ボクラ色に染め上げて   作:リッティー

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8.フェルとシェリィ

リバリーアパート、22号室。

「んで、話って何だ?」

 

 

フェルが「拠点で話したいことがある」と言ったため、ここに移動し、タクトが、その一言を絞り出した。

 

 

「簡潔に言う。

あたし達は、()()()()()()()()()()()。」

 

 

「は?この世界?どーゆーことだそりゃあ」

 

疑問を投げかけたのはダイだった。

 

「ダイくん、考えたことなかったの!?『もし海面上昇がなかったら』って!そしたらあたし達たぶん居ないよ!?」

 

 

アヤの発言でライとタクト、ダイも分かったようだ。

 

 

 

並行世界(パラレルワールド)

 

 

 

「世界は選択により無数に分かれる」という理論がある。

そうして新たな世界として発展したいくつかの場所へと、花野町は繋がっている。

そして昨日、新たにハイカラシティへと繋がった。

しかしフェル/優香とシェリィ/真紀は中学生。

「学校」という名の事情により、彼女たちは帰るべき場所へと帰らねばならない。

そういう事もあって、二人は「時空の歪み」とも呼ぶべき場所を探していたのだ。

 

全ては、故郷へと帰る為に。

 

 

2時間後、夜九時。

それは、ハイカラシティ裏路地のシャッター店舗近くで見つかった。

そして、その時が、別れの時だ。

 

 

「また来てくれる?」

 

 

アヤが聞いてきた。

 

 

「うん、来れるなら。」

 

フェルは応えた。

 

 

 

裏路地のシャッター店舗で、フェルとシェリィは渦に吸い込まれるようにして、消えていった。

 

 

「またね」

 

 

カラーパルスの面々は、手を振って別れを惜しんだ。

 

 

 

 

 

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side:ライ

 

 

「行っちゃったね、フェルとシェリィ」

「そだな」

「あ"ーー寂しい!会えるって分かってても離れたくない!」

「だよなーーー、あーーー、あの二人の本気見たかった、特にフェル」

 

上から、あたし、ダイくん、アヤちゃん、タクト。

リバリーアパートへの帰り道のことだ。

また会えると分かっていても、こうして引き離されるのは、やっぱり嫌だった。

 

だから、翌朝、早めに起きたあたし達は、大急ぎで裏路地の、シャッター店舗へと行った。

 

フェル。シェリィ。待ってて。

 

 

すぐ行くから。

 

あたし達は。

 

 

だから____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからの記憶は十分くらい曖昧だった。

 

 

 

 

「大丈夫か?」

 

 

 

 

声が、聞こえた。

 

 

 

 

 

男の子。

声変わり中らしい声。

こちらに、少し頼もしい手が差し出される。

握り返して、重大なことに気づいた。

 

 

 

 

 

 

朝ごはん、食べてない。

 

 

 

 

 

あたしは、固まった。

お腹の音を鳴らしながら。

 

 

 




ライちゃんが目覚めたのはどこなのか、声の主は誰なのか……
それはまた来週。
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