後、大音響が響き渡る。シグマのメガホンレーザーだ。

ばちゅん、と相手の高台でインクが飛んだ。

シェリィだった。

(うわっ、自分犠牲にしてシェリィと痛み分けかよ、ナイスすぎ!)

その隙にフェルが敵陣に侵入していた。

 

 

悠人は、驚愕していた。

(なんだよあの動き)

その理由は単純。

画面内に映るフェルが、本来ならば両手持ちのシューターを片手で持ち、真左にいたラヴィーを撃ち抜いたからだ。他にも、ダイがバク宙スーパージャンプでフタバをキルしてたり、アヤが壁ジャンプしてたり。

ラグかと思うが処理速度は全く落ちてない。

つまり……

 

 

ここのテレビを通じて、ガチにハイカラシティと繫がっちゃったとか……

 

 

あまりよくない想像をしてしまった。

戦局が、拮抗し始めていた。

 

 

 

 

 

スペシャルが応酬し出す。

塗りでは差は付かないが、メガホンレーザーやボムラッシュが移動を妨げ、そこにトルネードを撃ち込んでいく。

地道な攻防の末、ついに牽制役のシェリィが負けた。

トルネード内からの奇襲。

フェルだった。

しかし同時に、ダイとシグマがやられていた。

射程で優位に立つフタバがフェルに攻撃を重ねるが、そこに転がるボムに気づけない。

ルナだ。

フェルがリスキルに走りだし、ラヴィーも敵陣へと走る。

そうして。

混ざり合い、混沌とした戦場に、笛の音が鳴った。

 

 

3分間が、終わった。

 

 

直後、四つの竜巻が、美術館を揺らした。

 

 

 

 

 

 

「勝った!」

と、フェル。

 

 

 

 

「負けたー……」

と、シェリィ。

 

 

 

差は、たったの0.1%だった。

 

 

 

 

 

シグマとラヴィーが物言わずロビーに出たのに合わせて、全員が第一ロビーへと向かった。

手を振る2人に、またねー、と返して、

6人はそのまま、ロビーで語り続けていた。

 

 

 

 

やがて、タクトとライがやって来る。

 

「ただいま、Sに上がったよ」

タクトからの、嬉しい報告。

 

「おめでとう!」

 

全員が祝福した。

 

 

 

そんな中、フェルとシェリィは、一つの決意を固めていた。

 

 

 

 

全てを語る決意を。

 




何か急転直下ですいません……
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