リバリーアパート、22号室。
「んで、話って何だ?」
フェルが「拠点で話したいことがある」と言ったため、ここに移動し、タクトが、その一言を絞り出した。
「簡潔に言う。
あたし達は、
「は?この世界?どーゆーことだそりゃあ」
疑問を投げかけたのはダイだった。
「ダイくん、考えたことなかったの!?『もし海面上昇がなかったら』って!そしたらあたし達たぶん居ないよ!?」
アヤの発言でライとタクト、ダイも分かったようだ。
「世界は選択により無数に分かれる」という理論がある。
そうして新たな世界として発展したいくつかの場所へと、花野町は繋がっている。
そして昨日、新たにハイカラシティへと繋がった。
しかしフェル/優香とシェリィ/真紀は中学生。
「学校」という名の事情により、彼女たちは帰るべき場所へと帰らねばならない。
そういう事もあって、二人は「時空の歪み」とも呼ぶべき場所を探していたのだ。
全ては、故郷へと帰る為に。
2時間後、夜九時。
それは、ハイカラシティ裏路地のシャッター店舗近くで見つかった。
そして、その時が、別れの時だ。
「また来てくれる?」
アヤが聞いてきた。
「うん、来れるなら。」
フェルは応えた。
裏路地のシャッター店舗で、フェルとシェリィは渦に吸い込まれるようにして、消えていった。
「またね」
カラーパルスの面々は、手を振って別れを惜しんだ。
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side:ライ
「行っちゃったね、フェルとシェリィ」
「そだな」
「あ"ーー寂しい!会えるって分かってても離れたくない!」
「だよなーーー、あーーー、あの二人の本気見たかった、特にフェル」
上から、あたし、ダイくん、アヤちゃん、タクト。
リバリーアパートへの帰り道のことだ。
また会えると分かっていても、こうして引き離されるのは、やっぱり嫌だった。
だから、翌朝、早めに起きたあたし達は、大急ぎで裏路地の、シャッター店舗へと行った。
フェル。シェリィ。待ってて。
すぐ行くから。
あたし達は。
だから____
そこからの記憶は十分くらい曖昧だった。
「大丈夫か?」
声が、聞こえた。
男の子。
声変わり中らしい声。
こちらに、少し頼もしい手が差し出される。
握り返して、重大なことに気づいた。
朝ごはん、食べてない。
あたしは、固まった。
お腹の音を鳴らしながら。
ライちゃんが目覚めたのはどこなのか、声の主は誰なのか……
それはまた来週。